最果テルーティン – 萩山百花・ロングインタビュー | その原点から名曲誕生秘話まで

最果テルーティン – 萩山百花・ロングインタビュー | その原点から名曲誕生秘話まで

最新音源集『音楽家になりたかった』について

—— 5月27日に発売された音源集『音楽家になりたかった』がリリースされました。作品に込めた想いなどを教えてください。

萩山:(昨年10月に)リリックビデオを始めた時は「メンバー3人が作曲家だから、毎月1曲リリックビデオを出せるよね」っていうのが最初のコンセプトだったんですよ。だから10ヶ月連続リリースする目標を掲げたけど、その時に言ってたことは出来なくて…。



—— 「メンバー3人が作曲家」という体制が崩れてしまいましたね。

萩山:わたし以外の二人はやっぱり作曲家になりたいとか、将来のことについて考えて、そういうこと(バンド脱退)を言ったんだと思います。それに対しては何も(悪いことは)思ってないですけど、二人が辞めた後に「わたしは作曲家になりたいのかな?」ってすごい考えて…。



— 自分の将来を見つめ直した時、そこに作曲家という選択肢が見えなかった?

萩山:19歳の時に作曲家になりたくて大学に入ったけど、「バンドが楽しい!」ってなってた時に、他の二人は音楽家になれていると思うけど、わたしは音楽家にはなれてないなって気付いてしまって…。
曲が書けなくなった時、バンド(向けの)の曲しか書けなかったんですよ。



—— 先ほど「音楽家の定義がわからない」とおっしゃっていましたが、「自分は音楽家ではない」という感覚があったということですか?

萩山:“ALC9%”を書いた時はまだ音楽家だったと思うんです、自分の中では。
曲をこんな風にしたい、今時のポップチューンサウンドにしたい、とかすごく頭の中で構想したり、打ち込んだり出来てたものがなんか出来なくなって、バンドのことしか考えられなくなって…。



—— 萩山さんが思う“音楽家像”と実際の萩山さんに乖離が生まれてきたんですね。「自分は音楽家ではないな」と実感した瞬間などはありましたか?

萩山:“ひとりぽっち!”を作った時に、バンドサウンドの曲しか書けなくなってる自分がいて…なんか辞めていった二人と違うなっていうのをすごく感じてしまって…。でも「そのままでいい」って思ったから。「もう音楽家はいいや」って。
だから『音楽家になりたかった』って付けたんですよ。



—— なるほど。だから「なりたかった」と過去形になってるんですね。
「“ALC9%”を書いた時はまだ音楽家だった」とおっしゃっていましたが、他にも音楽家・萩山百花だった時期に書かれた曲はありますか。


萩山:“メリークリスマス!”は19歳の時に作ったので、これもそうかな。あの頃は音楽家というか、音楽に対しての思考が今と違ったと思う。
“音楽家”とか“ひとりぽっち!”とかを聴くと、他の二人との差が見えてしまったりとか、過去の自分との差を見てタイトルを付けたって感じです。

自分にとって「歌」とは…?

—— “わらって”という楽曲に「私ときどき、歌を歌うと死にたくなるの」という歌詞が出てきますが、萩山さんにとって歌とはなんでしょうか?

萩山:自分の感情を素直に出せるツールですね。
“わらって”の歌詞に対しては、まあこれも20歳の時に作ったんですけど、まだなんか周りと自分とのギャップがあって、すごい歌うことが嫌になったりとかして、それで書いたんですけど。
今はそういうマイナスな気持ちとかは実際はあんまりなくて、自分には歌しかないと思ってるので、だから人に勝てるものは歌しかないし、自分に一番自信のあるものが歌しかないし、普段自分の口から喜怒哀楽とか…嬉しいとか楽しいとかは出せるんですけど…怒るとか悲しいとか、なんか20歳を超えてくらいからあんまり人前で出せなくなったというか(笑)



—— よくわかります(笑)

萩山:歌だったら出せるんですよ。だからすごいしんどかった時にステージ上で歌いながら泣いたりしたこともあったり。
歌を歌ったらすごく自分の感情を…悲しいこととか辛いこととかも吐き出せる気がして、それでまた強くなれるなって思うので、自分にとって絶対に無くてはならないものが歌ですね。
だから喉とか(を壊して)もし歌えなくなったりとかしたら、「もう生きてる意味ない」と思っちゃうと思います(笑) なんかそういうものですね。



—— 音源集を出したばかりですが、今後の予定があれば、是非この場で告知をお願いします。

萩山:リリースはちょっとまだ未定なんですけど、それに向けて着々と準備をしてるので楽しみにしていただけたらなって思います。



—— ライヴ予定はどうでしょう?

萩山:6月7日に梅田Zeelでやります! 東京では6月19日・20日と連日でライヴが決まってます。19日はSHIBUYA CLUB CRAWL、20日は下北沢のサーキットイベント『華の乱-2021-』に出るので楽しみにしていてください。
7月の告知もいいですか?



—— もちろんです。

萩山:7月4日に『夏福2021』という大事なライヴがあるのと、あと11日に神戸VARITでライヴがありますのでも楽しみにしていただけると嬉しいです。



—— 最後にカルチャ読者へのメッセージをお願いします!

萩山:最後まで読み進めていただいてありがとうございます。
取材を受けるのが初めてだったのでドキドキしたんですけど、読んでいただいて曲に対する見方とかも変わったと思うので、それも含めてライヴで感じ取っていただければなって思います。
また直接会えることを楽しみにしてます!ありがとうございました!



—— 本日はありがとうございました!今後のご活躍を期待しています!

最果テルーティン・ライヴ予定

最果テルーティン・ライヴ予定

  • 6月7日:梅田Zeela
  • 6月19日:SHIBUYA CLUB CRAWL
  • 6月20日:『華の乱-2021-』(下北沢・クラブサーキットイベント)
  • 7月4日:『夏福2021』(大阪・クラブサーキットイベント)
  • 7月11日:神戸VARIT

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