Absolute area【インタビュー】心のなかの絶対領域から音楽を紡ぐロックバンド

Absolute area【インタビュー】心のなかの絶対領域から音楽を紡ぐロックバンド

風格すら感じるスケール感の大きい楽曲とヴォーカル・山口諒也の抗いようのない歌声を武器に、音楽ファンからの支持を急拡大しているのが、東京発のスリーピース・ロックバンド、Absolute areaだ。

2019年発表の“遠くまで行く君に”のMVは、すでにYouTubeでの再生回数700万回を突破。コロナ禍においても新曲の発表など積極的な活動を続け、2022年5月21日には代官山SPACE ODDでのワンマン公演を見事に成功させている。

今回カルチャは、同じく5月に2曲同時リリースしたデジタルシングル「mirroring」「まだ名のない歌」も好評の彼らにインタビューを敢行。

バンドの結成から12月に予定されている“勝負の”ワンマン公演まで、たっぷりと話を聞くことができた。

Absolute area=心のなかの絶対領域

-本日はありがとうございます。カルチャ初登場ということで、みなさんの自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか?

山口 諒也:ヴォーカル&ギターの山口諒也です。

萩原 知也:ベース担当の萩原知也です。好きな食べ物は空芯菜、紅しょうが。苦手な食べ物はピーマン。得意料理は肉じゃがです。今日はよろしくお願いします。

髙橋 響:髙橋響です。パートはドラムを担当しています。

-バンド名のAbsolute areaは直訳すると、女性のスカートとニーハイの間の素足が露出する場所、いわゆる“絶対領域”のことだそうですね。Absolute areaにとっての音楽的な“絶対領域”とはなんでしょうか?

山口:誰しもが心のなかに抱える絶対に踏み込まれたくない領域です。その領域に唯一踏み込めるのは自分だけだと思っているので、曲を書くときはとにかく自分自身と向き合って歌詞を考えています。

-影響を受けた音楽についてお伺いします。山口さんはMr.Children、萩原さんはミクスチャーロック、高橋さんは洋楽のハードロックに影響を受けたとお伺いしました。音楽的嗜好は歳を重ねるごとに変わっていくものですし、今はプロのミュージシャンとしての視点がそこに加わっていると思います。昔は全然興味が無かったけれど、ちゃんと聴いてみたらすごかったというアーティストはいますか?

髙橋:星野源さんです。曲中でのリズムの展開やドラムのパターンなど以前はそこまで深く掘って聴いていなかったんですけど、最近はすごく勉強になることが沢山あると感じています。

萩原:ベースを始めたきっかけがRIZEのKenKenさんでした。聴く分にはR&B系もとても好きです。たとえばディアンジェロだったり、当時は拍とかが理解できなかったけど、歳を重ねるごとにリズムに癖のある音楽も楽しめるようになってきています。

-ディアンジェロは多くの人が口を揃えて「あのリズムはとんでもない」と絶賛していますね。山口さんはいかがですか?

山口:ミスチルのように深く深く聴き漁るアーティストはいないのですが、幅広く音楽を聴くようにはなりました。やっぱりヒットチャートに入る音楽はすごいなと思います。耳に残るメロディだったり、アレンジだったり……。今の時代はいろんなプロモーション(の仕方)があって、音楽だけが評価される時代でも無くなってきた気がしますが、音楽を聴いてみるとやっぱり時代を超えても愛されるような楽曲にはパワーがあって説得力もあるなと感じます。

-なるほど。ヒット曲には売れるだけの“何か”があるということですね。Absolute areaはメンバーの平均年齢が20代前半で、2014年結成ということを考えると非常に若いバンドですが、共感できる同世代のアーティストやバンドはいますか?

山口:同世代ですと、osageやThe Cheseraseraの音楽が好きですね。繊細な言葉選びや、クセになるメロディなど、僕が尊敬するアーティストです。

萩原:大橋ちっぽけさんです。コロナ禍に発売された『DENIM SHIRT GIRL』というアルバムの“Say NO!”という曲で知ったのですが、ポップでどこかThe 1975を彷彿とさせるサウンド感たまらないですし、アレンジもかっこよくてずっと聴いちゃいます。いつかご一緒したいです。

-おお!共演希望ですね。この記事がきっかけで共演が実現したら嬉しいです(笑) 髙橋さんはいかがでしょう?

髙橋:Cody・Lee (李)ですね。同い年というのとドラム(原汰輝)が学生時代からの仲というのもあり、彼らが活躍している姿を見て「もっと頑張らないと!」と意識することが多いです。

-Absolute areaの最大の武器はメロディの良さだと思います。そして、それを最大限に生かすアンサンブルを意識しているように感じました。しかし、単なる“歌のための伴奏”で終わるのでなく、ロックバンドの醍醐味を感じることができるサウンドになっています。楽曲のアレンジは3人でかなり議論をしますか?

山口:曲の作り方から説明すると、僕が宅録で完成させてからメンバーに提示することが多いんです。それをそのままの形で完成させることもあれば、メンバーの意見を聞きながらキメなどを変えたりすることもあります。細かいベースラインや、フィル回しは2人が良いものを提示してくれるので「あ。あざーっす!」って感じですね(笑)

萩原:基本的にはヘッドアレンジまで諒也がやって、そこから細かい所をメンバー同士で話して詰めていきます。僕としては曲の雰囲気や歌を生かすことは大前提として、ある程度は自分が曲に対して感じたものを音やフレーズで主張していきたいなという意思がありますね。結果的にそれが(Absolute areaの)サウンド感にも繋がっているのかなと思います。

髙橋:ドラムとしての目線で曲中でリズムに抑揚を付けたり、ヴォーカルの諒也のメロディーに合うリズムをいくつか提示したりして、スタジオで実際にやってみてどうするか話し合うことが多いですね。

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