ボカロを代表する名曲の1つ、「カゲロウデイズ」。
ボカロ界最大級のプロジェクトであり、10代の若者を中心に支持を集め、社会現象まで巻き起こす事となったマルチメディアプロジェクト「カゲロウプロジェクト」を代表する楽曲でもあり、本プロジェクトを人々に浸透させたきっかけの1曲ともなっています。
近年では人気ボカロリズムゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク」への収録も行われ、公開から10年の時が経てども、名曲として多くのファンから愛され続けています。
しかしなぜ、本作はここまで多くの人を魅了する楽曲となったのでしょうか。
そこで今回は、その理由を探る為にも、「カゲロウデイズ」が人気曲となるまでの経緯や魅力等について紹介していこうと思います!
長い時が経っても色褪せぬ名曲が歩んできた軌跡、人々を魅了した理由について迫ります!
目次
「カゲロウデイズ」とは
「カゲロウデイズ」とは、ボカロP じん(自然の敵P)によるオリジナルボカロ曲です。
公開日は2011年9月30日。
ニコニコ動画にて、MVの公開が行われました。
本作は、じん(自然の敵P)が行っていた企画「カゲロウプロジェクト」の3作目として公開された楽曲でした。
疾走感溢れるメロディーと、歌詞に詰め込まれた衝撃的な物語展開が印象的な物語音楽となっており、多くの人々がその独特な世界観に魅了されました。
公開直後から、楽曲が歌い上げる物語の考察を行う人々のコメントで動画内は溢れかえり、リピート再生する人々が続出。
その人気から、本作はじん(自然の敵P)初の殿堂入りを達成する楽曲となりました。
この出来事がきっかけとなり、じん(自然の敵P)はその名をボカロ界へ轟かせる事となります。
その後も、続々と本作と同じ世界感の楽曲達を公開。
さらに2012年頃からは、本格的にマルチメディアプロジェクトとしての活動を始動。
「カゲロウデイズ」を筆頭とする「カゲロウプロジェクト」の楽曲達を原作とした、小説・漫画・アニメの制作、さらにはアニメ映画の公開も行われる等、様々なメディア企画が行われていく事となります。
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「カゲロウプロジェクト」について
「カゲロウプロジェクト」は、じん(自然の敵P)が作り上げた楽曲をもとに展開されている、マルチメディアプロジェクトです。
「目」にまつわる能力をもった少年少女のひと夏を描いた物語となっており、公開されている楽曲達は、全て同世界観の舞台で作られた楽曲達となっています。
「カゲロウデイズ」等、じん(自然の敵P)楽曲発メディア展開プロジェクト始動!アルバム・ノベル・コミカライズ!http://t.co/AhEQ3L4I 公式ツイッター@mekakushidan #mekakushidan よろしくお願いいたします!
— メカクシ団 @11月26(金)から全国アニメイト・通販にてアニメイトフェア開催!! (@mekakushidan) March 29, 2012
じん(自然の敵P)いわく、第1作目の「人造エネミー」時点では、ここまで長い話になる予定はなかったとの事ですが、楽曲公開後、本格的に長い物語を作ろうと考えを改め、本プロジェクトが開始される事となりました。
そうして公開された3作目の「カゲロウデイズ」が、爆発的ヒット作へ。
本プロジェクト、そしてじん(自然の敵P)にとっても初の大ヒット作品となり、多くの人々がじん(自然の敵P)が生み出す物語に引き込まれる事となります。
以降、「カゲロウプロジェクト」は10代の若者を中心に支持を集める、大人気物語音楽シリーズへと成長を遂げます。
そして2012年、その人気の影響から、ついに小説の発売が行われる事に!
「カゲロウプロジェクト」の楽曲達を原作とした物語が展開され、それまではファンによる考察の域でしかなかった物語に明確な答えが出される事となりました。
その後、漫画やアニメといったメディア企画も開始。
それに伴い、グッズや新たなCDの発売、さらにはアニメの為に制作された新曲が公開される等、次々と様々な企画が行われていくようになります。
このような活動展開の幅広さ、そして人々からの絶大な人気が起因し、企画始動から10年経った今でも「カゲロウプロジェクト」は、ボカロ界最大のマルチメディアプロジェクトとして名を馳せ続けているのです。
「カゲロウデイズ」の魅力と成し遂げてきた偉業
驚異的な中毒性のメロディーで歌われる「ぐろやか」な歌詞
多くの人々を一気に「カゲロウプロジェクト」の世界へ引きずり込んだ、「カゲロウデイズ」。
そんな本作の魅力は、楽曲のメロディーと衝撃な展開が綴られた歌詞にあります。
バンドサウンド+エレクトロサウンドで作られた疾走感ある旋律は、思わず何度も繰り返し聴きたくなる強い中毒性が備わったものとなっています。
また同時に、どこか不穏な空気も携えており、この楽曲に込められた物語が、不穏なものである事を感じざるを得ない旋律だといえます。
そして、そんなメロディーに載せて歌われる、「カゲロウデイズ」の物語が綴られた歌詞。
本作は、「8月15日」を何度も繰り返し続ける少年少女の楽曲となっています。
「8月15日」に必ず死んでしまう少女を助けようとする少年視点のループものとなっており、楽曲の中では衝撃的な「死」の描写が何度も繰り返されていきます。
ストレートな言葉並びの歌詞の為、逆に少女が死んでしまう瞬間の光景が緻密に想像できてしまい、なんとも「ぐろい」1曲となっています。
あまりにもわかりやすく、そして穏やかな口調で少女の死ぬ瞬間が描かれる為、視聴者の間ではぐろいと穏やかを元に作られた「ぐろやか」という造語までもが生み出される次第となりました。
なお、本作に込められた物語に対して、じん(自然の敵P)は、ニコニコ動画のマイリストにて「目も眩む話。」という情報を公開しています。
「カゲロウプロジェクト」の楽曲達は、なんらかの「目」に纏わる話をテーマに制作されており、この「目も眩む話。」というのは、本作が「カゲロウプロジェクト」の1つとして与えられたテーマのようです。
この「目」がテーマである理由に関しては、後に発売された小説や漫画、放送されたアニメを通して、答えが明かされています。
ですが、楽曲が公開された当時は、そういった明確な答えは存在せず、多くの視聴者が本作に込められた物語の詳細を考察する次第となりました。
これにより、さらに多くの人がじん(自然の敵P)の描く世界観に惹き込まれる人が続出。
「カゲロウデイズ」は一気に大人気楽曲への道を駆け上がっていく事となったのです。
投稿からわずか3日で殿堂入りを達成!
驚異的な中毒性を持つメロディーとぐろやかな歌詞で、多くの人々の注目を集めた「カゲロウデイズ」は、その後じん(自然の敵P)初の殿堂入りを達成する事となります。
その達成までの期間は、なんとたったの3日!
楽曲公開当時のじん(自然の敵P)は、まだ知る人ぞ知るレベルのボカロPであった為、この速さでの殿堂入り達成は驚きの出来事だったといえるでしょう。
その後も「カゲロウデイズ」は再生回数を伸ばし続け、4ヶ月後に100万再生を突破。
VOCALOID伝説入りを果たす事となります。
さらに翌年2012年に、200万回再生を達成。
奇しくも、物語の舞台である日「8月15日」に達成するという奇跡が起き、多くのファンをわかせました。
そうして、それから1年後の2013年、ついに300万再生を達成!
楽曲公開からわずか2年ほどで、「カゲロウデイズ」はトリプルミリオンを達成するまでの超人気楽曲へ、成長を遂げたのです!
2021年11月現在では、YouTubeでも「カゲロウデイズ」のMVが公開されています。
2013年、ちょうど「カゲロウデイズ」がニコニコ動画にて300万再生を突破した年に、公開が行われました。
再生回数は1000万回を超えており、時をこえても「カゲロウデイズ」が多くの人から支持され続けている楽曲である事がわかります。
現在もボカロを代表する人気曲の1つだといえる成果でしょう。
歌ってみたや演奏してみたの数は3000件以上!
ニコニコ動画にて投稿されている「カゲロウデイズ」の歌ってみたや演奏してみた等の派生作品は、3000件以上ある事が確認されています。
そらるやりぶ、島爺/SymaGといった人気歌い手達による歌ってみたはもちろんの事、マッシュアップや独自の解釈を元にした替え歌等の投稿も行われており、「カゲロウデイズ」が公開された当時の楽曲に対する人々の盛り上がり具合がよく伝わってくる動画群となっています。
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中でも印象的な作品は、イラストレーターであり動画師でもあるわんにゃんぷー作の自己解釈PVです。
本作はわんにゃんぷーの解釈をもとに制作された、アニメーション風PVとなっており、世界観の作り込みや解釈一致の高さから人々が注目。
ハイクオリティーな内容が話題を呼び、「本家(原作)なのではないか」と見間違われる程の作品ともなりました。
そしてこの出来事がきっかけとなり、以降わんにゃんぷーは、正式にじん(自然の敵P)と組んでMVの制作を手掛けていく事となります。
もう1人の「カゲロウプロジェクト」のイラスト担当のしづと共に、MV制作やキャラクターデザイン等を務める次第となりました。
「カゲロウデイズ」は、「カゲロウプロジェクト」を盛り上げるきっかけを生んだだけではなく、プロジェクトを盛り上げる大事なメンバーとの縁すらも生み出した作品なのです!
小説に漫画にアニメ!マルチに行われ続けるメディア化企画
2012年、「カゲロウデイズ」を筆頭とした楽曲シリーズ「カゲロウプロジェクト」を元にした小説の発売が開始。
実はこの頃、ボカロ界では、ボカロ曲を原作とした「ボカロ小説」とメディア展開が行われており、「カゲロウデイズ」もボカロ小説の1つとして発売されました。
じん(自然の敵P)自身が執筆する事や、「カゲロウプロジェクト」のイラストレーターとして活躍中だったしづが表紙挿絵のイラストを全て担当する事が決まり、発売前から多くのファンをわかせる作品となります。
また、小説のメインタイトルに「カゲロウデイズ」の名が起用。
この名前は、その後、発売される漫画においても、メインタイトルとしてつけられており、「カゲロウデイズ」は本プロジェクトの代表曲として、さらに人々の頭の中に印象強く残る事となります。
発売された小説・第1巻「カゲロウデイズ –in a daze-」は、発売した週のオリコン文庫本ランキングにて10位を獲得!
初登場ながら「カゲロウプロジェクト」の人気の凄さを、世間に知らしめる事となります。
その後小説は5年に渡る刊行を続け、最終巻が発売された頃には、シリーズ累計発行数が900万部超えという驚異の数字を叩き出すまでの大人気シリーズへと成長!
【本日発売開始!】
シリーズ累計発行部数900万部!!
小説最新刊『カゲロウデイズ -summer time reload-』本日発売!!
2012年5月から連載が開始され、ついにフィナーレを迎える最新刊をどうぞお見逃しなく!!
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さらには漫画「カゲロウデイズ」も、最終巻の13巻が発売された頃にはシリーズ累計発行数が450万部を超えました。
この漫画「カゲロウデイズ」は4巻に収録されている第18話から、小説とは異なるオリジナルストーリーが始まっており、新たな「カゲロウデイズ」の物語として、ファンから注目を集める事となりました。
そしてこれらの企画が始動してから7年が経った2019年。
書籍累計販売数が1400万を超える事となります。
カゲロウ、書籍の累計販売数が1400万部を超えた(?)らしいです。
サイン会や弾き語りにも、子供から大人までたくさんの人が来てくれて、とてもありがたいです。
皆さんに「熱い」と言ってもらえる作品にしたい。
新作、もうちょっとでお届けできると思うので、なにとぞ・・・。— じん (@jin_jin_suruyo) July 4, 2019
驚異的な売上数を出しながら、完結した小説・漫画。
ですがそこで物語が終わる事はなく、完結した後に、pixiv chatstoryにて公式スピンオフ作品「メカクシティトーカーズ」の連載が開始される事となります。
じん原作!「カゲロウプロジェクト」の公式スピンオフチャットストーリー「メカクシティトーカーズ」がpixiv chatstoryで連載開始!メカクシ団がチャットグループを作成!? 謎に包まれたメカクシ団の活動を、こっそり覗き見…!https://t.co/i75oJcfgq0 pic.twitter.com/AELrq0XEje
— pixiv (@pixiv) March 9, 2018
本作は、チャットの会話形式で物語が進行していく「チャットストーリー」と呼ばれるジャンルの物語となっており、1話1~3分程度で読める短いお話が連載されています。
コミックの発売もされており、そちらはチャットストーリーだけではなく、描き下ろしのフルカラー漫画・4コマ漫画の収録も行われています。
さらに初版には、じん(自然の敵P)が作曲を務め、「カゲロウプロジェクト」のキャラクター・如月モモが作詞を務めるという設定で制作された新曲が収録されたCDがついてくるという、ファン歓喜の仕様となりました。
なお、この他にも公式アンソロジー小説・コミックの発売が何冊も行われており、様々な作家による「カゲロウデイズ」の物語が掲載されています。
2014年に放送されたアニメや、2016年に放映されたアニメ映画「カゲロウデイズ-in a day’s-」でも、漫画や小説だけでは目にする事のできない描写や、オリジナルの展開等が繰り広げられています。
なお、アニメではエンディングカードに、ニコニコ静画を通して集められたイラストが使われる等、ニコニコ動画発の作品ならではの取り組みも行われました。
「マルチメディアプロジェクト」という企画内容を、最大限に活かしたメディア化だといえるでしょう。
最新情報
2019年6月9日。
じん(自然の敵P)のTwitterにて、「カゲロウデイズ」の続編にあたる作品「カゲロウデイズ『No.9』」の制作を行っている事が明かされました。
【ご報告】「カゲロウデイズ『No.9』」(仮)。
3年後の世界を舞台にした新作です。
漫画・アニメ・音楽で表現させていただこうかと。
夏にイベントも。小説は新章も書いてるよ。
引き続き情報出していくんで、よろしくです。 pic.twitter.com/aT7tLs1eTI— じん (@jin_jin_suruyo) June 9, 2019
その他にも「カゲロウデイズ『No.9』」とは異なる、「新章」にあたる小説の制作も行われている事が発表されています。
これらの2作品は、2021年現在も制作中の為、詳しい情報は不明です。
ですが、度々制作中である旨を記載したツイートが行われている為、着実に制作が行われている事がわかります。
今後の続報に期待しましょう。
既に発表している「カゲロウデイズNo.9」は元より、カゲプロの新章を描く作品も、
一日も早くお届けできるよう頑張っております。皆さんの応援を力に変えて、スタッフさんと一緒にもっともっと頑張ります。— じん (@jin_jin_suruyo) February 17, 2021
また、2021年8月15日に、リズムゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク(通称:プロセカ)」にて楽曲「カゲロウデイズ」の収録が行われました。
この「プロセカ」は、ゲーム会社のセガとスマホ向けのゲームを作っている会社「Colorful Palette」が組んで制作した、ボカロのリズムゲームです。
多くの有名ボカロソングに加え、本作の為に書き下ろされたオリジナル楽曲が収録されており、2021年11月現在、ボカロファン注目のリズムゲ―ムとなっています。
「プロセカ」に収録された楽曲達は、ゲーム内に存在する5つのユニットのどれかが、ボカロ達と共に歌唱を務める事となります。
「カゲロウデイズ」は、幼馴染の少女達によるガールズバンド「Leo/need」(レオニード)が歌唱を担当。
「Leo/need」のメンバー達と初音ミクが共に歌唱する、「セカイver」と呼ばれる「プロセカ」オリジナルの編集が行われた「カゲロウデイズ」をプレイする事ができます!
ぜひ、ここでしか聴けない「カゲロウデイズ」で遊んでみて下さい!
カゲロウデイズ・まとめ
以上、「カゲロウデイズ」が人気になるまでの経緯や、その魅力などの紹介でした。
知れば知るほど、「カゲロウプロジェクト」を語る上で外せない名曲である事を再認識させられますね。
ボカロファン注目の「プロセカ」に収録された事も、その人気を更に確固たるものにさせたように感じます。
ボカロ好きとして外せない名曲として、今後も多くのファンの間で聴かれ続ける事は間違いないでしょう。
「カゲロウプロジェクト」の方もまだまだ続いていく為、今後どのような展開が行われていくか、期待で胸が鳴り止みません!
プロジェクトと共に、この先もずっと名曲として聴き継がれてほしいボカロ曲です!
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