【ライブ参戦レポ】「SUM41」のライブに参戦した時のライブレポ!

昨年7月に最新作『Order in Decline』をリリースした、メタリック・ポップパンクの「SUM 41」

同アルバムに伴う日本ツアーを4都市全5公演という規模で敢行。

日本ツアー3公演目となる1月9日の豊洲PIT公演の模様をレポートしていきたい。

「SUM41」ライブレポート


昨年3月の『DOWNLOAD JAPAN 2019』から、約10ヶ月という短いスパンでの再来日となった今回の日本ツアー。

持ち時間が限られたフェスティバル公演とは違い、フルセットのSUM 41のライヴが観られるとあって、会場に集結したファン達も気合十分の様子で開演を待ち侘びている。

この日のオープニングアクトを務めたのは、アイドルグループ「PassCode」

その可愛らしいルックスからは想像がつかないラウドなバンドサウンドを武器に、早くもクラウドサーファーが出現するなど大いに会場を盛り上げることに成功していた。

「SUM41」の登場


時刻が20時を少し回った頃、場内が暗転し、いよいよSUM 41の登場。

暗がりの中、ドラマーのフランク・ズーモの姿を認めたファンから歓声が上がる。

各メンバーが順々に持ち場についた後、満を持してフロントマンのデリック・ウィブリーがステージ中央に駆け込んで来ると、場内は蜂の巣をつついたような大騒ぎに。

最新作『Order in Decline』の冒頭を飾る“Turning Away”の重厚なイントロからライヴはスタート。

静かに歌い上げるAメロに聴き入っていたオーディエンスも、メロコアのお約束的なメロディアスでビッグなコーラスパートに突入すると一気に大爆発。

精力的にツアーを続けてきたバンドの演奏も非常にタイトで、今のSUM 41が良い状態にあることがサウンドから伝わってきた。

“Turning Away”の余韻に浸る間もなく、人気曲“The Hell Song”のイントロが鳴り響くと、客席は早くもレッドゾーンへ突入。

MEMO
同曲が収録されている2ndアルバム『Does This Look Infected? 』がリリースされたのは2002年だが、17年の年月を経ても“The Hell Song”の殺傷力はいささかも衰えていない。

2000年代のパンクロック・アンセムのひとつだと言えるだろう。

“The Hell Song”の盛り上がりを引き継いだのは、2001年リリースの1stアルバム『All Killer No Filler』収録の“Motivation”。

ポップパンクという表現にピッタリな楽しいパンクソングだ。

アウトロに“88”をくっつけるというアレンジで演奏されていた。

MEMO
2015年にバンドに復帰した、オリジナルギタリストのデイヴ・バクシュと、2007年からバンドに参加しているトム・タッカーのギターチームも、非常に息の合った演奏を聴かせている。

『Does This Look Infected?』収録の“Over My Head (Better Off Dead)”が場内の酸素をすべて奪っていくような勢いでスタート。

ポップパンクバンドは数あれど、ヘヴィメタルの要素を上手く取り入れているのは「SUM41」の大きな武器なひとつであると再確認させられた。

2004年にリリースされた3rdアルバム『Chuck』について少しMCをした後、デリックがコールしたのは同作からの大人気曲“We’re All To Blame”。

曲を熟知しているオーディエンスの「All! To! Blame!」のシャウトもバッチリ決まっていた。

ポイント
グルーヴィーなリフで揺らせるヴァースと物悲しいメロディを聴かせるサビの対比が実に見事な名曲だ。

ツーバスを巧みに操るドラマーのフランク・ズーモの力強い演奏がバンドに推進力を与えているように思える。

長身痩躯のベーシスト、“コーン”ことジェイソン・マクキャスリンも背筋をピンと伸ばし、ベースのブリッジ付近を猛烈な勢いでアタックしており、実に絵になっている。

最新作から“Out for Blood”と“A Death in the Family”が立て続けに演奏されたが、場内の盛り上がりはいささかも衰えることはなく、ファンがしっかりとアルバムを聴き込んでライヴに臨んでいることがうかがえた。

これは裏を返せば、しっかり聴き込みたくなる良質なアルバムを作ったということであり、彼らが創作面でも充実しているという証拠でもある。

MEMO
2007年作の4thアルバム『Underclass Hero』から内省的な“Walking Disaster”とタイトル曲“Underclass Hero”が続けざまに披露され、もう同アルバムが出てから12年以上経つのか…と遠い目にさせられてしまった。

オリジナルギタリストのデイヴ・バクシュが脱退してから初のアルバムであり、彼がバンドにもたらしていたヘヴィメタルの要素が薄い作品だが、良い曲であることに変わりはない。

前作『13 Voices』から演奏されたのは“Fake My Own Death”1曲のみ。

同アルバムをサポートするツアーではないので当然といえば当然なのだが、非常に充実した内容の作品だったので、もう少し聴きたかったというのが正直なところ。

続いて演奏された“Screaming Bloody Murder”は2011年リリースの同名アルバムからのタイトル曲。

『Underclass Hero』と同様にデイヴ・バクシュ不在時の作品だが、「これぞSUM 41!」と喝采を叫びたくなるメタリックなサウンドを持った楽曲だ。

セットリストも中盤に差し掛かり、後半へ向かって一気にギアを上げていくSUM 41の面々。

『Does This Look Infected? 』から“My Direction”が演奏されたのは嬉しい驚きだった。

MEMO
初日の名古屋公演および2公演目の東京公演では同曲は演奏されておらず、去年のツアーでも5回しか演奏されていないようなので、わりとレアな演奏だったのかもしれない。

デビューEP『Half Hour Of Power』からの“Makes No Difference”はポップパンクの大名曲。

SUM 41の“陽”の部分をすべて詰め込んだような楽曲で、デリックはサビをオーディエンスに歌わせてご満悦。

やんちゃなイメージのある彼らだが、今年でデビュー20周年を迎える大ベテラン。オーディエンスの扱いも見事なものである。

トム・タッカーが弾くピアノに合わせてデリックが歌い出したのは、『Chuck』収録のバラード曲“Pieces”。

じっくりと曲に聴き入るオーディエンスにとっては、身体を休める数少ない機会となった。

“Pieces”のしっとりした余韻を完膚なきまでに打ち砕いたのは、同じく『Chuck』に収録されているメタリックチューン“No Reason”だ。

リズムに合わせて突き上げられる無数の腕がこの曲の人気ぶりを如実に証明している。

その怒りに満ちた歌詞は、今の時代にこそ聴かれるべきなのではないかと思えるほど。

デリックに紹介されてステージ前方へ歩み出たトム・タッカーのギターリフに続いてスタートした速いテンポのロックチューンは、Queenの名曲“We Will Rock You”だ。

ポイント
ドン!ドン!パッ!というお馴染みのアレではなく、Queenの名ライヴアルバム『Live Killers』などで聴ける速いアレンジのバージョンである。

昨年の『DOWNLOAD JAPAN 2019』でも披露されていたこの曲はオーディエンスにも大ウケで、サビはもちろん大合唱。

デリックもオーディエンスを座らせてから飛び上がらせたりとノリノリであった。

『All Killer No Filler』からのポップパンク曲“In Too Deep”では、巨大な風船がいくつも登場し、オーディエンスの上を跳ね回るという演出が。

あちらこちらを巡った後にステージに戻された風船は、デリックがギターのヘッド部分を使って見事に破裂処分。

ひとつ割るたびに「どうだ!」と言わんばかりにアピールするデリックの姿が微笑ましい。

“In Too Deep”の盛り上がりで、すでに大団円の雰囲気すら感じられる豊洲PIT。

しかしSUM 41のライヴは、この曲を聴かなければ終われない。

『Does This Look Infected? 』からの、ファーストシングルである彼らの代表曲“Still Waiting”だ。

ポイント
「俺だってそうだ/ずっと待ってるんだよ/この世界が憎むのをやめるのを」と歌われるシリアスなスピードチューン。

あの9.11が起こった翌年にリリースされたこの曲だけれど、発売から18年が経とうとする今も世界は憎しみに満ちているように思える。

この曲が持つメッセージが色褪せるような平和な世の中がやって来る日はあるのだろうか…。

この日いちばんのモッシュとクラウドサーフを生み出した“Still Waiting”を締めくくると、バンドは手を振りステージを去って行く。

もちろんこれで終わりではないことを知っているオーディエンスはアンコールを求めるコールを開始。

SUM 41コールまで発生する熱烈ぶりだ。

その声に応え、再びステージへ戻って来たSUM 41。

ステージ上にはいつの間にかピアノが準備されている。

その前に座ったデリックがピアノを弾きながら歌い出したのは、物悲しいメロディを湛えた“Never There”。

ポイント
最新作に収録されたバラード曲で、自分の人生を振り返るような内容の歌詞は、デリックがアルコール依存症に苦しんでいた時期があることを思うと、より一層の深みを伴って心に響くのではないだろうか。

デイヴ・バクシュのギターソロも実に見事で楽曲に華を添えていた。

“Never There”で緩んだ涙腺から涙を引っ込めさせたのは、超絶お馬鹿なパーティーチューン“Fat Lip”だ。

ポイント
300万枚を超える大ヒットを記録したデビュー作『All Killer No Filler 』からのヒットシングルで、Beastie Boysを思わせるようなラップパートまでフィーチャーしたなんでもありの一曲。

「お前らが飛び跳ねるのが見たいんだ!」というデリックの煽りに応え、残った体力を振り絞って飛び跳ねるオーディエンス。

この底抜けの馬鹿っぽさもSUM 41の大きな魅力のひとつだ。

終演まで90分弱と決して長いとは言えないライヴだったが、内容的には大満足。

大きな充足感と心地よい疲労感に包まれて帰路につくことができた。

パンクファンにもメタルファンにも愛されるというMotorheadのような不思議なポジションのバンド、それがSUM 41だ。

今回の来日公演の余韻に浸りつつ、早くも次の来日が楽しみになってきている。

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