人間界と異界が交差する街を舞台に秘密結社のメンバーが超常現象や犯罪に立ち向かう物語が原作のTVアニメ『血界戦線』。
2015年に第1期、2017年に第2期が放送され、3年連続で舞台化まで果たしている人気作品です。本記事では、第3期の放送にも期待が高まるTVアニメのOP・EDテーマを紹介します。
目次
TVアニメ『血界戦線』
概要
「ジャンプスクエア」(集英社)にて2008年6月号の読み切り漫画からスタートした内藤泰弘による漫画が原作の『血界戦線』。人間界と異界が交差し、超常現象や犯罪が日常的に発生する街を舞台に、秘密結社のメンバーが街の均衡を保つために奮闘するSFアクション物語です。
原作漫画は、2009年から2015年まで『血界戦線』(全10巻)、2015年から2022年まで『血界戦線Back 2 Back』(全10巻)、2022年からは『ジャンプSQ.RISE』(集英社)にて『血界戦線Beat 3 Peat』が連載中(2025年5月現在、既刊3巻)。2025年5月現在でシリーズ累計発行部数は600万部を記録。2015年からTVアニメ化し、2019年から3年連続で舞台化も果たした大人気作品です。
TVアニメ第1期『血界戦線』は2015年4月から7月までに第1話から第11話、10月に最終話(第12話)が放送され、第2期『血界戦線 & BEYOND』は2017年10月から12月まで全12話を放送。TVアニメは、原作漫画をベースにアニメオリジナルキャラクターやエピソードを加えた1話完結型の構成で、アニメーション制作は『鋼の錬金術師』や『僕のヒーローアカデミア』など有名作品で知られるボンズが担当しました。ド迫力のアクションで独特の世界観を構築しています。
あらすじ
物語の舞台は、人間界と異界が交わり混沌とした都市「ヘルサレムズ・ロット」。かつてニューヨークと称されていたこの街では、血液を武器に転化して破壊と封印をする技の使い手クラウス・V・ラインヘルツ率いる秘密結社「ライブラ」のメンバーたちが、それぞれの能力を駆使して街の秩序を守るために超常現象や異界の脅威と戦っていました。
そんなある日、普通の青年レオナルド・ウォッチ(通称・レオ)は、妹を救うために街を訪れます。事件に巻き込まれた彼は、妹の視力を失う代償にすべてのものが見える「神々の義眼」という特殊能力をもつことに。妹の視力を元に戻す方法を探すことを条件に、レオはライブラのメンバーとなり能力を使って異界の脅威に立ち向かいます。
TVアニメでは原作ストーリーを基にオリジナル要素も加え、吸血鬼、ゾンビ、狼男など個性的な登場人物が登場し、迫力のアクションシーンとコミカルなやり取りも魅力です。
レオナルド・ウォッチ(阪口大助)、クラウス・V・ラインヘルツ(小山力也)、ザップ・レンフロ(中井和哉)、チェイン・皇(小林ゆう)、スティーブン・A・スターフェイズ(宮本充)、ソニック / 音速猿(内田雄馬)、ドグ・ハマー(宮野真守)、デルドロ・ブローディ(藤原啓治)、ツェッド・オブライエン(緑川光)、フェムト(石田彰)、ミシェーラ・ウォッチ(水樹奈々)、ビビアン(沢城みゆき)など。
*( )内は声優名
第1期『血界戦線』OP・ED
OP:「Hello,world!」BUMP OF CHICKEN
2015年4月から7月(最終話は10月放送)まで放送された第1期のOPテーマは、4人組ロックバンドBUMP OF CHICKENが務めました。作詞・作曲は藤原基央(Vo・Gt)が担当し、イントロがなく藤原の歌声から始まるインパクトのある楽曲です。疾走感があり、サビで更に盛り上がって波のように展開するサウンドです。後半では一瞬音が止まったりと、抑揚と強弱を付けて本作品のエネルギッシュな世界観を見事に描いています。
TVアニメの松本理恵監督から「イントロなしで声から始まる曲」というオファーで書き下ろされた楽曲です。当時、複数のタイアップを抱え、「パレード」「ファイター」「Hello,world!」「コロニー」の4曲を同時に進行していた時期でしたが、直井由文(Ba)を筆頭に作品のファンであるメンバーはやる気に満ちて、藤原はオファーから数日で楽曲を書き上げています。
そんな多忙な時期に制作された歌詞は、〈やるべきことは 忘れていても解る〉といったフレーズをはじめ、無意識で頑張り続ける人、何かに夢中で打ち込んでいる人、心が折れそうな人、すべての人達を褒めているかのよう。〈ハロー どうも 僕はここ〉と飄々とした自己主張が愛らしいのも魅力。新たな出会いによって広がる世界や自己の存在について想いを紡ぎ、随所のフレーズが聴き手にまっすぐ届いています。
ED:「シュガーソングとビターステップ」UNISON SQUARE GARDEN
2015年4月から7月まで(最終話は10月放送)に放送された第1期のEDテーマは、数々のアニメソングを手がけている3人組ロックバンドUNISON SQUARE GARDEN(通称、ユニゾン)が担当しました。作詞・作曲は田淵智也(Ba)が担当し、斎藤宏介(Vo・Gt)の歌声が爽やかなポップサウンドの楽曲です。
日常の楽しさや苦しさを〈ママレード&シュガーソング、ピーナッツ&ビターステップ〉のフレーズでキャッチーに表現しています。特に〈超天変地異みたいな狂騒にも慣れて こんな日常を平和と見間違う〉のフレーズは印象的。災害や事件が日常となり平和ボケしている現代人に、日々の幸せについて改めて気付かせているかのように感じます。
2019年には平成の31年間に発売されたアニメソングを対象にした「平成アニソン大賞」でアーティストソング賞(2010年から2019年)を受賞。さらに、配信から累計ストリーム数1億回以上を越えたことで、日本レコード協会の2023年9月度「ストリーミング認定」 作品のプラチナ認定されました。平成を代表する1曲でもあり、令和の今でも人気を誇っています。