最果テルーティン – 萩山百花・ロングインタビュー | その原点から名曲誕生秘話まで

最果テルーティン – 萩山百花・ロングインタビュー | その原点から名曲誕生秘話まで

歌に込めた想い



—— ステージ上の立ち振る舞いに関連してですが、5月27日の配信ライヴでの「みんな救ってあげるからね!」という言葉が印象的でした。
ご自身では「まだまだ」とおっしゃっていましたが、すごく強さや覚悟を感じる発言でした。相当な覚悟が無いと言えない言葉だと思います。
自分の曲、自分の歌で誰かを救えると確信した瞬間や出来事があったのでしょうか?


萩山:やっぱり一番はファンの人に(向けて)言ってるんですけど…。
仕事とかで疲れて、そっから行く場所がライブハウスだったりして、そこで会える人たちとお酒を飲んで音楽を楽しんで、そういうことで自分にとっての安らぎを求めてた人たちが、やっぱり今の状況(コロナ)で来れなくなって…。
ライブハウス行ってる奴は悪だとかも言われるし、その中ですごい生きづらくなってる人たちを聞いたりとか見たりとかもしたし…。



—— コロナ禍でささやかな安らぎの場が失われてしまったという感覚はたしかにありますね…。

萩山:わたし自身が弱いので、弱い人たちに向けて歌ってるんです。
TwitterのDMとかでも「毎日しんどい」とか「辛い」っていう人たちがいて、「百花ちゃんの曲を聴きに行きたいのに、(周りから)駄目って言われる」ていう話も聞いちゃってたので、本当はあの日も有観客でやりたかったんですよ。



—— なるほど。萩山さんが救いたいと思った人たちの輪郭がだんだんハッキリしてきました。

萩山:お酒が飲めないにしても生の爆音を浴びて欲しかったんですけど、それも無理になっちゃって…。だから、5月27日はそういう人たちを全員救ってあげられる日になったらいいなと思ってて。
わたしは歌しか出来ないから、うまく言葉も言えないし、だから絶対今日は(歌で)救ってあげるって。そう言うことで自分自身も鼓舞するっていうのもあったかなって思いますね、あの日は。



—— こういう状況下では、音楽をやっていること自体が人の救いになるということが絶対にあると思います。僕もその一人ですし、実際に会場で音を浴びたいという思いを持ってる人間からすると、それが出来る場所があって、そこで演奏してくれる人がいて、それを観に行けるということが本当に救いになるものだと思いました。今のお話は沁みましたね…。

萩山:ありがとうございます。

歌詞について

—— 歌詞について教えてください。
萩山さんが書く歌詞は、テーマを一般化したり抽象化するのではなく、等身大の自分をまっすぐに書き綴ったものが多いと感じました。
取り上げるテーマも身近なものが多いですね。
歌詞はすべて実体験から生まれたものでしょうか?


萩山:そうですね。いつも恥ずかしくて「フィクションとノンフィクション混ぜてます」って言ってるんですけど、実際は実際のことですね(笑)



—— 今の書いちゃって大丈夫ですか?(笑)

萩山:大丈夫です。人に訊かれた時は嘘ついてたんですけど、さすがに記事を書かれるってなったら…。はい、完全にノンフィクションです(笑)
やっぱり自分の書く歌詞を歌うと時々恥ずかしくなりますね。そういう曲がいいってよく言われるので、だから自分が思ったことを書いた方がいいんだなって思ってます。



—— フィクションとか、今までとは違うアプローチで歌詞を書いてみたいと思ったりしますか?

萩山:しますね。小説とか読んで、綺麗な言葉とか使ってる人たちが多いんですけど、わたしは小説を読むのがすっごい得意じゃなくて、途中であきらめるんですよ。
映画を観ることはめちゃくちゃ好きなので、映画とか観て曲を書きたいですね。そういう繋げ方をしてみたい。あとは自分で作った物語に沿った曲とか書いてみたいと思ってます。

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