世界最高峰の探偵養成学校で天才と謳われた鴨乃橋ロンと、ピュアでマヌケな刑事・一色都々丸(通称、トト)が事件を解決してゆくミステリー物語が原作のTVアニメ『鴨乃橋ロンの禁断推理』。
漫画『家庭教師ヒットマンREBORN!』で有名な天野明が原作の連載漫画で、2023年10月にTVアニメ化し、2024年11月には舞台化も果たしています。本記事では、ロンとトトの心境に寄り添ったTVアニメのOP・EDテーマを紹介します。
目次
TVアニメ『鴨乃橋ロンの禁断推理』
概要
漫画配信サービス「少年ジャンプ+」(集英社)で2020年から連載されている天野明の漫画が原作のTVアニメ『鴨乃橋ロンの禁断推理』。世界最高峰の探偵養成学校で開校以来の天才と謳われた鴨乃橋ロンと、ピュアでちょっとマヌケな刑事・一色都々丸(通称、トト)が事件を解決してゆくポップで華麗なミステリー物語です。
2023年にTVアニメ化され、2024年10月からは第2シーズンが放送中。さらに、2024年11月には、岸本勇太と野嵜豊のW主演で、石井陽菜や鈴木拡樹らが出演し、東京と大阪にて舞台が上演されました。
2023年10月時点で、単行本の累計発行部数は100万部を突破し、「次にくるマンガ大賞 2021」Webマンガ部門にて14位を獲得しています。
推理作家の有栖川有栖は「あの手この手の仕掛けで楽しませてくれるガチの本格ミステリ漫画」とコメント。ミステリー作家の相沢沙呼・辻真先・法月綸太郎も、事件のテンポのよさや切れ味のいいロジックなど、その本格ぶりを称賛しています。
あらすじ
世界最高峰の探偵養成学校「BLUE」の開校以来の天才で将来を有望視された鴨乃橋ロンが主人公。在校中の「血の実習事件」を機に、無自覚に犯人を自殺に追い込んでしまう能力を発症したことで、ロンはBLUEを追放され、“探偵”も禁じられてしまいます。
退屈な日々を過ごすこと5年、ロンは連続殺人事件への協力を求めて訪れてきた警視庁捜査一課の刑事・一色都々丸(トト)と出会いバディを組むことに。「君の無念は晴らすからね」が名台詞で、黒蜜が好物な変わり者のロンが裏で謎を解き、ピュアでマヌケなトトが表で捜査し事件を解決へと導くミステリー物語です。
事件を解決する一方、ロン自身にも謎があります。父親は犯罪一家のモリアーティ家の出身、母親は名探偵ホームズ家の出身という両親をもち、ロンの首にある「96」という数字の痣もキーポイント。過去の“血の実習事件”、現在も続く“犯人を自殺に追い込んでしまう能力”の真相は明らかになるのか、物語が進行するにつれ目が離せなくなるストーリー展開になっています。
職や名を変えて事件に携わるロン、そんなロンにツッコミをするトトという凸凹探偵コンビのコミカルなシーンとシリアスな事件のギャップも見どころです。
鴨乃橋ロン(阿座上洋平)、一色都々丸 / トト(榎木淳弥)、雨宮(日笠陽子)、シュピッツ・ファイア(八代拓)、翡翠臣疾(福山潤)、卯咲もふ(東山奈央)、マイロ・モリアーティ(松岡禎丞)、ウィンター・モリアーティ(花守ゆみり)、門季チコリ(小原好美)
*( )内は声優名。
『鴨乃橋ロンの禁断推理』第1シーズンOP・ED
OP:「いけないfool logic」UNISON SQUARE GARDEN
2023年10月2日から2023年12月25日(全13話)まで放送された第1シーズンのOPテーマは、数々のアニソンを手がけてきたロックバンドUNISON SQUARE GARDEN(略称、ユニゾン)が務めました。作詞作曲は田淵智也(Ba)が担当し、編曲はTVアニメ『宇崎ちゃんは遊びたい!』や声優の鬼頭明里など、アニメやアーティストへ楽曲提供をしている作曲家の伊藤翼とユニゾンが共同で携わっています。
本TVアニメの井畑翔太監督の「暗い必要はない」というオーダーで制作され、田淵は「とにかくハッピー全振り、バンド史上最もハッピーな楽曲が誕生した」とコメントしています。
ピアノや弦楽器などアンサンブルを交えて、最初から最後までジェットコースターのように駆け抜けていく疾走感のあるサウンドの楽曲です。曲調が自由に変化してどのパートもサビと思えるほど盛り上がりをみせています。
歌詞の〈君の心が必要で 僕の心は執拗だ〉からは、ロンとトトが心から支え合っているバディであることが伝わってきます。〈傾向はどうなってく?〉など問いかけながら、どんな事件でも2人なら軽快に解決できるさ、とでも言うように常にポジティブ。「ヘイ!」のかけ声や「ラララ〜」のコーラスが小気味よく加わるとワクワク度も増して、ライブもパーティーもヒートアップさせる1曲となっています。
ED:「リップシンク」黒子首
第1シーズンのEDテーマは、2022年にメジャーデビューした、堀胃あげは(Vo・Gt)・みと(Ba)・田中そい光(Dr)の3人組ロックバンド黒子首が担当しました。本曲について「ロンとトトが互いに足りてない部分を無意識に補い合える関係性に憧れて、自分たちもそうでありたいと願い、3人それぞれの音に向き合った」と思いを語っています。
堀胃の透明感のある歌声と、ギター・ベース・ドラムの温かなバンドサウンドが心に沁み入ってくる楽曲です。〈はじめまして僕らの声〉という爽やかな歌い出しが印象的で、複雑な過去をもつロンにトトが寄り添っている雰囲気を感じさせる優しさに溢れた歌詞を綴っています。
〈僕にだけ聞こえている〉と、言葉がなくても互いに信頼し尊重しあっている純粋な世界を描き、彼らの「チームの誰かひとりでも欠けていたら完成しなかった真っ直ぐなバンドサウンドを届けたい」という願いも伝わってきます。