Bring Me the Horizon(BMTH) メンバーのプロフィールや経歴、その魅力とは…?

Bring Me the Horizon(BMTH) メンバーのプロフィールや経歴、その魅力とは…?


スマートフォンのCMに起用された“medicine”で日本での知名度を爆発的に高めたロックバンド、Bring Me the Horizon(ブリング・ミー・ザ・ホライズン)。エクストリーム・メタル界のホープとして登場し、今やヘヴィロック界の未来を背負って立つまでに成長した彼らの軌跡をご紹介します。

このスマホのCM曲、本当にいい歌だナー。

それはBring Me the Horizonの“medicine”だね。

そうだったのか!
こういうお洒落な感じのする音楽って好きだナー、僕は。

ふふふ。このバンド、実はゴリゴリのメタルだったんだよ。

え!? そこんとこ詳しく!

2019年11月から放送されているソニーのスマートフォン“Xperia 5のテレビCMに抜擢され、日本のお茶の間に流れまくっているBring Me the Horizon(ブリング・ミー・ザ・ホライズン)の“medicine”

聴いた者の鼓膜を一瞬で捕らえる即効性の高いキャッチーなメロディラインに「これ誰!?」と気になった方も多いのではないでしょうか。

同CMで初めてBring Me the Horizonを知ったという方には、「お洒落な音楽を演奏する若手バンド」と思われるかもしれませんが、それは半分当たりで半分ハズレです。

その理由は記事の中でご説明していきましょう。

CM中で使用されている“medicine”収録の最新アルバム『Amo』が母国イギリスで初のナンバーワンを獲得するなど、世界的な人気がいよいよ加速しているBring Me the Horizon。

ここ日本でもSUMMER SONIC 2019で5年ぶりの来日を果たした3か月後、BABYMETALの日本公演のゲストとして再来日するなど、国内のBring Me the Horizon熱が高まっていた中での大手企業のテレビCM大抜擢ですから人気が爆発しないわけがありません。

既存の枠に囚われることなく、常に新しいサウンドを模索し続けるバンド、Bring Me the Horizonをご紹介します。

Bring Me the Horizon / ブリング・ミー・ザ・ホライズン


バンドメンバー

  • オリヴァー・サイクス / ヴォーカル
  • リー・マリア / ギター
  • マット・キーン / ベース
  • マット・ニコルス / ドラム
  • ジョーダン・フィッシュ / キーボード、プログラミング、コーラス

Bring Me the Horizonは、これまでに2度のメンバーチェンジを経て、現在は上記5人で活動を続けています。

結成当初から2013年まではツインギター体制でしたが、2013年1月にキーボーディスト加入とギタリスト脱退がほぼ同時に発生し、シングルギター体制となりました。

後任ギタリストは迎えず、ライヴの際はサポートミュージシャンを入れて演奏しています。

Bring Me the Horizon・現メンバー

オリヴァー・サイクス / ヴォーカル

  • 氏名:オリヴァー・サイクス
  • 生年月日:1986年11月20日

“オリ”ことオリヴァー・サイクスは、強靭なスクリームから繊細なクリーンヴォーカルまで多彩な声を使い分けるBring Me the Horizonの看板シンガーです。

全身に彫られたタトゥーがトレードマークのひとつですが、前述のCMに出演した際は、消費者への配慮のためか長袖に手袋まで着用してタトゥーが見えないようにする徹底ぶりでした。

1986年生まれのオリヴァーは、1990年代後半から2000年代初頭に活躍したニューメタル、メタルコアバンドに影響を受けており、とりわけLinkin Parkのヴォーカリストだった故チェスター・ベニントンからの影響を公言しています。

近作ではBring Me the Horizonの作品のプロデュースも手掛け、2015年発表のアルバム『That’s the Spirit』以降の作品は、キーボードのジョーダン・フィッシュとの共同プロデュースです。

バンド活動以外の事業として、Drop Dead Clothingというアパレルブランドのオーナーとしての顔も持っています。

私生活では2度の結婚と1度の離婚を経験しているほか、ヴィーガン(ベジタリアンよりも厳しい菜食主義者)の著名人として知られています。

リー・マリア / ギター

  • 氏名:リー・マリア
  • 生年月日:1984年6月4日

ギタリストのリー・マリアは、Bring Me the Horizonがツインギター体制だった時代はリード・ギタリストでしたが、シングルギター体制となって以降はバンドの音楽性の変化もあり、リズム・ギタリスト的な役割を担うようになりました。

11歳からギターを始めたリーは、演奏経験を持つ両親から音楽の基礎を学び、ギタリストとしての腕を磨いていきました。

Bring Me the Horizon結成前は、Metallicaのカバーバンドで演奏していた経験があります。

マット・キーン / ベース

  • 氏名:マット・キーン
  • 生年月日:1986年6月2日

マット・キーンは、決して派手さはないものの、思わず目を引き付けられてしまうルックスの良さを持つ長身痩躯のベーシストです。

元々はギターを弾いていましたが、高校生になった頃にベースに転向し、Bring Me the Horizonの創設メンバーとなりました。

バンド内で最初にヴィーガンとなったメンバーで、“ヴィーガン”というそのまんますぎる異名の持ち主でもあります。

マット・ニコルス / ドラム

  • 氏名:マット・ニコルス
  • 生年月日:1986年3月22日

Bring Me the Horizonの歴史は、マット・ニコルスがオリヴァー・サイクスと出会ったところからスタートしたと言っても過言ではありません。

メタルコアのファンであること、地元のハードコアバンドのライヴに出入りしていることなどの共通点がふたりを結びつけることになりました。

2011年のツアー中にフットサルをプレイしていて腕を骨折し、Architectsのダン・サールが代役として演奏するというアクシデントがありましたが、大きな後遺症もなく無事にバンドに復帰しています。

おとなしそうな外見とは裏腹に、胸部や両腕などに数多くのタトゥーを彫っており、オリヴァーと並ぶ“タトゥー番長”です。

ヴィーガンほど厳格ではありませんが、ヴェジタリアンの著名人として知られています。

ジョーダン・フィッシュ / キーボード

  • 氏名:ジョーダン・フィッシュ
  • 生年月日:1986年6月26日

オリヴァー・サイクスと共同でBring Me the Horizonのアルバムをプロデュースするなど、今やバンドの頭脳的存在となったジョーダン・フィッシュは、2013年1月に正式加入したもっとも新しいメンバーです。

かつてはイギリスのWorshipというバンドで演奏していたジョーダンは、エレクトロ・ミュージックにも精通しており、Bring Me the Horizonの音楽性の変化に大きな影響をもたらしました。

2013年リリースのアルバム『Sempiternal』の制作過程において、ギタリストのリー・マリアは「ギターリフのアイデアをインスパイアしてくれた!」とジョーダンの貢献を称賛しています。

Bring Me the Horizon・元メンバー

Bring Me the Horizonの元メンバーについてもご紹介しておきましょう。

2004年の結成以降、2名のギタリストがバンドを離れています。

カーティス・ワード / ギター

結成メンバーのひとりであるカーティス・ワードは、2009年3月に耳の故障や肉体的・精神的な疲労によりバンド活動が困難となったため脱退が発表されました。

脱退後もBring Me the Horizonのステージにゲスト出演するなど、バンドとの関係は悪くないようです。

2016年にはCounting Daysというバンドに加入したことが発表されています。

ジョナ・ ウィーンホーフェン / ギター

オーストラリアのI Killed the Prom QueenやアメリカのBleeding Throughなど複数のメタルコアバンドでの演奏経験で知られるジョナ・ ウィーンホーフェンは、カーティス・ワードの後任ギタリストとして2009年に加入しました。

参加したアルバムは2010年発表の『There Is a Hell Believe Me I’ve Seen It. There Is a Heaven Let’s Keep It a Secret.』1枚のみで、2013年1月に脱退が発表されています。

脱退理由は明らかにされていませんが、自身のSNSに「複数のバンドメンバーと意見の相違があり、緊張状態にあった」と書き込むなど、決して円満なものではなかったことを匂わせていました。

Bring Me the Horizon・バンド名の由来

「地平線を持って来い」という風変わりなバンド名はどこからやって来たのでしょうか?

2004年結成のBring Me the Horizonですが、実はその前年に当たる2003年に公開された大ヒット映画からヒントを得たものでした。

その映画のタイトルは、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』

現在までに全5作品が製作されている大人気海賊映画シリーズの記念すべき第1作目です。

劇中でジョニー・デップ演じる伝説の海賊ジャック・スパロウが、船上で遠くを見つめながら口にする「Now, bring me that horizon.」というセリフがバンド名の由来になっています。

“that”と“the”の違いはありますが、見渡す範囲すべてを手に入れようとするかのようなスケールの大きいバンド名であることは間違いありません。

Bring Me the Horizon・経歴

デスコア・メタルコア時代

2004年、イギリスの工業都市シェフィールドで、オリヴァー・サイクス、リー・マリア、カーティス・ワード、マット・キーン、マット・ニコルスの5人により結成されたBring Me the Horizonは、現在までに6枚のスタジオアルバムを発表しています。

MEMO

シェフィールドからは、2019年にロックの殿堂入りを果たしたハードロックバンドDef Leppardやデビュー以来すべてのアルバムを全英チャートのトップに送り込んでいるArctic Monkeysなどイギリスを代表するバンドが誕生しています。

結成後数か月で初のデモ音源『Bedroom Sessions』を発表すると、2004年9月には初のEPとなる『This Is What the Edge of Your Seat Was Made For』でデビューを果たします。

リリース当初は大きな注目を浴びることはなかった『This Is What the Edge of Your Seat Was Made For』でしたが、新たにレコード契約を結んだレコードレーベルVisible Noiseから新装盤をリリースすると、これが全英最高41位というスマッシュヒットを記録。

2006年のデビューアルバム『Count Your Blessings』全英最高93位と大成功とはなりませんでしたが、平均年齢20歳そこそこのバンドのデビュー作とは思えないほどの完成度を誇っており、デスコア界の新星として知名度を高めることに成功しました。

2008年にはメロディック・デスメタル作品を数多く手がける名手フレドリック・ノルドストロームをプロデューサーに迎えたセカンドアルバム『Suicide Season』をリリース。

血が滴る臓物を持った少女のジャケットがインパクト絶大な『Suicide Season』は、前作よりもメタルコア寄りとなった間口の広い作風が功を奏し、全英最高47位を記録するなどBring Me the Horizonにとって出世作となりました。

ギタリストがカーティス・ワードからジョナ・ ウィーンホーフェンに交替し、新体制初のアルバムとなった2010年のサードアルバム『There Is a Hell Believe Me I’ve Seen It. There Is a Heaven Let’s Keep It a Secret.』は、前作のメタルコア路線を引き継ぎながらもオーケストレーションや女性ヴォーカルなど実験的な要素を導入し、今までにはなかった繊細なタッチを加えることに成功した作品となりました。

また、それまではファンからの人気は絶大なものの、コアなメタルファンや評論家からは“お子様向けバンド”と過小評価を受けてきたBring Me the Horizonでしたが、全英13位を記録した同作は専門誌から軒並み絶賛されるなど、売り上げ・批評の両面で大成功を収めています。

メタルコアからの脱却

サードアルバムでメタルコアシーンのトップに躍り出たBring Me the Horizonでしたが、その地位に安住する気はさらさらなかったようです。

ギタリストのジョナ・ ウィーンホーフェンの脱退、キーボーディストのジョーダン・フィッシュの加入という人事を経て、シングルギター&キーボードという編成になったバンドは音楽性の変化をさらに推し進める方向に舵を切ります。

「君たちと契約することは、Metallicaと契約するのと同じくらい重要だ」と最大限の敬意をもってメジャーレーベルに迎え入れられたBring Me the Horizonは、2013年4月に4枚目のアルバム『Sempiternal』をリリース。

レーベルからは「最高にヘヴィな作品を作っていい」と言われ、メジャー向きの売れ線アルバムを作ることを強要されなかった彼らでしたが、『Sempiternal』はヘヴィネスとメロディのバランスが抜群のコマーシャルな内容に仕上がっており、全英3位、全米11位を記録するヒット作となりました。

大成功を収めた『Sempiternal』から2年後、2015年9月発表のアルバム『That’s the Spirit』ではエレクトロ・ミュージックの要素をさらに強め、すでにメタルコアというジャンルでは表現できない境地へ到達したBring Me the Horizon。

『That’s the Spirit』はイギリス、アメリカで最高2位を記録し、ファン層をさらに拡大する役割を果たしました。

「もうヘヴィメタルではない」と離れていくファンがいる一方、それ以上に多くの新規ファンを獲得したことは間違いないでしょう。

2016年4月にはイギリスの名門演劇場、ロイヤル・アルバート・ホールでオーケストラと共演し、ファンを驚かせました。

同公演の様子は『Live At The Royal Albert Hall』として映像化されています。

MEMO

ロイヤル・アルバート・ホールにおけるロックバンドとオーケストラの共演は過去にも実現しており、1969年のDeep Purpleが史上初だと言われています。
また、Bring Me the Horizonの翌年には、アメリカのロックバンドAlter Bridgeが同趣向のライヴを開催しています。

他のロックバンドが“ロック”という枠組みに縛られたような作品作りをしていることに苛立ちを覚えたBring Me the Horizonは、自分たちのサウンドの土台すらも解体するような勢いで創作に没頭していきます。

バンドサウンドという基礎にエレクトロ・ミュージックの要素を乗せるのはなく、基礎部分にエレクトロ・ミュージックを初めから入れてしまう、という表現が正しいでしょう。

そのようなサウンドアプローチから生まれたのが、2019年の最新作『Amo』です。

デビュー時とは同じバンドだと思えないほど洗練され、最新のクラブミュージックのトレンドなども臆することなく投入した『Amo』は賛否両論を巻き起こします。

しかし、勇敢な音楽的冒険の末に生まれた否定しようもない高品質のサウンドは多くのファンの耳を刺激し、母国イギリスでは初のチャート1位を獲得する快挙を成し遂げました。

MEMO

“Amo”は「愛」を意味するポルトガル語で、この言葉をタイトルにしたことについて、オリヴァーは「どんな事柄だって突き詰めれば愛に行きつくんだ」と語っています。

新型コロナウイルスの脅威が増大する2020年3月、彼らは自身のホームスタジオで次作のための作曲を始めたことを公表。

その成果は9曲入りEPとして結実し、『Post Human: Survival Horror』として2020年10月30日にリリースされました。

日本のBABYMETALやアメリカのロックバンド・Evanescenceのエイミー・リーら豪華ゲストを迎えた同作は、前作までの要素をさらに発展させつつもBMTHらしいヘヴィでメロディアスな作風が高く評価されています。

音楽業界の変化を受け、「もうアルバムをリリースすることはない」と語る彼らは、『Post Human』と題されたEP4部作をリリースする予定であることを公表しており、今回の第1弾に続く作品が届けられるのもそれほど遠い日の話ではないかもしれません。

孤高の座へ向かって着実に歩みを進める彼らの次なる一手に注目が集まります。

Bring Me the Horizon・オススメ曲

テレビCMを観て興味を持った方にもオススメできるBring Me the Horizonの名曲をご紹介します。

Throne

2015年発表の5枚目のアルバム『That’s the Spirit』に収録されたシングル曲です。

エレクトロ・ミュージックでドーピングしたLinkin Parkのような力強さを感じさせる楽曲で、Bring Me the Horizonの楽曲の中でも屈指の高揚感を持っています。

ライヴの最後や本編最後など重要な位置で演奏されるキラーチューンです。

nihilist blues

2019年発表の6枚目のアルバム『Amo』に収録されたシングル曲です。

カナダの女性歌手グライムスをゲストに迎えたダンスチューンで、どこを切ってもロックバンドの要素が希薄という異色作。

「ロックバンドだからバンドアレンジでなければいけない」という先入観を捨て、このバージョンを完成形とした彼らの潔さが光ります。

Can You Feel My Heart

2013年発表の4枚目のアルバム『Sempiternal』に収録されたシングル曲です。

シングルギター体制になって初のアルバムでしたが、キーボードリフが見事な働きをして楽曲をアリーナロックチューンに押し上げています。

このヘヴィネスとキャッチーさのバランスが好きだったというファンも少なくありません。

Kingslayer

2020年発表のEP『Post Human: Survival Horror』収録曲で、日本のメタルアイドル・BABYMETALが参加しています。

かつてのBMTHを思わせるヘヴィな音像ですが、キャッチーなキーボードのフレーズなどヘヴィ一辺倒ではないあたりに彼らの音楽的な成長が感じられるでしょう。

当初、SU-METALの歌唱パートはすべて英語でしたが、オリヴァーの要請によって一部の歌詞が日本語に変更されています。

ライヴで盛り上がること間違いなしの楽曲なので、巨大アリーナで演奏される光景が見られる日が来るのを願うばかりです。

Bring Me the Horizon・まとめ

音楽性の変化に敏感なファンが多く、新要素の導入には否定的な反応が示されることも多いヘヴィメタルの世界ですが、Bring Me the Horizon「ファンの顔色を窺いながら作品は作れない」とばかりに自分の信じた道を突き進み、そして成功を収めている数少ないバンドです。

その質の高さは折り紙付きで、日本のメタルコアを聴いているファンはもちろん、普段はあまり激しい音楽を聴かない方でも受け入れることができるのはないでしょうか。

激しい音楽が好きな方は初期作、メロディアスな音楽が好きな方は近作から聴いてみることをオススメします。

あわせて読みたい!

この記事をシェアをしよう!

この記事を書いた人

この記事に関連するタグ

関連記事

新着記事