日本のラウド系バンドを代表する存在「SiM(シム)」。
といいつつ、彼らはただのラウド系バンドではありません。
自らを「レゲエパンクバンド」と名乗り、「極悪な轟音かつ難解でキャッチー」な音楽を奏でるという4人組。
一体どのような楽曲なのか、メンバーや彼らの経歴とともにご紹介します。
目次
SiMの魅力・由来
- MAH(マー)/ボーカル
- SHOW-HATE(ショウヘイト)/ギター
- SIN(シン)/ベース
- GODRi (ゴリ)/ドラム
「SiM」は2004年に神奈川県・湘南で結成されたレゲエパンクバンド。
「湘南」というとなんとなく海やレゲエのイメージがある方も少なくないと思いますが、彼らの楽曲は穏やかなレゲエではありません。
レゲエ”パンク”バンドと名乗っているように、楽曲はかなりハードコア。
疾走感と重厚感に溢れており、ライブではモッシュやダイブが連発されるような激しさが魅力的です。
2013年のメジャーデビュー以降は大規模会場のライブチケットがすぐにソールドアウトするほどの人気ぶり。
野外音楽フェスへも引っ張りだこで、日本のラウドロック界には欠かせない存在といえるでしょう。
結成当時はスリーピースバンドで、バンド名は「Silence iz Mine(サイレント イズ マイン)」でした。
SiMの由来
「SiM」というバンド名の由来は、結成当時の「Silence iz Mine」というバンド名。
それぞれの単語の頭文字を取り、「SiM」と名乗るようになりました。
ちなみに「Silence iz Mine」の名は使われなくなったわけではなく、今でも公式HPや公式グッズなどで使用されています。
「Silence iz Mine(=静寂は我のものなり)」には「音楽の間を自由に操るバンド」という意味が込められているそうです。
SiMのメンバー
MAH(マー)/ボーカル
「MAH」は結成当時から活動を続けるSiMのフロントマンです。
主にボーカルと作詞担当しており、たまにギターを弾くことも。
彼の特徴といえばタイトなポロシャツから覗くカラータトゥーと濃いめのアイライン。
パッと見怖い印象を受けますが、実はとても真面目で正義感が強く、チケットの転売等にはかなり厳しめ。
抜き打ちで本人確認を行なったりなど、撲滅に向け積極的に活動しています。
2017年にはタレントのダーブロウ有紗と突然結婚を発表。翌年には第一子が誕生しました。
SHOW-HATE(ショウヘイト)/ギター
NOISEMAKERありがとー
水戸ありがとー
終わった瞬間体力ゼロだったわ
さいこー
ふぉと ばい @kouhey0622 pic.twitter.com/wTFeU51kFO— SHOW-HATE (@SHOWHATEfromSiM) March 8, 2019
「SHOW-HATE」は2006年から正式にメンバーとして活動を始めたメンバー。
それまでは「H8(ヘイト)」という名前で活動していました。
バンド内ではギターを担当しつつ、シンセサイザーやキーボードもこなすまさにアーティスト。
SiMの複雑なサウンドになくてはならない存在です。
激しいライブパフォーマンスが印象的ですが、プライベートは一児の父。子煩悩な一面もあるようです。
SIN(シン)/ベース
「SIN」はSiMでベースを務めるメンバー。
はじめはサポートメンバーとして関わっていましたが、2009年に正式に加入しました。
SiMの楽曲の重厚感を生み出す演奏技術もさることながら、ステージ上で飛んだり跳ねたりするライブパフォーマンスは圧巻。
「あんなに動きながらよく弾けるなぁ」と驚いてしまいます。
SINも既婚。2019年のライブにて突如発表し、ファンのみならずメンバーも驚いたそう。
GODRi/ドラム
「GODRi」はSiMのドラム・パーカッション担当。
ドラムコンテストで優勝したことがあるかなりの実力者です。
ボーカル・MAHの知り合いの紹介により、ベース・SINと同じ2009年に正式に加入しました。
彼もまた一児の父です。
SiMへの加入前、スタジオで初めて合わせたのは2ndシングルの「Murderer」だったそう。そこでMAHがGODRiのスキルに感激し、加入へと至りました。
SiMの経歴
今やラウドロック界を代表する存在となり、かつ独自のスタンスを貫き続けるSiMですが、現在にいたるまでは様々な困難がありました。
結成から現在までのSiMの経歴をご紹介します。
結成〜現メンバーに至るまで
SiMの前身のバンドである「Silence iz Mine」が結成されたのは、2004年のこと。
当時18歳だったボーカル・MAHを中心に神奈川県の湘南で結成されました。
このころはライブ活動がメインで、高いノルマを払いながらひたすらにライブをしてたそう。
なかなかお客さんは増えなかったようですが、2006年に転機が訪れます。
なんとインディーズレーベルと契約し、インディーズデビューを果たしたのです。
同年にベースが脱退するものの、新しいベースと現メンバーであるギター・SHOW-HATEが加入。
翌2007年には会場限定シングル「paint sky blue」をリリースし、SNS上でもリスナーが増えるなど、バンド活動が徐々に軌道に乗り始めました。
そして2008年、1stアルバム「Silence iz Mine」をリリースし、初となるツアーを敢行。
同年にはカナダのロックバンド「SUM41」の来日サポートをしたり、大型野外フェス「京都大作戦」に出演したりと、さらに知名度が上がります。
しかし、ベースの脱退、ギターの加入&脱退など、幾多のメンバー編成も経験。
さらに翌年にはドラムとサポートベースが脱退してしまい、ついにMAHとSHOW-HATEの2人になってしまいます。
トラブルに見舞われた下積み時代
メンバーが2人になってしまうという危機を迎えたSiMですが、次のメンバーが決まる前に60本のツアーを組みます。
かなりの強行でしたが、現メンバーであるベース・SINとドラム・GODRiの加入が決定。
4人体制になったSiMは見事60本のツアーをこなし、さらには「DEAD POP FESTIVAL」というライブイベントを主催するなど、新体制での活動が軌道に乗り始めます。
しかし、ここで再び大きなトラブルが発生。
なんとギター・SHOW-HATEが脳梗塞で倒れてまったのです。
当時は3rdシングル「ANTHEM」のリリースツアー中だったため、ライブはキャンセル。
サポートメンバーを迎え活動を続けました。
しかしSHOW-HATEが驚異の回復を見せ、同年見事SiMに復帰。
ライブイベントやフェスへも出演しつつも、SHOW-HATEの体調を考慮し楽曲制作に力をいれ始めました。
そんな中で次に彼らを襲ったのが、事務所からの突然の解雇宣告。
当時制作していた三部作品の二作目のリリースが決まっていたものの、それも白紙に。
収録予定だった楽曲の多くが権利の関係で使用できなくなるなど、もはや絶望的と言っても過言ではない状況に陥ります。
そんな彼らを救ったのが、「gil soundworks」という事務所
移籍後は2ndフルアルバム「SEEDS OF HOPE」や2ndミニアルバム「LiFE and DEATH」をリリースするなどの活躍を果たしました。
また、この間にボーカル・MAHと違法ダウンロードを公言していたファンの間にトラブルが発生。
これを機にSiMのCDには「FILE SHARING IS KILLING MUSIC」という文言が表記されるようになりました。
メジャーデビュー以降
2013年、彼らはユニバーサルミュージックへと移籍し、シングル「EViLS」でメジャーデビューを果たします。
同年にリリースしたアルバム「PANDORA」ではオリコン週間ランキングで5位を獲得。
様々なトラブルを乗り越えた彼らは、着実にファンを増やしていきます。
その後もコンスタントに楽曲をリリースし続け、2015年にはなんと日本武道館でのライブが決定。
チケットはソールドアウトになるほどの大成功に終わりました。
さらに翌2016年には4thアルバム「THE BEAUTiFOL PEOPLE」をリリースし、ツアーを敢行。
地上波音楽番組への出演を果たすなどメディアへの露出が増え始めます。
2017年以降はCDだけでなく配信リリースを行なったり、大型野外フェスティバルへの出演が増えたりしたことでさらにファンを獲得。
2020年にリリースしたアルバム「THANK GOD, THERE ARE HUNDREDS OF WAYS TO KiLL ENEMiES」はオリコンチャートで2位にランクインするなど、現在はラウドロック界の代表的なバンドとして活動しています。
新型コロナウイルスの流行に伴い、配信ライブなどにも力を入れるようになったSiM。
2021年には1stアルバム「Silence iz Mine」を再現した配信ライブが行われました。
SiMの人気曲5曲をチェック!
SiMの楽曲といえば、他にはないレゲエ×ロックが特徴。
また、一曲の中で転調を繰り返すものも多く、聴いていて飽きないどころかシチュエーションを問わず盛り上がってしまいます。
ちなみに、楽曲等で「I」ではなく「i」が使用されているのは、「SiM」の真ん中の「i」にかけているんだとか。
そんな彼らの小粋なセンスに注目しつつ、人気曲をチェックしてみましょう。
KiLLiNG ME
「KiLLiNG ME」は、2011年にリリースされたアルバム「SEEDS OF HOPE」に収録されている楽曲で、SiMを代表する名曲。
YouTubeでの再生回数は3,000万回を超え、国内外問わず愛されています。
重厚感あふれる前奏とインパクト抜群のシャウトから始まるものの、サビはメロディアス。
いい意味で誰でも口ずさめるような耳馴染みのいいメロディなので、ライブでも非常に盛り上がります。
また、最後は前奏と同じくらいの疾走感で終わるのも心地よいポイント。
一曲通して聴くと、なぜかやりきった感や達成感を感じてしまいます。
モノクロの画にグリーンだけが使われたクールなMVも必見です。
Amy
「Amy(エイミー)」は2012年5月にリリースされたアルバム「LiFE and DEATH」に収録されている楽曲。
スピード感に溢れる一曲ですが、ただのロックではなくレゲエやスカの要素が盛り込まれているのが魅力的なポイント。
ステップを踏みたくなったり、ヘドバンしてみたくなったり、モッシュやダイブをしたい衝動に駆られたりと、ライブでなくても全身を使って楽しみたくなる曲です。
まるで海外のミステリー映画のようなMVも必見。
歌詞の内容とリンクしており、1人の少女が支配から逃れようと行動する様子が描かれています。
Blah Blah Blah
「Blah Blah Blah(ブラーブラーブラー)」は2013年4月にリリースしたメジャーデビューシングル「EViLS」に収録されている楽曲。
「Blah」という単語はあまり聴きなれないという方も多いかもしれませんが、「退屈な」「つまらない」という意味を持つ単語です。
しかし、楽曲はつまらないどころか聞き応えたっぷり。
「これがレゲエ×ロックか!」と思わせるような前奏に象徴されるように、レゲエとロックのエッセンスがたっぷり散りばめられています。
1曲のなかにかなり緩急があるのも魅力で、ぜひ生音で聴きたいと思う一曲です。
f.a.i.t.h
「f.a.i.t.h(フェイス)」も2013年にリリースしたメジャーデビューシングル「EViLS」の収録曲です。
約2分ほどの短い楽曲ですが、サウンドのボリューム感や歌声は大迫力!
ヘドバンやモッシュなしでは聴けない一曲といっても過言ではないでしょう。
ちなみに、同曲ではメタルコアバンド「Crossfaith」のKenta Koieがゲストボーカルとして参加しています。
迫力たっぷりのシャウトは必聴。ぜひ聴いてみてください。
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MAKE ME DEAD!
「MAKE ME DEAD!」は2016年にリリースされたアルバム「THE BEAUTiFUL PEOPLE」に収録されている楽曲。
怪しげな単音のイントロから始まり、重たくメロディアスな前奏の後に悲鳴が聴こえるというストーリー性のある一曲です。
MVも遊び心たっぷりで、古びたお城がある森へ迷い込んだメンバーが動物に噛まれゾンビ化していくという物語が描かれています。
ゾンビ化したメンバーを撃たないMAHの優しさや、最後のオチまでぜひ逃さずチェックしてみてください。
同曲を聴きながらハロウィンを満喫するなんていうのも楽しいかもしれませんね。
SiMのまとめ
様々な困難を乗り越え、ラウドロック界の確固たる存在となったSiM。
他にはない独特なロックを聴かせてくれるのが彼らの魅力です。
今後はどんな楽曲で我々を楽しませてくれるのか、期待して待ちましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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