朝美絢は、宝塚歌劇団雪組のトップスターです。
2009年に、多くのトップを輩出したことで知られる「花の95期生」の一人として宝塚歌劇団に入団、月組に配属され、2017年に雪組に異動。
2024年10月14日付けで、雪組トップスターに就任しました。
印象的な大きな瞳とはっきりした目鼻立ち、宝塚ファン以外からも絶賛されるアイドルのようなイケメンぶりと、役そのものになり切る憑依型の演技者として高く評価されており、「海辺のストルーエンセ」「仮面のロマネスク」等、コメディから社会派ドラマ、悲劇物に至るまで幅広いジャンルの舞台に出演して人気を博しています。
そんな朝美絢のプロフィールや魅力、代表作について、徹底解説していきます。
目次
朝美絢のプロフィール
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愛称:あーさ、J
生年月日:11月6日
出身地:神奈川県鎌倉市
身長:169cm
代表作:「A-EN ARTHUR VERSION」「海辺のストルーエンセ」「仮面のロマネスク」「愛の不時着」等
芸名の由来:憧れの俳優・小栗旬の名付け親である舞台監督によって命名され、名前の「絢」は小栗旬の「旬」の字にちなんでいる
朝美絢の経歴は?
スーツ姿の男役に憧れて宝塚へ
小さい頃からクラシックバレエを習っており、華やかな舞台に憧れていた朝美。
初めて宝塚を知ったのは、小学生の時に母と祖母に見せてもらったテレビ中継の録画です。
その後、TAKARAZUKA1000days劇場(2000年12月に閉場)で、真琴つばさ主演の月組公演「螺旋のオルフェ/ノバ・ボサ・ノバ」を観劇し、男役のスーツ姿の格好良さに感動したことをきっかけに、宝塚音楽学校への入学を目指すようになりました。
一度目の受験は失敗しましたが、二度目の受験では見事首席で合格を果たしました。
マイペースで場に馴染むのも苦手、何事も時間がかかる性格故、入学後には一時成績が下がってしまったそうですが、「焦らず努力を重ね、最後の試験は納得のいく成績で終わらせることができました」と当時を振り返っています。
「花の95期生」の一人として月組に配属
(※動画は、「PUCK」本公演時のもの)
2009年に、柚香光や月城かなと、礼真琴、桜木みなとといった多くのトップスターやトップ娘役を輩出した「花の95期生」の一人として宝塚歌劇団に入団し、月組に配属。
圧倒的なイケメンぶりで注目を集める一方、入団当初は踊りも台詞も覚えるのが不得意で、頭角を現すまでに若干時間がかかってしまいましたが、入団6年目の2014年には「PUCK」で新人公演初主演に抜擢されます。
翌年には、彼女の代表作の一つであるバウホール公演「A-EN(エイエン) 」に、後輩の暁千星と共にダブル主演を務め、月組の若手イケメン男役コンビとして人気を博しました。
当時の暁は、98期生首席という優秀な成績で入団したものの、失敗続きで怒られてばかりで泣いてしまうことも多々あったそうです。
3期上の朝美に対しても、気兼ねしてなかなか話しかけられなかったのですが、朝美はそんな彼女に対して、アドバイスと励ましで支え続け、2人はライバルというよりも同志的な関係で絆を深めていきました。
その後も「グランドホテル」で互いの役を役替わりで演じる等、コンビ的な扱いをされていましたが、首席入団した暁は月組の御曹司として主役級に抜擢されることが多い一方で、朝美はサブの役に留まることが多く、「あの頃は泣いてばかりだった」と後に振り返るほど、強いプレッシャーを感じていたようです。
当時の月組トップスター珠城りょうからも、「ライバル同士であるという自覚をもっと持つように」とアドバイスを受け、更に努力を重ねて演技力を磨いていきました。
雪組のトップ・オブ・トップ、望海風斗の背中を追って
「もっと舞台人として成長したい」。
そんな思いを抱えた朝美は、2017年5月31日付で雪組に組替えとなります。
当時の雪組は、「宝塚随一の歌唱力」と呼ばれたトップ・オブ・トップ望海風斗が率いる全盛期時代。
相変わらず人見知りで、なんでも一人で抱えてしまう朝美でしたが、この大スターの練習風景を目の当たりにしたことで、後に「望海さんが率いる雪組にいられて本当に良かったと思うんです」と語るほど、大きな衝撃を受けます。
みんなが譜面を追うのに必死な中、曲の背景までもうかがわせる、圧倒的な歌声を稽古場に響かせる姿。
歌をもらったら、まずどのように表現するか、目指す方向を考えるという次元の違う考え方。
「歌をもらったら、まずは歌えるようになるように練習して、どう表現するかは次の段階」と考えていた朝美にとって、何もかもが驚きの連続でした。
そして、偉大なる先輩をお手本に、朝美の急激な成長が始まります。
雪組に異動して2作目の舞台「ひかりふる路(みち)〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜」で、ロベスピエール(望海)の片腕であり、「革命の大天使」の異名を持つ美青年サン=ジュストを演じ、成長した歌唱力と役と一体化した見事な演技を見せ、「雪組の朝美絢ここにあり」と強烈なインパクトを残しました。
そこからは、「ファントム」のアラン・ショレとフィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵、「壬生義士伝」の斎藤一、「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」のキャロル等、宝塚を代表する数々の大作舞台に出演。
多くのメインキャラクターかつ当たり役を演じ、絶大な人気を誇るようになりました。
望海退団後は、トップスター彩風咲奈のもとで2番手男役に昇格。
「蒼穹の昴」の李春児、「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」のオスカル・フランソワ等、ここでも有名な役柄を次々と演じ、かつ理想の王子様のようなビジュアルの彩風と、色白でヒロインオーラ全開の美貌を誇るトップ娘役・夢白あやとの三人の並びは、「ビジュアルだけで勝利」と多くのファンを集めました。
大らかでマイペースな性格の彩風にとって、気遣い屋かつ真面目な朝美は頼りになる存在であると同時に、「もっと自由に楽しくやって欲しい」と支えたい対象でもあったそうです。
彩風に見守られながら、朝美は2番手男役として、演技者としてだけでなく、組織を引っ張るリーダーに必要なスキルも学んでいきました。
待望の雪組トップスターへ
2024年10月14日付けで、雪組トップスターに就任を果たしました。
花の95期の一人として人気を集めながら、なかなか主役級に抜擢されず、膨大な努力を重ねた道のりでしたが、華やかなビジュアルと憑依型とまで言われる高い演技力は、彼女を見事にトップスターの地位に押し上げました。
相手役には、彩風体制から引き続きトップ娘役を務める夢白あやが務め、2024年11月から12月にかけて、韓国の同名大人気ドラマを舞台化した、トップお披露目公演「愛の不時着」を上演。
彼女のトップスター就任には、ファンは勿論、仲間たちも祝福の声を多数上げており、特に朝美がその背中を追い続けた望海は、自身のInstagramのストーリーに、以下のようなコメントを上げるほど喜んでいます。
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朝美不時着絢さま…
#朝美絢
#雪組
#次期トップスター
#愛の不時着
#これが朝美絢です
また、前トップの彩風もインタビューで、「(愛の不時着を観劇して)こんなに短時間で新しい雪組を創り上げたあーさ」「本当に頼もしい存在だと思った」と「あーさの雪組」に対して、あたたかな祝福のコメントを出しています。