宝塚歌劇団 伝説級娘役12選

宝塚歌劇団 伝説級娘役12選

「男役」が舞台の主役を張ることが殆どの宝塚歌劇団において、「娘役」は舞台に華を添える女性らしい魅力が求められる役柄です。

舞台のフィナーレにおいて、ソロで歌声を披露する「エトワール」も基本的に娘役の中から選ばれるため、歌唱力・表現力・ヒロイン力も、娘役の重要な要素と言えるでしょう。

本記事は、特に伝説級と呼ばれる娘役12名を、どんなタイプの娘役か、どんな魅力の持ち主なのか、どういった活躍をしているのかを順に紹介していきます。

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伝説級の娘役(花組)

純名 里沙(じゅんな りさ)


    愛称:じゅん
    身長:160cm
    宝塚在籍期間:1990年~1996年

純名里沙は、伝説的タカラジェンヌの一人として知られるトップスター真矢みきの相手役です。

聡明で爽やかなビジュアルも勿論ですが、彼女の最大の魅力は美しく透き通ったソプラノ。

その実力は、宝塚入団前からアマチュア劇団のミュージカルの舞台で活躍し、宝塚音楽学校を首席で卒業するほど突出しています。

1990年の「ベルサイユのばら」では初舞台でエトワールを務めて、「10年に一人のプリマドンナ」と絶賛を浴びました。

また、劇団側からの勧めでオーディションを受けて1994年のNHK連続テレビ小説「ぴあの」で主演を務めたことで、「現役タカラジェンヌ初の朝ドラヒロイン」として広くお茶の間にも人気を集めました。

宝塚退団後は、フリーの女優として舞台やテレビ、果ては日本フィルハーモニー交響楽団を始めとする数々のオーケストラとの共演など華々しく活躍。

2002年の香港映画「慌心假期/Midnight fly」では主演及び主題歌を担当し、台湾版アカデミー賞の金馬奨で最優秀主題歌賞を受賞しました。

また、2008年のNHK英語学習アニメ「リトル・チャロ」シリーズのチャロ役での、健気で愛らしい子犬の声に聞き覚えのある人も多いのではないでしょうか。

一方で映像の仕事が増えて歌うことが少なくなったため、のどの筋肉が落ちてしまい思うように歌えなくなり悩んだと言います。

しかし、2011年の東日本大震災を機に、ギタリスト笹子重治と共に改めて歌を軸とした音楽活動をスタートさせました。

自身でライブハウスのブッキングを行い、数十人規模の小さいステージで歌うなど、より観客との距離の近い身近なスタイルで活躍しています。

花乃 まりあ(かの まりあ)

    愛称:かのちゃん
    身長:163cm
    宝塚在籍期間:2010年~2017年

花乃まりあは、トップオブトップ明日海りおの2人目の相手役です。

「宝塚の綾瀬はるか」と呼ばれる華やかで聡明な美貌と、「金色の砂漠」のタルハーミネや「ME AND MY GIRL」のサリーなどの勝気な女性役を得意とする高い演技力を魅力としています。

2019年からは、朝の情報番組「ZIP!」の現地リポーターなどを務めて、宝塚以外のお茶の間にも広く人気があります。

また、食べることが大好きでプロ並みの料理の腕前である点も人気の一つ。

彼女のInstagramに掲載されている手作り料理は、どれも盛り付けまで完璧な彩り豊かなもので一見の価値ありです。

2024年2月に第一子を出産、同年4月に所属事務所の契約を終了し独立したことが発表されました。

伝説級の娘役(月組)

黒木 瞳(くろき ひとみ)

    愛称:しょうこ
    身長:163cm
    宝塚在籍期間:1981年~1985年

黒木瞳は、宝塚史上最速の入団2年目で舞台「情熱のバルセロナ」にてトップ娘役に就任した人物です。

トップスター大地真央とのコンビは「ゴールデンコンビ」と呼ばれて、非常に高い人気を集めました。

高校卒業後は地元熊本の音楽学校への進学が決まっていたため、記念受験のつもりで宝塚音楽学校を受験しましたが、両親には内緒だったため1週間だけバレエレッスンに通い、一発合格を果たした、という驚異的なエピソードを持っています。

彼女の魅力は、清楚かつ気品のある美貌と高い演技力です。

退団後の映画主演デビュー作「化身」では全裸も披露する迫真の演技で、日本アカデミー賞で新人俳優賞。

流行語ともなった映画「失楽園」での不倫の恋に溺れる演技で、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を始めとする多くの賞を受賞しました。

また、大河ドラマ「軍師官兵衛」やテレビドラマ「白い巨塔」などへの出演、2016年には映画「嫌な女」で初の監督、日本レコード大賞やFNS歌謡祭といった音楽番組の司会を務めるなど、幅広い分野で活躍中です。

檀 れい(だん れい)

    愛称:だん
    身長:162cm
    宝塚在籍期間:1992年~2005年

檀れいは、強烈に目を引く華やかな美貌と気品の持ち主です。

高校生の頃にはモデルとして活躍しており、その経験を通じて人前に立つ仕事に魅力を感じ、芝居をやりたいと宝塚音楽学校を受験。

一発合格を果たしたものの、入団時の成績は最下位の40番と落ちこぼれで、「できない自分に気持ちがしょんぼりすることは多々ありました」と初めての劣等感に苛まれる日々だったと言います。

しかし、諦めることなく努力を続け、入団8年目でトップスター真琴つばさの相手役として大抜擢を受け、「シンデレラガール」と話題になりました。

2度の中国公演では、舞台「花舞う長安―玄宗と楊貴妃」を演じた際の美貌から「楊貴妃の再来」と絶賛を浴びています。

しかしそれだけで良しとせず、「真琴さんについて、重責をこなすのが精いっぱいでした」とその後も切磋琢磨し、真琴の退団後は星組トップスター湖月わたるの相手役に就任しました。

退団後は主に女優として活躍しており、2006年の映画「武士の一分」で日本アカデミー賞優秀主演女優賞と新人俳優賞、ゴールデンアロー賞など多くの賞を受賞しています。

愛希 れいか(まなき れいか)

    愛称:ちゃぴ
    身長:167cm
    宝塚在籍期間:2009年~2018年

愛希れいかは、娘役としては167cmと高い身長を活かしたハイレベルなダンスと華奢でキュートな外見が魅力の人物です。

トップスター龍真咲、龍退団後は珠城りょうの相手役として活躍しました。

ダンサーとしての力量は非常に高く、「グランドホテル」でのバレリーナ役では、ブロードウェイの演出家のトミー・チューンから「ネーティブ並みに英語ができれば、ブロードウェーに立てる。踊りや品格がすばらしい」と絶賛されたほどです。

2018年の「愛聖女」では、娘役としては異例のバウホール公演初主演を任されるなど多くのファンに愛され、6年7か月と歴代3番目の長期でトップ娘役を務めました。

退団後は、「エリザベート」のエリザベート役や「ファントム」のクリスティーヌ役など、大作と呼ばれる舞台で高い歌唱力が要求されるヒロイン役を多く演じています。

2025年は、NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」への出演が発表されました。

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