大晦日の『NHK紅白歌合戦』や、元日の『ニューイヤー駅伝』と並んで、「お正月の風物詩」のひとつとして、長い間大衆に親しまれてきた、『箱根駅伝』。
第101回を迎える2025年大会は、前哨戦とも言われる『出雲駅伝』『全日本大学駅伝』を終え、例年にも増して最後までレース展開が読めない大混戦が予想されています。
今回は、『第101回箱根駅伝 (2025年)』全出場校の紹介や、優勝候補校、注目選手、そして見どころを徹底解説します。
目次
箱根駅伝とは?
【第101回 #箱根駅伝予選会 🏃♂️】
📺ただいま #日本テレビ(関東エリア)ほかで生中継📡#予選会 では、各校12名までが21.0975kmを走ります。
タイムが集計されるのは上位10名。
合計タイムの上位10校が #箱根駅伝 本大会へ!https://t.co/61EBPMoy7m#TVer でもライブ配信中⚡️…— 箱根駅伝番組公式 (@hakone_ntv) October 19, 2024
1989年の第65回大会に日本テレビ系列で全区間・完全生中継が始まって以降、毎年1月2・3日に開催・TV中継されて「正月の風物詩」として親しまれる『東京箱根間往復大学駅伝競走 (以下『箱根駅伝』)。
東京・大手町の読売新聞社前から神奈川・箱根の芦ノ湖間を、往路5区間(107.5km)と復路5区間(109.6km)の合計10区間(217.1km)で競う、学生長距離界最長の駅伝レースです。
参加チームは、前年大会で上位10位までに入りシード権を獲得した10校と10月の予選会を通過した10校の合計20校に、関東学生陸上競技連盟加盟大学のうち、予選会を通過しなかった大学の記録上位者(1校1人まで)から選ばれる「関東学生連合」を加えた合計21チームが出場。
また、毎年スポーツの日に開催される『出雲全日本大学選抜駅伝競走(以下『出雲駅伝』)』と、毎年秋に開催される『秩父宮賜杯 全日本大学駅伝対校選手権大会 (以下『全日本大学駅伝』)』、そしてこの『箱根駅伝』は「大学三大駅伝」と呼ばれており、同じ年度にこの全大会で優勝することは「大学駅伝三冠 (以下「三冠」)」と称されています。
コース紹介
往路 107.5 km |
大手町・読売新聞ビル前 (スタート) |
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第1区 | 大手町 ー 鶴見 | 21.3 km | レースの流れを大きく左右する区間 | |
第2区 | 鶴見 ー 戸塚 | 23.1 km | 各校のエースが登場する最長区間“花の2区” | |
第3区 | 戸塚 ー 平塚 | 21.4 km | 山から海へ、向かい風が選手を阻む | |
第4区 | 平塚 ー 小田原 | 20.9 km | 往路の終盤に向けての重要な区間 | |
第5区 | 小田原 ー 箱根町 | 20.8 km | まさに”箱根路”!最大の難所・山上り区間 | |
箱根町・芦ノ湖駐車場入口(往路ゴール/復路スタート) | ||||
復路 109.6 km |
第6区 | 箱根町 ー 小田原 | 20.8 km | 冷え込む朝、急なカーブも続く山下り |
第7区 | 小田原 ー 平塚 | 21.3 km | 最も激しい気温差が体力を奪う区間 | |
第8区 | 平塚 ー 戸塚 | 21.4 km | 体感温度上昇と長い上り坂が選手を襲う区間 | |
第9区 | 戸塚 ー 鶴見 | 23.1 km | 優勝争い、シード権争いの逆転劇の舞台にも | |
第10区 | 鶴見 ー 大手町 | 23.0 km | 9人が繋いだ襷を胸にゴールを目指す最終区間 | |
大手町・読売新聞ビル前 (ゴール) |
『第101回箱根駅伝』出場校紹介
シード校 |
大学名 | 出場回数 | シード権 | 優勝経歴 |
青山学院大学 | 17年連続30回目 | 15年連続 | 総合優勝 7回 | |
駒澤大学 | 59年連続59回目 | 6年連続 | 総合優勝 8回 | |
城西大学 | 3年連続19回目 | 3年連続 | ||
東洋大学 | 23年連続83回目 | 19年連続 | 総合優勝 3回 | |
國學院大學 | 9年連続18回目 | 6年連続 | ||
法政大学 | 10年連続85回目 | 3年連続 | ||
早稲田大学 | 49年連続94回目 | 2年連続 | 総合優勝 13回 | |
創価大学 | 6年連続8回目 | 5年連続 | ||
帝京大学 | 18年連続26回目 | 2年ぶり | ||
大東文化大学 | 3年連続53回目 | 9年ぶり | 総合優勝 4回 | |
予選会 通過校 (10校) |
大学名 | 出場回数 | 予選会成績 | 前回順位 |
立教大学 | 3年連続30回目 | 予選1位 | 前年14位 | |
専修大学 | 2年ぶり72回目 | 予選2位 | 第99回20位/総合優勝1回 | |
山梨学院大学 | 5年連続38回目 | 予選3位 | 前年23位/総合優勝3回 | |
日本体育大学 | 77年連続77回目 | 予選4位 | 前年16位/総合優勝10回 | |
中央学院大学 | 2年連続24回目 | 予選5位 | 前年19位 | |
中央大学 | 8年連続98回目 | 予選6位 | 前年13位/総合優勝14回 | |
日本大学 | 2年連続91回目 | 予選7位 | 前年15位/総合優勝12回 | |
東京国際大学 | 2年ぶり8回目 | 予選8位 | 第99回11位 | |
神奈川大学 | 2年連続55回目 | 予選9位 | 前年21位/総合優勝2回 | |
順天堂大学 | 14年連続66回目 | 予選10位 | 前年17位/総合優勝11回 | |
連合チーム |
関東学生連合 |
オープン参加 |
箱根駅伝の結果を占う、“大学三大駅伝”の結果は?
前述の通り、『箱根駅伝』は、『出雲駅伝』、『全日本大学駅伝』と併せて「大学三大駅伝」と呼ばれており、同シーズンに3大会全てで優勝することは「三冠」と呼ばれています。
各校、毎年この「三冠」を目指すことはもちろん、「大学三大駅伝」の中でも最後に開催される『箱根駅伝』はシーズンの集大成とされ、その年度の『出雲駅伝』『全日本大学駅伝』の結果は、『箱根駅伝』の行方を占うとも言われています。
今年の出雲、全日本の結果
開催日 | 優勝 | 2位 | 3位 | |
出雲駅伝 | 2024年10月14日 | 國學院大學 | 駒澤大学 | 青山学院大学 |
全日本大学駅伝 | 2024年11月3日 | 國學院大學 (初) | 駒澤大学 | 青山学院大学 |
2024年年度は、『出雲駅伝』優勝に続いて、『全日本大学駅伝』で初優勝を果たした國學院大學が「三冠」に王手。
また、優勝校のみならず、2位、3位もともに駒澤大学と青山学院大学が連なり、両大会を全く同じ結果で終えています。
さらに、両大会とも4位以降がともに創価大学、早稲田大学、城西大学である点まで一致しています。
※『出雲駅伝』は、創価大学 (4位) と早稲田大学 (6位) の間に、アイビーリーグ選抜 (5位)が含まれる。
近年の大学三大駅伝の結果
2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2019年度 | 2018年度 | 2017年度 | 2016年度 | |
出雲 | 駒澤 | 駒澤 | 東京国際 | 開催中止 | 國學院 | 青山学院 | 東海 | 青山学院 |
全日本 | 駒澤 | 駒澤 | 駒澤 | 駒澤 | 東海 | 青山学院 | 神奈川 | 青山学院 |
箱根 | 青山学院 | 駒澤 | 青山学院 | 駒澤 | 青山学院 | 東海 | 青山学院 | 青山学院 |
『箱根駅伝』では、2014年度の初優勝以降、2017年度までの4連覇を含む通算7度の総合優勝を果たした青山学院が、ここ10年間は圧倒的な強さと存在感を見せてきました。
加えて、2020年度から2023年度まで『全日本大学駅伝』を4連覇した駒澤大学が、2020年度・2022年度は『箱根駅伝』総合優勝、さらに2022年度には「三冠」を達成するなど、“常勝軍団”と呼ばれる強さを発揮してきました。
優勝候補校、レースの見どころは
?
上記の通り、2020年度以降、大学駅伝界は青山学院大学と駒澤大学の2強体制が続いてきました。
しかし、2019年に『出雲駅伝』を制して「大学三大駅伝」初優勝を果たした國學院大學がめきめきと頭角を現し、2024年は5年ぶり2回目の優勝を遂げた『出雲駅伝』に続いて、『全日本大学駅伝』初優勝にも輝き、「三冠」に王手をかけています。
『箱根駅伝』で圧倒的な強みを見せてきた、前回覇者の青山学院大学の連覇か?
國學院大學が史上6校目の「三冠」達成か?
はたまた、“常勝軍団”・駒澤大学か?
2024年度最後の戦いとなる2025年年明けの『第101回 箱根駅伝』は、2020年度以降の青山学院大学と駒澤大学の2強体制に割って入った國學院大學を含む、三つ巴の戦いに注目です。
「大学三大駅伝」の幕開けを告げる一戦『出雲駅伝』は三つ巴でのアンカー決戦に、『全日本大学駅伝』でも最終区間で3校の順位が全て入れ替わる波乱のレース展開となっただけに、『箱根駅伝』も最後の最後まで目が離せない展開になりそうです。