大晦日の『NHK紅白歌合戦』や、元日の『ニューイヤー駅伝』と並んで、「年末年始の風物詩」のひとつとして、長い間大衆に親しまれてきた『箱根駅伝』。
第102回を迎える2026年大会は、前哨戦とも言われる『出雲駅伝』『全日本大学駅伝』で各校のエースたちの熱戦が繰り広げられ、最終対決となる『箱根駅伝』に高い注目が集まっています。
今回は、『第102回箱根駅伝 (2026年)』全出場校の紹介や、優勝候補校、注目選手、そして見どころを徹底解説します。
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目次
箱根駅伝とは?
1989年の第65回大会から日本テレビ系列による全区間の完全生中継がスタートし、いまでは毎年1月2日・3日に放送される「正月の風物詩」としてすっかり定着した『東京箱根間往復大学駅伝競走(通称・箱根駅伝)』。
東京・大手町の読売新聞社前をスタート地点に、神奈川・箱根の芦ノ湖を目指して走る往路(5区間・107.5km)と、復路(5区間・109.6km)の合計10区間・217.1kmで構成された、学生長距離界で最も歴史があり、注目を集める駅伝レースです。
参加チームは、シード校と予選会通過校
参加チームは、「シード校」と「予選会通過校」、そして「関東学生連合」で構成されています。
「シード校」は、前年大会で上位10位までに入りシード権を獲得した10校。
また、「予選会通過校」は、10月の予選会を通過した10校です。
そして、関東学生陸上競技連盟加盟大学のうち、予選会を通過出来なかった大学の記録上位者(1校1人まで)から選抜される「関東学生連合」を加えた、合計21チームが出場します。
「大学三大駅伝」の締めくくり
毎年スポーツの日に開催される『出雲全日本大学選抜駅伝競走(以下『出雲駅伝』)』と、毎年秋に開催される『秩父宮賜杯 全日本大学駅伝対校選手権大会 (以下『全日本大学駅伝』)』、そしてこの『箱根駅伝』は、「大学三大駅伝」と呼ばれています。
同じ年度にこのすべての大会で優勝することは「大学駅伝三冠 (以下「三冠」)と称されており、「大学三大駅伝」の最後に開催される『箱根駅伝』は、その年の大学駅伝の締めくくりとも言える大会です。
また、『出雲駅伝』は総距離45.1km・区間平均7.5km、『全日本大学駅伝』が総距離106.8km・区間平均13.35kmに対して、『箱根駅伝』は総距離217.1km・区間平均21.71km。
区間平均は『出雲駅伝』の約3倍、総距離は『全日本大学駅伝』の倍以上という圧倒的な距離も『箱根駅伝』の特徴であり、見どころです。
コース紹介
| 往路 107.5 km |
大手町・読売新聞ビル前 (スタート) |
|||
| 第1区 | 大手町 ー 鶴見 | 21.3 km | レースの流れを大きく左右する区間 | |
| 第2区 | 鶴見 ー 戸塚 | 23.1 km | 各校のエースが登場する最長区間“花の2区” | |
| 第3区 | 戸塚 ー 平塚 | 21.4 km | 山から海へ、向かい風が選手を阻む | |
| 第4区 | 平塚 ー 小田原 | 20.9 km | 往路の終盤に向けての重要な区間 | |
| 第5区 | 小田原 ー 箱根町 | 20.8 km | まさに”箱根路”!最大の難所・山上り区間 | |
| 箱根町・芦ノ湖駐車場入口(往路ゴール/復路スタート) | ||||
| 復路 109.6 km |
第6区 | 箱根町 ー 小田原 | 20.8 km | 冷え込む朝、急なカーブも続く山下り |
| 第7区 | 小田原 ー 平塚 | 21.3 km | 最も激しい気温差が体力を奪う区間 | |
| 第8区 | 平塚 ー 戸塚 | 21.4 km | 体感温度上昇と長い上り坂が選手を襲う区間 | |
| 第9区 | 戸塚 ー 鶴見 | 23.1 km | 優勝争い、シード権争いの逆転劇の舞台にも | |
| 第10区 | 鶴見 ー 大手町 | 23.0 km | 9人が繋いだ襷を胸にゴールを目指す最終区間 | |
| 大手町・読売新聞ビル前 (ゴール) | ||||
『第102回箱根駅伝』出場校紹介
| シード校 (10校) |
大学名 | 出場回数 | シード権 | 優勝経歴 |
| 青山学院大学 | 18年連続 31回目 | 16年連続 | 総合優勝 8回 | |
| 駒澤大学 | 60年連続 60回目 | 7年連続 | 総合優勝 8回 | |
| 國學院大學 | 10年連続 19回目 | 7年連続 | ||
| 早稲田大学 | 50年連続 95回目 | 3年連続 | 総合優勝 13回 | |
| 中央大学 | 9年連続 99回目 | 2年ぶり | 総合優勝14回 | |
| 城西大学 | 4年連続20回目 | 3年連続 | ||
| 創価大学 | 7年連続 9回目 | 6年連続 | ||
| 東京国際大学 | 2年連続 9回目 | 3年ぶり | ||
| 東洋大学 | 24年連続 84回目 | 20年連続 | 総合優勝 4回 | |
| 帝京大学 | 19年連続 27回目 | 2年連続 | ||
| 予選会 通過校 (10校) |
大学名 | 出場回数 | 予選会成績 | 前回順位 |
| 中央学院大学 | 3年連続 25回目 | 予選1位 | 前年14位 | |
| 順天堂大学 | 15年連続 67回目 | 予選2位 | 前年11位/総合優勝11回 | |
| 山梨学院大学 | 6年連続 39回目 | 予選3位 | 前年18位/総合優勝3回 | |
| 日本大学 | 3年連続 92回目 | 予選4位 | 前年20位/総合優勝12回 | |
| 東海大学 | 2年ぶり 52回目 | 予選5位 | 第100回11位/総合優勝1回 | |
| 東京農業大学 | 2年ぶり 71回目 | 予選6位 | 第100回22位 | |
| 神奈川大学 | 3年連続 56回目 | 予選7位 | 前年16位/総合優勝2回 | |
| 大東文化大学 | 4年連続 54回目 | 予選8位 | 前年19位/総合優勝4回 | |
| 日本体育大学 | 78年連続 78回目 | 予選9位 | 前年12位/総合優勝10回 | |
| 立教大学 | 4年連続 31回目 | 予選10位 | 前年13位 | |
| 連合チーム | 関東学生連合 | オープン参加 | ||
箱根駅伝の結果を占う、“大学三大駅伝”の結果は?
『箱根駅伝』は、『出雲駅伝』『全日本大学駅伝』と並ぶ「大学三大駅伝」のひとつ。
この3大会すべてで優勝することは“大学駅伝界の三冠”と呼ばれ、各校がシーズンを通して目標に掲げる大きな栄誉です。
なかでも、シーズン最後に開催される『箱根駅伝』は、一年の集大成ともいえる存在。
『出雲駅伝』『全日本大学駅伝』の結果は、『箱根駅伝』の行方を占うともいわれるほど、三大駅伝は互いに深く結びついています。
今年の出雲、全日本の結果
| 大会 | 開催日 | 優勝 | 2位 | 3位 |
| 出雲駅伝 | 2025年10月13日 | 國學院大學 | 早稲田大学 | 創価大学 |
| 全日本大学駅伝 | 2025年11月2日 | 駒澤大学 | 中央大学 | 青山学院大学 |
2025年度の「大学三大駅伝」は、昨年度に『出雲駅伝』と『全日本大学駅伝』を連覇して「三冠」に王手をかけた國學院大學が、再び『出雲駅伝』のゴールテープを切り、幕を開けました。
一方、怪我からの復帰が間に合わなかった大エース・佐藤圭汰を欠いた駒澤大学は5位、箱根連覇中の青山学院大学はまさかの7位と大苦戦。
そして、佐藤圭汰が復活した駒澤は、『全日本大学駅伝』では5区の伊藤蒼唯が4位から1位まで押し上げた襷を守り抜き、2大会ぶり、大会最多17回目の優勝に輝きました。
『出雲駅伝』のあと、「もう失敗は許されない」と緊急ミーティングを開いた青山学院は、7区の黒田朝日がトップと2分52秒差の5位から1分57秒差の2位まで順位を押し上げ、総合3位を獲得。
5年連続となる表彰台にあがり、『箱根駅伝』3連覇に向けて望みを繋ぎました。
近年の大学三大駅伝の結果
*年表記は「年度」を表す
| 2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | |
| 出雲 | 國學院 | 駒澤 | 駒澤 | 東京国際 | 開催中止 | 國學院 | 青山学院 | 東海 |
| 全日本 | 國學院 | 駒澤 | 駒澤 | 駒澤 | 駒澤 | 東海 | 青山学院 | 神奈川 |
| 箱根 | 青山学院 | 青山学院 | 駒澤 | 青山学院 | 駒澤 | 青山学院 | 東海 | 青山学院 |
『箱根駅伝』では、2014年度の初優勝以降、2017年度までの4連覇を含む通算8度の総合優勝を果たした青山学院大学が、近年は圧倒的な強さと存在感を見せてきました。
また、2020年度から2023年度までの4連覇に加え、今年再び『全日本大学駅伝』王座を奪還、2022年度には「三冠」を達成するなど、“常勝軍団”と呼ばれる強さを発揮してきた駒澤大学。
さらに、昨年「三冠」に王手をかけた國學院大学が、今年再び『出雲駅伝』を制し、青山・駒澤と並ぶ、三大勢力としての存在感を見せています。
優勝候補校、レースの見どころは?
2025年の「大学三大駅伝」は、『箱根駅伝』の前哨戦である『出雲駅伝』『全日本大学駅伝』を終え、青山学院、駒澤、國學院がいずれも、1度ずつしか表彰台に上がれていないという波乱の展開を見せています。
『箱根駅伝』3連覇が掛かる青山学院大学は、“最強世代”と称された若林宏樹、白石光星、鶴川正也、太田蒼生、野村昭夢、田中悠登まで、前回優勝メンバーのうち6人が2024年度に卒業し、『出雲駅伝』7位という結果に戦力不足の声も。
駒澤大学も、『全日本大学駅伝』で優勝を果たすも、『出雲駅伝』『全日本大学駅伝』合わせて、区間賞を獲得したのは、『全日本大学駅伝』5区を走った伊藤蒼唯ただ1人という結果も気になるところです。
昨年に続き、『出雲駅伝』2連覇を果たした國學院大學や2位の早稲田大学は、『全日本大学駅伝』でもそれぞれ4位・5位と上位を獲得。
さらに、『全日本大学駅伝』2位の中央大学など、注目選手が揃う大学がレースをかき乱すことも想像に難くなく、最後の最後まで目が離せない展開になりそうです。
『第102回箱根駅伝』注目選手は?
合計10区間・総距離217.1kmで争われる、大学駅伝の最高峰『箱根駅伝』。
今大会もレースの行方を握ることが期待される、注目選手を紹介します。
黒田朝日/青山学院大学
黒田朝日が全日本大学駅伝 7区でチームを鼓舞する魂の激走。区間新記録を樹立。
キャプテンは決して最後の一秒まで諦めない。🏃 @aogaku_rikujyou
👟 Adizero Adios Pro Evo 1
⌚ 49:32You Got This pic.twitter.com/9CZri4ungJ
— アディダス ジャパン (@adidasJP) November 2, 2025
2024年度に卒業した“最強世代”とともに、2年生の時から“エースランナー”のひとりとしてチームを牽引。
“最強世代”卒業後の今年、『全日本大学駅伝』では、『朝日にかける大作戦』と銘打ち、原監督も「7区の黒田朝日までトップと30秒差であれば優勝できる」と言及するなど、まさに“黒田朝日頼み”というほど、チームの核的存在です。
『全日本大学駅伝』では、トップと2分52秒差の5位から、1分57秒差の2位まで襷を押し上げ、5年連続の表彰台に貢献。
今シーズン『出雲駅伝』『全日本大学駅伝』両方で区間賞を受賞した唯一の選手である彼は、『箱根駅伝』でもチームの順位を左右する、最注目ランナーです。
佐藤圭汰/駒澤大学
現役大学生屈指のスピードを誇り、「駒澤の大砲」とも称される大エース。
『出雲駅伝』は、夏の怪我からの復帰調整が間に合わなかったものの、『全日本大学駅伝』では2位との差を1分近く広げて、アンカーの山川拓馬に襷を繋げる、大エース然とした走りを見せ、『箱根駅伝』での更なる活躍に期待を集める大学駅伝注目のランナーのひとりです。
山川拓馬/駒澤大学
『全日本大学駅伝』で3年連続アンカーを務める、駒澤大学のキャプテン(主将)。
大学1年次の『全日本大学駅伝』で「大学三大駅伝」初出場を果たすと同時に、ルーキーとは思えぬ快走で区間賞を獲得し、一躍注目を集めました。
以降、3年連続で『全日本大学駅伝』区間賞を獲得するスピードはもちろん、『出雲駅伝』でも3年連続で区間2位という安定した走りも持ち味です。
伊藤蒼唯/駒澤大学
1年次に出場した『箱根駅伝』で6区・区間賞の走りで、「三大駅伝」鮮烈デビューを果たした伊藤蒼唯(いとうあおい)。
以降、佐藤、山川の存在感に押されているものの、「三大駅伝」では常に区間2位・3位という安定感を証明し続けています。
今年の『全日本大学駅伝』では、5区を任されるとトップと35秒差の4位で受け取った襷を1位まで押し上げたうえ、2位の國學院に1分近い差を付けて6区に繋ぎ、駒澤大学を優勝に導くとともに、大会MVPを獲得。
『箱根駅伝』でも、レースをひっくり返す大活躍に期待がかかる存在です。
工藤慎作/早稲田大学
『名探偵コナン』の主人公・江戸川コナン(工藤新一)と名前が似ていることと、トレードマークのメガネが相まって、“山の名探偵”の異名を持つ早稲田のエース。
2年次の『箱根駅伝』では2年連続となる山登り5区に起用されると、粘り強い走りで3人を抜き、区間2位の好記録をマーク。
チームの往路3位に貢献し、一躍存在感を発揮しました。
そして、今年の『全日本大学駅伝』では、最終8区で早稲田大学の大先輩・渡辺康幸の8区日本人最高区間記録を30年ぶりに更新という、駒澤・山川拓馬も成し得なかった快挙を達成。
早稲田の新“大エース”の誕生を予感させました。
野中恒亨/國學院大學
上原琉翔(4年)、青木瑠郁(4年)、さらに『出雲駅伝』4区で区間新記録を叩きだした辻原輝(3年)など、注目選手も目白押しの國學院大學。
その中でも、『出雲駅伝』では最強留学生と名高い城西大学のヴィクター・キムタイに次ぐ区間2位の走りを見せると、『全日本大学駅伝』では、ついにヴィクター・キムタイを抑えて区間賞を獲得し、衝撃を与えた存在です。
『箱根駅伝』では、三度目となるヴィクター・キムタイとの直接対決に期待を集めています。
ヴィクター・キムタイ/城西大学
城西大学 ヴィクター・キムタイ⁰3年連続区間賞🔥⁰CONGRATS🥇@josai_ekiden pic.twitter.com/P5MnNcQ2FU
— PUMA JAPAN (@PUMA_JPN) October 13, 2025
『出雲駅伝』では3年連続の区間賞、2025年の『全日本大学駅伝』では、惜しくも國學院大學の野中恒亨にわずか1秒届かず3年連続区間賞を逃すも、区間2位を獲得したケニア出身の外国人留学生。
4年生として臨む最後の『箱根駅伝』で悲願の区間賞獲得なるか、注目の外国人留学生ランナーです。
お正月の風物詩!各校エースたちの活躍が勝負の行方を左右する箱根路の217.1km
例年以上に、各校のエースたちの走りが勝負の鍵を握ると予想される『第102回箱根駅伝』。
一年で最も家族や親戚がテレビの前に集う正月三が日にTVで生中継されるこの大会は、新春の風物詩です。
優勝争いやシード権をめぐる熾烈なレース展開はもちろんのこと、全217.1kmの箱根路に刻まれる選手たちのドラマからも目が離せません。
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