これまで数多くの作品を生みだしてきた日本を代表するSFロボットアニメ『機動戦士ガンダム』。
ガンダムシリーズ45周年を迎えた2025年4月からは最新作のTVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』が放送を開始し、話題を呼んでいます。
本放送の前、1月から先行上映された劇場版の情報も踏まえ、本記事ではTVアニメと劇場版で使用されたOP・EDテーマ・挿入歌を紹介します。
目次
TVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』
概要
サンライズが制作し、1979年から1980年まで放送された、矢立肇と富野由悠季が原作のTVアニメ『機動戦士ガンダム』。未来の世界、地球に人口が増えすぎた宇宙世紀0079年を舞台に、地球連邦軍と地球から宇宙空間の「スペース・コロニー」に送られた人々によるジオン公国という二大勢力の戦いを描いたロボットアニメです。
地球連邦軍の新型モビルスーツ「ガンダム」を操縦する少年アムロ・レイ、ジオン共和国設立者の息子シャア・アズナブルの個人的な戦いも見どころ。アムロは、テレパシーのような超能力をもつ進化した人類「ニュータイプ」として敵の思考を読み強くなり、最後は地球連邦軍が勝利し終戦するというSF物語です。
この1979年放送の「初代ガンダム」の世界観や地球連邦軍とジオン公国の戦いを原点に、TVアニメ、劇場版、漫画・小説にて、時代背景や登場人物を変えて今日までシリーズ化されてきました。
そんなガンダムシリーズの最新作として、2025年4月からTVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が放送を開始。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズを制作したスタジオカラーとサンライズが初めて共同制作した注目の話題作です。
TVアニメ放送前の2025年1月からは、TVアニメ本編の一部話数を再構築した劇場版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』が先行上映されました。“もしもジオン公国が勝利した世界であったのならば”というパラレルワールドの設定の“Beginning”パートから始まり、後半はそれから5年後の宇宙世紀0085年を舞台にしたTVアニメの物語に続く世界を描いた劇場版。公開66日間で興行収入は32億円を超え、観客動員数は200万人を突破し、北米やアジアなど海外でも上映がスタートしています。
監督は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』にて庵野秀明総監督を補佐し監督を務めた鶴巻和哉、シリーズ構成は『美少女戦士セーラームーン』の脚本や『文豪ストレイドッグス』のシリーズ構成を手がけた榎戸洋司、脚本は榎戸洋司と庵野秀明の共同執筆、メカニカルデザインは『新世紀エヴァンゲリオン』『ふしぎの海のナディア』のデザインにも携わった山下いくとなど、錚々たるスタッフ陣が集結。ガンダムファンはもちろん、ガンダムに詳しくないアニメ好きからも注目を浴びています。
あらすじ
宇宙世紀0085年、ジオン公国が地球連邦軍に勝利した世界が舞台。宇宙に浮かぶスペース・コロニーで平穏に暮らしていた女子高生アマテ・ユズリハは、ある日、戦争難民の少女ニャアンと出会い、不要となったモビルスーツ(ガンダム)の非合法な決闘競技「クランバトル」に巻き込まれます。アマテは、エントリーネーム“マチュ”として、謎の最新鋭モビルスーツ「 GQuuuuuuX(ジークアクス)」を操縦しバトルを展開。そこで、宇宙軍と警察に追われていた正体不明のモビルスーツとそのパイロットの少年シュウジと出会い、またしても運命が変わっていきます。
アマテ・ユズリハ / マチュ(黒沢ともよ)、ニャアン(石川由依)、シュウジ・イトウ(土屋神葉)、アンキー(伊瀬茉莉也)、ジェジー(徳本恭敏)、ポメラニアン(越後屋コースケ)、ナブ(千葉翔也)、ケーン(永野由祐)、ハロ(釘宮理恵)、シャリア・ブル(川田紳司)、エグザベ・オリベ(山下誠一郎)、コモリ・ハーコート(藤田茜)など。
*( )内は声優名。
「もしもジオン公国が勝利したのならば」というパラレルワールドで展開する本作品。TVアニメよりも先に公開された劇場版は「ガンダムシリーズ」と「エヴァンゲリオンシリーズ」を融合したような斬新さがあり、初めてガンダムを観る人も楽しめると好発進しています。
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』OP・ED・劇場版挿入歌
OP:「Plazma」米津玄師
TVアニメのOPテーマと劇場版の主題歌は米津玄師が担当しています。TVアニメのコンテを全話読んだ米津は、「マチュやニャアンらの過ごしていくストーリーと同軸で、もしもという、もう一つの大きな軸のある物語になっている。そこを軸に据えながら、子供達が狭い世界から、大きな世界に飛び出していくというニュアンスを両方同時に詰め込むことで、この作品に似付かわしい曲が作れるんじゃないか。そういう予感から、一つ一つ膨らませていった」とコメント。音楽を始めた頃の喜びのようなものを再び取り戻したいという気持ちで、作詞・作曲・編曲のすべてを自身で手がけて書き下ろしています。
宇宙を舞台とした作品のイメージを際立たせるスケール感があり、ワープしている気分にもなれるキャッチーなサウンドの楽曲です。本作品の「もしもジオン公国が勝利した世界ならば」というテーマにリンクした歌詞で、〈もしも〉というワードを幾度も使っているのも特徴的。〈もしもあの改札の前で 立ち止まらず歩いていれば〉といった後悔の念と〈飛び出していけ宇宙の彼方〉といった前向きな感情を対比させることで、マイナスからプラスへと大きく飛躍する意志の強さ、子供達の未来に広がるドラマ性を感じさせます。
「オリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキング」では初登場1位を獲得し、米津自身通算17作目の1位となり、「デジタルシングル通算1位獲得作品数」自己記録を更新。2025年1月20日に配信リリースされましたが、TVアニメ放送を機に、さらにYouTubeや各音楽配信サービスで再生回数を伸ばすことでしょう。
ED:「もうどうなってもいいや」星街すいせい
EDテーマは劇場版の挿入歌のひとつ、VTuberグループ「ホロライブ」所属の0期生バーチャルアイドル星街すいせいの楽曲が使用されています。音楽プロデューサーでシンガーソングライターでもある辻村有記(Yuki Tsujimura)と、SixTONESや西野カナなど様々なアーティストの楽曲に携わっている音楽プロデューサーのNaoki Itaiが共同で作曲した、スタイリッシュなデジタルダンスサウンドの1曲です。
作詞は辻村が担当。大人になりきれない気持ちを綴っていて、〈心は棘の類で〉〈鳥籠の中で(踊る)〉のフレーズからは、学校や社会といった制限された世界で、エネルギーに満ちている若者らしい激しさや孤独感が伝わってきます。〈もうどうなってもいいや〉と諦めにも似た感情の中に、希望の光のように天体が美しく輝いている雰囲気も印象的。星街の大人っぽい歌声で、子供と大人の狭間の葛藤を繊細に表現しています。
劇場版・TVアニメ第1話・第6話挿入歌:「ミッドナイト・リフレクション」NOMELON NOLEMON
劇場版、TVアニメ第1話と第6話の挿入歌には、クリエイターのツミキとシンガーソングライターのみきまりあによる音楽ユニットNOMELON NOLEMONの楽曲が使用されました。作詞・作曲・編曲を手がけたツミキは「歌詞、サウンドともに、広大な宇宙と、僕たちの住まう小さな星とのスケールの対比をイメージした」とコメント。“宇宙飛行”をテーマに、好きな人を想う切ない気持ちを書き下ろしています。
〈いつかプラネタリウムに映らない / ひかりを見つけて繋げたい〉と、一途な願いが星々を追い越して遠く宇宙空間まで広がっていく様子を思わせるフレーズには胸がキュンとします。センチメンタルな世界観に、みきまりあのキュートで伸びやかな歌声がベストマッチ。雫の音が効果的に響く、瑞々しくてポップなサウンドはサビに向かって壮大に盛り上がり、聴き手の心に心地よい余韻を残しています。
「iTunes リアルタイムランキング(日本)」(2025年1月22日21時時点)では、OPテーマ米津玄師の「Plazma」と一緒に、本曲は4位にランクイン。YouTubeで2025年1月17日に配信後約3ヶ月で810万回再生を突破。TVアニメのEDテーマに起用されなかったので、TVアニメ放送前から「アニメの挿入歌として使用してほしい」とファンに熱望された人気曲です。
TVアニメ第3話挿入歌:「夜に咲く」星街すいせい
TVアニメ第3話の挿入歌には、TVアニメのEDテーマを担当したバーチャルアイドル星街すいせいの楽曲が使用されました。
作詞・作曲は、2024年5月公開の映画『トラペジウム』の主題歌「なんもない feat. 星街すいせい, sakuma.」でコラボした音楽クリエイターのsakuma.が担当。作曲は、Hey! Sɑy! JUMPや乃木坂46らに楽曲提供している作曲家・編曲家・PAエンジニアの野口大志と共同で制作しています。
シンセサイザーを駆使したダンサンブルな曲調で、夢に向かって現実で四苦八苦しながら立ち向かう気持ちが伝わってくる楽曲です。小室哲哉の楽曲を彷彿とさせる平成の雰囲気が漂い、長年のガンダムファンからも好評。レトロでアグレッシブなサウンドと星街のパワフルで中性的な歌声が本編の戦闘シーンを盛り上げています。
TVアニメ第4話挿入歌:「欲しいものすべて」岡地織花
TVアニメ第4話の挿入歌は、アニメ『呪術廻戦』の劇判曲を務めた照井順政が作曲し、岡地織花が歌った楽曲が使用されました。2人は共にロックバンドハイスイノナサのメンバーであり、本作品の劇場版の劇判曲にも携わっています。
編曲は、舞台や映画をはじめ様々なアーティストと楽曲を制作してきたチェリストの徳澤青弦が担当。ピアノやストリングス、フルートが美しく響きわたるドラマティックなバラードソングです。歌詞はなく、岡地の〈ラララ〉と繰り返す透明感ある歌声とサウンドが溶け合って、日常の他愛ない瞬間、目に映る自然、すべてを愛おしく感じさせる幸せな世界観を描いています。
タイトルは本アニメの鶴巻監督が命名。歌詞からのメッセージがないからこそ、自分の欲しいものは何なのか、心に深く問いかけるきっかけになるのではないでしょうか。
TVアニメ第5話挿入歌:「夏の現在地」岡地織花
TVアニメ第5話の挿入歌は第4話の挿入歌に続き、照井順政と岡地織花による楽曲が使用されました。作詞・作曲・編曲のすべてを照井が手がけた、ノスタルジックでしっとりとした楽曲です。
〈差し込んだ 夏の日差しが焼き付けた / 永遠を泳いで〉と、季節が巡る度に甘酸っぱい思い出や忘れられない過去に想いを馳せる歌詞で叙情的な世界を描いています。岡地の澄んだ歌声が聴き手を包み込み、1分41秒という短時間にフワフワとたゆたうタイムトラベル気分を体験させてくれる1曲です。
TVアニメ第5話挿入歌:「水槽の街から」みきまりあ
TVアニメ第5話の挿入歌は、劇場版の劇伴曲「コロニーの彼女」に歌詞をのせ、劇場版とTVアニメ第1話の挿入歌を歌ったNOMELON NOLEMONのみきまりあが歌っています。
作詞・作曲・編曲を担当した照井順政は「思春期の不安定な感情や、都市のスピード感に飲み込まれる感じを表現すべく敢えて情報量を多めにした」とコメント。ネオンや星々がキラキラと飛び交うような疾走感あふれるサウンドで、みきが少女にも大人の女性にも聴こえる歌声で可愛らしく、そして凛とした雰囲気で歌い上げています。
照井は「みきさん歌うますぎてコントロールルームでみんなで盛り上がってました」と絶賛し、みきは「劇場版で聴いた時から大好きな曲。心地よく歌えた」と喜びの気持ちを、それぞれのSNSで発信。主題歌と同じく、本作品を代表する曲となったと言っても過言ではないでしょう。
2025年1月22日にYouTubeにて配信された劇場版の劇判曲「コロニーの彼女」は、5月10日時点で162万回再生を突破。TVアニメ第4話と第5話の挿入歌を歌った岡地織花が〈ラララ〉と歌声をのせ、みきまりあとはまた違った大人っぽい雰囲気で夢見心地に浸らせてくれています。異なる印象を抱かせる2曲は必聴です。
TVアニメ第6話・第7話挿入歌:「きえない」NOMELON NOLEMON
TVアニメ第6話と第7話の挿入歌には、本作品で2曲目の挿入歌となる音楽ユニットNOMELON NOLEMONの楽曲が使用されました。作詞・作曲・編曲のすべてをメンバーでクリエイターのツミキが担当し、自身も「自信作」と語る1曲です。
本曲は、宇宙の無機質感とオリエンタルな雰囲気が調和したイントロで始まり、ゆったりとしたテンポが心地良い楽曲です。空気が揺れているような音を加えたりと、随所にツミキのこだわりが散りばめられているのも聴きどころ。歌詞では、〈地球色の春〉〈夢を描いてくれたあの宇宙〉などと、大切な人との思い出や切ない心情をロマンティックに表現しています。
みきまりあ(Vo)は「寄り添うようにうたった」と自身のSNSで発信。「大切な人といつかまた会える、きっと解りあえる」という希望と孤独が混ざり合う感情を優しく丁寧に歌い、「まるでニャアンの気持ちみたい」と感想が寄せられるほど視聴者の心に染み入っています。
TVアニメ第7話挿入歌:「HALO」NOMELON NOLEMON
TVアニメ第7話の挿入歌には、本作品で3曲目となる音楽ユニットNOMELON NOLEMONの楽曲が使用されました。太陽や月の周りに光の輪が現れる「ハロ現象」、挨拶の「Hello」、本作品に登場する人間と会話ができてマチュと一緒に行動する自律型AIロボット「ハロ」をリンクさせるタイトルで、今回も作詞・作曲・編曲をツミキが担当し書き下ろしています。
温もりのあるピアノや、レトロゲームのような音などを多彩に組み合わせて、宇宙を舞台にした作品の世界観とマッチさせた心弾む楽曲です。
歌詞では、〈赤く染まる信号機はひとりぼっち〉〈偶然のキャンバスに落とす色 蒼い青〉と単色だけで1人の静かな世界をイメージさせ、〈星と星を線で繋ぐように〉〈月の風に誘われて明かりのない場所まで行こう〉と天体を用いて大切な人との繋がりを幻想的に描いています。
みきまりあは「明るい曲調の中でも報われない切ない感情と、歌詞の聞き取りやすさを意識して歌った」とコメント。〈明日になればまた / ハロー ハロー〉と交信している可愛らしい様子や、宇宙空間を漂っているようなポップなサウンドが、少し寂しい世界をやわらかく包み込んでいるかのようです。
2025年6月14日時点、音源配信ストア&音楽情報発信サイト「OTOTOY」の「Monthly Best Selling Singles」では「きえない」が2位、「HALO」が3位を獲得。挿入歌が主題歌並みにファンを魅了しています。
TVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』まとめ
2025年4月に開幕した大阪・関西万博では、4月13日から10月13日まで、高さ約17メートルの実物大ガンダム像を設置し、作品の世界観や未来の宇宙生活などを体験できるパビリオンを展開しています。
2025年7月2日、「ミッドナイト・リフレクション」「きえない」「HALO」などNOMELON NOLEMONが担当した挿入歌を収録したEP「HALO – EP」、8月27日には、劇場先行版で使用された楽曲を含む、ほぼすべての劇伴を収録予定のオリジナルサウンドトラックが発売を予定しています。
少年たちの心を掴み、映像やプラモデルでブームを巻き起こしてきた『機動戦士ガンダム』。月移住や民間人宇宙旅行も目前の未来となった2025年、ガンダム熱がヒートアップする中で、地球と宇宙、戦争と平和、人間と技術など、今一度深く考える機会となることでしょう。
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