藤井風 -「LOVE ALL SERVE ALL」|待望の2ndアルバム徹底解説!

藤井風 -「LOVE ALL SERVE ALL」|待望の2ndアルバム徹底解説!

『LOVE ALL SERVE ALL』の楽曲徹底解説!

ここからは、『LOVE ALL SERVE ALL』に収録された楽曲について解説します。

リリース前にYouTubeで配信された”LOVE ALL SERVE ALL” Listening Partyでは、藤井自らアルバムの収録曲を流しながらセルフライナーノーツを読み上げていました。

藤井自身のコメントもご紹介しながら、アルバムの注目ポイントや魅力をお伝えしていきます。

きらり

藤井にとっては初のタイアップとなった、HONDA ヴェゼルのCMに起用された1曲。ドライブにもぴったりの、爽やかで軽快なナンバーです。

「今までで一番広いところまで届いてくれた曲」「それが自分自身を表しているような軽くて楽しいポップソングだったことは凄くラッキーだった」と藤井は語っています。

タイアップのおかげということだけでなく、この曲自体の持つ明るさや推進力によって、これまで以上に広く藤井の楽曲が届くようになったと言えるでしょう。

まつり

アルバムリリースに先立って公開されていた曲。

ミディアムテンポのダンスミュージック風の曲調ですが、祭囃子の笛のような音が入っていたり、メロディにどこか懐かしさを覚えたりと、和のテイストも感じられます。

「生まれゆくもの死にゆくもの 全てが同時の出来事」「みな抱きしめたら踊りなさいな」というフレーズなど、藤井の死生観、人生観ともとれる歌詞にも注目です。

「毎日愛しき何かの 祭り」と歌われているように、この曲の「祭り」は、何か特別な晴れの日ではなく、日々のあらゆる物事への祝福だと言えるのかもしれません。

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へでもねーよ(LASA edit)

怒りのような感情からできたという曲。
どこか東洋的なイントロのフレーズに引き込まれます。このアルバムの中ではやや尖った印象。

2020年に「青春病」とあわせて配信リリースされていますが、その際の音源とはアレンジが大きく変わっています。

「このアルバムに馴染ませるためには、もう少し余裕をもって、より豊かな色彩で再構築する必要がある」と本人が話しているとおり、元のアレンジと比べるとやや怒りそのものが緩和されて、作品として洗練されたような印象を受けます。

2020年の音源はこちら。聴き比べるのも面白いですね。

やば。

タイトルからは想像できないような、浮遊感があって歌詞もどことなく幻想的な1曲。

「やば」という単語をこんな風に壮大に響かせることのできるミュージシャンはなかなかいないのではないでしょうか。
「何なんw」や「もうええわ」もそうですが、普段当たり前に使う話し言葉を、印象的なフレーズとして楽曲に取り入れることのできるセンスは藤井の大きな特徴でしょう。

音楽的には、「やば。」は様々な時代のR&Bにインスパイアされた楽曲だと言います。
ベースやドラムなどの聴きどころにも要注目です。

燃えよ

2021年の「Fujii Kaze “Free” Live 2021 at NISSAN stadium」で披露され、Google PixelのCM曲にもなり、紅白歌合戦でも演奏された、藤井曰く「とても運と縁を持ち合わせた楽曲」

「明日なんか来ると思わずに燃えよ」という歌詞からもわかるように、ストレートで明快な1曲であり、藤井本人にとって、今後こういう曲は書けないかもしれないからこそ大切にしたい曲なのだとか。

疾走感というよりは、しっかりと地に足をつけて心の中で燃えるような温度感を持ったメッセージソングです。

ガーデン

アルバムの中央に位置する「ガーデン」は、ゆったりとして静謐な雰囲気で始まります。

ソウルミュージックやゴスペルを連想させる曲調でもあり、後半にかけて壮大さを増していくアレンジはサウンドプロデューサーのYaffleによるもの。

陽光の降り注ぐ庭をイメージするような音色や、「ガーデン」「果てるまで」など「エ」の音で韻を踏む歌詞も美しく、アルバム全体のカラーという点でも中核を担っている曲と言って良いでしょう。

damn

藤井は「ノスタルジックな青春ポップ・ロックチューン」をイメージしていたそうですが、Yaffleのアレンジにより、都会的な曲調に仕上がっています。

ライナーノーツの中で「セルフラブソング」と表現しているように、葛藤したり拗らせたりしながらも自分自身をまずは愛してやろう、というメッセージを帯びた曲です。

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