果たして敵か味方か。地球への侵略や地球人とのコンタクトをテーマに、中毒性の高いダンサブルな楽曲を発表し続けているボカロP・ナユタン星人。
キュートでありながらスケールの大きい楽曲やオリジナルキャラクターの魅力について、様々な角度から紹介していきます。
目次
ナユタン星人とは?
— ナユタン星人 (@NayutalieN) June 30, 2024
ナユタン星人とは、地球から1那由他光年離れた「ナユタン星」からやって来た宇宙人で、自身の音楽活動を地球侵略の一環と位置づけ、主にボカロPとして精力的な活動を続けています。
聞き慣れない単位である「那由他」とは、一般的に10の60乗を表すとされているので、ナユタン星人がどれほど遠くからやって来たのかという事実に驚かされます。
ナユタン星人が生み出す数々の楽曲には、宇宙や数学など理数系分野のフレーズが数多く登場し、地球人とのディスコミュニケーションを音楽の力で乗り越えようとする姿勢が、楽曲全体を構成する魅力となっています。
気になるナユタン星人の経歴は?
「アンドロメダアンドロメダ」をニコニコ動画に投稿し、ボカロPとしてデビュー
ナユタン星人が初めてニコニコ動画に自身のオリジナル楽曲を投稿したのは2015年のことです。記念すべきデビュー曲は、「アンドロメダアンドロメダ」でした。
自身で楽曲を手掛ける前から熱心なニコニコ動画のユーザーでしたが、様々なMAD動画を制作しているうち、自身でもオリジナルの楽曲を発表したいという思いが強くなり、具体的な行動、つまり地球への侵略へ乗り出しました。
初の自作アルバム「ナユタン星からの物体X」をリリース
2016年7月に初の自作アルバムとして「ナユタン星からの物体X」をリリースします。アルバムのタイトルは、ジョン・カーペンター監督による有名なSFホラー映画「遊星からの物体X」からのオマージュを少し匂わせます。
なお、1stアルバムの「ナユタン星からの物体X」については、CD規格の商品がリリースされるより先に、2015年11月に配信版がリリースされています。配信版とCDを比較すると、後者は正式な商品名を「ナユタン星からの物体X (remake)」と称し、ボーナストラックが新たに追加されています。
「チューリングラブ feat.Sou」で大ブレイク!
ボカロPとしてニコニコ動画でオリジナルの楽曲を数多く発表していた頃から、ニコニコユーザーの間では高い評価を得ていたナユタン星人ですが、その名前がニコニコ動画を知らない層にまで一気に広まったきっかけの1つが、アーティスト・ナナヲアカリとSouがタッグを組んだ名曲「チューリングラブ feat.Sou」です。
ナナヲアカリがメインボーカルを務めたためタイトルの表記はこのようになり、彼女の公式YouTubeチャンネルでMVが公開されています。人類をもっと理解するべく地球侵略をもくろむナユタン星人が、ナユタセイジという別名義で作詞と作曲を担当し、歌い手として様々な分野で活躍する2人のアーティストが化学反応を起こした結果、素晴らしい楽曲に仕上がっています。
「ポケモン feat. 初音ミク Project VOLTAGE」に抜擢!
今をときめくクリエイターが、初音ミクを駆使してポケモンとコラボするという夢のような企画、「ポケモン feat. 初音ミク Project VOLTAGE(通称ポケミク)」に、ナユタン星人が手掛けた楽曲「エスパーエスパー」が抜擢され、大きな反響を呼びました。
1996年2月に任天堂(現在は株式会社ポケモン)より初代の「ポケットモンスター赤・緑」が発売されて以来、長きにわたって世界中で多くの人に愛されているシリーズでは、非常に印象的なBGMが用いられています。ゲームのオリジナル音源を楽曲を構成する要素としてリミックスし、これまでの常識を覆すような楽曲を生み出すというのが、ポケミクの目指すコンセプトです。
ナユタン星人の魅力とは?
楽曲に漂う宇宙や理数系のイメージ
すでに紹介したとおり、ナユタン星人が生み出す数々の楽曲には、少し難解なものを含めて宇宙や数学に関するフレーズが数多く登場します。様々なフレーズを歌詞の中に織り込む手法やリズムの刻み方などが非常にユニークで、心地よさや不思議さなど様々な感情を掻き立てる魅力があります。
癖が強くて楽しい動画を自主制作
ナユタン星人の公式YouTubeチャンネルにアップされた各楽曲のMVをチェックすると、非常にシンプルなデザインのキャラクターが左右反転を繰り返しながら踊っている様子を楽しめます。ユニークなMVのイラストもナユタン星人自身が手掛けたもので、ファンの間では「アンドロメダ子」「アンドロメダ男」などの愛称で親しまれています。
ちょっと意外な作曲スタイルは?
ニコニコ動画で颯爽とデビューを飾って以来、ボカロPとしてめざましい活躍を続けているナユタン星人。数々の実績を考えれば少し意外なようですが、じつはナユタン星人は楽器ができないため、作曲はすべてデジタル環境で行っています。
2023年の時点で、DAWについてはSteinbergのCubaseシリーズを愛用。そのほかにもドラムスやギター、ベース、シンセサイザーなど様々なソフトウェア音源を組み合わせて名曲を生み出しています。