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サツキのおすすめ楽曲5選
メズマライザー / 初音ミク・重音テトSV
「メズマライザー」は、ボカロPのサツキが有名になるきっかけとなった楽曲です。2024年4月27日にリリースされたデビューアルバムの「Circus‘s Detail」に収録されており、アルバムのリリースに合わせて、ニコニコ動画の公式アカウント、さらに公式YouTubeチャンネルにおいても同日に動画が公開されています。
アップテンポでポップな曲調とは裏腹に、歌詞には「狂気」や「シビアな現実からの逃避行」といったやや刺激の強い不穏なニュアンスが含まれているため、リスナーの間ではその真意を考察しようという動きが活発になっていることもある意味では当然かもしれません。
楽曲そのものだけでなくMVで使用されるイラストやデザインワークについても、思わず考察したくなるような巧みな仕掛けが随所にちりばめられており、国内に限らず海外の視聴者も巻き込んで、初公開からわずかの間に驚異的な盛り上がりを見せています。
楽曲のタイトルが示すように、まさしく世界中のファンを魅了しているといえるでしょう。
CIRCUS PANIC!!! / 初音ミク
「CIRCUS PANIC!!!」は、サツキが第16回プロセカNEXTに応募した楽曲です。見事に採用された結果、2023年9月には「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」に実装されました。
募集のテーマが「ノリノリになれる曲」であることを意識しながら、ゲームに実装された際に、プレイヤーにとって遊びごたえがあることを目標にして制作された楽曲。爽快なアップテンポのエレクトロ・スウィングについては、「冒頭から圧倒される」と高い評価を得ています。
エレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)の要素を含んだ楽曲に耳を傾けると、意識していなくても自然に体が動き出すような、まさに「ノリノリになれる」不思議なパワーに圧倒させられます。
主催者の導きに従い、不条理な現実はしばし忘れて歌い、踊り狂った人々は、やがて「私が望んだ夢のエンディング」へとたどり着けるのでしょうか?
青春劇 / 初音ミク・Flower
全体的に暗いモノトーンのイメージが漂う楽曲「青春劇」は、2021年2月に公開されました。
タイトルに掲げられた「青春」というやや明るい単語とは裏腹に、「『生きている?』『いや、死んでいないだけ』」といったような、諦観に満ちた登場人物たちのネガティブな心境を表現した歌詞が衝撃的です。
イントロから、規制音や電話のダイヤル音など、一般的な作曲ではあまり使う機会のない効果音を有効に使い、人生のダークな部分を濃厚に煮詰めたような、やや刺激の強い楽曲に仕上げています。
また、単にネガティブで刺激が強いだけでなく、ネガティブな現状に何とか反抗しようとする登場人物たちの心境も表現されているからこそ、何度も繰り返し聴いてしまう抗いがたい魅力があります。
セ゚イス / 重音テトSV
「セ゚イス」は、サツキが2024年2月に公開した楽曲。ニコニコ動画の公式アカウントと公式YouTubeチャンネルで同日に公開され、YouTubeの集計では、2024年10月現在で22万回を突破しています。
冒頭から聴き手に襲いかかる激しくて不規則なリズム、そして予測不可能なメロディーラインで緊張感を高めつつ、ままならぬ人生に対する諦観や反抗などをエモーショナルに表現しています。楽曲の冒頭では諦観や焦燥などネガティブな感情が目立ちますが、フィナーレに向かうにつれ、その感情は少しずつ変化していくことも印象的。
不定形の戦場で「人生賭けた、生存競争。」に身を置いた登場人物たちは、造花、すなわち作り物ではなく本物になれるのでしょうか? 手に汗を握りながら何度でもリピートしてしまう、蠱惑的なスルメ曲です。
極彩色 / 初音ミク・鏡音リン・鏡音レン・v_flower・心華・歌愛ユキ・可不・Ci flower・知声・小春六花・夏色花梨・花隈千冬・重音テトSV・ゲキヤクβ・カゼヒキβ・ナースロボ_タイプT
「極彩色」は、サツキが2023年12月にニコニコ動画とYouTubeで公開した楽曲です。すでに紹介した「青春劇」のようなモノトーンを意識した楽曲とは異なり、この楽曲ではビビッドな色使いがテーマになっています。
本来なら視覚に訴えかけてくるはずの「極彩色」という言葉を、音楽に置き換えたらまさしくこのようになるだろうと思える表現が印象的。楽曲そのものはもちろんMVのイラストもタイトル通りのイメージが強烈で、タイトルを一目見て、「これは絵画ではなく音楽なのに、極彩色とはいったいどういう意味なのか」という疑問が仮に浮かんだとしても、ひとたび楽曲に耳を傾けてみれば、その疑問は見事に霧消します。
予想を裏切る巧みな構成が光るメロディーラインはもちろん、多数の音声合成ソフトを使い分けたボーカルについても、まさしく「極彩色」というべきすばらしい仕上がりです。
楽曲を聴いた際、視覚に浮かんでくる色が人によって異なるであろうことも、重要な魅力の1つかもしれません。
サツキ まとめ
ここまで、「メズマライザー」で驚異的なヒットを記録したボカロP・サツキの魅力を、様々な楽曲とともに紹介してきました。
メロディー、歌詞ともに一筋縄ではいかず、様々な角度から考察しがいのある楽曲として注目されている同曲ですが、タイトルの通り、まさしく多くの人を魅了する魔性の力があるといえるでしょう。
2019年のデビュー以来、ボカロPとして一歩ずつ実績を積み重ねているサツキですが、本人は、自身の代表曲である「メズマライザー」で大バズりを狙ったわけではなく、今の自分にできる限りのことを精一杯、楽曲の中で表現したという趣旨の発言をしています。
予想外に驚異的な反響を受けたことについて、「たとえ数字がどれだけ大きくなろうと、自分が偉くなるわけでもなければ、急に曲作りがうまくなる訳でもない」という趣旨のやや控えめなコメントをした上で、クリエイターとして謙虚な姿勢を忘れず、これからも音楽を楽しみながらさらなる高みを目指そうとするサツキ。
このような姿勢こそが、魅力的な楽曲を生み出し続ける原動力といえるでしょう。ボカロの界隈に彗星のごとく現われたニュースターは今後、どのような感動を届けてくれるのでしょうか。ますます目が離せません。