2008年の活動開始以降、歌い手としてはもちろんイラストレーターとしても優れたセンスを発揮し、様々な作品を世に送り出してきた宮下遊。
2024年6月にはワンマンライブを見事に成功させ、さらなる勢いに乗るアーティストの魅力を、おすすめの楽曲とともにじっくり解説していきます。
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宮下遊とは?
クィホーティ 歌ってみた/宮下遊 https://t.co/iboztouNQj @YouTubeより pic.twitter.com/sUJuA4UdLT
— 宮下遊 (@miy_yuu) October 6, 2024
2008年よりニコニコ動画やpixivを中心に、音楽とイラストの世界を自在に駆け巡る活躍を続けている宮下遊。
ダウナーでありつつ甘い歌声と、高い表現力から紡ぎ出される音楽は、カバー曲、オリジナル曲ともにクオリティーが高く、性別の垣根を越えて様々な楽曲を歌う力量に関してしばしば「百面相」と形容されるケースもあります。
ファンから「次はどんな世界を見せてくれるのか」という期待を寄せられている希代のクリエイターです。
気になる宮下遊の経歴は?
歌い手やイラストレーターとして活動を開始
2008年からニコニコ動画やPixivを中心に活動を始め、独特な世界観で注目を集めた宮下遊。
男性でありながら、一般的には女性の歌い手がカバーする曲も次々と自分のものにし、多くのファンを獲得していきます。
また、イラストレーターとしての実力も確かなもので、アルバムのジャケットイラストやMVのイラストなど、自身の作品に関わるアートワークを幅広く担当しています。
メジャー1stアルバム「紡ぎの樹」をリリース
2016年8月、1stアルバム「紡ぎの樹」をリリースし、メジャーデビューを果たします。過去にカバーして高い評価を得た「え?あぁ、そう。」「古書屋敷殺人事件」「九龍レトロ」の新録バージョンや、ボカロP・Mahが書き下ろした新曲「砂嵐」、さらには、ボカロP・バルーン(須田景凪)と宮下遊が共作した新曲「夜の反芻は空白を待つ」など、魅力的な14曲を収録。
ジャケットイラストなどのアートワークはすべて宮下遊が担当し、歌い手のほかにイラストレーターとしても実績がある彼の魅力が堪能できる1枚に仕上がっています。
Doctrine Doctrineを結成
2018年4月、宮下遊が歌い手やイラストレーターとしてデビューしてから10年目を迎えるタイミングで、ボカロP・seeeeecun(しーくん)と2人で新たな音楽ユニット・Doctrine Doctrineを結成します。
そして同年6月20日に1stフルアルバム「Darlington」をリリース。収録されているのは、ボカロPのseeeeecunが投稿してきた楽曲を宮下遊が歌ってみたバージョンや、Doctrine Doctrineの名義で新たに発表するオリジナル曲など、非常に贅沢な15曲。
2人で様々な音楽を制作していくにあたって、作詞や作曲を担当しているseeeeecunが、ボーカルの宮下遊に対して、「このように歌ってほしい」という具体的なオーダーを出すことはなかったようです。
また同様に、宮下遊の側からseeeeecunの制作する楽曲について注文を付けることもなく、2人の間には、「きっとクオリティーの高い作品が生まれるだろう」という強固な信頼関係がありました。
seeeeecunが作詞や作曲を手掛ける際のイメージとして、「行き場のない感情を吐き出したいという思いがあり、様々な曲の中に登場する人物に自分の気持ちを代弁してもらうケースも珍しくない」という趣旨のコメントをしています。
こういった楽曲制作の背景を踏まえると、登場人物の主張が強くなる歌詞を自然に歌い上げるには高度なテクニックが求められますが、宮下遊の歌声はごく自然にメロディーや歌詞に馴染んでいます。
宮下遊ワンマンライブ2024-白紙-を開催
2024年6月29日には、KT Zepp Yokohamaにて「宮下遊ワンマンライブ2024-白紙-」を開催し、見事に成功させました。
ゲストとして招待されたのは、ともに音楽ユニット・Doctrine Doctrineを結成しているボカロPのseeeeecunと、過去にカバー曲やオリジナル曲の制作でコラボしているかいりきベア。
ライブ会場に訪れたファンにとっては、これまではインターネットやCDなどの媒体を通して聴くことしかなかった彼らの音楽を、確かな実体を伴って享受できた貴重な時間といえます。
披露された楽曲は、宮下遊が自ら作詞・作曲・編曲を手掛けた「メリッサ」や、アニメ「プラチナエンド」のED主題歌としてタイアップされた「降伏論」など、アンコールを含めて全20曲。
アーティスト・宮下遊にとっても、ボカロPのseeeeecunとかいりきベアにとっても、現時点での集大成をファンに届けられたはずです。
宮下遊の魅力とは?
高音域も自然に歌いきる中性的な声
宮下遊が持つ魅力の1つに、どのような楽曲を歌う際にもすんなりとメロディーに溶け込む中性的な声があります。
表現できる音域が非常に幅広いため、そのぶん、カバーできる曲のバリエーションも多く、甘さと気だるさが絶妙に混ざり合った蠱惑的な声は、性別も世代も問わず多くのリスナーを虜にして離しません。
マルチな才能を発揮するクリエイター
様々なクリエイターとタッグを組んで、ボーカリストとして活動するだけでなく、自身で作詞・作曲・編曲を手掛けている楽曲もあり、マルチな才能が光ります。例えば、5thアルバム「白雨の下」に収録されている「メリッサ」や「白炎」などがその一例。
それに加えて、自身のリリースするアルバムのジャケットイラストや、MVのアートワークを担当するなど、イラストレーターや映像作家としても優れたセンスを遺憾なく発揮していることも見逃せません。
2008年の活動開始から長い年月が経過した今でも、クリエイターとしての情熱を燃やし、新しい表現の形を探し求めています。