2026年10月22日(木)、「2026年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が開かれ、12球団が支配下76人・育成51人を指名しました。
応援する球団が誰を指名し、どんな狙いがあったのかが気になる人も多いでしょう。今年は1巡目で、8球団が単独で1位を決めました。
本記事では全指名選手を紹介し、各球団の指名をA+からCまでの6段階で独自に評価します。チームの課題に上位指名で応えたか、1位で狙った選手を獲得できたか、即戦力と素材型のバランスが取れているかの3点で評価しているので、ぜひご覧ください。
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目次
セ・リーグの結果一覧
まずは、リーグ優勝の阪神タイガースから最下位の中日ドラゴンズまで、セ・リーグ6球団の指名結果を確認しましょう。
阪神タイガース【総合評価:B+】
- 1位 榊原七斗(外野手・明治大)
- 2位 馬場拓海(投手・日本体育大)
- 3位 常深颯大(投手・大阪経済大)
- 4位 相羽寛太(内野手・ヤマハ)
- 5位 的場吏玖(投手・天理大)
- 6位 越川海翔(捕手・東京ガス)
- 7位 石井康輝(投手・徳島インディゴソックス)
- 育成1位 山下健信(投手・徳島インディゴソックス)
- 育成2位 荒木誠也(投手・徳島インディゴソックス)
阪神タイガースは1巡目で、7月のワールドカレッジベースボールチャンピオンシップで最高殊勲選手賞を受けた明治大の外野手・榊原七斗を一本釣りしました。阪神タイガースは佐藤輝明のポスティングでのメジャー挑戦を容認しており、打線の穴を埋める存在として期待が高まります。
ただ、榊原七斗は長打力をそのまま補うタイプとは言い切れません。チーム防御率リーグ1位の投手陣を2位・3位でさらに厚くした点は評価できるものの、支配下で高校生を指名せず素材型も手薄なため、評価はB+としています。
読売ジャイアンツ【総合評価:C】
- 1位 織田翔希(投手・横浜高)
- 2位 平田玲翔(投手・大分商業高)
- 3位 池田聖摩(内野手・横浜高)
- 4位 杉本真滉(投手・智辯学園高)
- 5位 伊藤櫂人(内野手・中央大)
- 6位 松平快聖(投手・神奈川大)
- 育成1位 谷渕瑛仁(捕手・大阪桐蔭高)
- 育成2位 柳井球汰(内野手・宇部工業高)
- 育成3位 嶋武仁(外野手・北越高)
- 育成4位 松田陸斗(内野手・マツゲン箕島)
- 育成5位 関蓮太郎(捕手・川崎市立向丘中)
読売ジャイアンツは1位で、米国挑戦を表明していた横浜高の織田翔希を単独指名しました。球団が高校生No.1右腕と紹介する投手ですが、本人は米国挑戦への思いはぶれないと改めて話しています。交渉権の期限である2027年3月末までに、織田翔希の心を動かせるかが焦点です。
上位4人を高校生で固めたのは18年ぶりとなりました。一方、チーム本塁打103本がリーグ4位にとどまった打線に対し、支配下で取った大学・社会人の野手は5位の伊藤櫂人しかいません。1位の入団が見通せず、来季の課題に直結する指名も少ないため、評価はCとしています。
横浜DeNAベイスターズ【総合評価:B】
- 1位 星野世那(投手・大阪商業大)
- 2位 保西雅則(内野手・日本航空石川高)
- 3位 杉本寛斎(外野手・ブリティッシュコロンビア大)
- 4位 小金井凌生(投手・青森大)
- 5位 木口永翔(投手・上武大)
- 6位 神里陸(捕手・ENEOS)
- 7位 坂口渉(外野手・Honda)
横浜DeNAベイスターズは1巡目で、最速151キロの左腕・星野世那(大阪商業大)を単独で指名しました。今季は与四球446がリーグ最多で、正捕手の山本祐大もトレードで放出したため、投手3人と捕手の神里陸を指名し、喫緊の課題に手を打ったといえるでしょう。
ただ、2位と3位は伸びしろに賭けた素材型です。さらに育成ドラフトにも7年ぶりに参加せず、指名は12球団で最も少ない7人にとどまりました。選手層を厚くする余地が残ったため、B評価としています。
広島東洋カープ【総合評価:B+】
- 1位 山里宝(内野手・亜細亜大)
- 2位 西野啓也(捕手・立命館大)
- 3位 野原元気(投手・京都産業大)
- 4位 𠮷川凌平(投手・千葉商科大)
- 5位 光弘帆高(内野手・明治大)
- 6位 森煌誠(投手・NTT東日本)
- 育成1位 車谷仁(内野手・茨城アストロプラネッツ)
- 育成2位 田代旭(捕手・筑波大)
- 育成3位 皆吉海翔(内野手・長崎国際大)
広島東洋カープは1巡目で、亜細亜大の主将で遊撃手の山里宝を獲得しました。小園海斗・矢野雅哉ら4人と来季の契約を結ばないことが決まっており、5位でも遊撃手の光弘帆高を取り、手薄になる遊撃手を補強しました。
2位では、今春の関西学生リーグで首位打者になった捕手の西野啓也を指名しました。ただし、チーム得点431が12球団最少にもかかわらず長打型の野手は取っていません。また、支配下で高校生を指名しなかったのは球団史上初です。得点力と将来の戦力に不安が残るため、B+としています。
東京ヤクルトスワローズ【総合評価:C+】
- 1位 藤澤涼介(外野手・東京ガス)
- 2位 佐藤悠太(外野手・東北福祉大)
- 3位 福原聖矢(捕手・明治大)
- 4位 高田瑛大(内野手・都城高)
- 5位 川平真也(投手・茨城アストロプラネッツ)
- 6位 石澤大和(投手・日本製鉄室蘭シャークス)
- 7位 渡邊隼輔(内野手・徳島インディゴソックス)
- 育成1位 西野日向(内野手・愛媛マンダリンパイレーツ)
- 育成2位 髙橋将大(投手・創価高)
- 育成3位 尾﨑完太(投手・セガサミー)
東京ヤクルトスワローズは1巡目で東京ガスの藤澤涼介を単独指名し、2位でも外野手の佐藤悠太を獲得しました。12球団で唯一、4位まで野手が続いた背景には、チーム本塁打83本が12球団最少だったことと、来季からセ・リーグで始まるDH制への備えがあると考えられます。
しかし、チーム防御率3.68がリーグワーストの投手陣を上位で補強しておらず、支配下の投手は5位と6位の2人だけでした。狙いは明確でしたが、指名全体の偏りが大きいため、C+と評価しています。
中日ドラゴンズ【総合評価:B+】
- 1位 宮原廉(投手・近畿大)
- 2位 柴﨑聖人(外野手・王子)
- 3位 前嶋藍(捕手・亜細亜大)
- 4位 鈴木悠悟(投手・中京高)
- 5位 西田櫂吏(投手・京都国際高)
- 6位 清水智裕(捕手・ヤマハ)
- 育成1位 内藤崚(投手・上田西高)
- 育成2位 中西佳虎(外野手・大阪桐蔭高)
中日ドラゴンズは1巡目で青山学院大の渡部海を指名しましたが、東北楽天ゴールデンイーグルスとの抽選に外れました。しかし、外れ1位で最速157キロの右腕・宮原廉(近畿大)を指名。千葉ロッテマリーンズと重複したものの、交渉権を獲得しています。
今季は捕手の層の薄さが課題でした。捕手を補強すべく3位で前嶋藍、6位で清水智裕で、支配下で捕手を2人指名。中日ドラゴンズが支配下で捕手を2名指名したのは17年ぶりです。
ウィークポイントは的確に補強できており、狙いも明確だったといえるでしょう。しかし、2026年シーズンはチーム打率.228と低調でした。即戦力の野手がほしいところでしたが、捕手以外で即戦力となる野手は2位の柴﨑聖人だけだったため、評価はB+にとどめています。
パ・リーグの結果一覧
続いて、リーグ優勝の福岡ソフトバンクホークスから最下位の東北楽天ゴールデンイーグルスまで、パ・リーグ6球団の指名結果を紹介します。
福岡ソフトバンクホークス【総合評価:A+】
- 1位 鈴木泰成(投手・青山学院大)
- 2位 有馬伽久(投手・立命館大)
- 3位 渡辺和大(投手・慶應義塾大)
- 4位 藤森康淳(外野手・法政大)
- 5位 猪俣駿太(投手・東北福祉大)
- 6位 小坪碧人(投手・柳川高)
- 7位 中川大雅(内野手・至学館大)
- 8位 深見一騎(投手・国立台湾体育運動大)
- 9位 佐藤幻瑛(投手・ペンシルベニア州立大)
- 育成1位 丹羽涼介(投手・市立和歌山高)
- 育成2位 管田彪翔(投手・敦賀気比高)
- 育成3位 杉本幸基(投手・KTウィズ)
- 育成4位 田本聖貴(投手・駒澤大)
- 育成5位 亀田優次郎(投手・山村学園高)
- 育成6位 木下瑛二(投手・高川学園高)
- 育成7位 辻村大我(外野手・東北福祉大)
- 育成8位 村山勇太(投手・関西国際大)
- 育成9位 長山武蔵(内野手・日本ウェルネス沖縄高)
- 育成10位 根鈴風大(内野手・フレズノシティカレッジ)
- 育成11位 神谷虎之介(外野手・千葉スカイセイラーズ)
- 育成12位 鶴川内陽(投手・大阪商業大)
- 育成13位 松林幸紀(投手・大阪商業大)
- 育成14位 村雲脩吾(捕手・敦賀気比高)
- 育成15位 平山護(捕手・東筑高)
福岡ソフトバンクホークスは1巡目で最速155キロの右腕・鈴木泰成(青山学院大)を指名し、千葉ロッテマリーンズとの競合を制しました。2位の有馬伽久は1位候補にも挙がった左腕で、3位の渡辺和大は大学No.1左腕と評価されるほどの好投手です。
城島CBOが補強ポイントを先発投手と明言していたとおり、有原航平が北海道日本ハムファイターズへ移籍した穴を、支配下9人のうち7人の投手で補いました。育成を含めた24人も12球団最多です。二遊間の補強が7位の中川大雅だけという弱点を差し引いても、12球団で最も評価できる指名といえるでしょう。
埼玉西武ライオンズ【総合評価:B+】
- 1位 川尻啓人(投手・亜細亜大)
- 2位 柿本晟弥(投手・パナソニック)
- 3位 沢山優介(投手・ヤマハ)
- 4位 田中諒(捕手・日大三高)
- 5位 中津大和(外野手・日本生命)
- 育成1位 三浦遼大(投手・茨城アストロプラネッツ)
- 育成2位 川島謙心(投手・龍谷大平安高)
- 育成3位 後藤幸樹(捕手・沼津商業高)
埼玉西武ライオンズは1巡目で、ノーヒットノーランを達成した亜細亜大の右腕・川尻啓人を単独指名しました。平良海馬のメジャー挑戦と、高橋光成の海外FA権行使の検討が報じられるなか、上位3人を先発タイプの即戦力投手で固めています。
ただし、打線の補強は手薄な印象を受けます。即戦力の野手が5位の中津大和だけだった点を踏まえB+と評価しました。
北海道日本ハムファイターズ【総合評価:B+】
- 1位 菰田陽生(投手・山梨学院高)
- 2位 牟禮翔(外野手・九州国際大付高)
- 3位 末吉良丞(投手・沖縄尚学高)
- 4位 加藤宇(投手・明星大)
- 5位 岡本翔斗(投手・香里丘高)
- 育成1位 岡田光平(外野手・大阪工業大)
- 育成2位 藤井悠貴(投手・新宮高)
- 育成3位 半杭奏太(内野手・東京農大二高)
- 育成4位 小島慎也(内野手・東北福祉大)
- 育成5位 今津慶介(内野手・慶應義塾大)
北海道日本ハムファイターズは1巡目で、投打の二刀流として注目された山梨学院高の菰田陽生を単独指名しました。菰田陽生は195cm・103kgで高校通算39本塁打の大型選手です。3位でも、2年夏の甲子園で沖縄尚学高を優勝に導いた左腕の末吉良丞を獲得しています。
課題は、チーム防御率3.38でリーグ3位にとどまった投手陣の強化です。ただ、球団はポジション事情よりも一番いい選手から取る方針で、支配下5人のうち4人を高校生が占めています。素材の質は12球団屈指ですが、来季すぐに投手陣を底上げする指名ではないため、評価はB+です。
オリックス・バファローズ【総合評価:A】
- 1位 角田楓斗(投手・富士大)
- 2位 仲井慎(投手・駒澤大)
- 3位 春山陽登(外野手・大阪商業大)
- 4位 近藤琉唯斗(投手・小樽双葉高)
- 5位 野村亮輔(投手・佛教大)
- 6位 千葉汐凱(投手・Honda)
- 育成1位 黒川凌大(投手・花咲徳栄高)
- 育成2位 井尻琉斗(捕手・仙台大)
- 育成3位 吉田健吾(捕手・栃木ゴールデンブレーブス)
- 育成4位 河田ハウエルエバン盛児(内野手・上武大)
- 育成5位 若藤季柊(内野手・同朋大)
- 育成6位 菅原大奨(外野手・鮮ど市場)
オリックス・バファローズは1巡目で、球団が大学No.1右腕と評価する富士大の角田楓斗を単独で指名しました。
今季はチーム防御率3.96がリーグワーストだったうえ、宮城大弥と山下舜平大がトミー・ジョン手術を受けました。支配下6人のうち5人を投手にしたのは、この先発不足に応えた形です。
一方、補強ポイントに挙がっていた三塁と次世代の捕手は支配下で指名がなかったため、A評価にとどめています。
千葉ロッテマリーンズ【総合評価:B】
- 1位 米沢友翔(投手・関西大)
- 2位 前田侑大(投手・高岡第一高)
- 3位 長屋竣大(投手・ENEOS)
- 4位 黒田義信(外野手・東日本国際大)
- 5位 新城楓雅(投手・奈良大付高)
- 6位 田中皐晴(外野手・日南学園高)
- 育成1位 若藤芽空(内野手・高川学園高)
- 育成2位 佐々木十央真(投手・花巻東高)
- 育成3位 内田心温(内野手・関根学園高)
千葉ロッテマリーンズは1回目の鈴木泰成、外れ1位の宮原廉と2度の抽選に敗れ、3度目の入札で関西大の米沢友翔を指名しました。米沢友翔は、全日本大学選手権で最高殊勲選手賞を受けた左腕です。2位でも、球団が高校No.1左腕と評価する前田侑大を獲得しました。
国内FA権を持つ小島和哉の流出も懸念されるなか、左の先発候補を上位に2人そろえたのは理にかなった判断です。
ただ、出塁率.295がリーグ最下位の打線に対し、支配下で取った野手は外野手2人だけでした。3位の長屋竣大がトミー・ジョン手術からの復帰途上であることも踏まえ、Bと評価しています。
東北楽天ゴールデンイーグルス【総合評価:A】
- 1位 渡部海(捕手・青山学院大)
- 2位 岡田啓吾(内野手・明治大)
- 3位 樋口新(投手・王子)
- 4位 萩原義輝(捕手・東芝)
- 5位 高義博(内野手・オイシックス)
- 6位 渡邉都斗(投手・高知ファイティングドッグス)
- 育成1位 根本剛希(外野手・富山GRNサンダーバーズ)
- 育成2位 藤原佑(外野手・徳島インディゴソックス)
- 育成3位 金韓根(投手・茨城アストロプラネッツ)
- 育成4位 寺井広大(内野手・徳島インディゴソックス)
東北楽天ゴールデンイーグルスは1巡目でアマチュアNo.1捕手と評された青山学院大の渡部海を指名し、中日ドラゴンズとの抽選で交渉権を引き当てました。4位でも守備型捕手の萩原義輝を取り、支配下の6人をすべて即戦力でそろえています。
捕手では、チーム最多の100試合でマスクをかぶった太田光の去就が不透明なうえ、伊藤光とは来季の契約を結ばないことが決まりました。
最大の課題に狙いどおり応えた一方、リーグ最少の473得点を押し上げる長打型の野手は少なく、支配下に高校生もいないため、A+は見送っています。
主な指名漏れ選手
有力視されながら、名前を呼ばれなかった選手もいました。主な10人は次のとおりです。
- 内藤蒼(捕手・浦和学院高)
- 佐藤大介(外野手・常葉大菊川高)
- 田山纏(外野手・仙台育英高)
- 赤堀颯(内野手・国学院大)
- 川満真(外野手・青森大)
- 磯貝和賢(投手・Honda)
- 杉崎成(内野手・JR東日本)
- 飯山志夢(外野手・ENEOS)
- 川原嗣貴(投手・Honda鈴鹿)
- 宮城誇南(投手・早稲田大)
早稲田大の宮城誇南は2025年に大学日本代表に選ばれた左腕で、育成指名を受けない支配下縛りで臨んでいました。
社会人では、2022年春のセンバツで大阪桐蔭高のエースとして優勝した川原嗣貴も、高校3年時と昨年に続いて指名を逃しています。
とはいえ、昨年まで3度の指名漏れを経験した阪神タイガース4位の相羽寛太のように、回り道を経て指名をつかんだ選手もいるため、10人の来年以降の歩みにも注目しましょう。
まとめ
本記事で評価が高かった福岡ソフトバンクホークス、東北楽天ゴールデンイーグルス、オリックス・バファローズは、いずれもチームの課題に合った選手を上位で獲得できています。ただし、ドラフトの本当の評価が出るのは数年後です。
上位を高校生で固めた読売ジャイアンツや北海道日本ハムファイターズは、選手が育つ数年後に評価が大きく変わるかもしれません。指名を受けた選手たちが来季どんなデビューを飾るのか、春季キャンプから見守りましょう。
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