ボーカル大橋さんの温かく包み込むような歌声と、ピアノ常田さんの音楽的アレンジが絶妙に交じりあう2人組音楽ユニット「スキマスイッチ」。
意外にも出会いは良いものではなかったのですが、結成から21年が経過し、歌唱力・演奏力共に高い評価を受ける日本を代表するアーティストへと進化していきました。
今回は、「スキマスイッチ」のメンバーやグループの歴史を深掘りしていき、その魅力を紹介していきます。
目次
スキマスイッチについて
スキマスイッチは1999年に結成された音楽ユニットで、大橋卓弥さんと常田慎太郎さんの2人で構成されています。
ドラマチックなアレンジに強い共感を呼ぶ歌詞は、幅広い年代に支持され続けています。
7~8万人を動員するツアーを幾度となく成功させており、2010年のツアーには約10万人を動員した一流のアーティストです。
芸能事務所オフィスオーガスタに所属しており、同事務所の山崎まさよしさんや、秦基博さんとも親睦があります。
ユニット名の「スキマスイッチ」は、その名の通り「隙間」と「スイッチ」の造語なのですが、結成当初「かっこいいと思う名前は後々ダサくなるから最初からダサい名前にしよう。」という考えから、当時の常田さんの部屋で目に入った窓の隙間と電気のスイッチをつなげてみたそうです。
スキマスイッチのメンバー
大橋 卓弥(おおはし たくや)
・生年月日:1978年5月9日
・出身地:愛媛県東海市
・担当:ボーカル、ギター、ハーモニカ
・通称:タクヤ、スター、ヤサ
大橋さんは幼少のころからクラシック音楽を好んでおり、小学生の頃にピアノ始めました。
当時はクラシックピアニストになる夢を持つほど、ピアノに没頭していました。
中学2年生のころに、所属していたバレーボール部の顧問から「ピアノとバレーボールは相性が悪い」と指摘を受け、その顧問から薦められたプロの演奏を聞いて、演奏レベルの違いから自分のピアノに限界を感じ辞めてしまいます。
高校でもバレーボールを続けていましたが、初めて行ったカラオケで友人から歌の上手さを見出され、ミュージシャンを志すことに。
そして高校3年生の夏、先輩のヨツヤタカヒロさんの誘いで見に行ったライブで常田さんと出会ったのです。
大橋さんはピアノを経験していたため音感が良く、音程が綺麗でやわらかな歌声をしています。
曲の随所で「フェイク」という技術を用いているのですが、それが高い歌唱力を証明しています。
常田 真太郎(ときた しんたろう)
・生年月日:1978年2月25日
・出身地:愛知県名古屋市緑区
・担当:ピアノ、コーラス、オルガン、トータルサウンドトリートメント
・愛称:しんたくん
常田さんは、ボーカル大橋さんの1学年上の先輩にあたります。
幼少から中学生時代はスポーツに熱中しており、高校生では柔道部に所属。
また芸能界でも無類のサッカー好きとして知られています。
女の子からモテたい一心でバンド活動を始めましたが、大橋さんと出会った頃はまだ歴も浅く「へたくそ」と悪い印象を与えてしまいました。
プレイヤーとしての印象が強いですが、初期に才能を発揮したのは作曲やアレンジでした。
それ以外にもクリエイター色の強いアーティストで、大橋さんも次第にその力に魅了されていきました。
結成エピソード
中学時代の先輩のヨツヤタカヒロさんに連れられて常田さんのライブをみに行った大橋さんだったのですが、第一印象は最悪でした。
そのころの常田さんはピアノを始めて半年程度で、指1本で鍵盤を押さえるような実力。
その様子を見た大橋さんは、「こんなへたくそがお客さん入れてお金取って。どんな神経してるんだ。」と思ったそうです。
一方常田さんの方も初めて挨拶する際、サングラスをかけながら「ちぃーっす」と言う大橋さんに、「すごく斜に構えた怖い人だな」という印象を持ちました。
それでも大橋さんの魅力に気付いた常田さんは「一緒にやろうよ」とアプローチを始めますが、第一印象の悪かった大橋さんは逃げ続ける一方でした。
その後、大橋さんがCDを作成したいタイミングで、当時レコーディングや編曲をしていた常田さんに依頼をします。
「友達価格で安くやってくれるかな」ってくらいの気持ちだったみたいです。
その作品が完成した次の日は、常田さんが自身をプロデューサーに売り込みに行く日でした。
ちょうどその時にできた大橋さんとの楽曲を、MDの16曲目くらい(最後)に入れておいたら見事にその曲だけが目に留まり、つい「一緒にやってます」と言ってしまったそうです。
その後大橋さんに、「一緒にやることになった」と報告。
大橋さん曰く、常田さんが有名プロデューサーの名前を挙げて「この人たちと一緒にできるから」と誘ったそうです。
それは事実無根だったのですが5曲だけ一緒に作ろうということになり、それをきっかけに大橋さんは常田さんと作る楽曲の世界感に夢中になっていったのです。
もともとは、「どうせ自然消滅するだろう」と軽い気持ちで受け入れたそうですが、気が付いたら「スキマスイッチ」としての活動しかしないようになっていました。
2人のセンスや技術が上手く交じりあい、今のスキマスイッチが生まれたんですね。
デビューからの軌跡
1999年
・スキマスイッチ結成
2000年
・インディーズオリジナルアルバム「10チャンネル」を発売
2003年
・ファーストシングル「View」でメジャーデビュー
2004年
・セカンドシングル「奏」をリリース。
・オリコンチャート38週ランクインを記録し、2014年にミリオンを達成。
2005年
・セカンドアルバム「空創クリップ」がオリコンアルバムチャート初登場1位を記録。
・5thシングル「全力少年」でNHK紅白歌合戦出場。
2006年
・常田がプライベートレーベルdoppiettaを設立
・7thシングル「ボクノート」で紅白歌合戦2回目の出場。
2007年
・初のベストアルバム「グレイテスト・ヒッツ」を発売。
・オリコン・週間アルバムチャートにて、自身初の2週連続1位を獲得。
・「奏」で紅白歌合戦3回目の出場。
2008年
・スキマスイッチの活動と並行しながら、各自ソロ活動を開始
2012年
・セルフカバーアルバム「DOUBLES BEST」を発売
・レコード大賞の審査委員会で企画賞を受賞。
2013年
・初の日本武道館単独公演を行う。
2018年
・初の横浜アリーナ単独公演を行う。
2019年
・Youtubeにて「奏」のミュージックビデオが再生回数1億回を突破。
2020年
・「奏」がMixTone AwardにてGold Medalを受賞。
大橋卓弥の歌の特徴
スキマスイッチは、楽曲のオリジナリティもさることながら、ボーカリスト大橋卓弥としても唯一無二の歌声、表現力が特徴的ですよね。
そんな大橋さんの歌声は、大きく分けて2つの特徴があります。
1、鼻から響くような歌声
大橋さんの歌声は、鼻から響いているような声質に感じないでしょうか。
大橋さんの歌声には、ミックスボイスという地声と裏声の中間の声が多く使われているように感じます。
その発声の仕方が、大橋さん特有の「柔らかく丸みがあり包み込むような歌声」を作り出しているのではないかと思います。
2、フェイクなどの歌唱技術
フェイクとは、ボーカリストが曲中に入れるアドリブのようなものです。
たとえば、「○○するのさ~ぁぁあ↑あいぇ~↓うぉー↑」みたいな感じです。
歌唱力を見せびらかすには最適なのですが、入れすぎると「くどく」なってしまいます。
大橋さんの絶妙で気持ちのいいフェイクは、歌詞がなくとも心を揺さぶるものがあります。
スキマスイッチの代表曲
21年の歴史を誇るスキマスイッチの代表曲をご紹介します。
奏
ヒットソングを連発してきたスキマスイッチですが、その中でも「奏」は日本人のほとんどが認知する超有名曲になりました。
大橋さんが温かい声で包み込むように歌い上げることで楽曲に感情がわき、常田さんの間奏の音楽的アプローチがドラマチックな要素を引き立てます。
全力少年
2020年3月13日に公開した、ディズニー&ピクサーの最新作「2分の1の魔法」の日本版エンドソングに採用されたことで、再度注目を浴びているスキマスイッチの代表曲です。
心地よいリズム感に、前に前に進んでいくような軽やかな演奏が全力少年の魅力でもありますね。
20代の自分自身に向けた応援ソングであるこの曲は、泥臭くても全力に向かっていくことに対する「勇気」を与えてくれます。
落ち込んだ時聞きたい楽曲ですね。
おすすめのラブソング
スキマスイッチといったらラブソングも欠かせません!
人気が高く、個人的におすすめなラブソングをご紹介します。
藍
ファン投票で「奏」に次いで2位にランクインした「藍」です。
切なくもどかしい恋模様を綴った曲です。
本当の意味で恋に満足できている人が少ないこの世の中で、強く共感を呼ぶ歌詞に涙腺を緩めた方も多いでしょう。
アイスクリームシンドローム
「好きなのに、この思いを伝えたら今の関係が崩れてしまうのではないか」
幼馴染や親しい友人から、もう一歩進みたい主人公の不安やもどかしさが伝わります。
曲と歌詞が絶妙にマッチしていて、夏の雰囲気、その情景が詳細に感じ取れます。
映画のような没入感が最高です!
キレイだ
喧嘩中のカップルを描いた楽曲です。
どちらが先に謝るか意地を張り合うも、意地を張り合わずに彼女を幸せにするのが男だということに気づかされます。
ばかばかしくも愛おしい恋模様を想像させます。
つい笑顔になってしまう曲ですね!
最新情報
新曲「吠えろ!」MV公開
テレビ朝日系のバラエティー番組『アニマルエレジー』のテーマソングとして書き下ろされたスキマスイッチの新曲「吠えろ!」のMusic Videoが公開されました。
タイトルにちなんで、アニマル浜口さんが出演するなどユーモアあるテイストに仕上がっています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
スキマスイッチの魅力が伝わるきっかけになれば幸いです。
結成から21年を迎えたスキマスイッチは、今や日本を代表するアーティストにまで上り詰めました。
15周年の際出演したテレビ番組で「毎日に全力でいたら気が付いたら15年たっていた。」と語っていました。
音楽への情熱、誠実さが彼らをここまで運んできたのでしょう。
これからも、25周年、35周年に向けて活動を続けていくことを宣言しましたが、これはファンにはたまらない言葉でしたね。
今もなお進化し続ける彼らにこれからも目が離せません。