若干18歳にして世界の頂点に立ってしまった、女性ミュージシャン「ビリー・アイリッシュ」(Billie Eilish)。
2010年代最大の衝撃とも評されるデビューアルバムは、まさに時代を変える1枚となりました。
初の単独来日公演を発表したばかりのビリー・アイリッシュとは何者なのでしょうか。
もはや10代のカリスマに留まらず、世界でもっとも重要なアーティストのひとりに数えられる彼女の軌跡をご紹介していきましょう。
目次
ビリー・アイリッシュ プロフィール
・生年月日:2001年12月18日生まれ
・本名:Billie Eilish Pirate Baird O’Connell
・出身:アメリカ ロサンゼルス州
ビリー・アイリッシュ・経歴
デビュー前
2001年12月18日、アメリカ合衆国カリフォルニア州で生まれたビリー・アイリッシュ。
父親は俳優、母親はミュージシャン/女優/脚本家という、エンターテイメント業界に縁のある環境で育ちました。
兄のフィニアス・オコーネルは、ソロミュージシャンとして活動する一方、妹のビリーの楽曲提供/プロデュースを手掛け、グラミー賞にもノミネートされています。
幼い頃から歌うことが好きだったビリー・アイリッシュは、11歳からオリジナル曲を書き始めました。
2015年、兄のフィアニスは自分のバンドのために「Ocean Eyes」という曲を作成。
しかし、気に入らず当時13歳のビリー・アイリッシュにその曲を渡してしまいます。
ビリーはその曲を気に入り、当時通っていたダンス教室でも口ずさんでいました。
それを聞いたダンスの先生が「Ocean Eyes」に振り付けを施したいと言ったため、SoundCloudというオンライン上の音楽登録サイトにアップロードすることに。
“Ocean Eyes”がネット上で注目を集め、レコード契約を獲得します。
『Don’t Smile at Me』でデビュー
“Six Feet Under”など数枚のシングルを発表した後、2017年7月にデビューEP『Don’t Smile at Me』をリリース。
[EP」とは3~6曲ほど収録された、シングルと呼ぶには多く、アルバムと呼ぶには短い曲数が収録された作品を表す言葉として使用されることが多い。
リリース当初は大きなチャートアクションが見られなかった『Don’t Smile at Me』ですが、発売から1か月半を経過したところで全米チャート185位に登場します。
以後、じわじわとチャートを上昇し、185位に初登場してから56週目には、最高位となる全米14位を記録するヒットとなりました。
デビューEPがチャートで快進撃を続ける中、ビリーはアメリカのR&Bシンガー カリードとコラボレーションしたシングル“Lovely”をリリースします。
Netflixで配信されたドラマ『13の理由』のサウンドトラックに提供された同曲は世界中でヒットを記録し、現在までに10ヵ国以上でプラチナムを獲得しています。
世界中で大ブレイク
2019年3月29日にリリースされたデビューアルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』は、アメリカやイギリスを含む世界各国で初登場1位を獲得。
これにより、ビリー・アイリッシュは「全米1位を獲得した初の2000年代生まれの女性アーティスト」として歴史に名を刻むことになりました。
また、イギリスでは「チャート1位を獲得した最年少女性アーティスト」として認定されています。
アルバム収録曲はチャートを席巻し、US Hot 100チャートには14曲が同時にチャートインするという快挙を成し遂げました。
これは「もっとも多くの楽曲を同時にチャートインさせた女性アーティスト」としてギネス記録に認定されています。
史上最年少でグラミー賞の主要4部門にノミネートされるなど、若干18歳にしてすでに数多くの賞を受賞しているビリー・アイリッシュ。
2020年1月現在、ノミネート回数88回、受賞回数34回を記録しており、この数字はこれからも更新されていくことになるでしょう。
人気スパイ映画シリーズの最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の主題歌を担当することが発表されました。
2020年9月に横浜アリーナで単独公演を開催することも発表されており、時代の寵児となったビリー・アイリッシュが日本でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、今から大きな期待が寄せられています。
ビリー・アイリッシュ・代表曲
Bad Guy
デビューアルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』と同時にリリースされ、最終的に全米1位を獲得したビリー・アイリッシュの代表曲です。
必要最低限のシンプルなビートとチープなキーボードリフ、気怠いヴォーカルが印象的な“Bad Guy”ですが、ビリー自身は人気曲になると考えていなかったそうです。
「当たり前でしょ?」というニュアンスを持つ言葉「duh」が実にシニカルに響きます。
音楽の歴史を振り返った時、2010年代を代表する1曲として取り上げられることになるのではないでしょうか。
ビリーが鼻血を流すミュージックビデオも、インパクト抜群なので必見です。
Ocean Eyes
ビリー・アイリッシュが世に出るきっかけとなった曲を、取り上げないわけにはいかないでしょう。
“Ocean Eyes”は、ビリーの兄であるフィニアス・オコーネルが、自分のバンドのために書いた楽曲でした。
ダンス教室の先生から「振付をするための楽曲を用意するように」と言われたビリーがフィニアスに相談したところ、彼が用意してくれたのが“Ocean Eyes”だったそうです。
フィニアスにギターに合わせて歌ってみたビリーは曲を気に入り、ダンスに使用することを決めました。
先生のために音源をSoundCloudにアップロードしたところ、あっという間に音源が拡散さえていき、最終的にはレコード契約を獲得することになります。
彼女の運命を変えた1曲と言っても過言ではないでしょう。
ビリーの高音が映える美しい曲で、海のような瞳を持った男の子に対する想いが歌われています。
ミュージックビデオにおけるビリーは髪の色も衣装もおとなしめですが、カメラを見つめる際の射貫くような視線には間違いなくカリスマ性が宿っています。
Bury A Friend
デビューアルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』からの3枚目のシングルで、多くの国でプラチナムを獲得した大ヒット曲です。
「友達を葬る」という不穏なタイトル通り、曲調も歌詞の内容も非常に暗いものになっています。
繰り返し歌われる「私を終わりにしたい」というフレーズも実にショッキングで、無数の注射器がビリーの背中に突き立てられるミュージックビデオは「閲覧注意!」と言いたくなるほどです。
大量生産される既製品のようなポップミュージックとは違い、自分の言葉で10代のリアルな悩みや怒り、絶望といった感情を赤裸々にぶちまけるビリーの音楽に世界各地のティーンエイジャー達が熱狂するのは当然のことなのかもしれません。
アルバムタイトルの『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』(眠りに落ちる時、みんなどこに行くの?)というフレーズが登場する楽曲でもあります。
暗いながらも跳ねるビートとエフェクト処理されたビリーのヴォーカルが癖になる曲で、気が付くとリピートしてしまう中毒性を持っている1曲です。
Everything I Wanted
『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』の再発盤にも収録されています。
世界各地でヒットを記録し、アメリカでは8位まで上昇しました。
ささやくようなビリーのヴォーカルが印象的で、リバーブの効いたドリーミーな音像が心地よい楽曲です。
ビリーの楽曲の中でもっとも美しいもののひとつだと言えるかもしれません。
サイケデリックな印象すら覚える色彩を持つ、ミュージックビデオも素晴らしいです。
歌詞の内容は、ビリーと兄であるフィニアスとの関係性、そしてビリーが見たという悪夢について歌われているそうです。
ビリーがゴールデン・ゲート・ブリッジから飛び降りて自殺したにもかかわらず、友人や仕事仲間、そしてファン達も「別に彼女のことなんて好きじゃなかったよ」とまったく悲しんでくれないという夢だったとか。
そんな時でも「僕がいる限り、誰も君を傷つけないよ」と兄が見守っていてくれる、という強い兄妹愛が綴られています。
ジャケットのアートワークは、ゴールデン・ゲート・ブリッジをモチーフにしたデザインです。
ビリー・アイリッシュ 最新情報
ビリー・アイリッシュ初ドキュメンタリー映画「ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている」が、6月25日から順次公開されていきます。
本作では、デビュー前から現在までのビリーを記録したものとなっています。
家で曲を書き上げていた少女が世界的アーティストになるまでの過程と、苦悩、それを支えた家族の姿が描かれています。
新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン池袋などで公開予定なのでファンの方々はぜひ足を運んでみてください!
ビリー・アイリッシュ まとめ
ビリー・アイリッシュさんについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
才能あふれる彼女ですが、可愛らしい面も持っていて魅力的です。
これからも名作を世に送り出していくであろうビリー・アイリッシュさんから目が離せませんね!