新型コロナウイルスの蔓延によって、音楽業界もライブやイベントなどの中止が相次いでいます。しかし、Spotify・Apple Music・YouTubeといったネットを介する音楽が普及したことにより、普段ライブなどに行けない人でも気軽にライブ気分を味わうことができるようになりました。
コロナ騒動によって音楽を楽しむ環境が変わりつつあり、同時に多くの新人アーティストが生まれている昨今、その中でも女性アーティストの活躍が目覚ましく感じます。2016年にデビューを果たしたあいみょんは、近年の女性アーティストの活躍を象徴する人物であると言えるでしょう。
今回ご紹介するのは、そんな音楽シーンの変化によって徐々に知名度を伸ばしつつある、次世代のスターになりうる女性アーティスト・ヴォーカリストです。ソロアーティストだけでなく、バンドで活躍するヴォーカリストにも注目しているので、ぜひご覧ください。
目次
「練馬のビヨンセ」と呼ばれる、ちゃんみな
1998年10月14日生まれの、『ちゃんみな』。日本人の父親と韓国人の母親を持ち、幼い頃は日本だけでなく韓国・アメリカで過ごした経験もあり、3ヶ国語を操るトリリンガル・ラッパーとして注目されています。
その高い実力からR&Bの女王と呼ばれるビヨンセになぞらえ、出身地の練馬区から「練馬のビヨンセ」と称されています。
彼女がそれだけの実力を有しているのは、幼い頃から歌手を目指すため、ひたむきに努力を重ねた結果でしょう。3歳の頃には歌手を志し、クラシックと触れ合いながらバレエ・ピアノ・バイオリンを習っていたそうです。
しかし、注目するべきはその努力だけではありません。彼女には自分の夢を掴むための行動力があります。彼女がラッパーとしてデビューをした原因にもなったエピソードです。
歌手を夢見て様々な習い事をこなしていた小学校2年生の時、ちゃんみなはとあるアーティストのミュージックビデオに釘付けになりました。彼女は後に「映画を丸々1本観た気分になった」と語っており、それがどれほどの衝撃的な出来事であったのかを物語っています。
その時に観たのがBIGBANGの「Haru Haru」だったそうです。彼女はそのミュージックビデオに感動しただけでなく、自身の音楽性すらも変えてしまいます。今まで習っていたバレエ・ピアノ・バイオリンという習い事を全て止めてしまい、ヒッピホップダンスを習い始めるようになります。
そんな彼女が初めて人前で歌ったのは、小学校5年生の頃のダンス発表会でのことでした。ダンスを主とした発表会のため、歌うことはできないとする先生をなんとか説得し、いきものがかりの「じょいふる」で歌を披露したそうです。
後に彼女は「悔しさを感じた」と語っており、小学生ながらその先を見据えての猛練習を行います。何かに取り憑かれたかのように、自宅ではもちろん、カラオケに毎日のように通い、BIGBANGの曲を練習曲に下地を積み重ねる日々を過ごします。
その後、高校生になったちゃんみなは、「BSスカパー!」で放送された即興ラップの高校生大会「BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権」に出場。2回戦敗退という結果に終わってしまいますが、この出演により彼女のラップスキルやキャラクター性が話題を呼び、ネットを中心としたテレビ番組出演するようになります。
そして、2016年にメジャーデビューとなる配信シングル「未成年」をリリース。3ヶ国語を自由自在に操り、ダンサーとしての経験を生かしたライブパフォーマンスは、圧巻の一言でしょう。国内だけでなく、海外にも目を向けた活躍が期待できるアーティストです。
▼あわせて読みたい!
Uruの謎めいた魅力とは
「謎だらけのシンガー」としての異名を持つシンガーソングライター、『Uru(ウル)』。その異名が付けられただけあって、彼女の詳細なプロフィールは一切明かされていません。
昨今の音楽業界では特別珍しいことではありません。しかし、謎なのはプロフィールが明かされていないだけではないでしょう。その異名の裏には、彼女の声にはなぜこれほどにまで透明感があり、惹きつけられるのかも含まれているはずです。
Uruが注目されるようになったのは2013年頃にまでさかのぼります。動画配信を目的としたプラットフォーム、YouTubeにて自身のチャンネルを開設。様々なアーティストのカバー動画を配信し、素顔を見せないモノトーンさを強調した映像に惹かれる人が続出しました。
2016年6月15日のメジャーデビューを果たすまでに投稿した動画は優に100本。総再生数は4400万回以上にまで上り、チャンネル登録者数は14万人を超えていました。デビューと同時にリリースされた1stシングル「星の中の君」は、映画「夏美のホタル」の主題歌に抜擢されましたが、その人気から考えればもはや必然とも言えるでしょう。
また、彼女が歌う曲の数々にはドラマチックさが含まれていますが、その感性は幼少時からすでに芽吹いていました。Uruの立ち上げている公式ファンクラブは「SABACAN」と命名されていますが、これは彼女が幼少期に学校で流行った噂話が元となっています。
その噂話とは「明日地球に大魔神が現れて地球が滅亡する」という内容のものでした。当時の彼女はその噂を鵜呑みにしてしまい、リュックにサバ缶を詰めて避難したそうです。子供だからかもしれません。しかし、それを実際に実行に移すというのは、なかなかできるものではありません。
その天然さ、もしくは感受性とでも言うのでしょうか。彼女はその「SABACAN」という名前には「大切な物、必要な物、大切な思い出」という意味があると語っており、これまで彼女が過ごしてきた人生そのものが曲や歌として放出されている。だからこそそこにドラマチックさが生まれるのかもしれません。
2020年3月18日には自身の2本目、そして3年ぶりとなるオリジナルアルバムをリリースしました。チャート順位も1本目と比べて大きく躍進しており、徐々にUruの魅了が広まりつつあります。人気が高まるにつれてどのような変化が訪れるかわかりませんが、彼女はそれを最大限で生かし、ファンの前に届けてくれることでしょう。
▼あわせて読みたい!
映像はもはや音楽、ずっと真夜中でいいのに。
個性的なアーティスト名が増えつつある音楽業界。では、『ずっと真夜中でいいのに。』という言葉に反応できる人は、一体何人いるでしょうか。もしも会話に紛れたならば、それがアーティストの名前だと気付けるでしょうか。
しかし、恐らく邦楽を好きな人にとっては、それほど難しくはないでしょう。なぜならこのアーティスト名はそれだけ注目されているからです。
『ずっと真夜中でいいのに。(通称ずとまよ)』は、『ACAね(アカネ)』によるソロプロジェクトによって2018年6月に突如現れました。自身が作詞・作曲・ヴォーカルを務めること以外は、一切の情報が開示されていません。
独特な世界観をかもし出す「秒針を編む」がYouTubeに投稿されると、ピアノに合わせて流れる彼女の抵抗のない歌声に多くの人が耳を澄ませました。しかし、その魅力は歌や曲だけでなく、アニメーションを駆使した映像も大きな影響となっているでしょう。
ここで終われば、突如現れた謎の歌手という認知程度です。しかし、ずとまよはそれだけでは終わりません。その投稿されたコンテンツに触れ、ファンとなった人が続々と彼女のコンテンツをカバーしたり、そのアニメーションからファンアートといった二次創作を生み出したのです。
それが徐々に連鎖反応を起こし、元の彼女の動画はより多くの人に触れられるようになりました。無名の新人だったにも関わらず、その注目度はデビュー前ながら非常に高いものでした。
映像を映像として扱うのではなく、音楽として魅せたことが、その高い評価に繋がったのでしょう。洗練されたアニメーションは音楽をなぞらえる一部となり、それによって視聴者の耳だけでなく、脳内にまで焼き付かせたのです。
その後、ずとまよが2018年にメジャーデビュー作となるミニアルバム「正しい偽りからの起床」をリリースすると、主要チャートを総ナメする勢いで上位にランクインを果たしました。音楽的な高い評価もあり、それ以降に彼女がリリースする曲は常に話題を呼ぶようになります。
素顔を明かさない、謎めいた存在であるずとまよですが、彼女の人気がこれだけで終わるとは思えません。これだけははっきりしていることでしょう。
▼あわせて読みたい!
尾崎豊と悔しさから得た表現力、美波
カリスマ的存在であった伝説のシンガーソングライター尾崎豊。そんな彼に影響されて音楽の道を志す人は少なくありません。1997年9月14日に埼玉県で生まれた『美波(みなみ)』も、その多くのアーティストたちと同様に尾崎豊に刺激を受けた一人です。
しかし、やはりプロの世界というのは残酷です。憧れや刺激で始めた人がどれだけ生き残れるのか。逆にどれだけ夢を途切れさせてしまうのか。プロのアーティストとして認められるには、並大抵のことではありません。
そんな逆境の中、美波はその夢を実現させた人物です。尾崎豊のライブ映像に刺激を受けて中学生の頃に作詞を始めた彼女は、着々と音楽の道を志す準備を始めます。その目標は一時的な感情で決めたものではなく、高校進学後にはギターを購入して作曲活動を行うようになります。
高校生活はひたむきに練習に励んだ彼女は、2017年には1stミニアルバム「Emotional Water」と1stシングル「main actor」をリリース。そして同年8月24日にはライブハウス「渋谷eggman」で、彼女の第一歩とも言える初のワンマンライブを開催しました。
このライブをきっかけに、インディーズでありながら高い評価を受けることになりますが、美波の目指すステージはその更なる高みにありました。彼女はアニメ音楽レーベル・flying DOGが主催する「第2回フライングドッグオーディション」へと出場。そのオーディションで見事にグランプリを受賞し、同レーベルからメジャーデビューすることを発表しました。
そして彼女の最初の一歩でもある渋谷eggmanでのワンマンライブ。メジャーデビューに伴い、2度目のライブを開催。更に追加公演として大阪での公演を開催することを発表しました。
しかし、何もかもがトントン拍子では進みませんでした。メジャーデビューをしたという嬉しさとは逆に不安という重圧に苦しめられ、大阪での公演は最後まで歌い切ることが出来ない結果に終わってしまいます。
彼女は自身への不甲斐なさと同時に、集まってきたファンに対する申し訳無さで後悔の念に駆られます。下ばかり向いていられないという気持ちを持ち、彼女は再公演を行うことを発表しました。
そんな悔しさから湧き出る感情が、現在の彼女の支えにもなっているのでしょう。ファンであれば、美波が尾崎豊をルーツにしていることは周知の事実だと思います。しかし、尾崎豊の表現力を真似ただけでは、プロでは通用しません。
彼女がこれまでに経験した嬉しさや悔しさといった感情が混ざりあったことで、彼女だけの表現力となり、それが聴くものを魅了する歌に繋がったのだと思います。これから先、彼女がどのような経験を得て、それを歌にどのように絡ませるのか、非常に楽しみです。
▼あわせて読みたい!
母のギターと教えから生まれたiri
1994年3月15日に神奈川県で生まれた『iri(イリ)』。幼少期は内気な性格で、人前に出るのも恥ずかしく、いつも母親の背中に隠れていたそうです。
しかし、そんな彼女を変えるきっかけとなったものがあります。それが自宅にあった1本のアコースティックギターでした。そのギターは彼女の母親のもので、iriはそのギターを独学で習得し、気付けば学生時代には老舗ジャズバーで弾き語りのライブを行っていたそうです。
上記の弾き語りのライブは、その後の歌手活動にも大きく影響しましたが、それ以外に彼女はアリシア・キーズ(Alicia Keys)のピアノの弾き語りの映像に強く惹かれたと語っています。静まり返った会場に響き、会場全体が耳を傾ける歌の力にiriはアリシアのようなアーティストになりたいと、その勢いでボイストレーニングに通うようになります。
彼女の歌を聴くと、同年代の女性に比べて声が低いと感じると思います。本人も当時はそれに悩んでおり、それを高くしようとよく考えていたようです。しかし、音楽との出会いでその声にも自信が持てるようになり、ボイストレーニングを行ううちに一つの武器に変わったそうです。
そして、ひたむきに音楽と向き合ってきた彼女に転機が訪れます。2014年に雑誌「NYLON JAPAN」とソニーミュージックが開催したオーディション「JAM」において、見事グランプリを獲得するまでになりました。その後、2016年10月にビクターカラフルレコーズよりアルバム「Groove it」をリリースし、見事にメジャーデビューを飾ります。
そんな彼女の歌ですが、歌詞には多くの英語が使用されています。もちろん、現在の音楽業界ではそれほど珍しいことではありません。しかし、彼女の場合は母親の教えも大きく影響しています。
今は優しくなったそうですが、iriが幼い頃はとても厳しくしつけられたそうです。その教えの中には英語も含まれており、その経験が彼女の現在の歌となっています。
上記にも記載していますが、彼女が手にしたアコースティックギターというのは、彼女の母親の私物でした。そのギターをきっかけに音楽にのめり込むようになったiriさんですが、まさに彼女の音楽は母親と共にあると言っても過言ではないでしょう。
▼あわせて読みたい!
日本人離れした歌声を持つmiletの底知れぬ実力
ここ最近の音楽業界で話題を読んでいるのが女性シンガーソングライターの『milet(ミレイ)』です。日本人離れしたハスキーで重圧感のある歌声は、デビューした2019年からまたたく間に大きな反響を呼び、あらゆる方面から注目を集めるようになりました。
本格的な音楽活動を行ったのは2017年からだそうで、そのスピードデビューには驚きしかありません。幼少期よりクラシック音楽と触れ合い、小学生の頃から始めたフルートには音楽大学を目指すほどにのめり込んだそうですが、映画音楽にも興味があり、進んだのは映像の勉強ができる大学を選択したそうです。
miletはデビューをするまでの間にワンマンライブやオーディションに参加したことはありません。そんな彼女がなぜデビューするに至ったのか。その始まりは2017年で、彼女が音楽活動に熱を入れ始めた時でした。
当時の彼女は歌手一本でやっていけるとは到底考えていなかったそうです。しかし、友人の伝手で自身のデモテープをなんとなくレコード会社の人に聞いてもらったところ、ディレクターからまさかの返事があり、歌手としての活動を歩むようになりました。
ただ、音楽大学を目指すためにフルートなどに触れ合っていた彼女でも、歌手は全くの別物です。「自分の歌声では歌手としてデビューをすることはできない」と感じたmiletは、自分が聴いても心地よく感じる歌声を見つけるために、様々な発声方法を試したそうです。
その頃には歌手としてやっていけるのかという疑問は彼女の中には存在していませんでした。マイクに向かって発声を繰り返す毎日を送り、その結果、現在のハスキーで重圧感のある歌声を手に入れることができたのです。
その後も自身の歌声をより高めるために様々な試みに挑戦します。カナダに留学した経験を生かし、日本語の歌詞に英語のリズムを取り入れる工夫を行うようにもなります。また、海外で主流となりつつあるコライト(セッションで楽曲を作る方式)を取り入れ、そして中島美嘉やちゃんみなを手掛けた大物音楽プロデューサー・Ryosuke“Dr.R”Sakaiの指導も彼女の大きな力となりました。
そして満を持して彼女がリリースしたデビュー曲「inside you」は、東京ドラマアウォード2019主題歌賞を獲得する人気となり、レコチョク年間ランキング2019においては、ダウンロード・ストリーミング部門の両方で、新人アーティストランキング1位を獲得する活躍を見せました。
2020年には1stフルアルバム「eyes」をリリースしましたが、初登場ながらオリコン週間アルバムランキングで、初登場1位を獲得。また、デジタルアルバムにおいても1位を獲得しており、デビューから日の浅いアーティストとしては驚きの活躍でしょう。
彼女が今後、どのように音楽業界を震わせてくれるのか、その底知れぬ実力が発揮される瞬間が非常に楽しみです。今後の活躍にぜひ期待しましょう。
▼あわせて読みたい!
有名ボカロPとシンガーによって生まれたYOASOBI
ボカロPとして活躍していた人が、現在の音楽業界に参入するのはもはや珍しいことではありません。その中でも近年、一際目立った活躍をしたのが『YOASOBI(ヨアソビ)』というユニットです。
このユニットは小説を音楽にするというコンセプトで活動をしており、イラストや小説などを投稿するサイト「monogatary.com」で誕生しました。そのサイトで開催された「モノコン2019」というコンテストにおいて、ソニーミュージック賞の大賞を獲得し、本格的な音楽活動が始まります。
ユニットであるYOASOBIは、楽曲制作を担当する『Ayase(アヤセ)』と、シンガーソングライター『幾田りら』としても活動している『ikura(イクラ)』の男女2人で構成されています。
ヴォーカルを担当するikuraは一つのジャンルにこだわらない、多種多様な顔を見せることでも有名です。シンガーソングライターとしての幾田りら。YOASOBIとしてのikura。そして、アコースティックセッションユニットの「ぷらそにか」としても活動をしており、その活動の幅の広さに若さを感じさせます。
2000年9月25日東京都生まれの彼女は、幼い頃から音楽と触れ合ってきました。次第にシンガーソングライターの道を志すようになりますが、もはやそれは必然だったのかもしれません。その熱量で小学生の頃には作詞作曲を始め、中学生の頃には本格的な音楽活動を始めました。
そして上記で紹介したぷらそにかには16歳の頃に加入をしており、実に行動力に溢れています。2016年にはYouTubeで自身のチャンネルを開設し、カバー動画を投稿する活動を始めました。現在ではその登録者数は20万人にまで膨れ上がっており、彼女の魅力に多くの人が惹かれています。
伸びやかさの中に力強さが含まれた歌声ですが、何か包み込むような優しさと、ピュアな可愛さが含まれた癒やしのような魅力があります。その歌声は時には切なさが含まれており、物語を歌にするYOASOBIとしての活動は、彼女にとって非常にマッチしているのではないでしょうか。
今後、彼女がどのような物語を歌ってくれるのか、次の本を手にとるようなワクワク感が湧き上がってきます。もし聴いたことがない人は、彼女の声に浸ってみてはいかがでしょうか。
▼あわせて読みたい!
それまでの自分を捨て、作品を全面に押し出すヨルシカ
2017年、作曲家として活動をしている『n-buna(ナブナ)』が、ワンマンライブにゲストボーカルとして参加した『suis(スイ)』を迎える形で結成された男女2人組のロックバン『ヨルシカ』ドです。
「作者が作品より前に出ないようにしたい」というコンセプトを掲げており、自分達の詳細なプロフィールは明かさずに活動を続けています。
ヨルシカ結成のきっかけになったn-bunaは、バラードを主流としたボカロPとして話題を呼んだ人物でもあり、文学的な歌詞の楽曲を作ることを得意としていました。そこにsuisの透明感溢れる歌声が合わさったことにより、より深みのある作品へと仕上がっています。
ヴォーカルを務めるsuisは、元々n-bunaのファンでもあったそうです。彼が作る音楽に共鳴してきた立場だったと語る彼女ですが、ヴォーカルとして立つことで、その心境に変化が表れたそうです。
suisはヴォーカルに立つことによって、普段言えないような抑圧された気持ちを発することができると語っています。だからでしょうか。彼女の歌声からは何かを訴えかけるような気持ちを感じさせます。
これまで抑圧されたものを解き放つ。それは外見だけで語っていたそれまでの自分を捨て、内面をさらけ出すことと同義でしょう。また、その姿勢というのは作品にも大きく影響しています。
物語を語る歌というのは別に珍しいことではありませんが、テーマがぶれて見えることが多くあります。というのも、やはり人間というのは最初、視覚に頼ってしまうものです。ヨルシカは自分たちの姿をさらさないことで、作品より前に出ないことをコンセプトとしています。
そしてsuisのそれまで取りつくろってきた自分を捨てて、内面を吐き出すという姿勢は、作品をより後押しする力へとなっているのではないでしょうか。
物語として作品を全面に押し出すn-bunaとsuis。二人の物語はまだ始まったばかりで、起承転結で言えば「起」でしかないでしょう。今後、二人がどのような物語を歌にして届けてくれるのか、ぜひ注目してみてください。
▼あわせて読みたい!
注目すべきアーティストはこれだけじゃない
以上、今後の活躍が期待できる注目の女性アーティスト・ヴォーカリストの紹介でした。どのアーティストも非常に個性があり、様々な経緯があって活動を続けています。
音楽というのは個性が非常に強く出る芸術の一つでもあり、どれも同じものはありません。そしてそれは成長とともに徐々に変化していくものでもあり、彼女たちがどのように成長を遂げるのか、ファンであれば非常に楽しみでしょう。
しかし、ここに掲載しているアーティストというのは氷山の一角でしかありません。まだ見ぬアーティストたちが、突然話題となるかもしれません。
今回は女性アーティストに注目してみましたが、皆さんもぜひ様々な視点から音楽と触れ合ってみて下さい。そうすることで、また違った楽しみ方も見つけることができるでしょう。
それでは、ここまでご覧頂きありがとうございます。
▼あわせて読みたい!