The 1975 メンバーの年齢、名前、意外な経歴、おすすめ曲とは…?

The 1975 メンバーの年齢、名前、意外な経歴、おすすめ曲とは…?

今年はSUMMER SONICやらないのかー。
夏休みはどこに行ったらいいんだー!

相変わらず情報が遅いね。
今年はSUMMER SONICじゃなくてSUPERSONICだよ!

キミは相変わらず情報通気取りだね。
もう誰が出るのか発表されてるの!?

なんか刺のある言い方だな…。
今年の目玉アーティストはなんと言ってもThe 1975!

The 1975? 知らないなあ。
1975年に結成された大ベテランアーティストなの?
ちょっと詳しく教えてみてよ。

今年9月に千葉/大阪で同時開催されるロックフェスティバルSUPERSONIC

東京オリンピック開催の影響を受けて2020年は開催見送りが決定していた夏の風物詩SUMMER SONICですが、初秋バージョンとして発表された新しい音楽フェスティバルがSUPERSONICです。

注意

ご承知の通り、東京オリンピックは2021年へ延期することが決定しており、来年のSUMMER SONICがどうなるのか、ファンは気を揉んでいます…。

ロック、エレクトロ・ミュージック、ヒップホップを代表する大物アーティストの出演が発表される中、ロックバンドとして唯一ヘッドライナーを務めるのが今回ご紹介するThe 1975(ザ・ナインティーンセヴンティファイヴ)です。

2010年代のUKロックシーンを代表するバンドであるThe 1975は、これまでSUMMER SONICに4回の出演歴があるなど日本とも縁が深く、2年連続での来日となる今回はついにヘッドライナーとしての登場となります。

再来日が発表された瞬間、日本全国のUKロックファンを狂喜乱舞七転八倒茫然自失させた最注目のロックバンドThe 1975をご紹介していきましょう。

注意

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、SUPERSONICは2021年へ延期されることが発表されました。

The 1975(ザ・ナインティーンセヴンティファイヴ)


バンドメンバー

  • マシュー・ヒーリー(Matthew Healy) / ヴォーカル、ギター
  • アダム・ハン(Adam Hann) / ギター
  • ロス・マクドナルド(Ross MacDonald) / ベース
  • ジョージ・ダニエル(George Daniel) / ドラム

ここ日本では「UKロック」というジャンルとして語られることもあるほど、イギリスからは日本人好みのロックバンドが多数輩出されています。

80年代はThe Stone RosesThe Smiths、90年代はOasisRadiohead、00年代ではArctic Monkeysなどが日本でも人気を集めました。

そして次なる10年代の顔となったのがThe 1975だったということに異議を唱えるロックファンはいないでしょう。

00年代まではなんとか持ちこたえていたロックの人気が低迷し、ラップやEDM、ティーンを熱狂させるポップスター達に完全に取って代わられたのが00年代でした。

そんな中でひとり気を吐いたのがThe 1975で、デビュー作を全英1位に送り込むと、次作では母国イギリスのみならずアメリカまで制する偉業を成し遂げ、デビューから4年足らずでシーンの頂点に立ってみせたのです。

日本での人気も上昇の一途を辿り、2019年のSUMMER SONICではトリ前に登場し、ヘッドライナーのB’zへバトンを渡す大役を見事にやってのけました。

ライヴ終盤、スクリーンに大写しにされた「ROCK & ROLL IS DEAD / GOD BLESS THE 1975(ロックンロールは死んだ / THE 1975に神のご加護を)」の文字には、「ロックが死んだのなら、君たちが今観ている最高のロックショーは一体なんなんだ?」という彼らからの挑発的なメッセージが込められていたのは間違いありません。

90年代末に生を受け、ジャンルの境目がますます曖昧になっていった2000年代の音楽を聴きながら育った彼らは、どんなジャンルの音楽もThe 1975というフィルターに通すことによって極上のポップソングへ昇華させてしまう手腕の持ち主です。

Oasisの大衆性、SuedeやThe Libertinesの耽美で退廃的なイメージ、時代を象徴するポップアイコンのカリスマ性などファンを魅了するすべての要素を兼ね備えたThe 1975は、究極のUKロックバンドだと言っても過言ではないのかもしれません。

The 1975(ザ・ナインティーンセヴンティファイヴ)・メンバー

2002年の結成以来、The 1975は不動のメンバーで活動を続けています。

各メンバーのパートにはメイン楽器を記載しましたが、全員がメイン楽器の他にキーボードやシンセサイザーなどを演奏して作品に彩りを加えています。

マシュー・ヒーリー(Matthew Healy) / ヴォーカル、ギター

  • 氏名:マシュー・ヒーリー(Matthew Healy)
  • 生年月日:1989年4月8日

俳優のティム・ヒーリーと女優でTV番組のパネリストとしても知られるデニース・ウェルチの間に生まれたマシュー・ヒーリーは、恵まれた容姿とカリスマ性を持つ天性のフロントマンです。

父親の親友の形見として譲り受けたギターで演奏技術を磨いたマシューは、その後ドラマーに転向し、The 1975の前身バンドで活動を開始します。

マシューがヴォーカルへ転向したのは本人の希望によるものではなく、前任ヴォーカリストが脱退してしまったという事情によるものでした。

長きに渡るロックスター不在の時代に救世主のように登場したマシューは、アルコール、ドラッグ、過激な言動、不安定な精神状態など多くのロックスターが通る道を歩んできましたが、2018年に薬物中毒を克服したことを公にしています。

近年日本でも頻繁に見聞きするようになった言葉、ジェンダー・イクオリティ(男女平等)の思想に共感するマシューは、出演アーティストの男女比率が不均衡な音楽フェスティバルには出演しないことを明言するなど、音楽業界における男性至上主義の打破に向けて積極的なアクションを起こしています。

MEMO

2019年8月14日のドバイ公演では、前列にいる男性ファンにキスをするという行動を見せたマシュー。
ドバイでは同性愛が法律で禁止されていることに対して反対を表明するための行動でした。
公演後にTwitterを更新したマシューは「僕のふるまいのせいでもうドバイには戻れないかもしれない」と前置きした上で、「もう一度チャンスが与えられたとしても、僕はまったく同じことをするだろうね」と信念に基づいた行動であったことを強調しています。
その後出演したフェスティバルでは、ドバイでの出来事について触れた後、「変化が必要なのは僕じゃない、世界だ」と言い放って称賛を浴びました。

アダム・ハン(Adam Hann) / ギター

  • 氏名:アダム・ハン(Adam Hann)
  • 生年月日:1988年6月20日

ギタリストのアダム・ハンはウィルムスロー高校でマシュー・ヒーリーと出会い、前身バンドから活動を共にしているメンバーです。

MUSEのマット・ベラミーが使用機材を知りたがるほどギター機材に凝っており、世界的エフェクターブランドとして知られるBOSSのウェブサイトでは、アダムが作品やライヴで使用しているセッティングを再現したパッチが公開されています。

ロス・マクドナルド(Ross MacDonald) / ベース

  • 氏名:ロス・マクドナルド(Ross MacDonald)
  • 生年月日:1989年6月6日

髭がトレードマークのロス・マクドナルドは、マシュー・ヒーリーと同じ高校の同級生で、前身バンド時代からベーシストとして参加しています。

インタビュー記事などがあまり残っていないロスですが、取材をした記者に「drily witty(皮肉っぽくてウィットのある人)」と評されるなど、かなり頭の回転が速い人物のようです。

ジョージ・ダニエル(George Daniel) / ドラム

  • 氏名:ジョージ・ダニエル(George Daniel)
  • 生年月日:1990年3月23日

ジョージ・ダニエルは一番最後に加入したメンバーで、ドラムからヴォーカルに転向したマシュー・ヒーリーの後任としてスティックを握っています。

メンバーで最年少のジョージは、マシューの共作パートナーとして創作面でも大きな役割を担っており、ふたりの関係性をThe Beatlesのジョン・レノンとポール・マッカートニー、The Smithsのモリッシーとジョニー・マーといったイギリスの伝説的なソングライティングチームになぞらえる評論家もいるほどです。

The 1975(ザ・ナインティーンセヴンティファイヴ)・バンド名の由来

1975年はメンバーの生まれ年でもなければ、彼ら自身に関係する何かが起こった年でもありません。

マシューが19歳の時に地中海に浮かぶスペイン領のマヨルカ島を訪れた時、現地のアーティストからビート文学の書籍を大量に譲り受けました。

その中の一冊、アクバル・デル・ピオンボの『Fuzz Against Junk』の裏表紙に遺書のような走り書きが残されており、その文末にあった「1 June, The 1975」というフレーズがバンド名の元ネタになっています。

MEMO

現在、多くのウェブサイトに『Fuzz Against Junk』に残っていた走り書きがバンド名の元ネタであることが紹介されていますが、その後のインタビューでマシュー本人によって「『On the Road』という作品だったかもしれない」と訂正されています。

The 1975(ザ・ナインティーンセヴンティファイヴ)・経歴

2012年にデビューしたThe 1975ですが、そのスタート地点は彼らが10代の少年だった2002年まで遡ります。

2002年にウィルムズロー高校に通う少年たちによって結成されたバンドは、Drive Like I Doなど次々と名義を変えながら活動を続け、最終的にThe 1975を名乗るようになりました。

当初はパンクのカバーなどを演奏していた彼らですが、次第にオリジナル曲を書くようになり、2002年8月に初のEP『Facedown』でデビューを飾ります。

デビューアルバムのリリースに非常に慎重だった彼らは、アルバムをリリースする前に4枚のEPを発表して認知度を高めていきました。

“Chocolate”のシングルヒットなどで下地を固めた後、満を持してリリースされた2013年のデビューアルバム『The 1975』は、全英初登場1位を記録する快挙を達成。

アルバムリリース後には、北米ツアーや名門フェスティバルCoachellaに出演するなど、本格的にアメリカへの侵攻を開始した彼らは、その人気を海の向こうにまで飛び火させていきました。

MEMO

アルバムリリース直前となる2013年8月には初来日を果たし、SUMMER SONICに出演したほか、今は亡き原宿アストロホールで単独公演をおこなっています。

ソーシャルメディアを使ったプロモーションと5枚に及ぶシングルリリースを経て2016年2月に発表されたセカンドアルバム『I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful yet So Unaware of It』は、母国イギリスのみならずアメリカを含む複数の国で1位を記録する大ヒット作となりました。

MEMO

『I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful yet So Unaware of It』は「ビルボードチャートで1位となった最も長いタイトルの作品」という奇妙な記録も打ち立てています。

様々なジャンルを横断しながら音楽性を広げていくThe 1975の進化の速度は、音楽評論家が「野心的」「一貫性がない」「折衷的」と称賛と戸惑いを示すほどすさまじいものでした。

The 1975にとっての“ある時代”を象徴する『Music For Cars』というコンセプトの下、2枚のアルバムをリリースすることを明らかにしている彼らは、その第1弾として2018年11月にサードアルバム『A Brief Inquiry Into Online Relationships』を発表し、全英1位・全米4位を獲得しています。

第2弾となる4枚目のアルバム『Notes on a Conditional Form』は、幾度かの発売日延期を経て、2020年5月22日にリリースされる予定です。

MEMO

これまでに発表したアルバムは、デビュー作の『The 1975』を除くすべての作品に邦題が付けられています。
一見奇妙に思えるタイトルばかりですが、すべて原題をそのまま訳したものです。
・『I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful Yet So Unaware of It』(邦題:君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。)
・『A Brief Inquiry into Online Relationships』(邦題:ネット上の人間関係についての簡単な調査)
・『Notes on a Conditional Form』(邦題:仮定形に関する注釈)

The 1975(ザ・ナインティーンセヴンティファイヴ)・オススメ曲

時代を象徴するポップスターの貫禄さえ感じるThe 1975が発表した名曲の中から厳選したオススメ曲をご紹介します。

Sex

2012年に発表された2枚目のEP『Sex』の表題曲で、ファーストアルバム『The 1975』にも収録されています。

小さな部屋で4人が演奏しているだけのMVからもわかる通り、ロックバンドとしての彼らの魅力がストレートに伝わってくるナンバーです。

他の曲を聴いて「これはちょっとポップすぎるかな…」と思った方は、そっぽを向いてしまう前にこの曲を試してみてください。

彼らの粗削りでパンキッシュな一面が見られるはずです。

Love It If We Made It

2018年発表のサードアルバム『A Brief Inquiry into Online Relationships』からシングル曲です。

決して暗い曲調でありませんが、歌詞のテーマは非常にシリアスで、バンドの演奏に噛みつくように言葉を連ねるヴォーカルに耳を奪われます。

麻薬、人種問題、インターネット、難民問題、若き天才ラッパーの悲劇的な死、環境問題、政治腐敗など文化的・政治的な問題を見事に切り取った歌詞も高く評価されています。

The Sound

2016年発表のセカンドアルバム『I Like It When You Sleep, for You Are
So Beautiful Yet So Unaware of It』
からのシングル曲です。

電子ドラムにたっぷりのシンセサイザーとキーボードリフ、最初にご紹介したパンキッシュな“Sex”と同じバンドとは思えないほどシンセ・ポップに振り切れています。

マシューが子供の頃に聴いて育ったという耳ざわりの良いポップソングを彼ら流に料理した“The Sound”はファンのお気に入りで、ライヴでは大きな盛り上がりを見せる一曲です。

The 1975(ザ・ナインティーンセヴンティファイヴ)・まとめ

2010年代のロックシーンを代表するバンド、The 1975をご紹介しました。

デビュー当時は懐疑的ですらあった批評家たちを作品の質でねじ伏せ、イギリスの国民的ロックバンドの枠を超えて世界中で熱烈に愛されるバンドにまで成長しました。

音楽的な冒険を恐れずに突き進む一方、自分たちのポジションを客観視し、次のステップへ進むための緻密な戦略を立てることのできる非常に頭の良いバンドだと言えるでしょう。

日本の洋楽不況により、海外と日本国内での温度差が生まれがちな昨今において、The 1975は温度差が少ない(少なくなりつつある)貴重なバンドです。

The 1975を聴いたことがないという方も、9月の再来日までまだ時間がありますので、これを機に彼らの作品を手に取ってみてはいかがでしょうか。

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