ロック全盛の1970年代に結成された数多のロックバンドのなかで、最も売れたバンドとも称されている、イギリスのロックバンドのQueen(クイーン)をご紹介します。
現在までのセールスは約2億枚と、世界中で最も成功したバンドのひとつとも称されています。
ロック雑誌ローリング・ストーン誌による、歴史上最も偉大な100組のアーティスト52位。
経済新聞のウォール・ストリート・ジャーナルの、史上最も人気のある100のロックバンドでは3位。
ボーカルのフレディ・マーキュリーは、ロックで最も偉大なシンガーの1人にも数えられ、BBCが実施した国民投票による100名の最も偉大な英国人にも選ばれています。
ベストアルバム「GREATEST HITS」は、イギリス国内だけで600万枚のセールスを記録し、ビートルズやオアシスを超えて、イギリスで最も売れたアルバムとなっています。
メンバーが音楽プロデューサーを務めた、2018年公開の映画「ボヘミアン・ラプソディ」も興行収入100億円を突破などなど。
クイーンは、これまでロック好きやロック雑誌などのメディアで語り尽くされているので、今回はセールスや記録など具体的な数字を交えながら、改めて伝説のバンドクイーンを見ていきたいと思います。
2020年1月には来日公演もあり、予習にも復習にもおすすめです。
目次
QUEEN(クイーン)
まずは、映画「ボヘミアン・ラプソディ」などでご存知の方も多いと思いますので、軽くバンドの歴史を振り返っていきます。
バンド名の由来は「威厳があって普遍性もあり、響きや雰囲気も素晴らしく、ゲイに結びつくことなど様々な解釈ができるから付けた」とフレディ・マーキュリーは説明しています。
そのクイーンは1971年にフレディー・マーキュリー(Vo)、ブライアン・メイ(Gt)、ジョン・ディーコン(Ba)、ロジャー・テイラー(Dr)の4人によって誕生します。
1973年に1stアルバム「Queen(戦慄の王女)」でデビューしますが、当初イギリス国内ではチャートにランクインすることもなく、特に話題になることもありませんでした。
複雑で重層的な構成や、エフェクトを多用した編曲などが批評家から評価されなかったことが理由でした。
ただアメリカのローリング・ストーン誌は、当時からいち早く高い評価をしています。
1974年3月の2ndアルバム「QUEEN II」が全英チャートで5位にランクインするヒットを記録し、ここからクイーンの快進撃が始まりました。
続く同年11月リリースの3rdアルバム「SHEER HEART ATTACK」の、先行シングル「Killer Queen」が全英チャートで2位になり、いよいよ本格的にアメリカに進出することになります。
この頃になると、クイーンの存在は世界的にも知られるようになっていて、1975年4月に初来日した際には、空港に1,200人のファンが押し寄せたとか。
1975年10月にリリースしたシングル「ボヘミアン・ラプソディ」が、全英チャート9週連続1位を記録。
翌11月リリースの4thアルバム「A Night At The Opera(オペラ座の夜)」も、アルバムとしては初の全英チャート1位を獲得します。
その後リリースした両A面シングル「We Are the Champions(伝説のチャンピオン)」「We Will Rock You」が、イギリス、アメリカ、フランスなどで大ヒットし、ヨーロッパやアメリカにクイーン旋風を巻き起こします。
1980年代に入ると、8thアルバム「The Game」や、シングル「Crazy Little Thing Called Love(愛という名の欲望)」「Another One Bites the Dust(地獄へ道づれ)」が、すべて全米1位を獲得。
1984年にリリースしたシングルでは、「RADIO GA GA」が世界19カ国で1位を獲得、「I Want to Break Free(ブレイク・フリー / 自由への旅立ち)」が南米で自由へのシンボル曲になるなど、クイーン人気は全世界に広がっていきました。
「RADIO GA GA」は響きの通りに、アメリカのアーティストのレディー・ガガさんの由来となったことを、ご本人が度々語っています。
1985年には、映画「ボヘミアン・ラプソディ」のラストシーンになっている「ライヴエイド」が開催され、出演者最多の6曲を圧巻のパフォーマンスで披露しました。
1986年に開催したヨーロッパツアーでは、クイーンの聖地とされているロンドンのウェンブリー・スタジアムでの2日間で15万人動員したのをはじめ、全26公演で200万人以上を動員。
しかし、フレディー・マーキュリーさんの容態の悪化に伴い、8月9日の「ネブワース・パーク・フェスティバル」で12万人の前で披露したパフォーマンスが、4人揃ってのステージの最後となりました。
その後は、シングルやアルバムのリリースは続けましたが、ツアーは開催できず…
1991年11月24日にフレディー・マーキュリーさんはエイズによって45歳の若さで死去。
葬儀は世界中から訪れたファンの花束で埋め尽くされ、リリースしているアルバムが世界中でチャートインし、シングル「ボヘミアン・ラプソディ」がイギリス史上初の同一曲2度目の1位を獲得しました。
バンドのクイーン自体は残りのメンバーが中心となって、現在でも活動しています。
ジョン・ディーコンさんは20011年に音楽業界から引退しましたが、ブライアン・メイさんとロジャー・テイラーさんはクイーンの他にも、別なバンドやソロでリリースやライブを行っています。
それでは、記録尽くめのクイーンの凄さを改めて振り返って見ていきましょう。
凄すぎて言葉を失ってしまうかもしれませんよ。
Queen(クイーン)の名曲
ボヘミアン・ラプソディ
1位は、1975年10月リリースの「ボヘミアン・ラプソディ」です。
ギネスワールドレコーズによると、2002年にイギリスで行った史上最高の曲を選ぶ投票で1位を獲得。
全英チャートでは9週連続1位、全米チャートは週間9位でしたが、1976年の年間チャート18位にランクインしています。
2012年の時点で、イギリス国内でのセールスランキングで3位に入る236万枚を記録しています。
演奏時間が約6分と長すぎたことから、リリースの際には議論が交わされていましたが、結果的にクイーン最大のヒット曲となっています。
アンダー・プレッシャー
2位は、1981年10月リリースのデビット・ボウイとのコラボレーションシングル「アンダー・プレッシャー」です。
クイーンにとっては、「ボヘミアン・ラプソディ」以来の全英チャートで1位に輝きました。
ローリング・ストーン誌が2011年に行った、読者投票で選ぶ音楽史上で最も偉大なコラボ曲ランキングで2位になりました。
この曲は、スイスのレコーディング・スタジオにいたクイーンを、近くに自宅があったデヴィッド・ボウイが訪れた際に、ワイワイと行ったジャムセッションから生まれました。
We Will Rock You
3位は、日本でもお馴染み、1977年10月リリースの「We Will Rock You」です。
ロック全開の、ザ・アンセムソングのこの曲は、「We Are the Champions(伝説のチャンピオン)」との両A面シングルとしてリリースされました。
フランスのチャートで12週連続1位を獲得し、13週目で1位となったのは「We Are the Champions(伝説のチャンピオン)」でした。
小室哲哉さんもビックリのヒットメーカーぶりですよね…「ドンドンチャ」というリズムが印象的な一曲です。
Greatest Hits
現在でも唯一、イギリス国内だけでセールスが600万枚を突破しているアルバムが、1981年11月リリースのベストアルバム「Greatest Hits」です。
全世界では2,700万枚を突破しています。
全英チャートで1位を獲得、全米チャートでは11位にランクインしました。
1991年10月に「Greatest Hits II」もリリースされると、イギリス国内でのアルバムセールス10位の390万枚、全世界で2,200万枚を記録しています。
ベストアルバムが最も売れるというのは、いかに曲が素晴らしいかという証明にもなります。
Night At The Opera
https://www.youtube.com/watch?v=COZg9utGiIc
イギリスでは1975年11月にリリースされた「Night At The Opera(オペラ座の夜)」で、アルバムとして初の全英チャート1位を獲得しました。
全世界で1,000万枚のセールスを記録しています。
スケールが大きくてドラマチック、そして華麗な、クイーンの代表作とも称されているどころか、イギリスのロック史にも燦然と輝いている名盤です。
Made In Heaven
クイーン最後のスタジオ録音のアルバムとして、1995年11月にリリースされたのが「Made In Heaven」です。
全世界で2,000万枚のセールスを記録。
フレディ・マーキュリーさんの死後、それまで録音していた音源と、追加レコーディングした曲で構成されています。
全英、ドイツ、イタリアなど申し訳9カ国のチャートで1位を獲得。
全編にわたって、ポジティブなテーマが展開されているアルバムです。
Queen(クイーン)はとにかく凄い!!
クイーンの凄さはセールスだけに留まりません!!まだまだあります!!
記録としては、ギネスワールドレコーズによると2005年時点で、リリースされたアルバムが、全英アルバムチャートで1,422週(27年間)チャートインしていることになります。
これは歴代第1位の記録で、世界で最もイギリスチャートにランクインし続けているアーティストに認定されています。
もちろんロックの殿堂入りも果たし、グラミー賞生涯業績賞も受賞。
フレディ・マーキュリーさんは、英国作曲家協会が毎年選出するソングライター・作曲家のためのアイヴァー・ノヴェロ賞を2度も受賞しています。
クイーンと親交があったアーティストは、デヴィッド・ボウイさん、エルトン・ジョンさん、マイケル・ジャクソンさん、ジョージ・マイケルさんなど、そうそうたる面々。
1992年に開催された「フレディ・マーキュリー・トリビュート・コンサート」では、クイーンの3人のメンバーと共に、デヴィッド・ボウイさんやエルトン・ジョンさんだけでなく、U2、ガンズ・アンド・ローゼス、メタリカなども出演しました。
最後に…
クイーンが残している実績や記録はとにかく凄い!!としか言いようがありませんよね。
現在でも活動を続けているクイーンは、ブライアン・メイさんとロジャー・テイラーさんのオリジナルメンバーに、アダム・ランバートさんをボーカリストとして迎えて、2020年1月に来日公演を開催。
度々世界中でリバイバルブームが起こるクイーンは、ロック史に輝き続ける伝説のロックバンドです。