【インタビュー】ChumuNote 激動の2024年と新曲『マンボウガール』にかける思い

ボーカロイド、EDM、歌謡曲、ロック……ChumuNoteを形作る音楽

―ChumuNoteさんは、以前から配信で「クラブ文化と親和性が高い音楽を目指したい」とお話されていますが、クラブミュージックにハマったきっかけは何だったのでしょうか?

僕のクラブミュージックの原点はボカロEDMなんです。

初音ミクちゃんを使ったエレクトロダンスミュージックをよく聞いていて、例えばTwinfieldさんとか。僕のファーストシングル『BlueSunnyFish』はTwinfieldさんに作っていただいたんですけど、そういうところから入っていますね。

―ほかに影響を受けているアーティストはいますか?

1980年代のJ-POP・歌謡曲ジャンルなんですけど、親がよく聴いていた影響もあって山口百恵さんがすごく好きです。女性なのに低音がすごく大人っぽくて、若いときの曲でも色っぽく艶っぽく歌われる方で。

今回の僕の楽曲もそうなんですが、女性にしてはかなり低めのところを使っていて、なんならほぼ男性キーに近いところなんですけど、そういった低音を活かした歌声っていうのは山口百恵さんから影響を受けていますね。

そのほかだと、先ほどお話したボーカロイドやアニソン、あとロックやメタル系の影響も受けています。
リンキン・パークとか、今は女性ボーカルになって再始動していますけど、実はそういうイカつい音楽も好きなんです。ネットでたまたま聴いてハマったんですが、知ったときは衝撃を受けましたね。ロックが好きな影響もあって、ボカロPだとナナホシ管弦楽団さんが大好きだったりします。

小さい頃からいろんなジャンルの曲を聴く生活を続けてきたので、それが今の自分に生きているなと思いますね。好き嫌いせずに曲を聴く習慣がついているというか。

今回の新曲はロック系なので、特に僕のロック好きな部分が出ているかなと思います。

―ChumuNoteさんといえば、やはりクラブミュージックの印象が強かったので、歌謡曲やロックは意外でした。2024年はオリジナル楽曲を多数リリースされていましたが、思い入れの深い楽曲はありますか?

どれも大好きなんですけど、1つ挙げるならFlare Rune(フレア・ルーン)ちゃんと一緒に歌ったオリジナル楽曲『PERSONAE』です。

この曲ではFlare Runeちゃんが高い音域、自分が低い音域を担当していて、それぞれ全く違う音域で歌っているんですよ。高音と低音に分かれてお互いが全く違う声で歌うっていうのが初めての試みだったんですが、意外と相性が良くて。自分の低音の可能性により気づけた曲だったと思います。

―収録で苦労された楽曲はありましたか?

2024年12月14日に投稿した『Episode X』の歌ってみた動画ですね。

Vsingerの紫ヶ内ムゲイさんとのコラボ動画なんですが、実はAdoさんの本家MV公開から1週間で仕上げていて。Adoさんの投稿が12月6日で、12月13日にはもう歌ってみた動画の待機所が出来上がっていたので、かなりのハイペースで制作したカバーなんです。

経緯としては、僕が楽曲を聴いた時点で「もうめちゃくちゃ好きな曲だ!」ってなったので、すぐにコラボで歌おうと決めました。

12月6日の0時、楽曲がリリースされた瞬間に2人で歌詞分けがスタートして、そのまま朝の6時ぐらいまでぶっ続けでお互いレコーディングをしていて。レコーディングしたその場でデータを送り合って「今、ここまでレコーディングが進んでいます」「じゃあ、そのデータに合わせてこう歌うね」とか、相手の音源が自分のイメージと少し違ったから、ここは歌い方を変えなきゃいけないなとか、同じ時間軸で擦り合わせをしながら完成形まで詰めていった作品なんです。僕としても初の試みでした。

楽曲が発表された瞬間にイラストの発注などもかけていたので、本家が動画を投稿する前にメインのイラストが出来上がっていたりもしていて、かなり頑張って制作した動画ですね。

―そんな制作秘話があったのですね。音楽活動に力を入れている一方で、配信ではゲーム実況や企画もののイメージが強いですが、配信活動で意識していることはありますか?

音楽系VTuberの中には「歌枠」をされている方も多いですが、僕の配信で歌枠が少ないのには明確な理由があるんですよ。というのも、僕はミキシングエンジニアが本業なので、日々細かいピッチのズレを直したり、声にエフェクトをかけたりする立場にいるわけです。そうすると歌ってる最中にミキシングエンジニアの血が騒いで、「今! 今ずれたよね!」って、その場でダメ出しが始まっちゃうんですよ。

完璧にできない悔しさを感じて歌枠が楽しくなくなっちゃうというか……。職業病ですね。

完璧に歌いたいという思いが強すぎて、ワンコーラス歌った途中で「ごめん、納得いかないから最初から歌い直しさせて」ということがあったりするので、回数が少なめになってます。

―宅録のお話といい、音楽に対してストイックに向き合っているのが伝わってきます。

だからといいますか、ゲーム配信では好きなゲームを気ままに遊ぶようにしています。

たまに変な企画をやるのも好きなので、過去にはリスナーが書いた夢小説と自分が書いた夢小説を混ぜて、僕の書いたものを当てる人狼ゲームをやったり、既存エピソードに嘘の展開を混ぜて話さないといけない雑談をしたりもしました。リスナーからは地獄企画なんて言われるんですけど、破天荒な企画をやるのが好きなんです。

あと、最近はミックスの作業配信なども行っています。こっちは歌と違って結構ふざけている部分があって、リスナーさんとの距離感も近い感じですね。

配信では、コメントしてくれる方とのコミュニケーションを意識しています。

「目指すは世界」個人VTuberから再び企業勢へ

―2024年10月からレメディ・アンド・カンパニー株式会社に就職となりましたが、個人で活動されていた時代と比べて変化はありましたか?

いい意味で結構変わりました。個人のときから付いてくれているマネージャーさんと一緒に入ったんですが、マネージャーさんと会社が連携を取ることでよりいろんな業務を巻き取っていただけるようになったので、動きやすくなったと思います。

かなり意見を尊重してくれる会社なので、僕から提案もしやすくなりました。今まで「やりたいけど、ちょっとこういう理由でダメだろうな」って自分の中でボツにしていた案でも「とりあえず言ってみよう」っていう気持ちになって、実行に移すことが多くなった感覚があります。

あとは最近、毎週英語のレッスンを受けているんですよ。以前、YouTubeにメッセージ文を出したこともあるんですけど、「音楽はユニバーサルランゲージ、世界共通の言語だ」という表現を僕がよくしていて、そういった文章を海外の方にも伝えるために、事務所の方に添削などのサポートをしていただいています。

僕自身、いずれは世界でライブがしたいという夢を掲げているので、英語の勉強がしたいと思っていて。レメディ社は海外にも拠点を持っていて、日本だけでなく世界に向けても医療・ヘルスケア関連の事業を展開しているため、医療・医薬品開発の分野で世界各国に支部があるんですね。母国語が日本語ではない社員の方もたくさんいるので、その方たちにネイティブな英語を教えていただいています。

―勉強を始めてから変わったと思うことはありますか?

英語詞が登場する歌などは、歌うときに「この歌詞、意味合いとして大丈夫なのかな?」と会社に相談するようにしています。 聞いてみると「音楽だと文法を無視した歌詞も多いですよ」「ビートルズでもそういう例があるんだよ」って教えてくれることがあって。

僕自身、中学・高校の英語教員免許を持っていますが、やっぱり日本国内の英語の教科書だけ読んでいると、文法はこれが正しいんだって思ってしまいがちなんです。でも、ネイティブの方に聞くと、実際の英語詞だと韻を重視するためにわざと文法を崩しているとか、そういったことを教えてもらえて、そうなんだなっていう学びは最近ありましたね。

ただ、教えてくださっている方がVTuberとは全然関係ない部署の方なので、最初はVTuberを説明するところから始まりました。自己紹介文をどうやって英語で伝えるのかとか、お互いに擦り合わせが必要で…。

―言われてみれば、VTuberの用語って造語だらけですよね。

そうなんですよ。例えば、「ファンネームはちゅむ主です」って英語に訳したいって言ったら、「ファンネームってなに?」ってところから始まって(笑)。

「あぁ、fandom nameね」とか、お互いに調べながらやっています。

僕のリスナーの呼び方である「ちゅむ主」っていうのも、株主は英語で「stockholder」「shareholder」だけど、どうしようかとか。

「いつも挨拶で言ってる『こんまんぼう』は英語でどうやって言えばいいの?」とか、そんな感じで楽しみながら毎週レッスンしています。

―今後、配信でも英語を話す姿が見られるかもしれないですね。反対に、個人で活動されていたときの経験で現在に活きていると感じることはありますか?

僕は個人活動時代に、クリエイターさんへの発注であったり、リアルイベント(※)の主催を経験したりしていたこともあって、企画を進めるときに「経験が活きてるな」と感じます。

épelerのワンマンライブ(※)もセルフプロデュースだったので、1回自分でいろいろな経験をした分、組みやすいというか。ここでこういうことが起こるだろうから、あらかじめこうしておこうという予測が立てられるようになったので、経験としてやっていてよかったと思いますね。

やっぱり個人VTuberさんたちってすごいなと思いますし、個人で培ってきた技術は事務所に入ってからも活かせるよって言いたいです。

※リアルイベント:2023年10月7日開催の釣りイベント「ChumuNoteとつりぼりカフェCatch&Eat」
※épeler ワンマンライブ「飛躍」:2024年9月7日、六本木CUBE にて開催

「やりたいことが活動になる」オフラインイベントへのこだわり

―épelerといえば、年末年始にオフラインイベント「エプレと不思議なお茶会 」を開催していましたよね。こちらも3人のセルフプロデュースですか?

「エプレと不思議なお茶会」に関しては、JAPANNEXT BANQUETさん主催で進めていただいた施策になります。最近3人でプロデュースした企画といえば、12月末に行った「謎解きイベント」ですね。

謎解き作家のぐずりあさんと一緒に進めて、コラボ期間中は謎解きと来店3回で秘密のメニューが頼めるという施策も行っていました。épelerは行動力のある子が揃っているので、やってみたいなと思ったことに挑戦して企画を動かすっていうのはよくやっていますね。

エプレと不思議なお茶会:http://www.banquet-chofu.com/?p=789
12月開催の謎解きイベント:https://sukuranburu.net/epeler_nazo/

―3人がさまざまな経験をされてきたからこそ、セルフプロデュースも毎回しっかりと形になっているのではないかと思います。コラボカフェでは、メニューにもかなりこだわったとお聞きしました。

そうなんですよ。僕は「ちゅむマリンソーダ」「秘伝の漬け茶豆」「大人の珈琲クロッフル」というメニューを出したんですけど、ドリンクについては、僕が海好きなので「海をイメージにしたドリンクを出したい」ということだけ伝えたら、めっちゃ素敵なドリンクが出来上がって。マンボウの形のチョコを氷の中に入れた‟マンボウ入りの氷”をドリンクに入れてくださっているんです。すごく手が込んでいるんですよ。

「秘伝の漬け茶豆」に関しては、僕のほうで白だしが何ミリ、調味料が何ミリなど指定したレシピを持ち込んで、「これをメニューとして採用してください!」ってお願いしました。「大人の珈琲クロッフル」は、生クリームが食べられない方でも食べれるようビターで甘すぎない味わいのクロッフル(ワッフルの形のクロワッサン)になっています。

―レシピの持ち込みは驚きです。そこまでするVTuberの方は、なかなかいないのではないでしょうか。

でも、僕はそこがVTuberの楽しいところであり、魅力的な部分だと思っていて。VTuberって活動内容に制限がないので、極論やりたいことは何でもやっちゃえば活動になるんですよ。

僕自身、かなり飽き性というか、いろいろなことに手を出したい人間なので、そういう性格とこのVTuberっていう活動はとてもマッチしていて。日々飽きない活動ができているなと思っています。僕にとっては天職ですね。

―たしかに、ChumuNoteさんは音楽だけでなく、配信やオフラインイベントなど、さまざまな活動を行っている印象があります。ちなみに「秘伝の漬け茶豆」については、リスナーの方からどんな反応がありましたか?

実は別の店舗でコラボカフェをしたときも、レシピを持ち込んで「おつまみキャベツ」を出したことがありまして。ちゅむ主のみんなは「また?」って言っていましたね(笑)。でも、味はとても好評でした!

現地で販売されていた冊子にレシピを載せたので、家でも再現したいという声が上がっていました。コラボしたお店の調理担当の方からも「めっちゃ美味しかったです」って言ってもらえたので、嬉しかったです。

―調理のプロに認められる腕前、すごいです。普段からお料理はされるんですか?

最近目覚めました。前の事務所が解散になって白アイコンになったときに、pixivFANBOXを開設したんですよ。ただ、ビジュアルがないし、活動もしてないし、何者でもなくて、何を更新しようってなった結果、毎月ひたすら料理の写真をあげてた時期があって。その時期はニートだったので本当に何もすることなくて、ただ料理をしていたんですね。料理好きはそれがきっかけかもしれないです。

でも、片付けは嫌いです。洗い物が嫌いなんですよー。

―本当にやってきたことのすべてが活動に活きている感じがします。コラボカフェでは、来場者に向けたイベントや1on1のトークイベントも開催されていましたが、実際にリスナーの方とお話されていかがでしたか?

実は、リスナーの方と喋ること自体はよくやっていて、pixivFANBOXの特典でもないのに、ただ僕がちゅむ主と喋りたいからって理由で毎月バーチャル飲み会を開催していたりするんですよ。一時期流行っていた「zoom飲み」みたいな感じでみんなで集まってわいわいやっていて。

―そうだったのですね。ご自身のリスナーに対する印象などはありますか?

まじめですね。Xとかではわりとふざけ合っているので、これを言うと意外に思われるかもしれないですけど、ここぞというときにすごくまじめな印象です。

やっぱり音楽や作品を楽しんでくれているリスナーさんが多いので、技術的な話にもかなり興味を持ってくれたりとか、歌の感想とかもすごく具体的に褒めてくれたりする人が多くて。 ふざけるときはふざけるけど、場をわきまえているというか、ちゃんとふざけようと思ってふざけてる人たちだなって思っています。

2025年は全力で!

―2024年は変化の1年だったと思いますが、最後に今年の目標などをお聞かせください。

今年の目標は、「携わった音楽の露出を上げること」です。

新しい会社とタッグを組んでいろいろ環境も変わりましたが、僕の中での1番の変化は、2024年から2025年にかけて目標をぐんと上げたところにあって。

今の規模で手に届く範囲を目標にするのではなく、数千、数万のファンがいる姿を思い浮かべながら目標を決めています。結構無理しちゃいがちな性格ではあるんですけど、2025年は全力で駆け抜けていきたいと思っていますね。

ただ、 目標としてはすごく大きなところを目指しているんですけど、リスナーとの距離感は変えたくなくて。ずっと言っているのは、友達のすげえヤツでいたいっていうところで、リスナーが「俺の友達のちゅむってヤツすげえんだぜ。こんなことやってるんだぜ!」と自慢しちゃうような、そういうポジションでいたいと思っています。

なので、みんなどんどん自慢してください! 大きくなったから離れちゃうっていうのはさみしいので。

関連リンク

ChumuNote
X:https://x.com/tmgnrei
公式HP:https://chumunote.info/
YouTube:https://www.youtube.com/@ChumuNote

レメディ・アンド・カンパニー株式会社
https://www.remedy-company.com/

TRIFRONTIER
https://trifrontier.co.jp

この記事をシェアをしよう!

この記事を書いた人

この記事に関連するタグ

関連記事

新着記事