【インタビュー】ChumuNote 激動の2024年と新曲『マンボウガール』にかける思い

【インタビュー】ChumuNote 激動の2024年と新曲『マンボウガール』にかける思い

事務所の解散や個人活動時代を乗り越えて、現在も活躍の幅を広げ続けている音楽系VTuber・ChumuNote(ちゅむのーと)。

2024年は5月にYouTube上で3D新衣装のお披露目&ミニライブを行い、9月には3人組バーチャルアイドルユニット・épeler(エプレ)として初のリアルライブを開催、10月にはレメディ・アンド・カンパニー株式会社への就職を発表するなど、激動の1年を送ってきた。

そんなChumuNoteが、2025年1曲目として初のアニメーションMVでリリースする楽曲が『マンボウガール』だ。

普段から背中にマンボウのリュックを背負っている彼女だが、新曲と「マンボウ」に込められた思いとは。また、今回はプロのミキシングエンジニアとしても活動している彼女の音楽遍歴やépelerとしての活動、今後の目標についても伺った。

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「都市伝説はすぐに広まるけれど、実際の情報は広がりにくい」ChumuNoteが新曲にかける思い

―さっそくですが、新曲『マンボウガール』について教えてください。

僕がミキシングエンジニアとして所属しているTRIFRONTIER主催の企画第2弾で、「マンボウ」をテーマにした楽曲となっています。

作詞・作曲はTVアニメ「うる星やつら」のOPテーマ(『アイウエ』)などを制作されているSAKURAmotiさんです。今回のタッグは、TRIFRONTIER側が「SAKURAmotiさんとちゅむ(ChumuNote)は絶対に合うよ」と強くプッシュしてくれたおかげで実現しました。

―「マンボウ」というテーマはChumuNoteさんが発案されたとお聞きしました。

楽曲テーマに関しては、完全にChumuNoteプロデュースでやらせていただきました!

僕が事前にマインドマップとPDF資料を作ってSAKURAmotiさんにイメージをお伝えしまして。マインドマップというのは、僕が作詞や作曲の方向性を決める上で最近使い始めた手法で、今回のテーマである「マンボウ」から派生して、都市伝説やデマ、マンボウのリュックを背負っている僕自身など、楽曲のキーワードになりそうなものをまとめたものをお送りしました。

マンボウってインターネット上では「すぐ死ぬ」っていうデマが広まっているんですけど、実際はライフルの弾も通さないぐらい皮が頑丈で、意外と強いんですよ。そういう研究結果もきちんと出ているくらいなので。

―てっきり、都市伝説どおり弱い生き物なのだと思っていました…。

実は強いんです。やっぱり都市伝説はすぐに広まるけど、実際の情報って広がりにくくて…。面白い情報だけがどんどん広がっていっちゃうところがあるので、そういうところで僕はマンボウにシンパシーを感じていて。

元々所属していた事務所が解散になって、白アイコン(※)になってバズったんですけど、そのときの面白い情報やデマだけを見て、「一時期バズってたけど、結局もう活動してないんだろうな」みたいに思っている人って結構いると思うんですよ。実はあの白アイコンはChumuNoteとして活動続けてるんだぞってことを知らないというか。

だからこそ、僕は普段から「(すぐ消えるって思われがちだけど)意外と強いんだぞ」という意味合いでマンボウを背負っていて、新曲ではそれをテーマにしたいと思いました。

サブテーマとして、僕の負けず嫌いなところとか、あと「(マンボウは)出世魚じゃないけど、出世するぞ!」という前向きなテーマも入れていただいています。

※白アイコン:事務所の解散により従来の活動名・アイコンが使えなくなったため、白色のアイコンで活動していた時代のこと。その潔さがSNS上で話題となり、有志によって白アイコンのファンアートなども誕生した。

―「マンボウ」にはそんな思いが込められていたんですね。新曲は、これまでリリースされてきた楽曲よりロックな印象があります。

僕自身がDJをすることもあって、今までは結構クラブサウンド寄りの楽曲を出してきていたんですが、今回はライブ映えする曲にしたいと思いまして。

ライブで、みんなが楽しんでコール&レスポンスをするようなフレーズがあってもいいかなっていうところで、SAKURAmotiさんに「『ちゅむ、夢中、最中、宇宙』的な韻踏みがあってもいいかも」と最初の歌詞案で提案したんです。そうしたら、「ちゅむ、夢中、最中、宇宙、湧かせ、ワンツー」っていう神歌詞が出てきて。

最初は振り付けを作るなんて案は全くなかったんですけど、曲を聞いたらもうライブステージに立っている僕が浮かんで、「いや、踊ってる。ここは絶対踊ってる!」ってなったので、振りを付けていただくことになりました。

―MVにもダンスのアニメーションが入っていて驚きました。

本当にいい楽曲が出来上がったからこそ、これもあったらいいんじゃないかっていう想像が膨らんで。

動画担当の方もそうだったんですけど、初稿が上がった後にもめちゃくちゃ差分のイラストを描いてくれているんですよ。どんどんどんどん良くなっていって、作品が仕上がるにつれて、みんな限界突破していったと言いますか、120%出してくれた結果の作品ですね。

―クリエイターの方たちにとっても渾身の一作ということですね。特に見てほしいシーンはありますか?

まずは、通常衣装とアーティスト衣装が切り替わるところです。この楽曲ではアーティストとして一段階成長したChumuNoteを表せていると思っているので、特に見ていただきたいですね。

あと、冒頭でマンボウが泳いでいる演出が2、3秒ぐらいあるんですけど、そこはいつもの配信の待機画面をリスペクトしています。普段から配信を見てくれているリスナーの方にとっては「ちゅむの配信が始まったぞ!」ってところから楽曲が始まる演出になっているので、見てほしいですね。

―収録時にこだわった箇所はありますか?

『マンボウガール』に関しては、ミキシングエンジニアとして大大大尊敬している鈴木Daichi秀行さんという方にミックスをしていただいて。

普段ミックスを依頼するときは、要望を細かくお伝えすることが多いんですが、今回に関してはもう上がってきたときから100点で! 尊敬している方にやってもらったら、こんなにイメージぴったりなミックスが仕上がるんだと驚きましたね。

あと、今回は鈴木さんが所有されているスタジオの「株式会社Cubic Records」で歌をレコーディングしたんですけど、レコーディング時にマイクを2本試させてもらって、「どっちがいい?」って聞かれたんです。「こっちの方が好きです」って答えたら、鈴木さんも「確かにそっちの方がいいね」って言ってくださって、そのマイクでレコーディングすることになったんですけど、それが1本200万円するTelefunken ELA M 251E(※)だったんですよ。

※Telefunken ELA M 251E:最も美しいサウンドを持つと言われる高級真空管マイク。

―200万円!? レコーディングスタジオでも、そこまで高級なマイクはあまり置いてないですよね。

そうなんです。とてもレアなマイクなんですよ!

どうなったらそんなに価格が上がるのって思うんですけど、聞いたら市販されていないもので、受注生産かつ生産もかなり待たなきゃいけないものだったんです。当然音質はとても良くて、尊敬している方に録っていただけたので光栄でした。

また、レコーディングの進め方であったりミックスであったり、いろいろと勉強にもなりましたね。今回は収録した音源をそのまま使うのではなくて、ミックスでかなり声質をロックな感じにざらつかせているように感じたんですが、こんなに大胆な音作りをしていいんだ、それがかっこいいんだって知れました。

―新曲では、歌声からこれまでにはない力強さも感じました。

レコーディング当日は、作詞作曲を担当されているSAKURAmotiさんに遠隔でディレクションいただきました。アドバイスを受けながら歌っていたので、普段より力を発揮できたかなと思います。

―普段は自宅で収録されることが多いのでしょうか?

ものにもよるんですが、宅録(自宅収録)の方が多いです。自宅だと歌唱兼ディレクターみたいな感じで、かなり厳しめにやっています。というのも、普段1人でレコーディングをしているとキレながらやっちゃうんですよ。こんなんじゃダメだ!みたいな。

何時間やっても録り終わらないこともあるので、今回みたいにディレクターさんが別にいて、そっちの方がいいねって言ってくれるとだいぶ勢いがつきました。それもいい影響だったかなと思います。

「これで行こう!」って決めてくれる方がいたので。

―本業でミキシングエンジニアをしているからこそ、レコーディングで意識していることはありますか?

自分でミックスする人特有かもしれないのですが、ここはミックスでこうしたいからこのテイクが必要だな、というのを逆算しながらレコーディングしています。

例えば、コーラスのハモリだったり、あとここはこういうエフェクトをつけたいから区切ってレコーディングしようとか。ミックスするときのことを考えてRECする癖があります。

それはスタジオでも宅録でも変わらず、結構提案するタイプではありますね。

―歌いながら全体像を見ているわけですね。収録前に行っている習慣などはありますか?

禁酒ですね…。求められている回答と違うかもしれないですが(笑)。

当日ちゃんと声が出るように、前日は絶対にお酒を飲まないっていうのをルーティーンにしています。

あとは保湿のために加湿器をめっちゃ焚いたり、喉にいいビタミン剤や炎症を抑える薬を飲んだりもします。

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