まにまに 【楽曲解説】ボカコレ2022春で1位獲得! r-906が生んだ名曲を徹底解説

まにまに 【楽曲解説】ボカコレ2022春で1位獲得! r-906が生んだ名曲を徹底解説

「まにまに」の魅力

「焦らし」がたまらない楽曲構成

本作の最大の特徴は、その楽曲構成にあります。

ボカロ曲でありながらボカロをあまり歌わせないという驚きの発想で作られた本作。
出だしで一度歌わせた後、しばらく歌わせる事なく「音」だけで見せるというその楽曲展開はボカロ曲としては新しい発想だといえるでしょう。
実際、楽曲を聴いた人々からは「焦らしが凄い」「この長さがたまらない」等の称賛の声があげられています。

「音」だけのシーンそのものも、クールなベーススラップを意識したと思われるフレーズ、様々な電子音を用いて作られたノリの良いリズム等、緻密な作り込みがされており、その事も多くのボカロファンの心を掴んでいる要因となっています。

後半に行けば行くほどじわじわと盛り上がっていく様も、「焦らしが凄い」と言われる理由でしょう。
「音」で見せる事に強い拘りを感じられる楽曲構成です。

「百人一首」が盛り込まれた歌詞

「まにまに」の歌詞には「百人一首」が盛り込まれている事が、r-906自身によって明らかにされています。
現状、ファン等の考察により6つの和歌が盛り込まれている事が判明しています。

実際、楽曲名である「まにまに」も百人一首で使用されている言葉です。

学問や厄除けの神としても知られている平安の貴族・菅原道真が詠った歌の一部に、この言葉が使用されています。他人の意志や事の成り行きに任せて行動する様、または1つの事柄が他の事柄と一緒に進行している様を、「まにまに」と言います。

楽曲名だけではなく、歌詞の中にも「神のまにまに」「月のまにまに」と、まにまにという言葉が使用されています。
なお、r-906は月が好きなボカロPとしても知られています。後者の「月のまにまに」とは、彼自身の好きを詰め込んだものなのかもしれません。

またこの盛り込みを象徴する為か、MV内ではかるたの百人一首を模したと思われる緑の枠内に歌詞が表示されています
本作が持つ和の世界観を象徴するに、外せない要素だといえるでしょう。

r-906の「好きなこと」が詰め込まれた楽曲

本作に関してr-906は、これが「自分の好きなこと」を詰め込んだ楽曲である事を明かしています。

楽曲内においても「でもこれが僕の描く理想の歌」「純然たる理想」等、本作が彼の「好きなこと」を詰め込んだ楽曲である事を示唆する歌詞が散りばめられており、「好きなこと」を詰め込みたいという彼の意気込みが深く感じられます
前述した「月のまにまに」という歌詞も、もしかしたらそんな彼の意気込みの1つなのかもしれません。

ボカコレ2022春開催期間中には、「音」だけのシーンを前にざわつく人達のコメントを見て「これが見たかった」というツイートも行われています。r-906が思い描く理想が、本作の旋律に詰め込まれていた事を実感させられるツイートです。

またr-906自身が弓道経験者であった事からMVのイラスト制作を担当したウエダツバサに「細かい所作の描きをお願いしていた」という事も明かされています。

実際、MVに登場する矢はr-906がかつて使っていたものがモデルとなっているとの事です。
楽曲だけではなくMVにも力を込めた作品である事がわかるエピソードでしょう。

制作者の理想が人々の心を掴んだ名作、それが楽曲「まにまに」が持つ最大の魅力だといえます。

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「まにまに」まとめ

以上、楽曲「まにまに」の解説記事でした!

今回のボカコレ2022春は、以前にも増して有名なボカロPが多く参加したことなどの影響からか、全体的にとても楽曲のクオリティが高い印象を受けました。
そのなかで、ほぼ独走状態でランキング1位の座を守り抜いた「まにまに」は、正に現代のボカロ史に名を残す名曲と言っても過言でありません。今後、人気ボカロ曲の1つとしてボカロファンの間で語り継がれていく事でしょう。

なお、「まにまに」はAppleMusicSpotifyLINEMUSIC等でも視聴が可能となっています。

まだ本作を視聴していないボカロ好きの方は、ぜひ自身に合った場所で視聴してみてください!

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