イカゲーム – Netflix最大ヒットの韓国ドラマとは?日本作品の影響も感じるデスゲームを徹底解説!

イカゲーム – Netflix最大ヒットの韓国ドラマとは?日本作品の影響も感じるデスゲームを徹底解説!

「イカゲーム」(原題 오징어 게임)とは2021年9月17日よりNetflixで独占配信がスタートし、現在もデイリーランキングに入り続けている韓国ドラマです。

2021年の流行語大賞にもノミネートされるなど現在でも人気が衰えない本作は、「神様の言うとおり」など、日本の先行デスゲーム作品との類似性も指摘されています。

そんな「イカゲーム」の魅力とは一体なんでしょうか?

イ・ジョンジェ、ならびにイ・ビョンホンをはじめとする豪華キャストの紹介と交えて魅力をネタバレ解説していきます。

「イカゲーム」の基本情報

「イカゲーム」の監督ファン・ドンヒョクの紹介

「イカゲーム」の監督は1971年生まれ、50歳のファン・ドンヒョク(ハングル表記 황동혁)です。

ファン・ドンヒョクは韓国の首都ソウル出身、ソウル大学校新聞学科(現言論情報学科)卒業後に南カリフォルニア大学に留学し映画製作を学びました。


代表作
「マイファーザー」(2007年)
「トガニ 幼き瞳の告発」(2011年)
「怪しい彼女」(2014年)
「天命の城」(2017年)

中でも「トガニ 幼き瞳の告発」は韓国の法改正に繋がった実話をベースに、聾学校の教育者たちが生徒の少女たちに行った性的虐待を描いて、社会的な注目を集めました。

ファン・ドンヒョクは本作で韓国障害者人権賞委員会賞 人権媒体部門、第10回 言論人権賞 特別賞、ならびに第14回ウディネ極東映画祭観客賞を獲得しています。

「イカゲーム」の制作背景

「イカゲーム」の発端は2008年に遡ります。

当時起きた世界的な金融危機によってファン・ドンヒョクは困窮に陥り、新しい映画を撮れなくなりました。

その頃ソウルの漫画喫茶で「バトル・ロワイアル」「ライアーゲーム」「賭博黙示録カイジ」など日本の漫画に触れたファン・ドンヒョクは、少年時代に遊んだイカゲームとデスゲームを結び付けた新作の構想を膨らませます。

しかし韓国の役者やスタジオに脚本を持ち込んでも色よい返事が得られず、一度は挫折。

その後「トガニ 幼き瞳の告発」「怪しい彼女」「天命の城」がヒットした事で監督の地位を確立し、2018年には満を持し、巨大資本を持ったNetflixに「イカゲーム」の脚本を持ち込みます。

2019年9月にはNetflixオリジナルシリーズとして独占配信が決定

当初は2時間尺の長編映画として制作予定でしたが、登場人物の掘り下げを踏まえて、全9話のドラマの構成に変更されます。

ちなみにNetflixが最初に構想していたタイトルは「ラウンドシックス」ですが、ファンの強い要望によって「イカゲーム」が採用されました。

韓国の子どものメジャーな遊び「イカゲーム」の概要

タイトル「イカゲーム」の由来は韓国に実在する子どもの遊びです。

本来のゲームでは○△□の図形を組み合わせた陣地を巡り、攻守に分かれてポイントを競います

一定の条件を満たすまで攻撃側は片足で移動しなければなりませんが、それ以外に反則は存在しません。

攻撃側のプレイヤーが一人でも〇を踏めば攻撃側の勝利、守備側が攻撃側のプレイヤーを全員陣地外に追い出すのに成功すれば守備側の勝利が確定します。

「イカゲーム」が世界に与えた影響

「イカゲーム」は配信がスタートされるや全世界で大ヒットを記録し、既に第2シーズンの制作が決定しています。

本作の人気を受けてNetflixの株価は史上最高値を更新、公開後3週間で時価総額は2,596億ドルから2,800億ドルに急上昇しました。

本作でプレイヤーに支給されるジャージや運営側のマスクはコスプレイヤーの心も掴み、イカゲームのコスチュームは爆発的な売れ行きを記録します。

また本作が実質的な女優デビューとなった韓国の人気モデル、チョン・ホヨンは、放送開始前は40万人だったInstagramnフォロワーが2,360万人まで増えました

現在は韓国の女優の中で最多のフォロワーを抱えています。

「イカゲーム」に登場するゲーム概要(ネタバレあり)

「イカゲーム」は仮タイトル「ラウンドシックス」が示すとおり全部で6回、プレイヤーが対戦するデスゲームが用意されています。

非公式のものを含めれば全部で9回、毎回ゲームが行われています。ここでは「イカゲーム」内で本作の主人公ギフンたちが行ったゲームを解説しました。

第1のゲーム「だるまさんが転んだ」

韓国では「ムクゲの花が咲きました」と呼ばれる遊び。日本の「だるまさんが転んだ」と内容は同じです。

本作では女の子のロボットが俯いている間だけプレイヤーの移動が可能となり、制限時間内にロボットのもとまで辿り着ければクリアとなります。

なおロボットの目には高性能のセンサーが埋蔵されており、少しでも動けば即座に脱落。敗者は射殺されます。
このゲームでは201名が生存しました

幕間「多数決」

イカゲームではプレイヤーの多数決ルールが採用されています。その為過半数がゲームの中止を求めれば解散できます。

青い〇と赤い×、どちらのボタンを押すかの単純な二択制。ギフンは赤いボタンを押し、イカゲームを一旦中止させます。

第2のゲーム「カタヌキ」

日本のカタヌキと同じ遊び。切り込み線の入ったお菓子の型を針で突き、割らずにくり抜けたらクリアとなります。

ゲーム開始前に○、△、☆、☂の4種類の図形から好きなものを選ばされ、それが各プレイヤーが抜く形となります

型が途中で割れたり制限時間に間に合わなかったものは射殺されました。

生存者は108名です。

幕間「食料争奪戦」

マフィアのチャン・ドクス(ホ・ソンテ)が仕切るグループが配給される食料を独占としようとして起きた抗争。

この抗争でギフンはドクスと因縁のあるセビョクを仲間にします。

第3のゲーム「綱引き」

10人1チームで行われた団体戦。縄に手錠で繋がれた状態で互いに引っ張り合い、相手チームを橋から落とせば勝利。
敗者は全員墜落死しました。

第4のゲーム「ビー玉遊び」

2人1組のペアで行われた対戦。プレイヤーには各自ビー玉が10個支給され、制限時間内に相手の分を奪えば勝利。

ゲームの内容自体は自由であり、相手をだまして奪い取っても反則ではありません

生存者は17名でした。

第5のゲーム「飛び石ゲーム」

ガラス板が1マスごとに配置された橋を歩き、制限時間内に対岸まで渡りきれば勝利。プレイヤーは最初に選んだ番号順に参戦します。

ガラスには強化ガラスと普通のガラスの二種類あり、後者を選べば割れて落下します

生存者はギフン、セビョク、サンウの3名です。

幕間「ナイフによる殺し合い」

決勝戦前夜、ディナーの際に渡されたナイフでギフンたちが繰り広げた心理戦と殺し合い。

瀕死の重傷を負ったセビョクを殺せずじまいのギフンに代わり、サンウが彼女の頸動脈をかき切って生存者は2名となります。

第6のゲーム「イカゲーム」

前述したルールに加え、ナイフを持たされたギフンとサンウが挑みます。
勝利条件には敵プレイヤーの行動不能、即ち死亡が含まれており、1対1の殺し合いを仕組んだ運営の意図がほのめかされました。

最終ゲーム「浮浪者の運命」

最終話にて、黒幕イルナムとギフンが行った賭け。

冬の路上で凍え死にしかけている浮浪者に、損得ぬきに手をさしのべる他人がいるかどうかを論じ、「足を止める人はいる」と主張したギフンが勝利しました。

「イカゲーム」のあらすじ(ネタバレあり)

主人公は老母と暮らす冴えない中年男、ソン・ギフン(イ・ジョンジェ)

ギャンブル狂で借金まみれの彼は、離婚した妻に引き取られた娘の誕生日に贈るプレゼントも手に入れられず、貧困のどん底であがいていました。

そんなギフンは謎の男性にスカウトされ、勝てば大金を獲得できるゲームへ参加を決意。

ギフンが拉致された孤島には様々な事情で大金を必要とする、総勢456人の参加者がいました。

その中にはギフンの幼馴染で元エリートのチョ・サンウ(パク・ヘス)、脱北者のカン・セビョク(チョン・ホヨン)、パキスタン人労働者のアリ・アブドゥル(トリバディ・アヌファム)、脳腫瘍を患った老人オ・イルナム(オ・ヨンス)などが含まれます。

第1のゲーム「だるまさんが転んだ」に挑んだギフンは、脱落者が容赦なく射殺されていくのに戦慄。

その後プレイヤーの多数決により催しは中断され生存者は解散するものの、現実に戻っても生活は改善されず、結局大多数が戻ってきます。

同じ頃、若き刑事ファン・ジュノ(ウィ・ハジュン)は失踪した兄の消息を求めてイカゲーム運営に潜入。マスクを被ってスタッフの一員になりかわりました。

一方ギフンはサンウやアリと同盟を組み、知恵を出し合ってデスゲームの勝ち抜きを目指します。

2番目のゲーム「カタヌキ」を辛うじてクリアしたギフン。ところがプレイヤー間で食料を巡る対立が起き、この内部抗争で多くの犠牲者が出ます。

ギフンはセビョクを仲間に加え、新たなチームが発足しました。

3番目のゲーム「綱引き」にイルナムのアドバイスで勝利したギフンたちは、4番目のゲーム「ビー玉遊び」で、二人一組のペアになれと指示されます。

ところがこれは運営の罠で、ペアになった相手とビー玉を用いた遊びで競い、敗者は射殺されることになるのでした。

サンウはパートナーのアリをだまして勝ち、セビョクとギフンもどうにか生き残ります

5番目の「飛び石ゲーム」ではギフン・サンウ・セビョクの3名のみが生き残るものの、この時にセビョクは重傷を負ってしまいました。

そして黒幕の情報を探るジュノにも魔の手が伸びます。

正体がバレたジュノは孤島から決死の脱出を企てるも断崖に追い詰められ、スタッフを束ねる支配人こそ、実兄のファン・イノ(イ・ビョンホン)だと知らされました

ファンは弟に寝返りを唆しますが、ジュノは兄の誘いを拒んだことで撃たれ、海へと落ちていきました。

決勝前夜、プレイヤーへの褒美として開かれた晩餐会にてギフン達にナイフが支給されます。

サンウはこのナイフでセビョクを殺害し、最終ゲーム「イカゲーム」ではギフンと一騎打ちになりました。

しかし勝利を目前としたギフンは情に流され、二人で棄権しようと説得。サンウは親友の呼びかけに迷うものの、仲間を切り捨てた自らの罪を受け止め自決

最期に「お袋を頼む」と言い残します。

イカゲームに優勝したギフンは456億ウォンを手にして帰りますが、重い糖尿病を患った母は既に息絶えていました。

1年後、ギフンのもとにイカゲーム運営から手紙が届きます。

指定された高層ビルのフロアで彼を迎えたのは、ビー玉ゲームで死んだと見せかけ生きていた、黒幕のイルナムでした

ギフンとイルナムは凍死寸前の浮浪者を助ける通行人がいるか否かを対象に、最後の賭けを行います。

結果、浮浪者が助かる方に賭けたギフンが勝利。

その後ギフンはセビョクとの約束通り、彼女の弟を孤児院から引き取ってサンウの母親に託したのち、アメリカに移住した娘に会うため空港に向かいました。

そこで偶然にもイカゲーム運営のスタッフを見かけたギフンは急遽渡米を取りやめ、新たな悲劇を防ぎに行きます。

「イカゲーム」のキャスト紹介

ソン・ギフン(ソン・ギフン/声優 坂詰貴之)

No.456。本作の主人公。

老母と暮らすバツイチの中年。ギャンブルで多額の借金を作り、苛烈な取り立てに苦しんでいました。

ものぐさでいい加減なダメ男なものの根は善良な人物で、ゲームの足手まといとなる女性や年寄りにも優しく接します。

前妻と暮らす娘がアメリカに移住することを知り、親権を取り戻したいと一念発起。重度の糖尿病を患った母の治療費を稼ぐ目的も兼ね、イカゲームに参加します。

イカゲームに優勝して456億ウォンを獲得するものの、仲間を見殺しにした自責の念に苛まれ失意の日々を送っていました。

ラストで次のイカゲームの開催を知り、黒幕の思惑を潰そうと誓います。

第2シーズンでは闇堕ちするのではないかとも考察が飛び交っており、彼の動向から目が離せませんね。

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チョ・サンウ(パク・ヘス/声優 中川慶一)

No.218。ギフンの親友で幼馴染。ソウル大学を首席で卒業したエリートですが事業に失敗し、巨額の借金を背負います。

合理主義で現実主義、勝ち残る為なら仲間を切り捨てる判断も厭いません。

その非情さが祟って一度はギフンと決別するものの、最終ゲームでは敗北を悟り自決。最後は親友に看取られました。

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カン・セビョク(チョン・ホヨン/声優 國立幸)

No.067。心身ともに逞しい脱北者の女性。

父は国境を越える際に射殺され、北朝鮮に強制送還された母とは生き別れになりました。幼い弟を孤児院に預け、再び家族が共に暮らせる日を夢見てイカゲームに挑みます。

飛び石ゲームで重傷を負ったのちサンウにとどめをさされて死亡。自分に万一の事があれば弟の面倒を見てほしいとギフンに懇願しました。

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ファン・ジュノ(ウィ・ハジュン/声優 榎木淳弥)

韓国警察所属の青年刑事。蒸発した兄の行方を辿り、スタッフになりすましてイカゲーム運営に紛れ込みます。

強い使命感と正義感を持ち、運営の妨害にも屈さず真実を追い求めます。

実は生存しており、第2シーズンで再登場するのではないかと一部で期待されています。

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支配人/ファン・イノ(イ・ビョンホン/声優 土田大)

イカゲームの運営責任者。通常はバックヤードでスタッフたちに指示を出すか、最上階のフロアに待機しています。

その正体はファン・ジュノの実兄で彼に腎臓の片方を移植した元刑事。2015年に開催されたイカゲームではNo.132として優勝を果たします。

終盤ジュノと対峙した際は翻意を促すものの拒絶され、弟を射殺しました。

なおファン・イノは幹部に過ぎず、真の黒幕はプレイヤーとして参加していたオ・イルナムであることが最終話で明かされます

おわりに

以上、Netflix最大のヒットとなったドラマ「イカゲーム」の魅力をネタバレ解説しました。

支配人は中盤まで顔を隠していたので、まさかのイ・ビョンホン配役に驚いた視聴者も多そうですね。

日本のデスゲーム作品の影響も色濃く感じられる本作は、ゲームの残酷さもさることながら濃厚な人間ドラマでも魅せてくれます

まだ見てない方はぜひご覧になってください。

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