【大相撲】相撲の基礎知識 – ファンなら知っておきたい基本情報を徹底解説

【大相撲】相撲の基礎知識 – ファンなら知っておきたい基本情報を徹底解説

2024年は、熱海富士が出演する永谷園のお茶づけ海苔の『「熱海富士関さあ行こう」篇』や、翔猿が出演するミドリ安全株式会社の『「決まり手は」篇』など、人気力士たちが出演するテレビCMが続々放送スタート

さらに、バラエティ番組に力士たちが出演したり、本場所前には特別番組が組まれるなど、相撲の人気は老若男女問わず大衆的にさらなる広がりを見せています。

今回は、初心者の方でも今日から楽しめる、最低限知っておきたい相撲の基礎知識を徹底解説します。

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相撲とは

土を盛り、俵を円形に敷き詰めた競技場である土俵の上で、腰に褌 (ふんどし) の一種である廻しを着けた力士が組み合って戦う武道である相撲

日本古来の神事や祭りが起源であり、日本由来の武道・格闘技として国際的にも認知されています。

同時に、日本の国技と呼ばれ、興行として日本相撲協会が『大相撲』を主催

また、“モンゴル相撲”とも呼ばれるモンゴルのブフ朝鮮半島のシルムトルコのヤールギュレシセネガルのランブなど海外にも似た格闘技が存在します。

相撲の歴史

日本の『国技』である相撲の歴史は古く、現存する日本最古の歴史書『古事記』や『日本書紀』に登場する、神話時代の「力比べ伝説」が起源とされています。

稲作が始まると、のちに宮廷行事となって約300年続く「豊作を祈る儀式」としての相撲が始まり、江戸時代に入ると庶民の娯楽として発展

時代の変化に合わせて発展し、長い年月をかけて洗練されてきた相撲は、今もなお所作・動作のひとつひとつが儀式的な意味を持つなど日本の伝統文化が色濃く残っています

相撲のルール

腰を深く降ろし、爪先立ちで両膝を開いた蹲踞 (そんきょ)と呼ばれる体勢から、力士同士が呼吸を合わせる立ち合いで競技を開始

対戦形式のスポーツの中では、審判などの第三者によらず、競技者同士の合意によって競技が開始される、極めて稀有な形態です。

手で使うことが許されているのは、張り手や廻しを掴むなどを行うための手の平と指のみ

また、「故意に髷を掴む」「拳で殴る」「肘打ち急所を突く」「胸や腹を蹴る」など、『禁じ手』と呼ばれる全8種類の反則技が設けられています。

勝ち負けの決まり方

相撲の取り組みの勝敗を決めるパターンには、次の3つがあります。


①どちらか一方の体の一部が、土俵(俵)の外に着く
②どちらか一方の足の裏以外が、土俵に着く
③どちらか一方が、禁じ手を使う

勝敗の判定を行うのは、相撲の取り組みにおいて“審判”である行司です。

ただし、土俵の下に配置された5名の勝負審判と、次の取組のために控えている2名の控え力士は、行司の判定に異議を唱えることが可能

これを『物言い』と言います。

物言いが付けられると、ビデオ映像を参考に審判員による協議が行われ、勝敗の判定が覆ったり、引き分けと判定されて再び取り組みを行う「取り直し」となる場合もあります。

勝負を決めた技!「決まり手」とは

取り組みで勝負を決めた時の技を「決まり手」と呼びます。

決まり手の種類は、7種類の“基本技”・13種類の“投げ手”・18種類の“掛け手”・6種類の“反り手”・19種類の“捻り手”・19種類の“特殊技”まで、日本相撲協会が定めた『決まり手八十二手』と呼ばれる82種類の技

加えて、「非技」と呼ばれる5種類の“勝負結果”で勝敗を決めます。

髪型・服装などが決まる「番付 (格付け)」とは?

大相撲では、力士は本場所の成績によって「番付」と呼ばれる格付けが決められ、その格付けによって給料や待遇のみならず、髪型や服装が決まります

横綱に近いほど、待遇が上がる仕組みです。

番付の種類と順序

力士の番付は、上から順番に「横綱」「大関」「関脇」「小結」「前頭」「十両」「幕下」「三段目」「序二段」「序ノ口」

役職や呼称、許されている服装や髪型などは下記の通りです。

番付 役職 呼称 髪型 許されている服装 その他
幕内 横綱 関取 大銀杏  紋付の羽織と袴

 白い足袋に雪駄

 控えで座布団を
 敷くことが出来る
大関 三役
関脇
小結
前頭 平幕
十両
幕下 丁髷  着物・羽織/黒い足袋と雪駄  控えで敷物なし
三段目  着物・羽織/素足に雪駄
序二段  着物・羽織/素足に下駄
序ノ口  着物のみ/素足に下駄

 

体格差のある取組も大相撲の見どころ

本場所の勝敗で番付が決まる大相撲は、柔道やプロレスなどのように、体重別に階級が分けられていません

そのため、体重200kg近い力士とその半分ぐらいである100kg超ほどしかない力士での取り組みが行われることもあります。

例えば、現役幕内力士の最重量は194cm・192kgの湘南乃海
対して、最軽量力士の翠富士は、174cm・117kgであり、体重差は75kgです。

スピードやテクニックにも優れ、豊富な技を駆使する小柄な力士と、パワーを活かした大きな力士との取り組みも相撲ならではの見どころです。

力士の特徴が表れる、「四股名」の由来とは?

本名とは別に付けられる、力士としての名前である「四股名」

四股名には、力士それぞれの特徴を表した由来が隠されています。

出身地に由来

四股名の由来として、現役力士にも多いケースのひとつが出身地です。

四股名 出身地 所属部屋
 平戸海  (ひらどうみ)  長崎県平戸市 境川
 熱海富士 (あたみふじ)  静岡県熱海市 伊勢ヶ濱
 美ノ海  (ちゅらのうみ)  沖縄県うるま市 木瀬
 御嶽海  (みたけうみ)  長野県木曽郡 (御嶽山) 出羽海
 湘南乃海 (しょうなんのうみ)  神奈川県中郡大磯町 高田川

所属する相撲部屋の伝統

本場所に出場するため、全ての力士が必ず所属している相撲部屋

部屋の伝統を受け継ぐ四股名や、同じ部屋出身の歴代力士から引き継ぐ四股名など、所属している相撲部屋由来の四股名を持つ現役力士たちも多数います。

伊勢ヶ濱部屋 佐渡ヶ嶽部屋 高砂部屋 阿武松部屋 九重部屋 鳴戸部屋 追手風部屋
照ノ富士 乃山 阿武 千代翔馬 欧勝 大栄
熱海富士 勝峰 紅龍 阿武 千代 欧勝
富士 栄峰 白龍 千代
富士 挙龍 興貴 千代 欧勝
富士 太豪 乃若 千代ノ皇 山田
富士 大進 玉勢 千代雷山 翔山

 

実は本名を使用する場合も!

力士の強さや勇ましさも感じさせる四股名

しかし、実は本名をそのまま使っていたり、本名に由来する四股名を持つ力士もいます。

四股名 本名 所属部屋
 正代  (しょうだい)  正代 直也  (しょうだい なおや) 時津風
 宇良  (うら)  宇良 和輝  (うら かずき) 木瀬
 遠藤  (えんどう)  遠藤 聖大  (えんどう しょうた) 追手風
 髙安  (たかやす)  髙安 晃   (たかやす あきら) 田子ノ浦
 一山本 (いちやまもと)  山本 大生  (やまもと だいき) 放駒
 明生  (めいせい)  川畑 明生  (かわばた めいせい) 立浪

基礎知識だけでも十分に楽しめるのが大相撲の魅力!

その起源は神話時代までさかのぼり、長い歴史を持つ日本の国技である相撲

今もなお所作や動作に儀式的な意味があり、日本の伝統文化も色濃く残りますが、基本的なルールは至ってシンプルであり、決まり手が見分けられなくても勝敗を見極めることは決して難しくありません

相撲のルールはもちろん、番付の仕組みや、四股名が表す力士の特徴まで、今回ご紹介した基礎知識だけでも大相撲観戦が十分に楽しめる
こと間違いなし
です。

本場所中は、NHK『大相撲生中継』にて、毎日16時頃から18時までに幕内の全取り組みが生中継されるので、まずはテレビ観戦から始めてみてはいかがでしょうか?

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