北村匠海(きたむら たくみ)俳優×声優×アーティストとして輝く唯一無二の才能!

北村匠海(きたむら たくみ)俳優×声優×アーティストとして輝く唯一無二の才能!

2008年公開の映画『DIVE!!』で池松壮亮さんの幼少期時代を演じ、役者デビューを果たした北村匠海さん

2011年からは4人組ダンスロックバンド・DISH//でヴォーカル&ギター担当として本格的にアーティスト活動をスタートし、最近では一発撮りのパフォーマンスが人気のYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に出演してその圧倒的な歌唱力を見せつけ、話題になっています。

今日、俳優がアーティスト活動を兼任する例は珍しくありませんが、その中でも一際目を引く北村さんの持つ周囲を引き込む理由とは一体何なのでしょうか。

今回はそれを探るべく、表現者として様々なフィールドで存在感を放つ北村匠海さんの唯一無二の才能について考察していきたいと思います。

北村匠海 これまでの経歴

まず初めに、北村匠海さんが芸能界入りしてから現在に至るまでの経歴を俳優、アーティストごとの活動に分けて振り返る中でその魅力に迫りましょう。

俳優としての経歴

芸能界入りから間もない頃より名子役として注目され始めた北村匠海さんですが、その演技力の高さが世間一般に知られるきっかけとなったのは、2017年に公開された初主演映画『君の膵臓をたべたい』(以降、『キミスイ』と省略)でした。

彼が演じた「僕」の泣きのシーンが大反響を呼び、2018年3月に開催された『第41回日本アカデミー賞』での新人俳優賞のほか、数々の映画賞で新人賞を総なめ。

MEMO

本人曰く、『キミスイ』では本来の自分と「僕」には多くの共通点があったからこそ変に作り込むよりもナチュラルに演じることに重きを置き、自然体でリアリティのある人物像を演じ切ったそうです。

以降、コメディからシリアスまで様々なジャンルの作品に引っ張りだこの存在となった北村さんは、毎度その人生を本当に歩んできたと錯覚してしまうほどの芝居で大勢を魅了し続けています。

それだけの演技力を備えているからといって決して天狗にならず、常に初主演を経験した際に目の当たりにした“演者だけでなくスタッフ全員と一つの作品を作り上げる感覚”と“作品に対する様々な人の思い”を意識していると明かす腰の低さも彼という俳優の大きな魅力と言えるでしょう。

ちなみに、北村さんが『キミスイ』以前に俳優として生きていくうえで最大のターニングポイントになったと明かす作品は、2016年7月から9月まで放送されたTBS系ドラマ『仰げば尊し』

軽快なメロディーで村上さん演じる青島裕人率いる不良グループたちの青春時代を彩ったBUMP OF CHICKENによる主題歌「アリア」でお馴染みの作品です。

父が俳優・村上淳さん、母が女性歌手・UAさんである村上虹郎さん、日本だけでなく海外の映画市場でも大御所俳優として知られる俳優・千葉真一さんの息子である新田真剣佑さんといった錚々たる二世俳優たちと並んで主要キャストに選出された北村さんは、彼等が持つ“自分にはない才能”に刺激を受ける中で今後の方向性が見えてきたといいます。

当時、自身も現役の高校生ということで心の奥底に秘めた優しさで周囲を温かく包み込む非行少年・安保圭太の揺れ動く心情を他の登場人物たちとのキャラ設定との差を感じさせつつ、等身大の演技で上手に体現していたシーンが今でも同作の大ファンだった筆者にとっては印象深いです。

子役時代からの積み重ねによって獲得した演技力が本作への出演によってさらに磨かれ、新人賞を受賞するに至るまでの土台が完成されたのでしょう。

アーティストとしての経歴

俳優業と並行し、歌手活動をはじめとするアーティストとしても名を馳せる北村匠海さん。

その活躍ぶりは最近になって広く知られるようになった印象ですが、実は歌手デビューを果たした過去は子役時代まで遡ります。

MEMO

デビュー曲は、2008年2月から3月にかけてNHKの大人気番組『みんなのうた』でオンエアされた「リスに恋した少年」

同曲の歌い手を募集するオーディションで全国から応募者が殺到する中を見事勝ち抜き、楽曲制作を手掛けた日本を代表する作曲家・松本俊明さんとのコラボレーションを実現しました。

2011年にはスターダストプロモーション所属の若手男性タレントから成るEBiDAN内のユニットとして結成されたダンスロックバンド・DISH//のメンバーに選出され、同バンドでメインボーカル&ギター担当を務めるように。

2015年の元旦には武道館でワンマンライブを達成し、同公演のチケットを発売からおよそ5分で完売させる人気ぶりを見せます。

その後も4年連続で同会場での元旦公演を開催したDISH//。

満を持した4年目に当たる2018年公演ではヒャダインさんや松隈ケンタさん等、豪華な顔ぶれをプロデューサーとして迎え、ファン以外からも大きな注目を集めました。

彼等がこれまでにリリースした楽曲の中には、2017年7月から9月まで放送されたカンテレ・フジテレビ系ドラマ『僕たちがやりました』と同名の主題歌「僕たちがやりました」、2018年1月から放送が再開された国民的アニメ『銀魂 銀の魂篇』のOPテーマに起用された「勝手にMY SOUL」等、数々の有名作品とタイアップを果たしたものがズラリ。

俳優としてブレイクする以前から音楽活動を両立し、見事にどちらも成功を収めている北村さんの多才さには脱帽です。

「僕たちがやりました」のカップリング曲として収録されている「猫」は、アーティストによる一発撮り歌唱映像がアップされるYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』で事前にメンバー等がレコーディングしておいたアコースティックアレンジに変更された「猫~THE FIRST TAKEver.~」として披露され、話題に。

豊かな表現力を活かし、まるで歌いながら演技をしているかのような北村さんの姿に心揺さぶられる視聴者が続出しました。

その噂は既存ファン以外の間にもSNS等を通じて広まり、単にアイドル(DISH//)というイメージだけで終わらせてしまうのはもったいないほどの歌唱力、俳優以外の芸能界での立ち位置に脚光を浴びる出来事となったようです。

MEMO

ちなみに、「猫~THE FIRST TAKEver.~」のストリーミング再生回数は、オリジナル版と併せて現時点で1億回を超える大反響ぶり(2020年10月20日時点)。

2020年11月13日からは、同曲を原案にしたテレビ東京系ドラマ「ドラマ25『猫』」の放送とその主題歌への起用も決まっており、まだまだヒットが続きそうな予兆がします。

北村さんのアーティストとしてのターニングポイントの一つが、この『THE FIRST TAKE』と言っても過言でないでしょう。

カップリング曲にも関わらず、これだけのヒットを巻き起こした理由としてもう一つ考えられるのは人気女性シンガーソングライター・あいみょんさんが楽曲制作に携わっているという話題性の高さ。

上の「猫」は本家・あいみょんさんによる歌唱ですが、同じ曲でも歌い手の違いでまるで違って聴こえるところに面白みを感じます。

また、北村さんがバンド・ECHOLLのボーカリストを務める颯太を演じた2020年1月公開の映画『サヨナラまでの30分』では、何度も歌唱シーンに登場する彼の存在感が非常に大きなものでした。

各楽曲の歌詞に込められたメッセージが、本編のストーリーを彩っている同作。

俳優であると共に高い歌唱力が備わっている北村さんだからこそ、まるで本当に実在するかのような颯太を体現出来たように感じます。

当時も劇場に足を運んだファンから彼の歌声への高評価が相次いでいましたが、『THE FIRST TAKE』で話題性が高まっている今だからこそ、再び同作に注目が集まることが予想ざれます。

アーティストとしての北村さんの魅力を知ったばかりの方には、必ず観てほしい作品です。

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北村匠海の才能の裏側にあるもの

俳優、アーティストのいずれの立ち位置でも不動の人気を確立した北村匠海さんの唯一無二の才能は、一体どのように生まれたのでしょうか。

彼自身が普段から大事にしていると語るものを分析し、紐解いていきましょう。

①表現する上で「言葉の力」を重視

これまで様々なインタビューを通し、北村匠海さんが大事にしていると語り続けてきた「言葉の力」

MEMO

大舞台でも物怖じしないイメージのある彼からは全く想像出来ませんが、学生時代は自分の思いを口にして伝えることが苦手で、大人に対する反骨精神から度々曲がったことを言っていたそうです。

しかし、いざ自分が俳優やアーティストとして表現する立場になってからは、言葉の持つエネルギーが人に与える影響というのを意識するように。

彼自身が人との出会いや会話に大きな影響を受ける人間であり、これまで当たり前だと思っていたことを他人に評価されるというのは、改めて自分を見つめ直すことに繋がっているといいます。

自分の身をもって言葉の重みを理解している彼だからこそ、台詞や歌詞一つに込める思いの強さも人と比べて相当大きなものなのでしょう。

DISH//の楽曲で作詞・作曲に挑戦した経験を活かし、今後は他のアーティストへの楽曲提供に挑戦したいという気持ちもあるとのことなので、自分以外の歌い手のために彼がどのような言葉を用いて音楽を紡ぎ出すのか非常に気になります。

MEMO

ちなみに、こちらが北村さんによる作詞・作曲で完成された楽曲「PM5:30」

「揺れる緑」「茜色」等、“色”に関するフレーズが聴き手の脳裏に鮮やかなワンシーンを描き出すラブソングで、北村さんの落ち着いた歌声が優しく響き渡ります。

彼の楽曲制作における才能をありありと感じられる一曲です。

②「芸術的な視点」を活かした役作り

俳優やアーティストという枠組みに執着せず、普段から映画鑑賞や読書、趣味の写真といった様々な芸術を通して培った「芸術的な視点」を活かし、役作りをすると明かす北村匠海さん。

物事を様々な視点で客観的に見ることができ、どんな役どころにも共感を抱けるのは俳優である彼にとって大きな強みです。

2018年1月から3月まで放送されたフジテレビ系ドラマ『隣の家族は青く見える』で大先輩に当たる俳優・眞島秀和さんと“20歳差の同性カップル”という難しい役どころに挑戦した際は、クランクイン前の時点で知人の紹介で知り合った同性愛者に直接話を聞いていたほど本気で役に入り込もうとする姿勢が印象深かったです。

そんな機会を通し、彼等も恋愛対象が男性である点以外の恋愛観は一般的な男女間のものと相違ないことを学び、同性愛者同士の愛の形を「美しい」とさえ感じると話していました。

逆に、北村さんにとって初の声優の仕事ながら主人公・直実を見事に演じ切った2019年公開のオリジナル劇場アニメ『HELLO WORLD』では、台本を読んだ時点で直実と本来の自分との間に強い結びつきを感じたそうです。

だからこそ、アフレコでは役作りというよりも自然な演技で画面の中のキャラクターに命を吹き込むことを意識したといい、結果的には『ルパン三世』の石川五ェ門役でお馴染みの人気声優・浪川大輔さんから「本当に良い声」と太鼓判を押されるほどの熱演ぶりを見せていました。

また、2020年10月30日公開予定の映画『とんかつDJアゲ太郎』では、DJととんかつ屋の三代目の跡取りを兼任する「とんかつDJ」を目指して奮闘する主人公・アゲ太郎の役作りのためにキャベツの千切り練習に勤しんだそうです。

そのように、それぞれの役どころに合わせて「芸術的な視点」を武器に本気の役作りをする北村さん。

彼に演じられない役どころはないのかもしれません。

③興味がある分野を「深堀り」する姿勢

自分は控えめな性格だという北村匠海さんですが、好奇心は人一倍強いのだとか。

日常生活において少しでも気になったことがあれば“とことん「深堀り」する姿勢”で向き合う彼の感性の高め方により、そのマルチで類まれな才能は生まれたのでしょう。

写真、映像、服飾まで幅広い対象への興味が尽きず、表現者として表舞台で立つ以外に「裏方」の仕事もやってみたいという意欲からは、新しいことを学ぶ楽しさが垣間見えます。

表現者でなくとも、彼の人生に“学び”は必要不可欠な要素なのかもしれません。

もちろん、新しいことを始める際には失敗が付き物ですが、2020年8月に実写版、同年9月にアニメ版としてW映画化され、注目を集めた『思い、思われ、ふり、ふられ』でそれぞれ主演を務めた北村さんと声優・島崎信長さんによる対談で北村さんは「自分は失敗して落ち込むことがほとんどなく、もしも落ち込んだ場合にはネガティブの掛け算でプラス思考になってすぐに気持ちを切り替えるようにしている」と話していました。

そんな前向きな性格も相まって、次々と様々なことに挑戦する中で今後もどれだけ表現力に磨きをかけていくのか楽しみです。

最新情報

FM802春の”ACCESS!”キャンペーンに参加!

今年は、作詞作曲を川谷絵音が務めたFM802春の”ACCESS!”キャンペーンに北村匠海も参加しています。
キャンペーン・ソングである「春は溶けて」は、現在各サブスクリプション・サービスにて期間限定で配信されています。

最後に…

未だ22歳とは思えないほど才能に恵まれ、多方面で活躍し続ける北村匠海さん

次々と発表される映画やドラマへの出演情報に加え、今後はアーティストとして音楽をはじめとする芸術分野においてもさらに存在感を増していくことでしょう。

2020年8月からはラグジュアリーブランド・LANVIN en Blue(ランバン オン ブルー)のブランドアンバサダーに就任し、ファッション界でも注目されつつあります。

学ぶことを妥協せず、常に興味があることを深堀りし続ける姿勢で様々な表現手段を確立していく彼の今後の成長からも目が離せません!


お詫びと訂正
初出時において、「現在はソロ歌手として」と記述しておりましたが、2020年11月現在、DISH//以外の音楽活動をしている事実はありませんでした。
お詫びして訂正させていただきます。

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