とけた電球、初の主催ミニフェス『フレンズパーティ』開催

中毒性の高いアレンジの効いたサウンドと、切なくも甘酸っぱいソングライティングが評価され、着実に歩みを進めるポップバンド・とけた電球が、初の主催を務める音楽フェス『フレンズパーティ』を7月21日に下北沢ADRIFTにて開催する。

とけた電球とは

とけた電球は、岩瀬賢明（Gt./Vo.）、境直哉（Key.）、よこやまこうだい（Ba.）、髙城有輝（Dr.）の4人からなるポップバンド。初期メンバーに塩田航己（Ba.）が所属していたが、2018年に開催したワンマンライブをもって脱退、その後サポートとして参加していたよこやまが正式加入し、現在に至る。

2012年に高校のマンドリンクラブで出会い、2013年に開催された10代限定のロックフェス『閃光ライオット2013』ではファイナリストに選出され、勢いそのままに2016年にはTV番組『シブヤノオト』（NHK総合）で地上波初出演を果たした。その後、ドラマ『ホリミヤ』（TBS系）や映画『NO CALL NO LIFE』などの主題歌も担当している。

温かみのあるラブソングを得意とする彼らだが、その音楽性はポップの一言にとどまらず、楽曲ごとに様々な表情を覗かせる。メンバー一人一人が確かな技術を有しており、それを楽曲に上手く落とし込んでいる。また、メンバーの境直哉と岩瀬賢明がほぼ全ての楽曲の作詞作曲を担当しており、普遍的な言葉で紡がれた歌詞と心地よいメロディが彼らの魅力だ。

また、2017年よりホリプロに所属していたが、2024年3月に独立し、現在はメンバー運営で活動している。

フレッシュな青春ソング「覚えてないや」

中でも高い人気を博しているのが、2018年にリリースしたミニアルバム『STAY REMEMBER』に収録されている「覚えてないや」。本楽曲はメンバーの岩瀬賢明が作詞作曲を担当しており、ストレートに伝わる歌詞と、聴き心地の良い軽やかなメロディが多くの人々の共感を生む。YouTube上に公開されたMVはドラマ仕立てになっており、2024年6月時点で200万回再生を突破している。

最新フルアルバム『piece of film』

溶けた電球は、結成10周年を迎えた2022年に、1stフルアルバム『piece of film』をリリースした。作品としては2020年3月リリースのミニアルバム『WONDER by WONDER』以来となる。

タイトルは「この曲たちがあなたの暮らしという長いフィルムの中の一部となってくれたら」という願いを込めてつけられたもので、ボーナストラック含む全16曲のうち12曲が書き下ろし楽曲となっている。

リード曲はダンサブルな「spring sleep」、アップテンポな「鏡の国」、「トラベル」が続くと、哀愁漂うピアノが印象的な「ごめんね」へと入る。その後、ボーカルからスタートするというバンドとしては珍しい手法をとった「2番手」や、ポップな応援ソング「彩」に「軽率に恋して」、「どうすんの？」と続く。

ドラマ『ホリミヤ』の主題歌としても知られる「灯」では、＜僕の全てで伝えるから／遠くに行かないで＞と力強い歌声で歌詞を紡ぐボーカルに胸を打たれる。カントリーミュージックのエッセンスを感じる「わがままま」や疾走感溢れる「ふたりがいい」、「君がくれたもの」と続き、渋谷のTSUTAYAのコーナーから名前をとったという「夕焼けを見て音楽を聞こう」では、スローテンポなサウンドや「放課後の教室」といった歌詞から“夕焼け”を想起させ、リスナーをカタルシスへと誘う。

ラストナンバーは、「あなたへ」。アンビエントなピアノサウンドを基調とした楽曲で、透き通った水のように心に入り込む。アルバムタイトルにもあるような一片のフィルムを想起させるように、まさにその最後のページにふさわしい楽曲と言えるだろう。

全曲を通して、それぞれのパートがその持ち味を発揮しつつ、それでいて激しく主張することもない見事な調和を魅せている。要所要所で確かな演奏技術を感じさせるのは、結成してからの10年間でさまざまな経験をしてきた彼らだからこそ成せるものだろう。

なお、本作のボーナストラック「夢見てる」は、CD盤で聴くことができる。

また、現在とけた電球は2ndフルアルバム制作プロジェクトとしてクラウドファンディングを実施しており、6月13日に達成率100%に到達した（6月30日まで実施）。今後発表されるであろう2ndアルバムの詳細にも期待が高まっている。

とけた電球主催の音楽フェス『フレンズパーティ』

とけた電球は、冒頭の通り自身が初主催を務める音楽フェス『フレンズパーティ』を7月21日に下北沢 AFRIFTにて開催する。

6月23日時点で、とけた電球のほか、ポニーテールスクライム、WALTZMORE、Absolute area、shioli、いつかのネモフィラの出演が発表されている。

ツアー概要

まとめ

ポップバンドと銘打って活動しているが、一筋縄ではいかないセンスを感じさせるとけた電球。

自身の恋愛観を泥臭くもストレートに紡いだ歌詞と多彩なメロディで魅せる彼らの音楽は、今後も多くの人に届くだろう。そしてライブでは、より一層彼らのパッションを感じることができる。

そんな彼らが初の主催を務めるフェスには、新進気鋭のバンドたちが揃い踏みだ。貴重な音楽体験ができること間違いなしなイベントに、ぜひ足を運んでほしい。