日本語と英語を織り交ぜた独特のフロウと、美しい歌声で、聴く者を虜にするR&BアーティストVivaOla。
5月26日に、新曲「Mixed Feelings」をリリースしたばかりの彼に、音楽的ルーツから、これまでの音楽活動について、そして今作に対する思いなどをお聞きしました!
今最も注目すべき、VivaOlaの貴重なインタビューの様子をお届けしていきます!
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目次
VivaOlaインタビュー・音楽的ルーツから新曲「Mixed Feelings」の誕生秘話まで
—— 本日はカルチャのためにお時間を取っていただきありがとうございます。まずは簡単に自己紹介をお願いしてよろしいでしょうか?
VivaOla:R&BアーティストのVivaOlaです。よろしくお願いします。
—— シンガーソングライターや、プロデューサーではなく「アーティスト」なんですね。
VivaOla:まぁシンガーソングライターでありプロデューサーなんですけど、あんまり肩書きというものが好きじゃなくて…。
歌を歌ったりプロデュースをしたりっていうのは道具で、結局どんな音楽をやりたいのかっていうのを僕は大事にしてるので、自己紹介の時はR&Bアーティストって言うようにしてます。
—— 音楽を始めたきっかけや、その頃に聞いてたアーティストなどを教えてもらえますか?
VivaOla:最初は洋楽ロックのバンドがすごい好きで、Led ZeppelinとかRushとか、友達に教えてもらって聞いてました。
同時期に、日本で言うと、YouTubeのおすすめに出てきたワンオクとかを聞いてたので
そっからオルタナとか、ラウドロックとか好きになりましたね
—— 今のVivaOlaさんの音楽性からは想像がつかないバックグラウンドですね。どのようにしてR&BやHIPHOPに触れるようになったのでしょうか?
VivaOla:そもそもの音楽の始まりは、小さい頃にピアノを習ってて、でも僕はあんまりクラシックを好きじゃなくてやめちゃったんです。
で、中学の時はずっとロックばっか聞いてて、高校生の途中ぐらいでファンクとかフュージョンとかジャズにはまりましたね。
そこから段々ブラックミュージックもかじるようになってはいたんですけど、R&Bに初めてはまったのは大学1年生の夏、アメリカに留学した時でした。
—— なるほど。その時に触れた音楽について詳しく教えてもらえますか?
VivaOla:それまでもK-HIPHOPとか、JAY-Zみたいなアメリカのちょっと昔のHIPHOPは好きで聴いてたんですけど
アメリカに行ったのが2017年とかだったんで、トラップ全盛期で…そこら辺聞き始めたり、コンテンポラリーR&Bとか聴くようになりましたね。
—— いろんなの音楽を聞いてきた結果、自分がやりたいのはここかなっていうのが次第に見つかっていた感じなんですかね?
VivaOla:そうですね。例えばEDMを聞いた時に、ビートが変わるのが「かっこいいな」と思ったんですけど
HIPHOPとかトラップを聞くと、「曲通して全部そうじゃん」って。「あ、じゃあこっちの方が好きかも」って思ったり…。
ジャンルを模索していったと言うか、ジャンルレスじゃないですか最近って。
—— まさにAlternativeですね。作曲はiPhoneのGaragebandで始めたと聞きました。
VivaOla:作曲始めたのは高3の時なんですけど 、GaragebandってiPhoneに強制的にインストールされていたじゃないですか最初。だから、僕たちの世代は1回は触った事あるんですよね多分。
僕もそれで「ピアノを弾けるじゃん」「録音できるじゃん」ってなって。作ってたら、なんとなくそれっぽいのができて…
—— 当時はどんな曲を作ってたんですか?
VivaOla:最初に作ったのは四つ打ちのエミネムっぽいヒップホップでしたね。
まぁ初めてちゃんと作曲したのはその時なんですけど
中学2年生ぐらいの時に、Creative Musicっていう授業があって、楽譜を書いてプレイバックするみたいなことがやってたので、一応、当時は絵を描くような感覚でしたけど、作ったことはありました。
—— 作曲体験はそれまでにもあったけど本格的に作るようになったのは高校生になってからということですね。
VivaOla:ですね。で、その時一緒に作ったのが今のWez Atlasで、彼は文化祭でラップを披露してたりしたので、「ラッパーおるやん」と思って「ラップしてくんない?」みたいな。
—— VivaOlaさんは歌詞や歌声も凄い特徴的ですよね。日本語のフロウが独特というか…Wez Atlasさん達との「NEO EGO」も最初聞いたときは英語かと思いました。
VivaOla:僕は韓国のアーティストを、多分それと似てる感覚で聞いている時期があって、英語か日本語か、または韓国語かはどうでも良くて、最初はなんとなく聞いてたんですけど
1回作詞をちゃんと勉強しようと思って聞いたら、言語を捻じ曲げるのが上手い人達がいることを知って…
—— 言語を捻じ曲げる?
VivaOla:歌詞を読むのと、歌うので雰囲気が全然変わるみたいな書き方をしてて。
もちろんメロディーとリズムありきなんですけど、言葉のはめ方とか、詰め方みたいなものは結構勉強してましたね。
だから逆にJ-POPっぽい歌詞の作り方とか日本語の歌い方僕できないんですよね。
どっちかって言うと、考える時も英語メインで日本語をハメると言うか、単語としてよりも音として意識してますね。
—— 音として作ったものに意味を寄せて行くみたいな感じなんですかね?
VivaOla:そう、それで難しいのが文章として成立させないといけないけど、音として、既存の日本語であってはいけないみたいな、僕のテイストというか制限があって。
—— それは無意識的な制限なんですか?
VivaOla:いや結構意識してますね。
どれだけ日本語を拡張できるかみたいな意識は持って書いてます。
—— 他にもVivaOlaとして、アーティスト活動において大切にしていることはありますか?
VivaOla:んー。VivaOlaとしてというのはあまり意識したことないかもしんないですね。役者さん的な考え方ではなくて、どっちかというとエンジニアチックというか…
音楽ファーストなんで、求められている音楽に対してVivaOlaが変わるものじゃない。
ただVivaOlaのスキルセットがあって、どの引き出しを開けるかっていうだけであって
毎回模様替えするわけじゃないっていう感じですね。
—— Wez Atlasさんや他のアーティストさんとコラボする時も、それ用の引き出しを開ける感じなんでしょうか?
VivaOla:そうですね。 色々作れるけど、Wez Atlasにはこれをあげようみたいな。
VivaOlaでもできるものを出してるだけですね。そうすることで聞いてる側からしたら「VivaOlaが作ったっぽいけどソロとは違うな」みたいなブランディングにもなると思うので。
—— May’nさんに提供された「Living My Life」も同様ですか?
VivaOla:あーそう言われると、Wez Atlasのほうが違うかもしれないです。
彼とは長く一緒に作ってるので、「こういうのやりたい」とか「こういうのはあんま好きじゃない」って作りながら彼の意見を教えてくれるから、作りながら寄せてますね。
May’nさんの場合は、最初デモの段階でも僕が歌ってたし、まんま僕ができる感じで作ってます。
—— 仮歌も歌われてたんですね
VivaOla:はい。もちろん、立会いでRECした時に「もっとこうした方がMay’nさんっぽい」とか「逆にこうしたら普段のMay’nさんっぽくなくて面白い」とか話すことはありましたけどね。
—— 5/26にリリースしたばかりの「Mixed Feelings」について聞かせてください!ズバリどんな曲でしょうか?
VivaOla:一見愛の歌に見えるけど、ちょっと虚ろめな愛というか、きっとどこかで愛を失って、その場しのぎの愛を求めている人の事を歌った曲です。
—— そういったテーマは実体験から来ているんですか?
VivaOla:この曲は違いますね。
実体験で書くことも多かったんですけど、この曲と前に出した「nocturnails」は、聞いた話や想像を膨らませて書きました。
—— 「Mixed Feelings」のココを聴いてほしい!というところがあれば教えてください。
VivaOla:聴くというか、どっちかというと踊ってほしくて…あんまり考えずに、聴いてほしいですね。
歌詞のこと言っといて、ちょっと矛盾してるんですけど(笑)
テーマはテーマであって、その楽しみ方でも良いし、今までと違うのはクラブで流れた時に楽しいよねみたいなことですかね。
—— たしかにクラブで聴いたら最高ですね!
ちょっと棘のある言い方になっちゃうんですけど、ミュージシャンがよく言う「ヘッドホンで聴いてほしい」みたいなのはやめてほしくて、
自分のいる部屋の空気と一緒に聞いてほしいんで、スマホから流す感じでも全然良いんですよね。
マスタリングしてくれた塩田さんという方の言葉を借りると、「肌で聞いてほしい」という感じですね。
—— 最初にヘッドホンで聞きこんじゃいました(笑)これから肌で聞きますね!
コアな音楽ファンのために、少し音のこともお聞きしたいんですが、イントロのボーカルチョップはVivaOlaさんの声ですか?
VivaOla:そうですね、結構本当にマニアックですけど(笑)
Abletonを使って、サビのボーカルテイクを切って、キーボードにアウトして弾いた感じですね
—— そうだったんですね、凄く印象的なフレーズでした。
楽曲を作る時は、どういう工程で作っているのでしょうか。
VivaOla:最近のやり方だと、まず僕がギターとボーカルだけで簡易的なデモを作ります。この時点で、メロディー歌詞コードは決まってますね。で、それをプロデューサーに投げます。
今回だったらKRICK君が担当してくれたんですけど、その後、何個かビートのデモをくれて、良いと思ったものをまた二人で、詰めていくって感じですね。
二人とも「この感じだったらこれだよね」っていうのがシンクロしてるんで…というか
僕は、いつも作ってる人でも、初めての人でも仲良くなってからだと思ってるので、自然と同じものを求めたりするのかなって思います。
—— 阿吽の呼吸ですね
VivaOla:だから、ビートは基本任せてますね。
で、出来たものに対してプラスしていく工程、「ハモリ足したいよね」とかをして
素材が全部集まったら今度は引き算の工程、「この楽器要らないよね」みたいなのも基本任せてます。
それで出来上がったものをもらって、最後は僕がボーカルミックスするっていう感じです。
—— あ、じゃあ最後はVivaOlaさんの手でミックスするんですね
VivaOla:最後触って、またあっち(KRICKさん)が、「こうした方が良いんじゃない?」みたいになったら、何回かラリーすることはあります。
—— 「Mixed Feelings」をリリースしたばかりですが…
次回作の情報や、今後の活動について現時点で言えることがあれば教えてください。
VivaOla:6/9にORIVA,Kotaro Saitoとコラボした「hyperlink」というシングルが出る予定です。またこの先もシングルを定期的にリリースして行く予定です。
—— おお!すぐ来月ですね!
—— 最後にカルチャの読者へメッセージをお願いします!
VivaOla:まだコロナが油断できない状況ですが、みなさん感染対策しっかりして…
また会える日を楽しみにしています!
—— 本日はたくさんお話を聞かせていただきありがとうございました! 今後のさらなるご活躍に期待しています!
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