『賢者の弟子を名乗る賢者』あらすじ・名言・名シーン紹介!

『賢者の弟子を名乗る賢者』あらすじ・名言・名シーン紹介!

「わし、かわいい」がキャッチコピーの異世界ファンタジー『賢者の弟子を名乗る賢者』

ワクワクさせてくれるような作り込まれたファンタジー世界に、人間、エルフ、妖精など様々な種族が登場して物語を盛り上げてくれます。

2021年にはアニメ化も決定されており、動き回る彼らを見ることができるのが今から楽しみですね。

この記事では『賢者の弟子を名乗る賢者』の魅力を伝えるため、コミック版のおすすめ名言と名シーンを紹介します。

ぜひ最後までお楽しみください。ネタバレ有なのでご注意下さい。

『賢者の弟子を名乗る賢者』とは?

『賢者の弟子を名乗る賢者』とは、りゅうせんひろつぐによる異世界ファンタジー小説です。

小説投稿サイト「小説家になろう」にて2012年4月4日から連載されていたWEB小説をもとに内容を加筆・修正したものが、2014年6月よりGCノベルズ(マイクロマガジン社)から刊行されています。

イラストは藤ちょこです。2021年5月時点でシリーズ累計発行部数は135万部を突破しています。

作画すえみつぢっかによる漫画版がコミックライド(同社)にて2016年7月号より連載中です。

『賢者の弟子を名乗る賢者』のあらすじ

VRMMO(仮想現実オンラインゲームの一種)「アーク・アース オンライン」にて、主人公の咲森 鑑(さきもり かがみ)はプレイヤーが建国したアルカイト王国に所属し、術士最高位になる九賢者の一人「ダンブルフ」として有名なプレイヤーでした。

ある日、気まぐれで使用アバターのリメイクを行い、遊んでいたところ、性癖が表れた女型アバターを作成後に徹夜疲れからキャンセルせずに、そのまま寝落ちしてしまいます。

次に目を覚ますと、そこは「アーク・アース オンライン」の世界でした。血の匂いなど感覚が現実世界のように感じられることから今までのゲーム世界とは違う現実になってしまったことを知ります。

そして、自分の姿が今まで馴染みのあった威厳ある渋い年寄りの男性アバターではなく、気まぐれで作成していた性癖全開の少女のアバターになっていました。

主人公は「ダンブルフ」と名乗ってしまうと、自分の威厳が損なわれると思い、賢者の弟子である「ミラ」だと名乗ります。

彼女はこの世界で少女として生きていくことになるのですが……

『賢者の弟子を名乗る賢者』魅力①:心打たれる名言【名言8選で解説】

『賢者の弟子を名乗る賢者』では物語の核心に迫るセリフから、ちょっとした日常のセリフまで名言が散りばめられています。

含蓄のあるものが多く、私自身も深く考えさせられるものばかりでした。

ここでは彼らの名言を8つ紹介します。

「この世界はいったいなんなのじゃ?」

1巻Summon3〔九賢者〕より。

ミラがアルカイト王国の王ソロモンに対して言ったセリフです。

ソロモンはミラと同じVRMMOのプレイヤーで、この世界の異変について知っていると踏んだミラが詳細を尋ねています。

ソロモンの答えは「わからない」でした。今まで現実を過ごしてきた宇宙のどこかかもしれないし、まったく違う宇宙なのかもしれない。そもそも自分たちが過ごしてきた世界だって、どこかの世界のVRワールドだったのかも知れないと語ります。

ミラは入れ子構造のようだと反応します。

この話を聞いて少し怖くなってしまいました。もしかしたら自分たちの今生きている世界はどこかの世界のVRワールドの可能性だってある訳です。

自分たちが必死で生きているのを、第三者に面白おかしく観察されているかもしれないと思うと、ぞっとしますね。

そんな怖さも併せ持ったセリフです。

「ミラおねえちゃんはそんな嘘なんて言わないって 僕は……おもってますっ」

3巻Summon15〔一難去ってまた一難〕より。

ミラが自分はダンブルフの弟子だとカミングアウトしたときに、タクトが言ったセリフです。

ギルド・エカルラートカリヨンのメンバーたちは、ミラの強さから、素直に納得しますが、それに対してミラは所在不明のダンブルフの弟子など名乗り放題ではという言葉を口にします。皆、お人よしだなあという訳です。

そんなミラの言葉にタクトが言ったのが先程のセリフです。そしてその言葉の後にこのセリフがきます。

「ミラおねえちゃんは僕を助けてくれた優しい人だから…!」

そうです。この中で一番のお人よしはミラだったのです。

足手まといになる子供のタクトを、守りながら危険なダンジョンを探索する。

だから周りも、ミラの言葉を信じるんだと。ミラは恥ずかしながらも、嬉しさをかみしめます。

人助けは簡単にできるものではありません。だからこそ、感謝も大きく、人の絆を深めてくれるものだと改めて思いました。

「いつかみんなを助けてみたい…です…!」

4巻Summon17〔団長セロ〕より。

カラナックの街を救ったミラの召喚術に対するタクトのセリフです。

自分もいつかはミラのように召喚術を使って、困っている人を助けたい。純粋なる興味がこそが力の原点となるとミラはタクトに語ります。

ミラはタクトの願いを手助けしただけでなく、新たな目標も作ってあげたのです。

『賢者の弟子を名乗る賢者』ではミラの強さを前面に押し出すだけでなく、こうした弱い立場のキャラクターにもスポットライトを当てているのが、読んでいて感情移入できるポイントの一つです。

ただ、召喚術の強さ、派手さだけでなく、召喚術が人々に与えていく影響も丁寧に描いていく。

召喚術が徐々に世界を変えていく様子が堪能できるのは本作を読んだ方だけの特権ですね。

「柔軟にものごとを見られるってことは すぐそばにある幸せに気付けるってことでもあるんだぜ」

4巻Summon17.5〔打ち上げにて〕より。

打ち上げにて、ギルド・エカルラートカリヨンのアスバルの柔軟な性格についての話になり、彼の回想シーンで父親が彼に言ったセリフです。

アスバルの母親と妹たちは戦いの才能に恵まれていて、どうしても自分と比較してしまうアスバル。そこで父親は言います。昔は男だからって張り合いもしたが、今は妻のありのままの才能を受け入れようと思っていると。見た目に関係なくすごい奴はいる。だから自分のできることを見て行けと。

そして、このセリフを言います。

アスバルはこの言葉を指針に生きてきました。そしてミラの召喚したヴァルキリー達を見たときも、母親と妹たちは地元のヴァルキリーだったのだと冷静に受け止めることができました。

物事をとらえるときに柔軟さは大事なことですよね。物事の裏面を見たり、距離を置いて見たりと、物事を考えるときはこの言葉を思い出したいと思います。

「メタな話でかまいませんよ」

4巻Summon18〔この世界に生きる〕より。

ギルド・エカルラートカリヨンの団長セロがミラに言ったセリフです。

ミラはセロに初めて会ったときに、ステータスを参照しようとしましたができませんでした。そのことからもしかしてセロは元プレイヤーなのではと疑いを持ちます。

後日、ランチを共にした二人は互いのことを話します。そこで出た発言がこのセリフです。

お互いにステータスを「調べる」のクロスカウンターをしていたようです。

セロはもしかしてダンブルフ本人なのではと正解を言い当ててしまいますが、ミラはリアフレ(現実世界での友人)だと言い訳をします。

ここの腹の探り合いが読んでいてハラハラしましたね。セロに正体がばれるのではないかとこちらまで焦ってしまいました。

今までファンタジー世界で冒険をしていたと思ったら、セロとの出会いでこの世界は謎だらけだということを再認識させられます。メタと言う言葉はドキリとさせられますね。

「できなかったことを恥じるんじゃなく これからできることをみていこう」

5巻Summon26〔召喚術科のためにできること〕より。

クレオスから自分の無力さを責めるヒナタへのセリフです。

ヒナタはアルカイト学園の召喚術科の教師でしたが、特に目立った活躍をすることができませんでした。そのせいで生徒の数も減る一方。

自分は何もできたいないと落ち込むヒナタに対して、召喚術の塔賢者代行のクレオスはこれからできることに目を向けていこうと励まします。

ヒナタの気持ちもわかる気がします。失敗したりするとついつい自分を責めてしまいますよね。それでクヨクヨ悩んでしまったり。

しかし、過去は変えられません。未来を見据えて、前を向いていくことの大切さをこのセリフは教えてくれています。

「お主は強いのぅ 召喚術はお主のような教師に担当してもらえて幸せじゃ」

5巻Summon27〔召喚術の応用〕より。

召喚術科教師として頑張ろうと奮起するヒナタに対して、ミラが言ったセリフです。

ヒナタはただ召喚術を前面に押し出した授業をするのではなく、魔術科の生徒のような若い感性を取り入れた術を元に、それをブラッシュアップすることが自分たちの仕事だと語ります。

若い感性を大事にして、それを基に召喚術を発展させていこうというヒナタの姿勢に、ミラは満面の笑みを浮かべます。

このことがミラの新しい召喚術の応用へとつながっていくので、何一つ無駄なことはありませんね。

ただ、召喚術の偉大さを描くだけなら、簡単ですが、こうして教育にも触れていくのは『賢者の弟子を名乗る賢者』の懐の深さを実感します。

「ようやく…お会いできました……」

5巻Summon29〔銀の連塔〕より。

自分がダンブルフ本人だとカミングアウトしたミラに対してマリアナが言ったセリフです。

マリアナはダンブルフ付きの妖精族の補佐官で、シルバーホーンにある「銀の連塔」の一つ「召喚術の塔」にあるエルダー居住区の管理を任されています。

ミラが少女の姿になってしまってから、初めて彼女に会ったときは、ダンブルフの弟子だと偽りましたが、九賢者を探す旅が長旅になると予想し、マリアナとクレオスには真実を伝えることにします。

そして、いざ真実を話し、ダンブルフ本人である証拠を見せるため、妖精の加護の更新を行います。

30年ぶりにダンブルフに再会したマリアナは大粒の涙を流して喜びます。ようやく会えたと。

どんな姿になってもダンブルフはダンブルフだと彼女は涙ながらに語ります。

感動の再会にこちらも思わず感激してしまいました。30年間、ひたすらに塔の管理を行ってきたマリアナ。

ひたむきな彼女の涙に感情が揺さぶられます。

『賢者の弟子を名乗る賢者』魅力②:異世界ファンタジーならでは喜怒哀楽に富んだ名シーン【名シーン4選で解説】

次に紹介するのは、物語を盛り上げてくれる魅力的なキャラクターたちの名シーンです。

お笑い、かわいい、泣ける感動のシーンまで幅広く揃っているのが今作の特徴ですね。

ここではおすすめの名シーンを4つ紹介しましょう!

フリッカ豹変

フリッカはギルド・エカルラートカリヨンに所属する魔術師の女性で、冷静沈着で頼れるのですが、かわいくて小さい女の子に目がない性格をしています。

ミラがフリッカに至近距離まで近づくと、スイッチが入っていまい、「んもぅミラちゃんてばぁ あまえんぼさん💛」と言いながらぎゅっと抱きしめられる始末。

その豹変ぶりがとても笑えます。フリッカの豹変にはあのミラでもさえも怯えるほどです。

よだれを垂らしながら、目はハートという、変態ぶりがこれでもかと前面に押し出され表情は必見です。

ミラとフリッカの様子を笑いをこらえながら見物している副団長のエメラもなかなかの性格をしていることがわかります。最後には盛大に大笑いします。

助けてはくれないんですね……

リリカとの再会

2巻Summon11〔暗丞の間〕より。

ネブラポリスの暗丞の鏡は死者と会話をすることができます。本当に作動するのか、試そうとしていたところ、ゼファードがリリカという名を呼びました。

するとそこには少女の姿が映し出されました。

ギルド・エカルラートカリヨンに所属する盗賊ゼファードには妹リリカがいましたが、彼女は流行り病によって亡くなります。

ゼファードは自分の知識不足が原因だと、ずっと自分を責めていましたが、そんな彼にリリカは言います。

「お兄ちゃんのせいじゃないよ」「一生懸命わたしを支えてくれたお兄ちゃんにありがとうって言いに来たの」

その言葉にゼファードはボロボロと涙を流します。そして、自分は今はギルドで活躍していることを伝え、リリカを安心させます。

ほろりとくるエピソードです。兄妹の絆は永遠ですね。

悪魔との戦い!冷静なミラと仙術

3巻Summon14〔召喚術士の、仙術〕より。

ミラはネブラポリスの地下神殿で爵位3位の悪魔と対決することになります。彼女は悪魔に対して自身の幼い容姿をふんだんに利用し、挑発します。

それに怒り狂った悪魔は猛攻撃をしかけてきますが、ミラの仙術にはかないません。

冷静に戦況を判断し、確実にダメージを与えていきます。

悪魔はミラのは秘匿仙術魔眼解禁で、麻痺させ、召喚獣ダークナイトに倒されます。

この一連のアクションシーンがまたカッコ良くて何度も見返してしまいます。

ミラの賢者としての力が存分に発揮されています。

少女の外見で落ち着いた言動を取るギャップが非常に面白いです。

こうした容姿と中身のギャップはこの作品の醍醐味の1つですね。

かわいいヴァルキリーシスターズ

4巻Summon16〔カラナック強襲〕より。

ネブラポリスからカラナックへ戻ってきた一行が目にしたのは、人、犬、熊型のゾンビが街を襲っている光景でした。

事態の収拾と、召喚術の偉大さを見せつけるために、ミラはヴァルキリーシスターズを召喚します。

詠唱のカッコ良さと繊細な魔法陣のキレイさに思わずうっとりしてしまいます。『賢者の弟子を名乗る賢者』は召喚術がメインなだけあって、やはり召喚シーンは力が入っています。

召喚されたヴァルキリーシスターズは皆個性があって、どの子もかわいいです!よく見ると装飾品も細かい部分がそれぞれ違っていて、それを見比べるだけでも楽しいです。

個人的に七女であるクリスティナが好きですね。ミラに必死になって、姉アルフィナの素振り10万回の鍛錬がキツイと直訴する姿はかわいそうになってくるのと同時に愛着が湧きますね。

まとめ

異世界ファンタジーとして、自分も冒険した気になれるのが今作の特徴ですが、それを支えているのがディティールへのこだわりです。

召喚獣や魔動結晶などのアイテムの設定が非常に説得力のあるものになっています。

外見は少女なのに中身は28歳の青年というギャップ要素が楽しいのはもちろん、異世界ファンタジーとしてもゲーム世界独自の魅力ある世界観を堪能することができます。

ぜひ、一度手に取って読んでみてください。

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