はたらく細胞 – あなたの中の細胞を擬人化! 登場キャラクターや魅力を徹底解剖!

はたらく細胞 – あなたの中の細胞を擬人化! 登場キャラクターや魅力を徹底解剖!

『はたらく細胞』は月刊少年シリウス2015年3月号から2021年3月号まで連載された、清水茜の漫画です。
第27回少年シリウス新人賞の大賞受賞作『細胞の話』を連載化したもので、シリーズ累計発行部数500万部を突破したベストセラー。

『はたらく細胞』&『はたらく細胞!!』、および『はたらく細胞BLACK』がアニメ化された他、アプリゲーム『いつでもはたらく細胞』もリリースされました。

なお『はたらく細胞』自体は単行本全6巻で完結しています。

数々のスピンオフも絶好調な本作の魅力とは一体何でしょうか?今回はそれぞれの作品を特徴別に紹介していきます!

目次

『はたらく細胞』アニメ情報

はたらく細胞(第1期2018年7月~9月/全13話+特別編/監督・鈴木健一)

はたらく細胞!!(第2期2021年1月~2月/全8話/監督・小倉宏文)

2018年のアニメが大ヒットしてその後の劇場版、二期へと繋がりました。

なお一期は鈴木健一監督でしたが、二期は小倉宏文監督に交代しています。他にも二期は全8話と、ワンクールに満たないコンパクトな構成が注目されました。ナレーションは双方ともに能登麻美子が担当しています。

劇場版「はたらく細胞!!」は原作単行本5巻収録のエピソードを、テレビ第二期のオンエアに先駆けて映画化したものです。

『はたらく細胞』原作情報

清水茜が『はたらく細胞』を描いたきっかけは、当時高校生の妹に「細胞の擬人化漫画を描いて」と頼まれたことだそうです。
その読み切りを日本マンガ塾の卒業制作として発表したところ審査員の好評を得て、月刊少年シリウス大賞への応募を勧められました。

結果見事大賞を獲得し、正式に連載がスタートします。
なお作者の清水茜の医療知識は素人同然だった為、担当編集との綿密な打ち合わせや資料調べを経て制作にあたっています。考証の確かさは専門家にも絶賛されるほどです。

宝島社『このマンガがすごい!』2016年版では第7位にランクインしました。

『はたらく細胞』のあらすじ

白血球、赤血球、血小板、キラーT細胞にマクロファージ……。

我々人間の体内では約60兆個もの細胞が日々活動しています。人体を健康に維持する為毎日働いている細胞たちは、一体何を考えどんなことをしているのでしょうか?前代未聞の細胞擬人化漫画の開幕です!

『はたらく細胞』のキャラクター・声優紹介

白血球U-1146(声優:前野智昭)

  • 『転生したらスライムだった件』ヴェルドラ
  • 『ブレンド・S』ディーノ
  • 『あんさんぶるスターズ!』氷鷹北斗

赤血球とダブル主人公を務める青年。好中球課所属。ナンバーの由来は「いい白」の語呂合わせだそうです。
外見は右目が前髪に隠れた白ずくめのメカクレスタイル、死んだ魚のような黒い目をしています。ハイライトはありません。「白血球」と書かれた帽子を被っています。なおこちらは彼の私服ではなく白血球の制服です。

クールで寡黙、ストイックな性格ながら面倒見がよく血小板たちにも懐かれていました。赤血球AE3803とは仕事中によく顔を合わせる馴染みの間柄でキラーT細胞の班長にもよく突っかかられています。
細菌やウイルスなど異物を迎撃する際は好戦的な人格に豹変し、得物のサバイバルをふるって敵を撃退するのがお約束。白装束に返り血が散ってサイコパスな印象が際立ちます。

単行本全巻の表紙を飾った他、スピンオフ作品『はたらく細菌』の解説コラム「おしえて白血球さん!」にも登場するなど露出が多い人気キャラクターです。
実は赤血球AE3803とは幼少時に面識があった事がのちに明かされます。AE3803のトラブル処理に追われることも多いですが、良いバディ関係を築きました。

赤血球AE3803(声優:花澤香菜)

  • 『五等分の花嫁』中野一花
  • 『鬼滅の刃』甘露寺蜜璃
  • 『PSYCHO-PASS』常守朱

白血球とダブル主人公を務める女性。

赤毛のショートヘアにアホ毛が特徴、巻き込まれ体質のドジっ娘です。

赤血球はヘモグロビンを多く含む為イメージカラーが赤、血管中を走って酸素を運ぶ性質上アクティブなホットパンツスタイルで描かれています。

方向音痴が玉に瑕で、たびたび体内で迷子になっては白血球に助けられています。新人ながら人一倍頑張り屋で、その前向きな姿勢が周囲に評価されていました。

血小板(声優:長縄まりあ)

  • 『BNA』日渡なずな
  • 『アズールレーン』ラフィー
  • 『小林さんちのメイドラゴン』カンナカムイ

血管が損傷した際に寄り集まって傷口を塞ぐ役割を課された細胞。作中では亀裂にネットを張ったり、道路工事に携わる姿で表現されます。
名前通り赤血球や白血球に比べ小さい為幼稚園児程度の見た目で描かれており、言動も相応に無邪気で愛くるしく、周囲に癒しをもたらします。
マスコットキャラクターとして愛される一方、仕事には一生懸命。赤血球や白血球との交流も多いです。

一番出番の多い茶髪ロングヘアーの個体の通称は「リーダーちゃん」(画像左)。「あのねあのね」が口癖で小旗を振っています。

ちなみに右のおかっぱの子は帽子を逆向きにしてるので「うしろまえちゃん」です。

スピンオフ漫画『はたらく血小板ちゃん』では血小板たちのほのぼのした日常が覗けます。

マクロファージ(声優:井上喜久子)

  • 『鋼の錬金術師 FULLEMETAL ALCHEMIST』ラスト
  • 『ああっ女神さまっ』ベルダンディー
  • 『ひぐらしのなく頃に業』園崎茜

純白フリフリのクラシカルロリータドレスに身を包む温和な淑女。メイドさんがモチーフです。その正体は細菌などの異物を捕らえて抹殺し、抗原や免疫情報を特定する役割を課された単球の一種。

たおやかな見た目とは裏腹に戦い方は過激で、細腕に見合わない巨大な鉈をぶん回し敵を駆逐していました。赤芽球(赤血球の幼少期)や未熟胸腺細胞(キラーT細胞の幼少期)を世話する保育士を兼ねており、彼らに授業を行います。

キラーT細胞の班長(声優:小野大輔)

  • 『おそ松さん』村野十四松
  • 『進撃の巨人』エルヴィン・スミス
  • 『黒執事』セバスチャン・ミカエリス

外ハネした金髪と日焼けした肌が精悍な男性。警官や軍人を彷彿とさせる黒い制服に身を包み、帽子には「KILL」と書かれています。
根っから体育会系気質のせいか、攻撃手段を持たない赤血球を軟弱と見なしキツい態度をとることもありますが、根は単純で裏表のない人物。恩師のマクロファージにのみ敬語を使います。

名前通り体内の殺し屋として活動する性質上、他の細胞と親しくなってはいけないと自戒する一方で、赤血球と仲良くなった白血球を妬んで殴るなどツンデレな言動が目立ちました。

ヘルパーT細胞(声優:櫻井孝宏)

  • 『鬼滅の刃』冨岡義勇
  • 『呪術廻戦』夏油傑
  • 『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』岸辺露伴

茶髪メガネの合理主義な司令官。エリート志向が強く他の細胞に対してやや高圧的です。
抗原提示を受けキラーT細胞やB細胞に抹殺ターゲットの情報を下知する役割を負ったリンパ球。キラーT細胞とは犬猿の仲で互いにいがみ合っていました。
仕事中でもティータイムを楽しむなど気取った言動を見せますが、いざ緊急事態となれば各細胞を的確に配置して指揮をとります。

がん細胞(声優:石田彰)

  • 『最遊記』猪八戒
  • 『新世紀エヴァンゲリオン』渚カヲル
  • 『血界戦線』堕落王フェムト

『はたらく細胞』のラスボス的ポジション。
細胞の分裂エラーで生まれ、増殖前に免疫細胞に狩られる自らの運命を嘆いていました。やがて復讐に燃え、人体すべてを乗っ取ろうと企てます。

最終的に討伐されるものの、ドタバタコメディ色が強い『はたらく細胞』において、彼の退場に関するエピソードは忘れがたい悲哀を帯びていました。

『はたらく細胞』シリーズ紹介

『はたらく細胞』は本家を除き、なんと8作品のスピンオフが刊行されています。こんなにたくさんあるとどれから手を伸ばそうか迷ってしまいますよね。
ここでは主だった作品の特徴とともに、どんな読者におすすめか触れていきます。

『はたらく細胞』清水茜(月刊少年シリウス 単行本全6巻)

初心者はまずこれ!全年齢安心して読めるドタバタ日常ギャグ作品

2018年にTVアニメ化され大ヒットした作品。清水茜のデビュー作にして初連載作品です。お馴染み白血球や赤血球を中心に、体内を一個の世界に見立てて細胞たちのドタバタ群像劇を描きます。

基本的な作風はギャグ色やほのぼの多めの日常もの。一話完結の話が多く、どこからでもサクサク読めるのが有難いですね。

大抵赤血球がドジをやらかす+うっかり外敵に遭遇してピンチ!→白血球が颯爽と助っ人に現れるパターンが踏襲されています。

白血球と赤血球の恋愛描写は薄いですが、幼少時のときめきエピソードなど、ほんのり妄想がはかどるのも少女マンガ好きには嬉しいですね。背中を預け合える男女バディが好きな人にもおすすめしたいです。

赤血球&白血球コンビの他にも最凶マクロファージやマッチョなキラーT細胞、エリート眼鏡男子なヘルパーT細胞など魅力的なキャラクターがそろっています。血小板ちゃんの愛くるしさにも注目!

がん細胞のエピソードでは誕生から増殖過程がわかりやすくもドラマチックに解説されており大変勉強になりました。ぜひとも小中学校の保健室においてほしい健全な漫画です。

『はたらく細胞BLACK』原田重光/原作 初嘉屋一生/作画(モーニング 単行本全8巻)

青年誌らしいハードな描写と鬱展開にうちのめされろ!

2021年にアニメ化も果たしたスピンオフ筆頭、『はたらく細胞BLACK』
『はたらく細胞』との最大の違いとして挙げられるのは白血球と赤血球の性別が逆になっていること、残酷でエロティックな描写やハードな展開です。

白血球の返り血の量に荷物のサイズ、赤血球の必死さ……単行本の表紙を並べると一目瞭然、明らかに『はたらく細胞』(左)より『はたらく細胞BLACK』(右)の負荷が大きいのがわかります。

『はたらく細胞BLACK』のブラックは労働環境がブラックだということ。

ブラック企業と同義です。のみならず社畜と化した細胞たちの闇堕ちも描かれており、本家よりも大分シリアス色が強く救いのない話になっています。

『はたらく細胞』の舞台となる体は一般人のものですが、『はたらく細胞BLACK』の舞台となる体は過労でボロボロの状態。

バイアグラを飲まなければ勃起せず、水虫や胃炎や脱毛に悩まされ、挙句にオーバードーズによる自殺を試みるまで追い詰められています。

そんな最悪の状況下で酷使される細胞たちの疲労たるや本家の比ではありません。

なお掲載誌が青年誌ということもあり、触手を生やした細菌が白血球(女性)を粘液まみれにして襲うなど、子供には見せられないシーンも多々挟まれていました。

『はたらく細胞』をより過激によりダークにした作風で、本家より刺激を求める読者におすすめです。

余談ながら『はたらく細胞』に登場する白血球は男性のみ、赤血球は女性のみで、『はたらく細胞BLACK』ではこれが逆になっています。白血球の女体化版、または赤血球の男体化版としても楽しめるのではないでしょうか。

『はたらく細胞LADY』原田重光/原作 乙川灯/作画(月刊モーニング・ツー 単行本全3巻)

メガネ執事にお嬢様と傅かれたい女性におすすめ!生命を育む女体の神秘に感動!

女体に特化した『はたらく細胞』スピンオフ。生理、冷え性、貧血、セックス、妊娠、出産など成人女性が直面する様々な問題を取り扱います。
主に子宮周辺を舞台とし、メガネ執事のマクロファージを中心とする細胞たちの働きにスポットライトがあたっています。

少女漫画テイストの作風で心情描写も丁寧なので、ドギツい話が苦手な人でもすんなり入っていけるのがいいですね。細胞たちが一丸となり、大事なお嬢様の体をケアする様子に心温まります。

『はたらく細胞BABY』福田泰宏/作画 清水茜/監修(モーニング 単行本全3巻)

妊婦さんや新米ママにおすすめ!赤ちゃんの体で起きていることがわかる!

子宮内の胎児の体を舞台に生まれたての細胞たちの活躍を描くスピンオフ。3話目からは乳幼児の体の仕組みを解説していきます。

頭身が低いキャラクターが奮闘する様子が愛らしく描かれており、よちよち歩きの赤血球の成長を微笑ましく見守りながら赤ちゃんの体の仕組みに理解が深まる良質な手引き書です。

単行本は既刊3巻、第2シーズンの開始も決定しています。

『はたらく細胞』スピンオフを読む順番は?

『はたらく細菌』『はたらかない細胞』『はたらく細胞フレンド』『はたらく細胞BLACK』『はたらく細胞BABY』『はたらく細胞LADY』は順不同でよし!

本家を含め9作品も刊行されている『はたらく細胞』シリーズ。どれから手を付けたらいいかお悩みの方に読む順番を教えます。
上に挙げた6冊は本家『はたらく細胞』とは独立した世界=別の人体が舞台。

『はたらく細菌』はある女子高生の、『はたらく細胞BABY』は子宮内の胎児の、『はたらく細胞LADY』は成人女性の、『はたらかない細胞BLACK』は過労でボロボロの男性の体内からそれぞれスタートしており本家と接点がありません。

『はたらく細菌』の解説コラムには本家白血球がゲスト出演していますが、それは遊び心の範囲内です。

『はたらかない細胞』はある人物の骨髄の中を舞台に、赤血球になりたくない赤芽球の問題児五人組を描いたギャグ漫画。

『はたらく細胞フレンド』は友達が欲しいキラーT細部が主人公。本家とビジュアルが似たキャラクターも数人存在しますが、あくまで別物として位置付けられています。

従って上記6冊に関してはどれから読んでも問題ありません。お好みの絵柄や作風で選んでください。

『はたらく血小板ちゃん』は『はたらく細胞』読了後推奨

『はたらく血小板ちゃん』は『はたらく細胞』のマスコットキャラクター、血小板ちゃんたちが主人公のスピンオフ。これ単体でも読めますが、先に本家やアニメを押さえておくと面白さが段違いです。この作品のみ本家と同じ舞台で登場人物も共通しています。
本編では名前や詳細が明かされなかったキャラクターも掘り下げられるので、全国の血小板ファンにはたまりませんね。

おわりに

以上、『はたらく細胞』やそのスピンオフ作品の魅力を紹介しました。
アニメや劇場版にとどまらず、作風の異なるスピンオフ作品も盛り上がった『はたらく細胞』。本家の連載が一段落した後も人気は衰えません。

最近では医療関係者の監修のもと新型コロナを解説する公式動画が制作されています。

未読の方はこの機会に『はたらく細胞』の世界に触れてみてはいかがでしょうか?
私たちの体内で日夜働く細胞たちの生き様を目に焼き付けてください!

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