「盾の勇者の成り上がり」は、異世界に召喚された主人公が世界を救うため奮闘する、転移系のファンタジー作品です。
しかしスタート早々に仲間、お金、名声までもを失い、勇者とは思えない状況に陥り…。
攻撃ができない「盾」の勇者である主人公・尚文と、そんな主人公の剣としてともに旅をする亜人・ラフタリアの、まさに「成り上がり」を描いた物語になっています。
小説投稿サイトから誕生し、書籍化されたシリーズは累計780万部を突破。
2022年4月にはアニメ第2期の放送が決定している「盾の勇者の成り上がり」には、どんな魅力があるのでしょうか。
この記事では、本作の見どころでもある尚文とラフタリアが「成り上がっていく」様子をあらすじとともに紹介していきます。
見知らぬ世界で裏切られ、蔑まれ、それでも這い上がっていく彼らの奮闘と、随所に散りばめられた心に刺さる名言・名場面をぜひご覧ください。
目次
「盾の勇者の成り上がり」とは
小説投稿サイト「小説家になろう」で連載されていた小説が原作で、著者は「アネコユサギ」。
本作以外にも「ディメンションウェーブ」「俺だけ帰れるクラス転移」など様々な作品を生み出し書籍化するなど、才能あふれるライトノベル作家です。
「盾の勇者の成り上がり」は2012年に連載が始まるや否や、翌年2013年にはKADOKAWAで書籍化され、続いてコミック化、アニメ化も果たす人気ぶりです。
小説投稿サイトで連載されていた原作版、書籍版、コミック版、アニメ版は、メインのストーリーは同じものの、実はそれぞれ少しずつ違う展開を見せています。
どんな違いがあるのか、ぜひ確認してみてください。
アニメ第1期は2019年1月~6月にかけて2クール(25話)放送されています。
第2期、第3期の制作も決まっているため、アニメを通じてますます認知度は上がり、ファンが増えていくことでしょう。
当初、2021年10月の放送を予定していた第2期は「2022年4月」に変更されることが発表されました。
楽しみが半年延びてしまいましたが、本作はスピンオフも多数存在しているので、この機会にぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?
メインである「盾の勇者の成り上がり」を把握していると、より深く楽しめるようになっていますよ。
・槍の勇者のやり直し(漫画)
・盾の勇者のとある一日(漫画)
・盾の勇者のおしながき(漫画)
あらすじ
大学生・岩谷尚文(いわたになおふみ)は、図書館で手にした1冊の本に導かれ、異世界「メルロマルク王国」へと転移します。
そこには尚文と同様に転移した人物が既に3人おり、全員が「勇者」として召喚されていたのでした。
「剣」の勇者・天木錬(あまき れん)
「槍」の勇者・北村元康(きたむら もとやす)
「弓」の勇者・川澄樹(かわすみ いつき)
そして、尚文は「盾」の勇者としての使命を与えられました。
国王は4人の勇者に"「波」と呼ばれる混沌をもたらす厄災から世界を救うこと"を命じます。
「波」がやってくると、数多の魔物が"次元の亀裂"から這い出てくるようになり、その脅威は死人が出るほど。
人々の生活を脅かす「波」に対抗すべく、勇者たちはそれぞれの武器を鍛えるための旅を開始します。
しかし共を連れての旅をスタートさせたのも束の間、最初の試練が尚文を襲います。
「盾の勇者の成り上がり」・名言
「こうして俺は、信頼と金、名誉、勇者としての尊厳。全てを失った。」
盾の勇者は、他の勇者と違い防御がメイン。
したがって勇者でありながら攻撃ができないという「負け組の職業」だったのです。
剣・槍・弓の勇者に比べて圧倒的に人気が無い盾の勇者。
誰も尚文の仲間になろうとしない中、唯一「マイン」という女性がパーティに加わってくれたことで、意気揚々と旅をスタートさせますが…。
翌日、宿屋で目を覚ました尚文は、装備や所持金、あらゆる持ち物が消え去っていることに気が付きます。
混乱も解けぬまま、突如現れた兵士に城まで連行された尚文が見た光景は、怯えた様子のマインとそれを庇う国王の姿。
マインは国王の娘だったのです。そして衝撃の発言が続きます。
「盾の勇者様が…私の服を無理やり引きちぎったんです…!」
もちろんそんな事実はなくマインの仕組んだ罠でしたが、「盾の勇者」という理由だけで周囲から蔑まれ、国王からも不当な扱いを受ける尚文は濡れ衣を着せられてしまい、誰にも信じてもらえませんでした。
「こうして俺は、信頼と金、名誉、勇者としての尊厳。全てを失った。」
この一件で人間不信となり、冷徹な人間へと変わってしまった尚文からこぼれ出たこのセリフが「盾の勇者の成り上がり」の本当のスタートと言えるかもしれません。
「お前が戦い、俺が守る。そうすれば絶対に死ぬことは無い。」
マインの裏切りを経て再び一人になってしまった尚文でしたが、防御メインの盾の勇者である限り、攻撃を担ってくれるパートナーは必須。
冤罪により誰も信じられなくなった尚文が再び加えた仲間は、奴隷の少女「ラフタリア」でした。
亜人と呼ばれる種族で、狸系のラフタリアは頭に耳がついた可愛らしい10歳の少女。
この少女が尚文の代わりに剣を持ち、共に戦うことになります。
以前の尚文であれば「自分の代わりに少女を戦わせるなんて…」と考えたかもしれませんね。
(レベルアップによって容姿が変わるという特質により、尚文と旅をする中で大人の姿へと急成長を遂げます。)
ラフタリアは以前、「波」で現れた魔物に両親を殺害されており、自身が受けてきた拷問も影響して、しばらくは怯えた様子を見せていました。
そんなラフタリアに対して不器用ながらも世話をする尚文は、徐々に彼女の心を溶かしていきます。
少しずつレベルアップしていく2人ですが、ラフタリアは戦うことをためらう場面もありました。
あるとき遭遇した魔物が、両親を殺害した魔物にそっくりだったことから、トラウマがフラッシュバックし動けなくなるラフタリア。
自分たちが強くなることで「波」に対抗できる、強くなればラフタリアと同じ目に遭う子どもを減らせる、と説得を試みる尚文でしたが、それでも動けない様子を見て「戦えないなら逃げろ」と伝えます。
尚文が一人では戦えないことを知っているラフタリアは、「自分のために犠牲になろうとしている」ことを察し、ついに行動を起こしたのです。
両親だけでなく尚文まで失うのはいやだと、ためらっていた剣を振りかざして見事撃退。
「お前が戦い、俺が守る。そうすれば絶対に死ぬことは無い。」
1人にしないでと泣くラフタリアにかけたこの言葉は、2人の信頼関係がぐっと深まったことを示しています。
「私はあなたの剣です。どこへだって付いていきます。」
ラフタリアがトラウマを克服したことで、より一層信頼関係を深め、戦いの連携もうまくできるまでに成長した2人。
次の「波」が来るタイミングが分かる、という時計の存在を知り向かった先で、剣の勇者、弓の勇者、槍の勇者と再会することになります。
国王と同様に盾を蔑ろ(ないがしろ)に扱う彼らは、邪魔をしたり、行動を共にするラフタリアを引き抜こうとしたり、相変わらず態度は最悪。
悔しさを滲ませながらも、尚文は黙ってラフタリアの手を取る大人の対応を見せました。
そんな様子を見ていたラフタリアは、「波」が来る前日、尚文に改めて決意を伝えます。
側に置いてくれたこと、食事を与えてくれたこと、必要としてくれていること。
尚文が与えてくれたことすべてに、感謝していると。
「私はあなたの剣です。どこへだって付いていきます。」
2人をつなぐ関係は「奴隷」というカタチですが、それ以上のつながりを感じさせられる印象深い場面でした。
「盾の勇者の成り上がり」・まとめ
4人の勇者のうち主人公の「盾」だけ不当な扱いを受けるという過酷な状況で始まったストーリー。
今回ご紹介できたのは序盤の一部ですが、仲間が増えたり、新たな勢力が現れたり、このあとも様々な展開を繰り広げていきます。
全容が気になる方は、アニメやコミック、原作など、お好きなメディアでぜひチェックしてみてください。