映像研には手を出すな! – 珠玉の名言・名シーン11選!【最強の世界を作る!】

映像研には手を出すな! – 珠玉の名言・名シーン11選!【最強の世界を作る!】

頭の中で色々な想像を巡らせ、ワクワクした経験はありませんか?

そんなワクワクを形にする面白さが詰め込まれた『映像研には手を出すな!』

「最強の世界」を創造するため、3人の女子高校生がアニメ制作に奮闘する姿を描いた人気漫画です。

この記事では、『映像研には手を出すな!』を彩る名言および名シーンについて紹介していきます。

※以下には、原作漫画およびテレビアニメのネタバレがあります。

目次

『映像研には手を出すな!』とは?

本作は大童澄瞳(おおわらすみと)さんのデビュー作で、2016年より「月刊!スピリッツ」(小学館)で連載中の漫画。

女子高校生3人組がアニメ制作に情熱を注ぐ様子が、躍動感溢れる筆致で描かれます。

コミックのシリーズ累計発行部数は、100万部を突破(既刊5巻、2020年9月時点)。

MEMO

作品タイトルは『北北西に進路を取れ』や『ダイヤルMを廻せ!』といった名作映画を意識してつけられています。

作品の評価は高く、数々の賞を獲得しています。

受賞歴

  • ・TV Bros.主催の「ブロスコミックアワード2017」大賞
  • ・「俺マン2017」第1位
  • ・「マンガ大賞2018」ノミネート
  • など

2020年1月〜3月には、満を持してテレビアニメが放送(全12話)。国内外で注目を集める湯浅政明(ゆあさまさあき)監督が手掛けたことで、大きな反響を呼びました。

※ちなみに、テレビアニメは原作3巻・第23話までの内容を映像化しています。

テレビアニメの受賞歴

  • ・「第24回文化庁メディア芸術祭」アニメーション部門 大賞
  • ・「東京アニメアワードフェスティバル2021」テレビ部門 作品賞
  • ・ニューヨーク・タイムズが選出した「ベストTV番組2020」(The Best TV Shows of 2020)、「ベストTV番組 海外部門2020」(The Best International Shows of 2020)
  • など

2020年9月25日には実写映画が公開され、乃木坂46の齋藤飛鳥(さいとうあすか)さん・山下美月(やましたみづき)さん・梅澤美波(うめざわみなみ)さんの出演は話題を集めました。

映画公開前の2020年4月〜5月には、同じキャストが出演するテレビドラマも放送(全6話)。

多方面で注目を集め続ける本作の勢いは、今後も止まりそうにありません。

『映像研には手を出すな!』のあらすじ

2050年代。舞台は、好奇心をくすぐるダンジョンのような外観が特徴の芝浜高校

物語の中心となるのは、アニメ文化研究会(以下、アニ研)の見学で出会った3人の高校生です。

  • アニメを作りたい気持ちはあっても、1人では自信がなくて挑戦できない浅草みどり
  • お金を生み出すことへの強い関心と、卓越したプロデューサーとしての才能を持った金森さやか
  • 人気の読者モデルながらアニメーター志望の水崎ツバメ

(以下では、浅草氏・金森氏・水崎氏と表記します。)

異なる才能を持った3人の利害は一致するものの、水崎氏は親からの言いつけでアニ研に入るのを禁止されていました。

そんな中、入れないなら作ればいいと話す金森氏の発案で、新たに『映像研究同好会』(以下、映像研)を作ることに。

こうして、女子高校生3人によるアニメ制作にかける日々が始まります。

『映像研には手を出すな!』の魅力

モノづくり、青春、コメディといった多彩な魅力を持つこの作品。
浅草氏や水崎氏が見せるアニメ制作へのこだわりや情熱は凄まじく、何度も感情を揺さぶられることでしょう。

作品には大童先生がアニメーションを自主制作していた頃の経験が活かされています。例えば、漫画的な手法の一つである「効果線」などはほとんど使われておらず、アニメ映像を見ているかのような構図が印象的です。

作中ではキャラクターの吹き出しが「立体的」に描かれたり、浅草氏が細かく設定を描いた図解ノートが見開きで掲載されたりと、独自の表現が目を引きます。

MEMO

大童先生は、図解ノートのこだわりについて『ドラえもん』から影響を受けていると語ります。

そして、圧倒的な「背景」へのこだわり。
言われなければ気づかないような部分まで緻密に描き込まれた背景は圧巻です。

さらに注目していただきたいのが、現実と妄想を行き来するシーン
アニメ制作を進める過程で必ず登場し、読者も浅草氏たちと一緒に妄想世界に入り込んでいく感覚は、本作でしか味わえません。

MEMO

テレビアニメ版を手掛ける湯浅監督は、作品が変わる度に新しい挑戦をしており、今回は「水彩の絵が立体的に動く」ことが目標でした。テレビアニメでは妄想世界が水彩画として表現され、絵の中に入っていく不思議な体験を味わえます。

『映像研には手を出すな!』創作活動をしている人に響く名言3選!

ここからは創作活動をしている人に響く名言を3つ紹介します。

浅草みどり「終わるとか完成するとかではなく、魂を込めた妥協と諦めの結石が出る。」(原作1巻・第7話/アニメ第4話)

予算獲得を左右する発表会に向けて、映像研の3人は短編アニメ制作に臨みます。

学校に泊まり込み、発表当日ギリギリまで作業を続けていた浅草氏と水崎氏。

短編アニメが完成したのかを問う金森氏に対し、眠そうな浅草氏が口にしたのが上記の名言です。

創作活動に終わりはなく、可能ならどこまでもこだわりたい。しかし、それだといつまでも完成しないので、どこかで形にする必要があります。

浅草氏と水崎氏は時間や出来ることに制限がある中、自分たちの持てる力を全て短編アニメ制作に投入。完璧な形には出来なかったものの、1つの作品を作り上げました。

だからこそ浅草氏の言葉には実感が伴っていて、重みがあります。創作活動を行う際、胸に留めておきたい名言です。

水崎ツバメ「大半の人が細部を見なくても、私は私を救わなくちゃいけないんだ。動きの一つ一つに感動する人に、私はここにいるって、言わなくちゃいけないんだ。」(原作2巻・第14話/アニメ第7話)

アニメ制作において「動き」に強くこだわる水崎氏の熱い名言を紹介します。

自身の思い描く動きをうまく表現できず、頭を抱える水崎氏。彼女のこだわりは、ほとんどの人には伝わらないような細かいものでした。

作中では、水崎氏が様々な動きに魅せられてきたことが示されます。中でもアニメは、画面に映る全てをアニメーターが描いていて、より濃厚な動きが表現されたものです。

水崎氏は、アニメーターが細部までこだわった動きの一つ一つに救われてきました。だからこそ、今度は自分も同じように動きにこだわりたいのだと語ります。

何よりも自分自身が観たいから描きたいし、それが自分を救うことになる。そして、同じようなこだわりを持った人にだけ伝わればいい。

自分を含めたそんな人たちのために、水崎氏は日々「動き」を追求し続けるのです。

並々ならぬ情熱が感じられる水崎氏の言葉は、熱く心を揺さぶります。

浅草みどり「まだまだ改善の余地ばかりだ。」(原作3巻・第23話/アニメ第12話)

これまでで最も規模の大きなアニメを作り上げ、自主制作物展示即売会「コメットA」での映像ディスク販売も大盛況のうちに終了しました。

その後、映像研の3人は浅草氏の自宅に集まり、自分たちの制作したアニメを鑑賞。自分たちがこれを作ったのかと感慨にひたります。

1つの作品を作り上げたことに満足げな表情を見せながらも、作品づくりへの飽くなき探求心を持つのが浅草氏。

ここで、彼女の口からこの言葉が飛び出しました。

「まだまだ改善の余地ばかりだ。」
(引用元:原作3巻・第23話)

創作活動を続ける中で、作品が真の意味で完成することはありません。

意欲を燃やす浅草氏の言葉は、これからもアニメを作り続ける決意表明のようでもありました。

『映像研には手を出すな!』シンプルながら核心をついた名言4選!

ここからは、本作のシンプルながら核心をついた名言を4つ紹介します。

金森さやか「仕事に責任を持つために、金を受け取るんだ!」(原作2巻・第8話/アニメ第5話)

普段からお金を生み出すことに強い関心を持つ金森氏。そんな金森氏が放った身に染みる言葉を紹介します。

文化祭に向けて、ロボ研からロボットアニメを作る依頼を受けた映像研。金森氏はアニメ制作の対価として、ロボ研からお金を受け取る算段をつけていました。

その話に納得がいかない浅草氏に対して、金森氏は仕事でお金を受け取る理由と正当性について語ります。

浅草氏と水崎氏は、自分たちの理想を追求するために作品づくりをする立場。そのため、お金を貰わなくても好きなように作品を作れればいいと考えています。

一方で、金森氏は常に現実を見て物事を判断している点で好対照です。

金森氏の言うように、お金を受け取る側には仕事の品質を保証する義務が生まれます。プレッシャーは感じるかもしれませんが、お金の存在は責任ある仕事に繋がるのです。

仕事をする際に日頃から意識しておきたい考え方であり、現実をしっかりと見据える金森氏のカッコよさには痺れます。

金森さやか「世間に作品を認めてもらうには明るいところに行くべきなんですよ。」(原作2巻・第9話/アニメ第5話)

ロボットアニメ制作のためのロケハンで、高校内にある地下空間にやって来た映像研の3人。

MEMO

説得力とリアリティを追求するために、アニメ作品でも実際にロケハンは行われます。

ここで金森氏の口から、文化祭の主役はロボットであり、映像研は最も注目の集まる場所でアニメを披露するのだと明かされます。

いきなりの大舞台で不安がる浅草氏に対して、金森氏の語ったのが上記の名言です。

好きで作品を作るのは、心から楽しいもの。しかし、一部の人の目に触れるだけでは、作品が日の目を見ることは中々難しいでしょう。

だからこそ金森氏の語るように、作品を認めてもらうためには、可能な限り多くの人に見てもらえる場所に出る必要があるのです。

藤本先生「いい仕事は、いい遊びからよ。遊べ、若人よ。」(原作3巻・第16話/アニメ第11話)

ともすると「遊び」は無駄だと捉えられがちですが、そんなことはありません。遊びについて金森氏に助言する映像研顧問・藤本先生の言葉を紹介します。

口を開けば仕事をしろと叫ぶ金森氏と対照的に、仕事には遊びが必要だと話す藤本先生。

ずっと仕事に集中し続けることが、いい結果に繋がるとは限りません。

実際、机に向かって作業をしているだけでは、新たな刺激を得ることは難しいもの。中でも浅草氏の場合、興味の赴くままに遊ぶことが想像力を刺激し、新たな制作に繋がることが多々ありました。

効率を求めることも大切ですが、遊びは可能性を広げ、結果として仕事にも相乗効果をもたらしてくれます。

金森さやか「誰も知らねえ店に、客が来るわきゃないんだ。」(原作3巻・第21話/アニメ第9話)

浅草氏と水崎氏に向かって、宣伝がいかに重要かを説く金森氏の名言を紹介します。

子供時代から、自分でお金を稼ぐことに興味を持つ金森氏は、過去に親戚が経営する酒屋の手伝いをしていました。

金森氏が色々なアイディアを実践して奮闘するも時すでに遅く。経営の傾いていた酒屋は廃業することになります。

酒屋がうまくいかなかった原因は、存在がほとんど知られていないことにありました。

このことは映像研にも当てはまるもので、どれだけ凄い作品を作ったとしても、知ってもらえないことには何も始まりません。

金森氏が「明るいところに行くべき」だと語っていたのも、子供の頃の苦い経験が大きく影響していたものと考えられます。

だからこそ、自分たちから宣伝をして存在を知ってもらうことに、金森氏は心血を注ぐのです。

『映像研には手を出すな!』心を揺さぶる名シーン4選!

ここからは、本作の中から心を揺さぶる名シーンを4つ紹介します。

浅草みどりと水崎ツバメが初めて合作するシーン(原作1巻・第1話/アニメ第1話)

アニ研の見学で出会った浅草・金森・水崎の3人。

設定画を描く浅草氏と人物を描く水崎氏の2人は、自分たちの今まで描いてきた作品で合作をすることに。

お互いの絵を重ね合わせた瞬間、そこには1人では実現できない新たな世界が広がっていました。

どんどん合作が楽しくなってきた浅草氏は、自身が「設定」にこだわる理由を熱く語り始めます。

「私の考えた最強の世界。それを描くために私は絵を描いているので設定が命なんです。」
(引用元:『映像研には手を出すな!』原作1巻・第1話)

設定は作品のリアリティを高め、魅力的な世界観の構築に繋がる重要な部分です。

水崎氏は浅草氏の熱いこだわりに共鳴。

2人の合作はさらに想像の翼を広げ、一瞬ではありましたが「最強の世界」を垣間見ることになります。

金森さやかが浅草みどりに発破をかけるシーン (原作2巻・第12話/アニメ第6話)

ロボ研から依頼されたロボットアニメ制作に向けて奮闘する映像研の3人。そんな中、浅草氏は作品の肝となるロボットの設定に納得がいかず、周囲から非難されることへの不安を感じていました。

ここで、浅草氏自身がダメだと思うから、この作品はダメなのだと語る金森氏。続けて、浅草氏のクリエイター魂に火をつける言葉を金森氏は口にします。

「あんたがこのロボットに満足できないなら、「更に好き勝手描く」以外の選択肢はないんすよ!」
(引用元:『映像研には手を出すな!』2巻・第12話)

周囲からの評価を気にして行動できないことは、誰にでもあるもの。

しかし、誰に何と言われようとも、最終的に自分を満足させられるのは自分自身なのだと実感させられるシーンです。

覚悟を決めた浅草氏は、自分が心から満足できるロボットの設定画を完成させます。

水崎ツバメの表現者としてのこだわりが両親に伝わるシーン(原作2巻・第15話/アニメ第8話)

文化祭当日。映像研が制作してきたロボットアニメを披露する時が迫ります。会場には、水崎氏の両親の姿もありました。

そして、満員の観客の前で壇上に立った水崎氏が一言。

「気合い、入ってます。」
(引用元:『映像研には手を出すな!』2巻・第15話)

水崎氏の想いが詰まった言葉を聞くや否や、浅草氏は独自のタイミングでアニメ上映をスタート。
スクリーンいっぱいに、大迫力のロボットと怪獣の攻防が繰り広げられていきます。

わかる人にだけ伝わればいいと考え、水崎氏がこだわり抜いた「動き」の表現。
そのこだわりに気づいたのは、プロの役者であり、アニメ制作に反対していた水崎氏の両親でした。

この作品を通して、水崎氏は両親と和解。

加えて「いい演技だった」と言ってもらえたことは、アニメーターを「役者」だと考える水崎氏にとって、どれほど嬉しかったことでしょう。

水崎氏の想いが作品を通して伝わった、胸が熱くなること必至の名シーンです。
原作漫画はもちろん、是非アニメでも見ていただくことをオススメします。

浅草みどりが水崎ツバメの両親の問いかけに答えるシーン(原作2巻・第15話/アニメ第8話)

ロボットアニメの上映後、水崎氏の両親と顔を合わせた映像研の3人。彼女たちの関係性を尋ねる水崎氏の両親に対して、友達ではなく「仲間」だと浅草氏は答えます。

浅草氏の言葉は一見冷たく寂しい印象を受けるかもしれません。

しかし、「アニメ制作」という共通の目的を持つ3人は、強い信頼関係で結ばれています。

映像研の3人は自分たちの役割を最大限に全うし、作品を作り上げてきました。それぞれに実力を認め合っているからこそ、どれだけ辛い状況にも立ち向かうことができたのでしょう。

くっつきすぎず、離れすぎない理想の距離感。程よい3人の関係性には憧れますね。

まとめ

本作は創作意欲が刺激される作品です。この作品に触れる前と後では、アニメに対する印象がきっと変わるはず。

テレビアニメ版では追加エピソードが自然な形で挿入されるので、原作漫画を読んでいても新鮮な驚きが得られます。

この記事が『映像研には手を出すな!』の世界に触れるきっかけになれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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