TVアニメ『逃げ上手の若君』OP・ED主題歌一覧

TVアニメ『逃げ上手の若君』OP・ED主題歌一覧

“潔く死ぬことが美徳”とされてきた鎌倉幕府末期。平和を好み、逃げて生き残り英雄となった歴史上の人物、北条時行を主人公にした歴史物語『逃げ上手の若君』

『暗殺教室』で有名な松井優征による5年ぶりの漫画で、2024年7月から待望のTVアニメが放送を開始しました。逃げてでも生きろ、戦国も令和も苦しみは絶えない時代。

軽快なロックと和風ダンスミュージックで、現代を生きる人の背中を押してくれるОP・EDテーマ曲を紹介します。

TVアニメ『逃げ上手の若君』

概要


代表作に『暗殺教室』が挙げられる松井優征の漫画『逃げ上手の若君』が原作のTVアニメ。原作者の松井はこれまで物語の主人公に選ばれてきていなかった歴史上の人物、北条時行にスポットを当て、史実をもとに彼の生涯を生き生きと描いています。鎌倉幕府最後の激動の時代を逃げて生き残ることで英雄となった時行の生き残りをかけた歴史スペクタクル物語です。

監督は『ワンダーエッグ・プライオリティ』で副監督を務めた山﨑雄太、アニメーション制作は『ぼっち・ざ・ろっく!』 などを手掛けたCloverWorks、シリーズ構成は『その着せ替え人形は恋をする』の冨田頼子、キャラクターデザインは『劇場版ポケットモンスター ココ』で総作画監督を務めた西谷泰史と、話題作に携わってきたスタッフ陣が集結しています。登場人物たちの美しい表情、鬼気迫る合戦など、迫力ある作画が見るものを圧倒しています。

MEMO

2021年から週刊少年ジャンプ(集英社)で連載中で、2024年7月時点で、累計発行部数は300万部を突破。「第69回小学館漫画賞」も受賞しています。

あらすじ


1333年の鎌倉時代、鎌倉幕府の後継として生きるはずだった少年・北条時行が主人公。時行は日頃から逃げることが得意で、家臣たちを手こずらせることは日常茶飯事。信頼していた御家人の足利尊氏の突然の謀反により8歳にして家族も地位も失います。しかし、“逃げ”の才能を信濃国の神官である諏訪頼重に見込まれ、逃げることで生き残り、最大の敵となる尊氏に立ち向かい天下一逃げ上手な少年武将となります。〈賽は投げられた〉という言葉で始まる命がけの鬼ごっこです。


北条時行(結川あさき)、雫(矢野妃菜喜)、弧次郎(日野まり)、亜也子(鈴代紗弓)、風間玄蕃(悠木碧)、 吹雪(戸谷菊之介)、諏訪頼重(中村悠一)、足利尊氏(小西克幸)。
✳( )内は声優名。

TVアニメ『逃げ上手の若君』OP・ED

OP:「プランA」DISH//


OPテーマは、俳優でも活躍する北村匠海がボーカルを務める4人組ロックバンドDISH//が起用されました。和楽器をふんだんに取り入れて、和洋の音が駆け巡るテンポのよいロックサウンドです。サビでは合戦を知らせる法螺貝が鳴り、お祭りのように随所に合いの手を入れて、ライブでは盛り上がること間違いなしの1曲。


北村匠海(Vo/Gt)は「“逃げる”選択肢がカッコいい瞬間だってあるし、正当なこともある」と、本作を読んで受け取ったメッセージを歌詞に綴っています。〈善悪じゃなくて正義同士〉というフレーズは、戦う選択も逃げる選択も間違いではない、“逃げることは負けではない”と、それぞれの立場による生き方や正義を肯定しています。混沌とした現代社会で自分を責め追い詰める人たちに向けて、〈生きなきゃダメだろ〉と、軽やかなロックにのせて、真剣な想いが伝わってきます。


MV映像は、北村が主演を務めた映画『スクロール』の清水康彦監督が率いるチームが制作しています。スーツでバッチリ正装をしたDISH//の4人からは、武士が戦に立ち向かうように、〈逃げる=戦〉という意志の強さを感じ、賑やかな阿波踊りが「逃げるのは弱いことだ」と刷り込まれた概念を軽快に取っ払っています。

ED:「鎌倉STYLE」ぼっちぼろまる


EDテーマは、“ぼっち星からやってきてミュージシャン活動を行う地球外生命体”のシンガーソングライターぼっちぼろまるが抜擢されました。自身も原作者と本作品の連載時からのファンで、登場人物たちの強さに思いを馳せながら描き下ろしています。


和風・ポップ・ロック・ラップのジャンルがバランスよくミックスされて、どの世代でも聴きやすくてリズムにノリやすい楽曲です。特に、小鼓や神楽鈴など和楽器も効果的に響いて和風感をアップし、小鼓がポンッと鳴ると、日本人の遺伝子レベルで自然と心がワッと躍ります。


歌詞は、鎌倉時代の人々が宴でラップを披露するならどのような感じだろうかと想像を膨らませて制作されています。〈南北朝から令和まで〉と時代を並べ、〈和歌集/随筆/直垂〉など当時の流行りや文化を取り入れているのも学びポイント。一方、〈争いごとは絶えないし/悲しいニュースも尽きないし〉と、いつの時代も苦しいことは絶えることはない現実を突きつけています。しかし、その中で楽しさを見つけて命を繋いできた先祖たちのたくましさを歌詞全体で感じさせています。

MEMO



ロックから世界の民族音楽を盛り込んだ曲まで多彩に創作しているぼっちぼろまる。2023年10月にはyama × ぼっちぼろまるとしてTVアニメ『ポケットモンスター』のOPテーマ『ハロ』や、2024年7月放送のTVアニメ『負けヒロインが多すぎる!』のOPテーマ「つよがるガール feat. もっさ(ネクライトーキー)」も担当しています。地球人たちが侵略されつつあるぼっちぼろまるの音楽から今後も目が離せません。

TVアニメ『逃げ上手の若君』まとめ


ジャンプチャンネルでは、『暗殺教室』10周年を記念し、本作品とコラボした動画や、歴史学者たちによる解説動画を配信しています。幕府や武士道など中世の日本史、作中の登場人物たちの描かれ方は史実に沿っているのかなど、ワクワクと歴史を深掘りできる内容です。


戦国のヘビーな物語を、軽快なロックと和風ダンスミュージックでサンドした『逃げ上手の若君』のOP・EDテーマ。本編を見終わった後には、今週末は神社仏閣、聖地巡りに鎌倉に遊びに行ってみようかな、と日本の歴史と文化を深く知るきっかけにも一役買っています。

“潔く死ぬことが美徳”とされてきた時代を経て、令和を生きている私たち。楽しいことを見つけて逃げてもいいから生きて、バトンを未来へ繋いでいく順番が巡ってきています。

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