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アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』挿入歌
Violet Snow / 結城アイラ
結城アイラの歌う「Violet Snow」は、TVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の放送告知PVで流れるイメージソングとして、あるいは最終回にあたる第13話の挿入歌として使用されました。
従軍中、言葉や感情を失うほど厳しい環境に置かれていたヴァイオレットの心を、優しく照らすようなメッセージが随所にちりばめられた歌詞が非常に印象的で、最終回を見届けてから聴くと、楽曲から受け取る感動がより強くなります。
なお、この楽曲は結城アイラの歌唱による日本語版のみならず、ケイト・ヒギンズが歌う英語版、ミシェル・ミチナが歌うフランス語版など、実に5カ国語で歌唱された別バージョンが存在します。
The Songstress Aria / TRUE
「The Songstress Aria」は、アニメ本編ではなく、Blu-ray&DVDの4巻に収録されている「Extra Episode」にて使用された楽曲です。
具体的には、Extra Episodeに登場するオペラ歌手のイルマが歌唱するという設定で使用された挿入歌です。「The Songstress Aria」については、イルマを演じた声優の日笠陽子ではなくアーティストのTRUEが歌唱を担当しています。
楽曲を実際に聴いてみると、迫力のある歌唱には息をのむばかりですが、この楽曲を担当するまでTRUEにはオペラの歌唱経験がなかったそうで、高音域の発声にはとりわけ苦労したというエピソードが残っています。
それでも、まるで本物のオペラ歌手が魂を込めて歌い上げたように聞こえるので、彼女の努力や歌唱力にはひたすら驚かされます。
歌唱シーンのアニメーションを制作する際、TRUEの動きや発声のタイミングなどを参考にしながら演出したということもあり、より一層臨場感のある映像に仕上がっています。
Letter / TRUE
Blu-ray&DVDの4巻に収録されている「Extra Episode」では、すでに紹介した「The Songstress Aria」と併せてもう一曲、挿入歌として用意された楽曲があります。
ストーリーの詳細なネタバレは避けますが、とある事情から、これまで経験してきた手紙の代筆ではなく、「歌詞を書く」という必要に駆られたヴァイオレット。すなわち、「Letter」の歌詞にはヴァイオレット自身の心境が少なからず反映されている必要があるため、唐沢美帆名義で作詞を担当したTRUEも、できる限りヴァイオレットの気持ちに寄り添って歌詞を紡ぐように心掛けたそうです。
架空のキャラクターになりきって楽曲の歌詞を紡ぐというのは、通常であれば並大抵のことではないかもしれませんが、作品に対する熱い思い入れを遺憾なく表現するかのように、「するすると言葉が出てきた」というTRUEの言葉は頼もしい限り。
彼女の言葉に偽りはなく、世界観に寄り添った言葉を選び抜いているように感じます。
劇場版『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』主題歌・挿入歌
エイミー / 茅原実里
声優・アーティストの茅原実里が作詞と歌唱を担当した「エイミー」は、劇場公開されたヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝『永遠と自動手記人形』の主題歌です。
ストーリーの中で非常に重要な意味を持つワンシーンをイメージしながら、メロディーと歌詞が制作されているため、本編を視聴する前にPVで楽曲を聴いた場合と、本編の鑑賞後に作品の世界をイメージしながら聴く場合では、受け取る印象が少し異なるかもしれません。
特に楽曲のタイトルにもある「エイミー」という言葉には非常に重要なニュアンスが込められているため、ぜひ、映画の鑑賞後にじっくり耳を傾けることをおすすめします。
WILL / TRUE
TRUEが歌唱と作詞を担当した「WILL」は、劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンの主題歌として使用されました。
タイトルの「WILL」には「意志」というニュアンスが込められており、スケールの大きな劇場版にふさわしい壮大なメロディーが、観客の胸を打ちます。
曲調は壮大ですが、歌詞は比較的シンプルで、スケールの大きな楽曲だからこそ歌詞は純粋なものにしたかったという制作サイドの狙いが表われています。
なお、シングルカットされたバージョンと劇中歌として使用されたバージョンには、実は少しだけ違いがあります。どこがどのように異なるのか、映画の鑑賞後に聴き比べてみるのも興味深いかもしれません。
未来のひとへ 〜Orchestra ver.〜 / TRUE
TRUEが歌唱と作詞を担当した「未来のひとへ」は、もともと「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という作品そのものを表現したイメージソングとして制作され、2018年発売の「VIOLET EVERGARDEN VOCAL ALBUM Song letters」に収録されたものです。
この楽曲を「〜Orchestra ver.〜」としてアレンジしたものが、劇場版『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のED主題歌として使用されました。
実際に楽曲を聴いてみると、時代が変わっても、想いを伝える言葉を大事にしてほしいという制作サイドの温かいメッセージが、未来を生きることになる人々に向けて発信されているような印象を受けます。
作中のヴァイオレットと同じように、優しく温かい気持ちにさせてくれる素敵な楽曲です。
アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』まとめ
誰かを愛するかけがえのない気持ちを、幻想的で美しい風景と人物の描写、そしてまっすぐな心理描写を組み合わせて描いた感動的なアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。同作の魅力を語る上で避けては通れない主題歌や挿入歌について紹介してきました。
普遍的でありながら、表現が非常に難しいテーマと真摯に向き合ったこの作品は、感動的なフィナーレをその目で確認した後に、頬を伝う涙を拭ってもう一回、さらにもう一回と、何度でも繰り返し観たくなるような、年齢や性別を問わず多くの人を惹きつける大きな力があります。
アニメ版は世界各国で高い評価を受け、原作小説も2022年11月時点で、シリーズ累計発行部数が70万部を突破しています。
もし、まだシリーズに触れたことがない方は、ヴァイオレットが「愛」を探す心の旅路を、素敵な楽曲とともにたどってみてください。