TVアニメ『メダリスト』 OP・ED主題歌一覧

TVアニメ『メダリスト』 OP・ED主題歌一覧

スケーターとして挫折した青年司と、スケートの世界に憧れを抱き続ける小学5年生の少女いのりがタッグを組みフィギュアスケートでオリンピックを目指す物語が原作のTVアニメ『メダリスト』

華麗に氷上を舞う日本のフィギュアスケーターたちの努力や周囲の反応をリアルに描き注目されているスポーツ漫画が、2025年1月からTVアニメの放送を開始しました。本記事では、夢に向かって突き進む人を温かく見守るOP・EDテーマを紹介します。

TVアニメ『メダリスト』

概要


「月刊アフタヌーン」(講談社)で2020年から連載中のつるまいかだの漫画家デビュー作が原作のTVアニメ『メダリスト』。スケーターとして挫折した青年司と、親に反対されながらもスケートの世界に憧れを抱く小学5年生の少女いのりがタッグを組み、オリンピックで金メダルを目指すというフィギュアスケートの世界を舞台にしたスポーツ物語です。

2025年1月から待望のTVアニメが放送を開始。TVアニメのOPテーマを担当した米津玄師、ミュージシャンのキタニタツヤなど業界人も絶賛している話題作です。


愛知県出身のつるまいかだが、地元を応援したいと本作品の舞台を名古屋に選び、「選手たちがどんな過程を経て、技術を会得する段階を踏んでいくのか知りたい人は多くいるだろう」という思いで制作をスタート。自身はスケート未経験のためフィギュア教室に通い、原作漫画はアイスダンスで全日本選手権に出場した高橋裕美が監修しています。

お金も時間もかかり、小学校低学年前(5歳)までに始めなければオリンピックへの出場は難しい厳しいフィギュアスケートの世界を、コミカルなシーンを織り交ぜながら、技名やフォーム、競技ルールなど、初心者にも分かりやすく解説して描いています。

MEMO

原作者は2018年『鳴きヤミ』で即日新人賞「in COMITIA123」優秀賞を受賞し、本作では、「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門1位、第68回(2022年度)「小学館漫画賞」一般向け部門などを受賞し、漫画家デビュー作にして快挙を達成。

TVアニメ化に合わせ、2025年1月から江坂純による小説(講談社KK文庫)も刊行中で、2025年2月時点でコミックスは12巻まで発行。電子書籍で読んでいたファンからは「やっぱり紙でコミックスを集めたい」という声も多く、発行部数は伸び続けています。

監督はアニメ『侵略⁉︎イカ娘』の監督を務めた山本靖貴、シリーズ構成・脚本は数々の話題作に携わってきた花⽥⼗輝が担当し、『おでかけ子ザメ』などCGを駆使したデジタルアニメーション映像に定評のあるENGIが制作。さらに、作品は実在の選手を参考にしていませんが、本編のフィギュアスケート振付は元オリンピック日本代表でメダリストの鈴木明子が担当したこともビッグニュースになりました。


選手時代、自分は不安で自信もなかったと語る鈴木は「個々のスケーターたちがどんな表情と思いで滑るのだろう」と想像し、登場人物たちを自分に下ろすイメージで振り付けに取り組んでいます。「意図的に転ぶことは怖かった」と語るものの、演技と思えない転倒シーンに撮影現場で感嘆の声がもれたことは言うまでもありません。

デジタルとアナログの技術、制作陣の情熱が結託し、指先まで美しい映像が完成。演技中に削られた氷の欠片が煌めいたり、スケート靴の刃が目の前を横切ったりと迫力満点です。

あらすじ


物語は、実際に数々の名スケーターを輩出している愛知県名古屋市のスポーツセンターが舞台です。

メインの登場人物は、14歳の時にフィギュアスケートと出会って全日本選手権に出場経験者である明浦路司(あけうらじつかさ)と、親に反対されながらもスケートの世界に憧れを抱く小学5年生の少女結束(ゆいつか)いのり

アイスショーの試験に落ち続けている司は、かつてのアイスダンスのパートナー高峰瞳から彼女が主催するスケートクラブのコーチをしないかと相談されます。乗り気ではなかったものの、そこで母親にフィギュアスケートを諦めさせるために連れて来られたいのりと出会います。彼女のスケートに対する情熱に心を打たれた司。転ぶのを怖がらない度胸と高い身体能力に才能を見いだして、コーチとして二人三脚でオリンピックを目指し挑戦を始めます。

MEMO

本作品は、指導者が舵を取る“スポーツ根性もの”ではなく、令和の時代を反映し、コーチの司がいのりの意思を尊重して対等な師弟関係を築いていることも特徴。

大人の顔色をうかがって自分の気持ちを伝えられない子供の目線や、子供が傷つかないようにとつい過保護になってしまう親心など、視聴者はどの立場に立っても共感点が多々あります。


結束いのり(春瀬なつみ)、明浦路司(大塚剛央)、狼嵜光(市ノ瀬加那)、夜鷹純(内田雄馬)、鴗鳥理凰(小市眞琴)、三家田涼佳(木野日菜)、那智鞠緒(戸田めぐみ)、大和絵馬(小岩井ことり)、蛇崩遊大(三宅貴大)など。
*( )内は声優名

TVアニメ『メダリスト』OP・ED

OP:「BOW AND ARROW」米津玄師


原作漫画のファンである米津玄師がオファーしてOPテーマを担当しました。TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』第2期第1クールのOPテーマ「ピースサイン」のような曲をという制作側から提案があり、ひたむきな子供たちの視点で作られた「ピースサイン」の延長ソングのように“支える側の視点”で表現された1曲です。

米津は「中学時代に音楽をやり始めた頃の喜びみたいなものを再び取り戻したい」という想いで、作詞・作曲・編曲まですべてを一貫して行っています。飛び交う様々な音が、光を反射するスケートリンクや希望に満ちた瞳の輝きをイメージさせて、スピード感のあるポップサウンドが心躍らせます。


歌詞の〈手を放す〉は、タイトル「BOW AND ARROW(直訳:弓と矢)」に繋がるとともに“教師と生徒・親と子(庇護する側とされる側)”の関係性とも重なっています。「私は私、成功は自分で勝ち取り、失敗も自分で選んだもの」と庇護される側が思える環境や、庇護する側が彼らを快く手放すことの重要性という深い意味も含まれています。

冒頭から、水が流れるように言葉の数々が心地よく続き、〈行け 行け〉と加速してサビへと突入。この流れに、米津は「弓を構えて矢を引っ張る緊張状態からの解放感を表現し、サビの〈きっとこの時を感じる為に生まれてきたんだ〉〈きっと君の眩しさに誰もが気づくだろう〉のフレーズに焦点を当てた」とコメント。一瞬止まる音は瞬発力があり、自己を確立した輝きを際立たせています。

米津自身が描き下ろした本曲のジャケットだけでなく、「フィギュアスケートのショートプログラム演技時間(最小2分30秒~最大2分50秒)に合わせたのでは?」と曲の長さもファンの中では話題に。作品への愛情と“庇護する側”として見守る温かな眼差しが伝わる楽曲です。

MEMO

2025年1月27日にYouTubeで配信されたフル楽曲は2週間で540万回再生を突破。iTunesトップソング(2025年2月11日付)では、米津が歌う劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』の主題歌「Plazma」が1位、本曲は2位にランクインして上位を独占。今後も各方面でのチャートからも目が離せません。

ED:「アタシのドレス」ねぐせ。


EDテーマは、名古屋で結成し、リアルな感情を歌う恋愛ソングで人気の4ピースロックバンドねぐせ。が抜擢されました。2025年8月に結成5周年を迎える彼らにとっての初アニメタイアップ曲です。

「力強くも心踊るサウンド、高揚感のあるメロディ、夢を目指す人への強いメッセージを込めたリリック」が本曲の魅力とコメント。りょたち(Vo・Gt)の中性的な歌声が弾み、1番と2番でニュアンスを変化させて元気いっぱいに振り切ったキャッチーなサウンドの楽曲です。


司といのりの師弟関係とリンクさせたハイテンションな歌詞からは、応援してくれる人達の期待を背負い、自分が1番輝く瞬間を迎えて挑むドキドキ感を感じさせます。特に、冒頭の〈パジャマな心のアタシの / 着るドレスは世界で1番だ〉のフレーズには、スケートに限らず、保護者が子供のために繕ってくれた発表会の一張羅を想像させ、胸が熱くなります。

本曲はライブを想定して作られた曲でもあり、サビでは〈JUMP!JUMP!JUMP!〉などの合いの手も満載。2025年3月から6月にかけて開催される初のホールツアーでも盛り上がることは間違いないでしょう。

MEMO

MV映像には、SUPER BEAVERやSHISHAMOのMVにも出演した女優の西田圭李が登場。素顔からメイクとドレスで大変身してファッションショーのランウェイを歩くという物語性のある作品に。メンバーもとびきりの笑顔をふりまいて出演し、彼らのファンクラブ会員もエキストラとして参加しています。出演者全員にとって記念すべき1曲となりました。

TVアニメ『メダリスト』まとめ


2025年7月27日にパシフィコ横浜にて開催される「『メダリスト』スペシャルエキシビジョン2025」には、いのり役の春瀬なつみ、司役の大塚剛央ら豪華声優陣が出演予定。さらに、名古屋スポーツセンターなど作中に関連する場所をファンが巡礼していたりと、今後もイベントや現地は盛り上がりを見せることでしょう。

司の「転んだって、平気な顔して立ち上がればいい」や、光の「氷に乗れない人の言葉なんて信じなくていいよ!」など名言が連発し、「何かを初めて成し遂げるには遅いことはない」と勇気を与えてくれる『メダリスト』。米津の「全人類読め」、キタニの「1話で全てわかるから」という発言にも大納得の作品です。

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