劇場版アニメ『ルックバック』 見どころや視聴方法を徹底解説

劇場版アニメ『ルックバック』 見どころや視聴方法を徹底解説

2024年11月8日より、Amazon Prime Videoで世界独占配信される劇場版アニメ『ルックバック』をご存知でしょうか?

同作は大ヒット漫画『チェンソーマン』の作者・藤本タツキが手がけた143ページにわたる読切漫画をアニメーション映画化した作品。

物語では「絵を描く」という共通項を持つ2人の少女が出会い、ひたむきに漫画と向き合いながら成長していく姿が描かれます。

映画は内容の素晴らしさはさることながら、驚異的な再現度の高さも話題を呼び、ロングランヒットを記録。

本記事では、そんな劇場版アニメ『ルックバック』の見どころや視聴方法など、様々な情報について紹介していきます。

※以下には一部作品のネタバレを含みます。

劇場版アニメ『ルックバック』とは?

概要

劇場版アニメ『ルックバック』は、藤本タツキの同名長編読切漫画を原作とした中編アニメーション映画。

原作漫画は、藤本が漫画『チェンソーマン』第一部の連載を終え、第二部の連載開始が待ち望まれる中、マンガアプリ「少年ジャンプ+」に掲載されました。

その内容は大きな話題を呼び、創作活動に携わるクリエイターの間でも大きな注目を集めます。

同漫画の公開が始まった2021年7月19日には、1日だけで閲覧数250万を突破し、同アプリ史上初の記録を樹立

「このマンガがすごい!2022」ではオトコ編の第1位を獲得しています。

そして、2024年6月28日に劇場版アニメの公開が始まると、119館という小規模での上映にもかかわらず、公開から3日間の興行収入ランキングで1位を達成

原作ファンをはじめ映画を観た人々からの口コミに後押しされるように、上映館数も広がりを見せ、2024年8月18日には総動員数100万人を突破しました。

2024年10月7日時点で、総動員数117万人、興行収入20億円を突破。公開から時間を経てもなお客足は衰えず、今なお劇場での公開が継続中です。

MEMO

2024年7月31日からは全世界での公開がスタートし、世界20以上の国と地域で本作の上映が行われています。

あらすじ

学年新聞に掲載している4コマ漫画がクラスで絶賛され、自分の才能を信じてやまない小学4年生の少女・藤野

一方、同い年で家にひきこもりながら漫画をひたすら描き続けていた京本

漫画では同学年の誰にも負けない自信を持っていた藤野は、ある日学年新聞に掲載された京本の4コマ漫画の絵の上手さに衝撃を受け、努力するも挫折を経験します。

後に顔を合わせた2人は意気投合し、互いの才能を認め合いながら、ひたむきに漫画制作へと青春の全てを捧げることになるのでした。

劇場版アニメ『ルックバック』の見どころ

何度も繰り返し観たくなるほどの魅力を持つ『ルックバック』。ここからはそんな本作の見どころを3つ紹介していきます。

作り手はもちろん多くの人の心を揺さぶる物語

本作で描かれるのは、協力しながら、懸命に漫画に向き合い続ける藤野と京本の姿。

2人の姿は、同じように創作活動に取り組む作り手だけでなく、老若男女問わず多くの人の心を揺さぶるものがあります。

もっと上手くなりたくて努力するも、思うようにいかなかったり、自分よりすごい人に出会って挫折したり。かと思えば、何気ない一言でまた立ち上がることもある。

多かれ少なかれ、誰しも同じ経験をしたことがあるかもしれません。

絵と格闘し続ける登場人物の背中に、観客は自分自身を重ね合わせ、どうしようもなく感情移入してしまうのです。

また、取り組んでいる事柄に対して、時には自分の無力さを感じることもあるでしょう。

それでもやるべきことに向き合う姿が本作には描かれており、共感する方も多いのではないでしょうか。

憧れ、嫉妬、喜び、悲しさなど、人間が抱く様々な感情を呼び起こし、観終わった後には自分もまた頑張ろうと思わせてくれる力が、この物語には確かにあります。

原作を凄まじい熱量で再現したアニメーション

何と言っても原作の絵がそのまま動いているかのような、凄まじい熱量で再現されたアニメーションは、本作の大きな見どころです。

原作に忠実に制作されており、アニメオリジナル要素についても、原作を補完するような内容が追加。

自ら脚本やキャラクターデザインなど多くの作業を担う監督の押山清高は、本作が「絵描きへの賛歌」になってほしいとインタビューで語っており、制作においては並々ならぬこだわりが見て取れます。

例えば「原動画」という肩書きのスタッフが、本作には存在しています。

通常は原画の線が均一に整えられるところ、本作ではそうせずアニメーターが原画で描いた線をそのまま使うことで、描き手の熱量を画面へと反映させているのです。

また、制作スタッフには、40年以上にわたり第一線で活躍するベテランアニメーター・井上俊之も参加。

冒頭で背景が動いていき、藤野の部屋にカメラが降りていく場面があるのですが、井上はこの場面をCGではなく手描きで全て描くという、驚くべき仕事をやり遂げています。

そして、天才アニメーターとしても知られる押山は、一目を置いていた京本から才能を賞賛された藤野が、雨の中で喜びを爆発させながらスキップする場面を担当。

この場面で押山は195枚もの原画を1人で描いており、その結果、映画を観た誰もが絶賛する名シーンが生まれました。

細部に至るまで気配りが行き届いたこだわりは、手描きアニメーションの良さを再認識させ、本作の圧倒的な映像美を実現しています。

キャラクターと一体化した主演声優2人の芝居

生き生きと動くキャラクターに命を吹き込むのが声優陣です。

藤野役に河合優実、京本役には吉田美月喜という、共に注目の若手俳優かつ声優初挑戦の2人が起用されました。

彼女たちの芝居は、キャラクター自身が声を出しているとしか思えない自然さを獲得しており、観客からも好意的に受け止められています。

藤野を演じる際、アニメーションとして既に存在する分身に、寄り添った声を出すよう意識した河合。

台詞がない場面も多く登場する本作ですが、中でも藤野が雨の中を1人帰る場面において、息遣いなどから藤野の喜びや嬉しさが伝わる河合の芝居は圧巻です。

一方、役が決まった際に、スタッフに今の声から変えないよう言われた吉田。

彼女は初めて使う東北の方言を練習しつつも、役を作り込みすぎないよう意識し、本番ではその場で感じたものを表現しました。

MEMO

作中では、年齢を重ねるにつれて京本の方言が少しずつ標準語へと変化。これは京本の成長を意味するもので、吉田はそうした変化を見事に芝居へと落とし込んでいます。

感情や情景に寄り添う劇伴と主題歌

本作の劇伴および主題歌を手がけたのは、ローファイ・ヒップホップのルーツとされるNujabesを師に持ち、「光」をテーマに多くの美しい音楽を生み出してきたharuka nakamura

作者の藤本が同作を描いていた際に聴いていたのがnakamuraの音楽で、そこから彼が映画に携わることが決定しました。

劇伴はピアノの音色を元にした音楽が映画の感情や情景にしっかりと寄り添い、映画への没入感を高めてくれます。

そして、主題歌『Light song』もnakamuraが作編曲を手がけており、彼がこれまで大切にしてきた讃美歌や光といったテーマの楽曲となりました。

同楽曲で観客に歌声を届けたのは、nakamuraの作品に何度も参加してきたurara。彼女の透き通った歌声が心の奥底まで響き、エンドロールでは希望と光を感じられることでしょう。

MEMO

主題歌で使われている言葉には、特定の意味は付与されていないため、uraraの浄化されるような歌声そのものに身をゆだねることができます。

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