ニノミヤユイさんは、圧倒的な歌唱力とワードセンスをもち、現在もアニソン界で活躍を続けているアーティストです。
彼女の生み出す音楽は非常にクールでありながら、同時に多くの人が心に抱える「陰」の部分を生々しく表現しています。
また、二ノ宮ゆいとして声優の活動も行っており、唯一無二の演技力に惹かれるアニメファンは数知れず。元気いっぱいな少女から美術品の解説をする知的なナレーターまで、幅広い表現を自分のものにしています。
今回は、そんなニノミヤユイさんのプロフィールや経歴、代表曲の魅力などを紹介します。
目次
ニノミヤユイさんのプロフィール
無料配信ライブ、ありがとうございました!
楽しんで頂けたでしょうか?
配信といえど、見られてるんだと思うと少し緊張もしてしまいましたが、大切な曲たちを披露できて嬉しかったです。
これからもニノミヤユイをよろしくお願いします!(ユイ)
#ニノミヤユイ #ニノミヤユイ_2ndsg pic.twitter.com/PbbROxUm0n— ニノミヤユイ STAFF (@YuiNinomiyas) December 18, 2021
- アーティスト名:ニノミヤユイ
- 生年月日:2001年9月6日
- 出身地:神奈川県
- 血液型:A型
- 趣味:カラオケ・本屋巡り・リズムゲーム・朗読・歌詞の深読み
- 特技:フルート・書道・陸上競技
- 座右の銘:「思っているより人間は強い」
2018年に「二ノ宮ゆい」名義で声優デビュー
ニノミヤユイさんはアーティストデビューの2年前、声優として活動を始めました。
記念すべきデビュー作品は、2018年放送スタートの「アイカツフレンズ!」。長いツインテールの金髪が印象的で、頑張り屋のお姉さんキャラ・日向エマを演じました。
他にも、TVアニメ「ピーター・グリルと賢者の時間」のルヴェリア役、音楽バトルプロジェクト「IDOL舞SHOW」では伊佐山エリナを演じました。
いずれの作品でもキャラクターを彼女自身に憑依させて活き活きと演じており、作品の世界観を自分なりに噛み砕いて表現していく姿勢が、アーティスト活動の際にも活きていると評判です。
「アーティスト・ニノミヤユイ」として新たなステージへ
ニノミヤユイさんは、2020年1月に発売されたアルバム「愛とか感情」でLantisからアーティストデビュー。
タイトルナンバーにもなっている「愛とか感情」は、欅坂46の「サイレントマジョリティー」を手がけた2人組音楽ユニット・バグベアが楽曲提供を行いました。その他、気鋭のクリエイター達が制作に参加したこのアルバムは、10代を中心としたアニソンファンに強い衝撃をもって迎えられています。
また、2020年8月には1stシングル「つらぬいて憂鬱」を発売。声優としても参加した作品「ピーター・グリルと賢者の時間」のOP主題歌であり、心の中で複雑に混ざり合う憂鬱や挫折、自分に対する諦めなどが叫ぶように歌われる楽曲です。
デビューアルバムの時点から、ニノミヤユイさんは精力的に作詞へ携わっています。
「人から曲をいただいて、ただ歌っているだけだと自分の表現にはならない」とインタビューで語る彼女は、それだけ自分の想いを発信することに情熱を注いでいるのだと感じさせます。
心の奥に潜む「陰」を音楽で表現
ニノミヤユイさんの楽曲には、人間が誰もが一度は抱えたことがある負の感情を歌ったものが多く存在します。
彼女も自身について「落ち込みやすいネガティブな人間だ」と語っており、悩んだり苦しいと感じたりしたことを、作品の世界観と絶妙に混ぜ合わせているのが魅力です。
後ろ向きな発言や愚痴を発することがあまり良しとされない現代社会で、ニノミヤユイさんが生み出す「陰」を表現した音楽は多くの人に寄り添ってくれるのではないでしょうか。
ニノミヤユイさんのおすすめ楽曲
人間のネガティブな感情を、ある時はクールに、またある時にはポップなメロディに乗せて歌い上げるニノミヤユイさん。
そんな彼女が2021年11月にリリースした2ndシングル「Dark seeks light/散文的LIFE」は、新たな試みがふんだんに盛り込まれた初の両A面シングルです。
Dark seeks light
「Dark seeks light」は、TVアニメ「世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する」のOP主題歌。
2022年3月5日時点でYouTube内の再生回数が200万回を突破し、現在もなお多くのアニソンファンに愛されている人気曲です。
MV制作を担当したのは、イラストと実写の融合を十八番とし、国内外で高い注目を浴びている映像イラストレーター・ケイゴイノウエさん。ゆうたONEさんがデザインを行ったリリックも相まって、より中毒性の高い映像となっています。
「世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する」は、依頼人に裏切られ殺されてしまった世界一の暗殺者が、転生した異世界で人生をやり直そうと奮闘する物語です。
「Dark seeks light」ではそんな主人公の葛藤や憤り、現状を変えてやるという野心が、ダークで疾走感溢れる音楽に乗せて歌われています。
特にアニメ本編の世界観が色濃く出ている箇所について、歌詞を抜粋して紹介します。
Rightness corroded(正義は腐敗した)
Remaining regret(今も後悔が残っている)
Demolish this story!(この物語を覆せ!)
Dark seeks light(闇は光を探し求める)
このフレーズは、冒頭を含めて曲中に5回登場します。
世界最高の暗殺者は、異世界へ転生する前に「正義の力を悪用しようとしている勇者を暗殺してほしい」と女神から依頼を受けます。魔王を倒した力で、今度は自ら世界を滅ぼそうとしている勇者の独善ぶりを表現したのが「Rightness corroded(正義は腐敗した)」の部分です。
また、暗殺を生業とするトウアハーデ家の長男・ルーグに転生した主人公は、最悪な前世に打ち勝つために仲間と協力しながら戦います。
そのため、楽曲はただ単に絶望や後悔だけを表現したものにはなっていません。理不尽な運命に抗い、明るい方へ進むのだという主人公の強い意思が、歌詞やニノミヤユイさんの歌声に表れています。
続いて、2番サビの歌詞です。
きっと影が光を創るから
触れた優しさを返せるように進むから
Change the world!
Dark seeks light
「光のある場所に影が生まれる」とはよく言われますが、この楽曲では逆のことを伝えているのが大きな特徴です。
暗い感情や、理不尽な状況から生まれるものもある。闇は常に光を探し求めるものだというメッセージが、タイトルにもなっている「Dark seeks light」に込められています。
魔法や転生といった非日常的なものとは無縁の世界に生きていても、多くの人が少なからず悩みや葛藤を抱えています。そんな人々に、この楽曲は力を与えてくれるのではないでしょうか。
散文的LIFE
「散文的LIFE」は、TVアニメ「テスラノート」のEDテーマ。
キュートでどこかアンニュイな絵柄が特徴のアニメーター・eieiooooさんがアニメーションを担当しています。
アニメ本編の内容は、天才発明家と呼ばれたニコラ・テスラの遺産「テスラの欠片(ノート)」を巡って、スパイ達が戦いを繰り広げるというもの。
「散文的LIFE」では、優秀な諜報員であるヒロイン・根来牡丹が素性を隠し、普通の女子高生として日常を過ごすなかで直面する迷いや葛藤が歌われています。音楽が非常にポップでお洒落なぶん、歌詞に滲んでいる「陰」の部分が余計に際立っているのが特徴です。
特に「やる気でなーい」「働きたくなーい」といった、歌詞として表記されていないセリフが登場する間奏部分は必聴。10代特有の青っぽさや、未来が見えない不安を表現するニノミヤユイさんの演技力に驚かされること間違いなしです。
また、タイトルの「散文的LIFE」に使用されている「散文」とは、俳句や和歌などの韻律や字数に決まりのある「韻文」に対して、小説や日記に代表される普通の文章を指します。
つまりこの楽曲では、校則や周囲の価値観に縛られがちな学校生活を送るヒロインが自由気ままに、つらつらと思いの丈を吐露するさまも同時に表現されていることが分かります。
ズレてるような感覚?
“普通の定義”とかナンセンス
だけどぼっちになりたいんじゃない
空振って泣いて変わんない!
1番のAメロに登場する歌詞です。
この部分では「女の子(あるいは男の子なら)普通はこうあるべき」「友達なら普通はこうする」といった“普通の定義”に反発を覚えながら、孤立しても構わないとまでは思えない臆病さを感じさせます。
学生が毎日の大半を過ごす教室は、さまざまな個性を抱えた複数の人間がいっぺんに集まる場所です。このフレーズには、複雑な人間関係の中で上手く立ち回ろうとして空回りし、時に落ち込んでしまうヒロインの姿が投影されています。
このように、中盤まではネガティブな歌詞や後ろ向きな感情が多く綴られていますが、最後のサビでは明るい兆しも見えます。
絡まった 散文的Life
不安だって彩って
このまま傷だらけの足で走り続ける
全部抱えて生きようじゃん!
不安や悩みに負けるなと叱咤するのではなく、人間の不安定で弱い一面も肯定してくれるフレーズです。
「テスラノート」本編でも、ヒロインの牡丹は諜報員として難しい任務に挑む一方、平穏な学生生活を送るという両極端な世界を体験しています。曲の全体を通して聴いていると、2つの世界に横たわるギャップと格闘しながら前向きに進んでいく牡丹の、ひたむきで純粋な叫びが聞こえてくるようです。
お笑いコンビ・きつねと共にラジオパーソナリティーを担当
今夜のテーマは…
「オンエア100回記念でかけたい曲」
この後26時30分からOA!ニノミヤユイ と きつねの二人が様々なテーマを元にココロの奥底にある音楽を掘り起こして語り合う音楽番組、今夜で放送100回目です!
https://t.co/Q6o8keA0km#radiko #LTMD #fmyokohama #放送100回ありがとうございます pic.twitter.com/A4oIzlhgl8— Listen to my dark !! (@ltmd847) February 28, 2022
「Listen to my dark!!」は、ニノミヤユイさんとお笑いコンビ・きつねの2人がパーソナリティーを務めるラジオ番組。毎週月曜日の26時30分からFMヨコハマで放送されており、2022年2月28日に記念すべき放送100回目を迎えました。
誰しもが心の奥に抱えている葛藤や迷い、悲しみといった感情を音楽と絡めてトーク。「諦めたくないけど諦めざるを得ない時に聴く曲」「バレンタインの日にフラれた時に聴く曲」などのほろ苦いテーマから「自分が市長なら夕方5時のチャイムにしたい曲」といったユニークなものまで、さまざまなシチュエーションに合わせた音楽談義を聴くことができます。
そんな「Listen to my dark!!」で毎週リスナーを楽しませてくれている3人ですが、なんと音楽ユニットを結成して曲のリリースまで行っています。
番組内で募集した候補のうち、最終的に選ばれたユニット名は「闇ヤミYummy」。2021年3月24日にリリースされた「ミッドナイトプリズム」は、テーマソングとして番組に彩りを加えています。
真夜中にぴったりの、お洒落でグルーヴ感溢れる楽曲です。全員の歌声が絶妙に混ざり合うハモりや、きつねの2人による漫才のようなかけ合いは聴いていて楽しい気分になること間違いなし。
最後に
アーティスト活動やラジオ出演を通じ、自分の想いを世界に発信し続けているニノミヤユイさん。声の芝居も歌も全力で取り組む彼女が、今後どのような活躍を見せてくれるのか期待が高まります。