かつては、『ドリカム現象』というワードが大流行し、Every Little Thing、いきものがかり、凛として時雨など、女性1人、男性一人の音楽ユニットを誕生させるきっかけを生むほど影響力を持つ、音楽ユニット『DREAMS COME TRUE』
現在は吉田美和さん、中村正人さんの二人体制で形成されていますが、彼らの持つ音楽性は変わることなく、世代を超えて多くのファンから愛され続けていますよね。
さて、そんなドリカムですが、初期の頃だけを知るファンもいれば、2人組になってからのドリカムを知るファンもいて、まだまだドリカムの魅力を完全に知り尽くしているファンは多くないかもしれません。
そこで、本記事では、ドリカムの経歴(歴史)やメンバーのプロフィール、オススメベストソング3曲を交え、彼らの魅力を掘り下げてご紹介していきます。
目次
ドリカム現象という流行語も生み出した『ドリカム』とは?
年配の世代から若い世代まで、老若男女を問わず、世界中から高い支持を受け続けている音楽ユニット『ドリカム』。
冒頭でもお伝えした通り、『ドリカム現象』という流行語が生まれるほど、超人気音楽ユニットとして、様々な楽曲を発信し続けていますよね。
それは、かつてのメンバーだった西川隆宏さんが抜け、ヴォーカルの吉田美和さんと、ベーシストの中村正人さんの二人体制になった現在でも、変わることはありません。
さて、そんなドリカムの魅力と言えば、誰もが共感するような歌詞と、どこか幻想的な音楽が紡がれていることに尽きます。
例えば、名曲『LOVE LOVE LOVE』のようなラブソングの場合、共感できる恋愛要素の歌詞構成に対して、曲調は実にゆったりしてフワッとした印象を受けます。
このギャップ感が、聴き手へダイレクトに伝わり、一つの魅力として心を鷲づかみしていくのです。
もちろん、『決戦は金曜日』、『何度でも』のように、疾走感のある楽曲も存在しますが、そんな楽曲でさえも、ストリングスを巧みに使いこなし、どこか幻想的な一面を引き出しています。
例えば、決戦は金曜日なら、イントロ部とサビのテンポが実に独特で、テクノポップというか、当時では実に斬新で、思わず心を踊らせてしまいたくなるリズムを奏でています。
このように、テンポ・リズム、音の構成とあらゆる要素を駆使し、幻想的で聴いていて心地よく共感も出来る・・・
その全てがドリカムの魅力なのです。
少し大げさかもしれませんが、音の魔術師ともいうべき中村正人さんと、ずば抜けた歌唱力を持ち、多くの女性ファンに共感を受ける歌詞を紡げる才女・吉田美和さんの二人が揃うからこそ、今のドリカムは存在し得る…。
共感を持ちつつ、でも、どこか非現実的な幻想を抱きたいという人には、ドリカムの音楽は非常にオススメなので、ぜひ、一度聴いてみてくださいね。
ドリカムの経歴(歴史)
多くの世代から愛され続け、今旬のアーティストたちに多大な影響を与えているといっても過言ではない音楽ユニット『ドリカム』ですが、当然、彼らがいきなりスターダムにのし上がっているというわけではありません。
では、ドリカムが、どのようにして、音楽人生を歩んできたのか、彼らの経歴(歴史)を振り返ってみましょう。
結成までのドリカム
元々、ドリカムは、吉田美和さんと中村正人さんの偶然の出会いと、中村さんの吉田美和で儲けようという邪な考えがきっかけで生まれた音楽ユニットでした。
吉田さんは子供の頃から音楽好きで、高校時代には作詞・作曲も手がけていたほどの実績の持ち主。
一方、中村さんは、スタジオミュージシャンとして活動するも、なかなかウレることはなく、将来に不安を覚え、マネジャーへの転職を考えていたことも…。
そんな二人が、たまたま、吉田美和さんのアルバイト先で出会い、同じ地下鉄に乗るようになったことで、急接近するように…。
中村さんから、吉田さんに、「美和ちゃん、曲なんか作っちゃうの?」と軽く質問されると、吉田さんは、「はい、100曲位作っています」と即答。
しかし、デモテープまでは作っていないと伝えると、中村さんから、「デモテープ作ってないと、レコード会社も通用しないよ」とダメ出しされてしまいます。
そのダメ出しにイラッとした吉田さんは、「だったら、今、歌います」と、既に完成されていた『うれしはずかし朝帰り』と『週に1度の恋人』の2曲を披露!
その2曲を聴いて、中村さんは、「吉田美和に賭けてみよう」、「吉田美和で儲かるかもしれない」と考え、彼女のための個人事務所を作ろうと奔走します。
しかし、いくらでもテープを作ったり、中村さんの貯金をはたいてライブ活動を開催しても全く反応は得られず、「今時女性シンガーなんて…」と、レコード会社にも相手にされず…。
この事態を機に、中村さんの心が折れかけてしまい、芸能事務所のマネジャーになろうと真剣に考え始めてしまいます。
しかし、そんな中村さんの心を止めたのが、他ならぬ吉田美和さんでした。
彼女は、中村さんに、「それだけは駄目!だったら、バンドを組もう」とし、当時、彼女の音楽仲間だった西川隆宏を誘い、ドリカムを結成させたのです。
グループ結成からメジャーデビューまでのドリカム
ドリカムを結成後、最後の賭けとしてデモテープを作り、エピック・ソニー・レコードに営業したところ、「このテープは余所に持って行くな」と言われ、メジャーデビューが決定!
- シングル『あなたに会いたくて』
- アルバム『DREAMS COME TRUE』
が同時リリースとなり、1989年3月21、無事CDデビューを果たしました。
ドリカムのブレイク『ドリカム現象』発生
ドリカムは、決して、デビュー当初からブレイクしたわけではありませんでした。
しかし、1990年2月10にリリースした5thシングル『笑顔の行方』が、中山美穂さん、仙道敦子さん、河合美智子さん主演のTBSドラマ『卒業』の主題歌として起用され、ドラマのヒットと共に大ブレイクに・・・
いつしか女性1人に男性2人の形態を『ドリカム現象』と呼ぶようになり、他の追随を許さないほどの一大ブームを築き上げていきます。
ドリカム黄金期・西川隆宏の脱退
社会がドリカム現象を巻き起こし、急成長を遂げたドリカムは、デビュー当初のシングル『あなたに会いたくて』や3’rdシングル『うれしはずかし朝帰り』など、ブームになる前にリリースしたシングルまでも大注目!
ドリカムが出す楽曲は、次々とヒットし、名曲『雪のクリスマス』の英語バージョンとしてリリースされた『WINTER SONG』は、メグライアンさん主演映画『めぐり逢えたら』のオープニングソングに大抜擢!
多くの女性ファンの心をときめかせ、世界にドリカムの名をとどろかせる人気を獲得!
さらには、石田ひかりさん主演の朝ドラ『ひらり』の主題歌として、ドリカムの12thシングル『晴れたらいいね』が起用され、朝ドラファンにもドリカムの音楽が定着・・・
この頃には、ドリカムブームが、一種の社会現象を巻き起こすようになっていきます。
しかし、この人気を揺るがすようなアクシデントが、2002年に起こりました。
それは、キーボード担当だった西川隆宏さんの脱退と、その後彼が引き起こした不祥事。
また、2003年にはシングルを1枚もリリースしておらず、結果として、ドリカムブームは、一旦落ち着きを見せたのです。
西川さんが引き起こした不祥事にはあえて触れませんが、いろんな意味で、ドリカムファンに衝撃を与えたのは事実で、当時、ドリカム現象の象徴であった3人の図式が崩れたことは、多くのファンを悲しませたといえるでしょう。
とはいえ、ドリカム人気に陰りをもたらしたというよりは、爆発的人気が落ち着いたと見る方が正しく、決してドリカム人気が衰退したわけではありません。
今なお続くドリカム人気
確かに、今でも、3人組のドリカム再結成を待ち望むファンは多いですし、爆発的人気となった頃と比較すると、オリコン売り上げも、なかなか1位が取れていないのが現状。
しかし、2人組編成のドリカムとなった現在も、根強いファンはたくさんいます。
そして、変わることのない音楽スタイルや、終始喧嘩しているというエピソードがあるほど、1音・1音にこだわりを持って楽曲制作に携わっている、吉田美和さん・中村正人さんの姿勢に、多くのファンは魅了され続けています。
レコード会社(レーベル)もいくつか変わり、時代と共に変化していく中、ドリカムが持つ幻想的な音楽と共感できる歌詞のギャップ感は、いつの時代も変わらず、多くのファンを魅了し付けてくれているのです。
また、ドリカムの音楽に魅了された企業・メディアが、数々の楽曲を起用し、
- 何度でも:フジ月9ドラマ『救命病棟24時(第3シリーズ)』主題歌
- 大阪LOVER:USJのアトラクション『ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド』タイアップソング
- またね:アニメ映画『ONE PIECEエピソードオブチョッパープラス 冬に咲く、奇跡の桜』主題歌
- あなたとトゥラッタッタ♪:朝ドラ『まんぷく』主題歌
など、本当に挙げたらきりがないほど、多くの企業広告やら、メディアとのタイアップソングが生まれ、今なおドリカムは人気を博しているのです。
ドリカムのメンバープロフィール紹介
吉田美和
吉田美和さんは、1965年5月6日生まれ、北海道中川郡池田町出身の54歳。
ドリカムではヴォーカル担当。
幼少の頃から音楽が大好きな子供だったらしく、とにかく音楽に対するこだわりの強い女性。
何でも自分には音楽の才能があると自負しているところがあり、随所で中村正人さんとも衝突を繰り返しているんだとか・・・
ある種、わがまま、身勝手と印象を受けがちですが、それだけ音楽に対する愛が人一倍強いのでしょう。
実際に、相棒である中村正人さんは、彼女の歌唱力や音楽のセンスに対して天才と認めていて、才能豊かであることは間違いありません。
ただし、楽譜が読めるわけではなく、完全に完成だけで音楽スキルを磨き上げてきたと言って良いでしょう。
なお、ドリカム全曲の作詞は、吉田美和さんが担当されています。
女性目線ならではの共感受ける歌詞を紡げていることも、彼女の才覚を感じさせる才能といえますね。
中村正人
中村正人さんは、1958年10月1日生まれ、東京都調布市出身の61歳。
ドリカムでの担当は主にベース。
元々、彼は、国府台高校在学中にフォークソングやロック、R&Bといったジャンルの音楽を演奏するバンドマンとしても活動し、青山学院大進学後も、ベーシストとして、とんねるずや中山美穂さんのバック演奏をしていた経歴を持っています。
そのため、ベーシストとしての能力は高く、また音楽プロデューサーとしてのスキルを持っていたものの、なかなか周囲の環境にも恵まれず、スタジオミュージシャンとして活動しつつも、大成できずに、音楽活動を辞めようと考えていた時期も・・・
そんなときに、偶然であった吉田美和さんの音楽センスに衝撃を受け、彼女の音楽仲間だった西川隆宏さんとともにドリカムを結成。
西川さんが脱退した後も、吉田さんと衝突しながら、ドリカムを継続させ続けているリーダーとしても活躍されています。
一見、吉田さんをなだめる心穏やかな性格の持ち主なのかと思いきや、実はかなり短気な性格で、吉田さんとは常に罵声を飛び交わせている間柄でありつつも、最終的には気難しい性格の吉田さんに降参し、中村さんが折れてしまうという話もちらほら…。
あくまで、推測ですが、中村さんの短気な性格も含め、何でも気を遣わず言いあえる間柄だからこそ、今までドリカムを継続させ続けてこられたのでしょうね。
オススメ楽曲ベスト3紹介
ここまで、ざっくりとドリカムの紹介をしてきましたが、いよいよ、オススメの3曲をご紹介していきます。
ぜひ、ドリカムをより深く知るきっかけにしてみてくださいね。
未来予想図II
ドリカム世代が好むナンバーの中で、どうしても外せない楽曲というと、やはり、未来予想図IIなのではないでしょうか。
何よりも魅力なのは、女性の誰もが共感するようなシンプルだけど、胸キュンしてしまうピュアな歌詞ですね。
サビ前の『いつもブレーキランプ5回点滅、『ア・イ・シ・テ・ル』のサイン』の歌詞は、当時のカップルが、このサインに憧れて試してみたという話も聞くほど、多くのファンに支持されている様子がうかがえました。
この未来予想図IIが一つのきっかけとなり、『ドリカム=恋愛ソングのカリスマ』と高く評価されるほど、吉田美和さんの紡ぐ歌詞は魅力的だとさえいえます。
ただ、未来予想図IIの魅力は、恋愛要素溢れる歌詞だけではありません。
恋人同士の、淡く優しい恋心を、幻想的なメロディに乗せて演出している点も実に秀逸!
ピアノ、ストリングス、ドラムを主軸に流れるイントロも『ポロロン』と音がはじけるような、どこか心地よい幻想的な音として進行していく・・・
しかも、その音たちが激しくはじけるのではなく、波紋のように優しく広がっていくのです。
この幻想的な音たちに、どこにでもあるような共感の出来る歌詞が乗っかり、いろんなギャップを生まれ、私たちの心に響いていく・・・
これこそがドリカムの醍醐味といえるので、ぜひ、みなさんも、未来予想図IIを一度聴いてみてください。
きっと聴き終わったら、涙がこぼれるくらい心がほっこりするはずですよ。
crystal vine
ドリカムの楽曲の中でも、かなりマニアックな楽曲でありながら、未来予想図II以上に、ドリカムらしさ全面に押し出されている楽曲が、ディズニー映画『アトランティス』日本語吹き替え版の主題歌に起用された『crystal vine』。
実は、この『crystal vine』は、シングルカットされていないアルバム楽曲で、幻想的な音が集約されているのはもちろんのこと、オーケストラさながらの迫力さえも感じられる、隠れた名曲です。
そして、『crystal vine』のテーマは絆だというのも、今だからこそ聴いてほしいとオススメしたくなる理由の一つに挙げられます。
今の日本では、ラグビーワールドカップの影響もあり、『ONE TEAM』という流行語まで生まれていますが、その精神をドリカムは、『crystal vine』を通じて何十年も前から発信しています。
『私たち一人一人を、光を放つ水晶の結晶に捉え、夢や希望・願いを一つにつなげていこう・・・』
そんな想いが、時に明るく、時に迫力ある音たちに併せて紡がれた珠玉の一曲。
ぜひ、この機会に、一度、聴いてみてくださいね。
あなたとトゥラッタッタ♪
ドリカムオススメ曲ベスト3ラストは、これまでの2曲と全くスタイルの違う、楽しく明るい楽曲『あなたとトゥラッタッタ♪』をオススメします。
この楽曲は、朝ドラ『まんぷく』の主題歌に起用されていますが、とにかく、どんなに苦しく落ち込むようなことがあっても、笑って明るく吹き飛ばしてくれる音が集約されているので、非常にオススメ!
なんだか心がウキウキするような、幻想的というか、一つのミュージカルでも見ているかのような感覚に誘ってくれますよ。
一方、歌詞は、何気ない日常を歌っているに過ぎません。
『永く共に過ごすと、どんなに心通じ合っている人でさえ、腹が立つこともあれば、思わずもらい泣きしてしまうようなこともたくさんある・・・』
そんな感情を綴りながらも、一緒にいれば楽しく乗り越えられるという思いが、この曲の歌詞に込められています。
いろんな意味で、幻想的な曲調にのせる歌詞と思えない、どこにでもあるような共感できる歌詞が紡がれているので、いろんな角度で聴いてみて楽しんでみてくださいね。
まだまだあるドリカムの名曲たち
以上、筆者個人の見解を踏まえたドリカムオススメ楽曲ベスト3です。
はっきりいって、まだまだ他にも、オススメしたい曲はありすぎて、この記事だけでは収まりきらないというのが本音です。
- 雪のクリスマス(WinterSong)
- さぁ鐘を鳴らせ
- 未来予想図
- 決戦は金曜日
- またね
- 何度でも
など、思い入れのある楽曲はたくさんあります。
ただ、いろんな世代の人たちに、ドリカムの魅力を知ってもらうことを大前提に、今回の3曲を厳選してオススメさせていただきました。
ここからは、皆さんがそれぞれの視点で、ドリカムが紡いできた幻想的な音楽だけど、どこにでもある共感持てる歌詞の魅力を体感してみてくださいね。
最後に・・・
改めて、今回、ドリカムの魅力をご紹介させていただく中で、未来予想図を原点に、ドリカムのメンバーたちが、如何に個をぶつけ合いながら、時に寄り添いながら、音楽人生を歩んで来たかのか分かりました。
『きっと私、わがままばかりで困らせるけど、あなたと寄り添っていきたい』という未来予想図のサビの歌詞にある言葉は、吉田美和さん自身を表わしているのかもしれません。
音楽にこだわりわがままばかり言っているけど、そのわがままを相方である中村正人さんは受け止めてくれる・・・
その連鎖が、時に幻想的で、時に共感の持てるドリカムらしさを生んでいるのでしょう。
ぜひ、ドリカムの音楽へのこだわりを、一度体感してみてください。
きっと、いろんなドキドキ感やワクワク感、そして時に、暖かく大きな愛で包み込んでくれる癒しと遭遇できるはずですよ。