2021年10月でデビュー12周年を迎え、その音楽性にさらなる磨きをかける、シンガーソングライター・さかいゆう。
多彩な音楽的背景を持つ彼の楽曲は、聴く人を心地よい音楽の世界にいざないます。
この記事では、そんなさかいゆうのプロフィールや経歴、魅力を紹介していきます。
目次
さかいゆうのプロフィール
- 生年月日:1979年9月20日
- 出身地:高知県土佐清水市
- 所属事務所:オフィスオーガスタ
音楽をこよなく愛するシンガーソングライター・さかいゆう。
ソウルミュージックやジャズ、R&B、ファンク、ロックなどを背景とした上質なポップスを生み出し、その透き通るような声と熱の帯びた歌唱で、聴く人の心を強く揺さぶります。
所属するのは、山崎まさよし、スキマスイッチ、秦基博(はたもとひろ)など、個性的な才能が集う事務所・オフィスオーガスタ。
同事務所の所属アーティストによるスペシャルユニット「福耳」としても活動しています。
また、CM、アニメ、ドラマ、映画など数多くのタイアップ曲を持ち、有名アーティストとのコラボレーションも実現。
作詞・作曲をこなすさかいは、他アーティストへの楽曲提供も積極的に行っています。
楽曲提供したアーティストは、小泉今日子、坂本真綾、SMAP、Sexy Zone、Da-iCE、DISH//、土岐麻子、和田アキ子など多数。
高知県で漁師の息子として生まれ、子供の頃の夢はプロレスラーだった彼が、いかにして音楽の世界に入ったのか。
次の項目からは、さかいが辿った経歴に迫ります。
さかいゆうの経歴
18歳で音楽に目覚める
さかいが音楽の道を目指そうと思ったのは、18歳の頃。ミュージシャン志望の親友を交通事故で失ったことが、きっかけでした。
当時は両親が聴いていた演歌と歌謡曲以外の音楽をほとんど知らず、楽器の演奏もできなかったさかい。
そんな彼は、亡くなった親友の部屋を訪れた際、エリック・クラプトンなどの洋楽と初めて出会います。
この時ミュージシャンになることを決意したさかいは、高校卒業後にお金を貯め、20歳で東京の音楽専門学校へ。
そして2年後には、濃密な時間を過ごすことになる、アメリカのロサンゼルス(以下、LA)への留学が決まります。
親友が好きだった音楽も、後に自身が好きになったファンクやジャズも、そのルーツは「アメリカ」にありました。
LAで過ごした1年でピアノを習得
LAでは日本よりも安い値段でライブを観ることができ、毎日音楽を身体で浴びるような日々を過ごしていたさかい。
しかし、留学前に貯めていたお金が底をついてしまい、生活費を稼ぐためダウンタウンで路上ライブを始めることに。
キーボードを購入し、ここで初めてピアノの練習をスタートさせます。
楽器の中でもピアノを選んだ一番の理由は、スティーヴィー・ワンダーなど好きなミュージシャンが鍵盤で演奏していたから。
譜面は読めなかったものの、様々な楽曲を耳で聴いてコピーできるように猛練習。初めてピアノでコピーした楽曲は、ダニー・ハサウェイ版の『What’s Going On』(※元々はマーヴィン・ゲイの楽曲)でした。
加えてピアノの練習に役立ったのは、クリスチャンのルームメイトと共に訪れた教会で聴いた音楽。
教会の人たちが演奏するゴスペルやジャズ、R&Bなど色々なジャンルの音楽を聴きながら、ピアノにおける指の動かし方を目で見て学び、帰宅すれば耳で覚えた音や録音を元に練習に励みます。
当時の練習量は、なんと1日10時間以上!
そして路上ライブでは、その場にいる人に合わせたカバー曲を演奏。生活費を稼ぎながら、朝から晩まで音楽漬けの日々を過ごしました。
ラジオ出演を機にメジャーデビュー
1年でピアノが弾けるようになり2002年に帰国したさかいは、憧れのソウルシンガー・中沢ノブヨシに連絡。上達したピアノの腕前を認められ、中沢のサポートミュージシャンとして行動を共にします。
その後はスタジオミュージシャンとして活動し、2006年4月5日にアルバム『ZAMANNA』でインディーズデビュー。
そこからインディーズでの活動とアルバイトで生計を立てていたさかい。大きな転機となったのは、ラッパー・宇多丸(うたまる)のラジオで披露したライブでした。
この時に偶然ラジオを聴いたオフィスオーガスタのマネージャーが、さかいの存在を知ります。
そして、同じ高知県出身で当時社長をしていた森川欣信(もりかわよしのぶ)から、「その声を届けたい」と言われたさかいは、メジャーで音楽をやっていくことを決心。
2009年10月7日にシングル『ストーリー』でメジャーデビューを果たします。
メジャーデビュー曲『ストーリー』は、全国のFMラジオ43局でパワープレイを達成。2006年に秦基博がデビュー曲で記録した41局を上回り、過去最多となりました。
確かな実力で人気を獲得
メジャーデビュー後の活躍は目覚ましく、2枚目のシングル『まなざし☆デイドリーム』(2010年2月3日発売)が、音楽が題材の人気TVアニメ『のだめカンタービレ フィナーレ』(2010年)のオープニング主題歌に。
2011年3月9日発売のミニアルバム『ONLY YU』では、作詞・作曲から演奏まで全てを1人で行う意欲的なスタイルでの制作を実践します。
収録曲は1人で制作したとは思えないほど多彩で、さかいの演奏スキルの高さと底知れぬ才能が遺憾なく発揮されました。
同年にはアメリカ・ニューヨーク(以下、NY)にて初の海外公演を成功。
その後も精力的に楽曲を発表していきます。
なかでも5枚目のシングル『薔薇とローズ』(2013年10月23日発売)は、TVCMへの起用で多数の問い合わせを集め、発売前から大きな話題となりました。
世界を巡るレコーディングの旅
その時々で自分のやりたい音楽を追求し続けるさかい。2018年からは世界的に有名なミュージシャンたちとのレコーディングを始めます。
5枚目のアルバム『Yu Are Something』(2019年1月23日発売)では、さかいにとって第2の故郷ともいえるLA、NY、東京でレコーディング。
さかいが世界で一番好きなギタリストだと話すジョン・スコフィールドを初め、音楽好きを唸らせるミュージシャンが数多く参加しています。
本作はさかいの全てを注ぎ込んで作り上げたアルバムであり、完成した後には何日か寝込んだほど。
参加ミュージシャンたちには、さかいが直接交渉を行って共演を実現させました。
続いて制作された6枚目のアルバム『Touch The World』(2020年3月4日発売)では、全てのレコーディングを海外で敢行。
イギリス・ロンドン、アメリカ・NY、LA、ブラジル・サンパウロの3ヵ国4都市を巡りました。
世界でレコーディングを行った2枚のアルバムには、バラエティに富んだ楽曲が詰め込まれており、洋楽や邦楽の垣根を越えたさかいの音楽を存分に味わうことができます。
さかいゆうの魅力
ここからは、さかいが持つ魅力に迫ります。
歌唱力の高さ
さかいの魅力の1つは、その歌唱力の高さでしょう。
「涙をいざなうシルキーヴォイス」と称される高く伸びやかな歌声は、聴く人の心を優しくなで、深い感動を呼び起こします。
そして低音から高音まで自在に行き来し、豊かな表現力で趣の異なる楽曲を力強く歌い上げる様は鳥肌もの。
年齢を重ねるにつれて、どんどん深みを増すさかいの歌声の魅力はとどまる所を知りません。
また、カバー曲を多く歌唱しているのも、さかいの特徴です。
さかいは自身が聴いてきた原曲への恩返しの気持ちでカバー曲を手掛けており、絶妙なアレンジと歌唱によって原曲の異なる側面に光を当てています。
※Original Love『接吻』のカバー
常に驚きを与えてくれる楽曲
さかいが創り出す楽曲は、同一人物のものとは思えないほど多彩。切ないメロディから思わず踊り出したくなるようなサウンドまで幅広く、聴く人の心を捉えて離しません。
そしてアルバムを出す度、自身にとっての過去最高を更新し続けるさかい。毎作ごとに新しいことをやろうと考える彼は、新しい音楽を取り入れることに貪欲です。
楽曲単位で歌い方やアレンジまで変えるこだわりは、彼の音楽への好奇心と探求心の現れとも言えます。
そのため、前作からアルバム内容がガラッと変わることもしばしば。
例えば、アルバム『Touch The World』で国際色豊かな楽曲を発表したかと思えば、次に発売した7枚目のアルバム『thanks to』(2021年1月6日発売)では、全体的に落ち着きのある楽曲で聴く人の心に寄り添いました。
また、楽曲で忘れてはならないのが、さかいの紡ぎ出す歌詞です。
特徴的なのは、メロディにピッタリ合う表現を目指して書かれた言葉の数々。メロディと綺麗に合わさった歌詞は、楽曲をより魅力的なものにしています。
ちなみに、さかいの楽曲には別の人に作詞をゆだねたものが幾つかあります。
売野雅勇(うりのまさお)、森雪之丞(もりゆきのじょう)などプロの作詞家から、クレイジーケンバンドの横山剣(よこやまけん)のようなミュージシャンまで、その顔触れは様々。
心震えるライブパフォーマンス
ライブには家族連れのお客さんも多く、さかいの音楽は世代を問わず支持を集めています。
まるでピアノが身体の一部であるかのように、軽やかに奏でられるメロディ。ひとたび口を開けば、その場の空気を一変させるほどの歌唱。
全身で音楽を味わえるさかいのライブパフォーマンスは必見です。
ライブではCDの音源とはまた異なるアレンジで、聴く人を楽しませてくれます。
ちなみに、お客さんにリラックスして楽しんでもらうため、なんとライブで側転を披露したことも!
さかいゆうの代表曲
さかいゆうの楽曲はどれもが代表曲と言えるものばかり。その中から3つの楽曲を紹介します。
君と僕の挽歌
2012年4月25日に発売した3枚目のシングル。
さかいが亡き親友への想いを込めた名曲です。
ストレートなサウンドと、さかいの赤裸々な想いを綴った歌詞が共感を呼ぶこの楽曲。淋しさについて訴える歌い出しから心をわしづかみにされ、曲の世界へと一気に引き込まれます。
悲しみは癒えていくけれど、淋しさはずっと消えない。しかし、その淋しさは大切な人がずっと心の中で生き続けている証でもある。
淋しさと共に希望も感じられる、さかいを代表する1曲です。
薔薇とローズ
2013年10月23日に発売した5枚目のシングル。
さかいが楽曲で描いたのは、貧しい生活ながらも音楽に全力を注ぎ、当時付き合っていた彼女と共に過ごした幸せな日々。
タイトルのローズは、エレクトリックピアノの「フェンダー・ローズ」を意味します。
<Beautiful!Beautiful!>と耳に残るサビのフレーズが気持ちよく、ゴスペルの要素を盛り込んだ壮大なメロディを堪能できます。
本作のセルフライナーノーツに「幸せは境遇じゃなくてハートが決めるもの」と記したさかい。
小さくて何気ない幸せが、どれほど大切かを力強く歌い上げた楽曲です。
ジャスミン
2015年10月21日に発売した6枚目のシングル。
本作はさかいが2年ほど温めていたもので、米津玄師(よねづけんし)などの楽曲を手掛けた音楽プロデューサー・蔦谷好位置(つたやこういち)の力を借りて完成させた作品です。
さかいがこの楽曲で歌ったのは、大きな愛。
タイトルの「ジャスミン」はペルシア語のヤースミンが由来で、「天からの贈り物」を意味します。
加えて、さかいの自伝的な要素が盛り込まれているのも特徴です。
ゆったりとしたメロディが心地よく、サビに向けて徐々に盛り上がる過程が歌詞とリンクしている点は印象的。言葉の一つ一つが心に深く染みわたります。
聴き終わった後に胸が温かくなり、前向きな気持ちになれる楽曲です。
最後に
職人のように、自分のやりたい音楽を追求し続けるさかいゆう。
新たな楽曲を世に出す度に、彼は私たちの想像をはるかに上回る驚きを与えてくれます。
さかいが創り出す音楽は、きっとこれからも聴く人を魅了し続けることでしょう。
次はどんな音を奏でるのか、その活躍がますます期待されるミュージシャン・さかいゆうから目が離せません。