2010年頃、ガールズグループ・KARAが「ミスター」の“ヒップダンス”で人気を博し、ガールズグループ・少女時代とともに日本で空前のK-POPブームを巻き起こしました。
アジアを中心に、グローバルに拡がったK-POPブームの火付役であるKARAを生み出したほか、SECHSKIES、Fin.K.L、SS501、RAINBOW、APRIL、KARD、MIRAE (未来少年)、YOUNG POSSEなど、多くのグループを輩出してきたDSPメディア。
今回は、K-POP第1世代から第5世代までの全世代でアイドルグループを披露してきた、韓国を代表する老舗芸能事務所・DSPメディアに所属するアーティストの魅力や経歴を徹底解説します。
目次
DSPメディアとは?
1991年10月に設立された、韓国の中小規模芸能事務所・DSPメディア。
設立以降、ZAM (ジャム)、SECHSKIES (ジェクスキス)、Fin.K.L (ピンクル)、Click-B (クリックビー)、SS501 (ダブルエス・ゴーマルイチ)、KARA (カラ)、RAINBOW (レインボー)、APRIL (エイプリル)、KARD (カード)、MIRAE (未来少年)、YOUNG POSSE (ヤングパシー)など、K-POP第1世代から第5世代まで、多くのグループを輩出してきた老舗事務所です。
2022年1月26日にはRBWに買収され、以降、RBW傘下のレーベルとなりました。
DSPメディアのこれまで
K-POP第1世代 〜SECHSKIESとFin.K.Lを輩出〜
ハンバッ企画でボーイズグループ・ソバンチャなどを手掛け、トロット歌手テ・ジナのマネージャー出身であるイ・ホヨンが設立したDSPメディア。
1992年に披露した男女混合グループ・ZAMを経て、1997年に6人ボーイズグループ・SECHSKIES、1998年にガールズグループ・Fin.K.Lを輩出し、H.O.T.、S.E.S.、SHINHWAを披露したSMエンターテインメントとともに、『第1世代アイドル芸能事務所の“両大山脈”』と呼ばれました。
K-POP第2世代 〜SS501とKARAの大成功〜
さらに、2005年にデビューしたボーイズグループ・SS501を成功させたDSPメディアは、バラエティ、ドラマ、映画の制作まで事業を拡張。
そして、2007年にローンチしたガールズグループ・KARAが、翌2008年にク・ハラとカン・ジヨンの加入を起因に大成功し、SS501のキム・ヒョンジュンは、ドラマ『花より男子-Boys Over Flowers』に出演して大人気を博して韓流スターに躍り出ました。
K-POP第3世代 〜APRILとKARDをローンチ〜
K-POP第2世代までは、SM、JYP、YGとともに大人気グループを輩出する事務所として存在感を発揮してきたDSPメディア。
しかし、2010年、DSPメディアの設立者として会社を率いてきたイ・ホヨン代表 (当時) が、脳出血で倒れたことが原因となり、大きく衰退を始めました。
突然交替された経営陣と新・代表による家族経営で、KARAは専属契約解除訴訟を起こし、RAINBOW、A-JAXに続き、K-POP第3世代の最中である2015年にデビューしたAPRILまでもが相次いで成果を出せずに、その年から会社は深刻な赤字経営に転落。
そんな中、2017年には男女混合グループ・KARDがデビューし、翌2018年にはAPRILメンバーのイ・ナウンが出演したウェブドラマ『A-TEEN』シリーズが大ヒットを記録しました。
K-POP第4世代 〜X1出身ソン・ドンピョ所属のMIRAEがデビュー〜
2019年、『PRODUCE X 101』を通じてソン・ドンピョがX1のメンバーとしてデビューに成功。
KARAの活動終了後初めてとなる、大幅な売上上昇を記録しました。
さらに、2021年3月にはX1出身のソン・ドンピョを擁するボーイズグループ・MIRAE (未来少年)を披露。
しかし、その直前の2021年2月に起こった「APRILデビューメンバー5人による元メンバーへの集団いじめ論難」による創設以後最悪の危機を克服できず、2022年RBWに買収されることになりました。
K-POP第5世代 〜YOUNG POSSEを披露〜
2023年10月、2015年にデビューしたAPRIL以来実に8年ぶりとなる、ガールズグループ・YOUNG POSSEを披露。
K-POP第1世代から第5世代まで、全世代でアイドルグループをローンチし続けている老舗芸能事務所として、現在も改めてその存在感を発揮しています。
DSPメディアの特徴
存続期間4位の老舗芸能事務所
「大成企画」として、1991年に設立されたDSPメディア。
これは、現存する韓国の芸能事務所の内、1988年に設立されたGM企画 (現・POCKETDOL STUDIO)、1989年に設立されたSMエンターテインメントとDRミュージックに続き、存続期間4位に当たります。
芸名を使うアーティストがほとんどいなかった
大成企画時代から、芸名を使うアーティストがほとんどいないのがDSPメディアのひとつの特徴。
全盛期の看板と言えるSECHSKIES、Fin.K.L、Click-Bから、SS501、KARA、RAINBOW、PURETTY、A-JAXまでメンバー全員が本名で活動しました。
さらに、APRILはレイチェルを除く全員、KARDは女性メンバー2人、MIRAEもリアンとカエルを除く7人中5人、YOUNG POSSEはジアナを除く全員が本名で活動するメンバーです。
解散後もメンバー同士仲が良いグループが多い
解散後、または活動中断後も、変わらずメンバー同士仲の良さを見せるグループが多いことも特徴です。
SECHSKIESは、2000年の解散から16年の時を経た2016年、コ・ジヨンを除く全員がYGエンターテインメントと専属契約を締結し、再結成。
Fin.K.Lも、DSPメディアとの専属契約終了を迎えた2005年以降も、公式的に解散をしたことがなく、2019年には14年ぶりに新曲をリリースしたほか、ミニコンサートを開催しました。
そして、2014年にニコルとカン・ジヨンが脱退したKARA。
2019年、ク・ハラの訃報に接し、日本で活動中だったカン・ジヨンを含むすべてのメンバーが直ちに葬儀場に駆け付けて、出棺まで殯所を守るという、格別の絆を見せました。