川崎鷹也「魔法の絨毯」|リリースから2年の歳月を経て話題を集めた楽曲の魅力を解説

川崎鷹也「魔法の絨毯」|リリースから2年の歳月を経て話題を集めた楽曲の魅力を解説

1995年、栃木県生まれのシンガーソングライター・川崎鷹也(かわさき たかや)。2018年より本格的な音楽活動を始め、アルバム『I believe in you』をリリースしました。

活動当初はそれほど注目されてはいませんでしたが、同アルバムに収録されている「魔法の絨毯」がTikTok内で話題となり、注目を集めるようになります。

今回の記事では話題となった「魔法の絨毯」の歌詞に込められた想いを軸に、どのような魅力があるのかを解説していきます。川崎鷹也をもっと知りたい方はぜひ最後までご覧ください。

川崎鷹也「魔法の絨毯」とは


「魔法の絨毯」は、2018年7月25日にリリースされた川崎鷹也の1stアルバム『I believe in you』に収録されている楽曲の一つです。リリース当初はそれほど注目されている楽曲ではありませんでしたが、リリースから2年の月日が流れた頃、TikTokをきっかけに話題となりました。

2020年12月21日付けのBillboard JAPAN新人チャート【JAPAN Heatseekers Songs】において同楽曲は初の首位へと立ちました。チャートにはAdo「うっせぇわ」Reol「第六感」などが並んでおり、その注目度の高さがうかがえます。

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人気のきっかけはTikTok内での恋愛相談

TikTokでのバズりがきっかけとなり、2年越しに注目を集めた「魔法の絨毯」。当時のTikTokでの総再生回数は2億2千万回を超え、3万本以上のカバー動画がアップ。その注目度はシンガーソングライターの瑛人がリリースした「香水」を彷彿とさせるものでした。

当時、川崎鷹也は自分の楽曲がTikTokでバズっていることを知りませんでした。そもそも2年前にリリースした楽曲で、しかもアルバム曲の一つであるのですから、本人は寝耳に水だったようです。

そのきっかけとなった出来事は、2020年の夏頃。TikTok内で行われた一般ユーザーの恋愛相談にBGMとして使用され、様々な恋バナが繰り広げられる中「このBGM良いね」と話題が楽曲へと移り変わっていきました。その後、多くの一般ユーザーが「魔法の絨毯」に興味を抱き、気づけばBGMだけでなくカバー動画まで投稿されるようになりました。

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「魔法の絨毯」の魅力と込められた想い


https://twitter.com/kawasaki_takaya/media

人気作品をモチーフに、奥様への強い想いが込められた楽曲

「魔法の絨毯」という楽曲名から、ディズニー作品としても親しまれている『アラジン』を思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。実際に歌詞を眺めてみると、作品内で登場するキャラクターの名前が記されています。

身分違いの恋が描かれた同作品。そのストーリーに当てはめるように、「魔法の絨毯」ではお金・地位・名誉もないけど、君を想う気持ちだけは誰よりも持っていることが強く語られています。

そしてその気持ちの矛先は、川崎鷹也の奥様に向けて書いた曲であることを本人は語っています。そのためこの楽曲は川崎鷹也のエゴであり、いろんな人に共感をしてもらいたいとはあまり思っていないとも述べています。

奥様が良いと思うものだったら、それで良いとする川崎鷹也。一人の女性に対して歌った強い想いは、人々に共感を呼ぶものではないかもしれません。しかし、その愚直さこそ、この楽曲が評価された理由の一つであり、魅力なのかもしれません。

強がりだけでなく、自分の弱さを吐露

「魔法の絨毯」には相手に対する強い想いが込められているのと同時に、自分自身の弱さを吐き出すフレーズがあります。

「君が仮にどんな恋を重ねてさ
どんな人と笑い合ったか
1人で考えて 勝手に凹んで
眠れない夜を過ごしてさ」

https://www.youtube.com/watch?v=R7wI90H6Wuc

これは一種の独占欲でもあります。人によってはネガティブに捉えるかもしれません。しかし、それだけ相手のことを気にしていると捉えることもできるでしょう。

相手はどんな過去を過ごしてきたのか、そう気にするのはごく自然のことだと思います。相手をもっと知りたいけど、知りたくもない。そんな板挟みに苦しんでも相手を想いたい気持ち。

ちなみに川崎鷹也もこのフレーズは好んでいるとのこと。過去に思いを馳せ、もしそうであるならば自分はそれ以上に頑張らなければいけないと、弱さが原動力になる時があるそうです。

弱さは否定されがちではありますが、しかし時にはそれがその人の成長や行動へと移すきっかけになることもあります。自分の弱さを隠さない素直な歌詞が楽曲のヒットへと繋がったのかもしれません。

川崎鷹也のハスキーな歌声がプラスに

そしてもう一つの魅力として、川崎鷹也の歌声も挙げられるでしょう。

アコースティックなサウンドに乗せたハスキーな歌声。ビブラートを効かせ、語り口調のような歌い方は、まるで絵本を読み聞かせるような優しさを感じます。

そして物語を綴る川崎鷹也の歌声は、コラボレーションにおいてもその真価を発揮しました。


第84回新人コミック大賞作家 赤井千鶴とのコラボMV「エンドロール」


マンガ『眠れないオオカミ(作:したら領)』とのコラボMV「Answer」

ストーリーを引き立てる歌声とメロディが、物語の世界観に引き込んでくれるかのようです。この歌声もあったからこそ、「魔法の絨毯」は多くの人を魅了できたのでしょう。

まとめ

本来、親しまれる多くの曲は共感を生むものだと思います。しかし、「魔法の絨毯」は共感を得るためではなく、川崎鷹也が一人の女性に対して歌った曲です。

ではなぜこの楽曲がこれほどにまで注目され、人々に評価されるようになったのか。メロディや歌声もあると思います。ですがそれ以上に、この楽曲に込められた一途な想いの強さを感じたことが要因の一つであると思います。

愛をささやくことは、人によっては恥ずかしくもあると思います。しかし、川崎鷹也が一人の女性のために歌ったラブソングは、彼自身の素直な気持ちが堂々と語られています。同時に愛をささやくことは恥ずかしいことではなく美しいことだと、彼は行動で示しているのかもしれません。

その行動による結果、川崎鷹也の共感を得るためではない楽曲が人々を後押しするものへと変化し、多くの人を魅了したのでしょう。

筆者独自の視点ではありますが、今回の記事で気になった方は、ぜひ歌詞とともにじっくりと聴いてみることをおすすめします。

また、川崎鷹也の初メジャーアルバム『カレンダー』が2021年12月15日にワーナーミュージック・ジャパンからリリースされます。リード曲となる「カレンダー」は、自身のリアルラブソングを書き下ろしたそうで、今回ご紹介した「魔法の絨毯」からおよそ4年ぶりとなるようです。今回の記事で川崎鷹也に少しでも興味を抱いた方は、ぜひ手にとって聴いてみてください。

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