yama【人気曲解説】謎多き孤高のシンガー!珠玉の名曲6選

yama【人気曲解説】謎多き孤高のシンガー!珠玉の名曲6選

インターネット発の新世代アーティストとして、若い世代を中心に幅広く支持されているyama。

素顔を隠したミステリアスな雰囲気や高い歌唱力など、ファンを魅了する要素は挙げればキリがありません。

今回の記事では、yamaの楽曲で特に人気のある数曲に焦点を当て徹底解説します。

yamaとはどんなアーティストなのか?

楽曲の解説をする前に、アーティスト・yamaがどのような人物なのか改めて紹介します。

yamaが初めて自分の歌声をネット上に公開したのは2018年。当時はYouTubeをメインにカバー曲を投稿していました。

チャンネルの登録者数をもっと増やしたいと考えていたyamaは、ソニーミュージックの担当者から声がかかったのをきっかけにオリジナル曲に挑戦します。そして2020年4月17日にリリースされたのが、今やyamaの代名詞として高い人気を誇る「春を告げる」です。

人気が広まるにつれ「素顔が気になる」という声もネット上で呟かれるようになりましたが、yamaのプライベートな情報はほとんどが非公開であり、本名や出身地はもちろんのこと性別すらも公式な情報が出ていません。

ミステリアスだからこそ人は想像をかき立てられ、より惹きつけられるのでしょう。

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春を告げる

yamaの名を広く知らしめるきっかけになった代表曲。

YouTubeでの再生回数は1億回超え(2022年8月時点)、BillboardJAPANチャートにおけるストリーミングの累計再生回数は3億回超え(2022年6月時点)という圧倒的な数字を叩き出しており、今なお日本の音楽シーンで存在感を放ち続けています。

作詞作曲を手がけたくじらは、ボカロPとしても有名なミュージシャン。くじらの楽曲にyamaがフィーチャリングボーカルとして参加したのをきっかけに連絡をとりあうようになった縁があり、オリジナル曲の制作を依頼したのだとか。

デモ音源を初めて聴いた時のことについてyamaは、さまざまな悩みを抱えていた当時の自分とあまりにも似通っており、動悸がするほどの衝撃を受けたと語っています。

続いて楽曲に注目してみると、「深夜東京の6畳半夢を見てた」という歌詞と共に、yamaの憂いを帯びた歌声がメロディをなぞるイントロが印象的。生ピアノだけのシンプルな伴奏に電子ピアノが合流し、さらにダンサブルなビートが音楽を引っ張っていきます。

また、曲中に繰り返し登場するシンセサイザーの電子的な音色も注目ポイント。サビではyamaのボーカルに対して対旋律のような役割を担っており、物寂しさや孤独感を一層かき立てています。

何度聴いても飽きることのない名曲です。

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クリーム

2020年5月27日にリリースされた2作目のデジタルシングル。同日にYouTubeへ公開されたMVは、2022年8月時点で再生回数が600万回を突破しました。

「クリーム」というシンプルなタイトルがつけられたこの曲は、まるで人生のワンシーンを切り取っているかのように豊かな情景描写がされています。

MVのイラストや歌詞で描かれているのは、普段通りの生活を送っている中で不意に昔の思い出が蘇ってしまい、センチメンタルな気分に浸っている主人公の様子。誰しもが一度は経験したことのある心の揺らぎが、決して悲観的になりすぎない優しい言葉で表現されています。

時おりウィスパーボイスを混ぜながら、哀愁を誘う声で歌詞の一つ一つを丁寧に歌うyamaの歌唱力に圧倒されたリスナーも多いのではないでしょうか。

またサウンド面では、打ち込みのビート・シンセサイザー・電子ピアノのみで楽曲のほとんどが構築されており、余計な要素を詰め込まないことで、楽曲のもつストーリー性を色濃く浮かび上がらせています。

特にビートが生み出す不規則な揺らぎは、変わらない暮らしの中でときどき悲しいことがあったり、昔を懐かしんでは物寂しさに浸ったりする人の心そのものを表現しているように感じられます。

仕事からの帰り道や夜眠りに就く前など、日常のさまざまなシーンで心に染み入る楽曲です。

a.m.3:21

2020年8月12日にデジタルリリース・MV公開が行なわれた楽曲。

「春を告げる」「クリーム」などでyamaとタッグを組んだくじらが楽曲制作を担当しました。また、くじらと同様にyamaの作品へ多く携わっているイラストレーター・ともわかがイラストを手がけたMVは、2022年8月時点で再生回数1600万回を突破しています。

「a.m.3:21」=午前3時21分を示すタイトルと「なびく干したシャツに香る秋の花が 諦めの悪い私の癖みたいで」のように比喩表現を取り入れた歌詞が相まって、短編小説を読んでいるような味わい。過去に未練を抱く主人公が真夜中ふと物思いに耽る様子を、物寂しさと気怠さの漂うワードでお洒落に描き出しているのが分かります。

しかし、歌詞と対照的にサウンドは軽やかで、加工された人の声や電子ピアノを取り入れながら眩しく弾けるような雰囲気を生み出しています。切ない感情をあえて真逆の音色で表現することにより、人の未練や孤独感をいっそう強く浮かび上がらせるテクニックは圧巻です。

また、目まぐるしく変わるビートに乗せ、跳ねるようなフレーズを透明感のある声で歌い上げているyamaのボーカルも必聴。フレーズの歌い納めで何となく音を切るのではなく、表現しようのない寂しさや過去への未練、時には激情を感じさせる声色で終わらせているのが秀逸です。

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