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マツケンサンバが大ヒット
松平健という名前を聞いて、思い浮かべるものの1つとして「マツケンサンバ」が挙げられます。マツケンサンバは、元々「暴れん坊将軍」の舞台で披露されていた楽曲で、その歴史は長く1990年代から始まりました。
当時のマツケンサンバは、日本舞踊の先生が振り付けを考えていましたが、ダンサーでもあり振付師としても活躍する真島茂樹が今の振り付けを制作。衣装も徐々に派手になっていき、1999年に現在の形になりました。
マツケンサンバはシリーズがあり、一般的に認知されているのは2作目の「マツケンサンバⅡ」です。
マツケンサンバは、時代劇の格好をしながらサンバのリズムに合わせて楽しそうに踊る姿が好評となり、CDがほしいという声があがるように。そこで1999年に自主制作盤CDという形で発売されましたが、このCDはレコード店には販売されず、松平健の公演会場や通信販売でのみ売られていました。
その後、名古屋のFM局がマツケンサンバを紹介したいと番組で曲を流したところ「夜中に受験生が聞くと眠気が覚める」と話題になったのです。口コミのおかげもあり、2004年にマツケンサンバは大ヒットとなり、その年の紅白歌合戦に出場するまでになりました。
ヒットの陰で
2004年に世間を賑わせたマツケンサンバは、翌年もその勢いは止まらずバラエティ番組にも出演するなど、活躍の幅を広げています。しかし、その陰では長年続いた「暴れん坊将軍」の終了がありました。
「暴れん坊将軍」がスタートしたときには、他にも様々な時代劇が放送されていましたが、2000年以降はシリーズではなくスペシャル番組として放送されたり、地上波ではなくBS放送に移行するなど、時代劇が目に見えるほど少なくなっていました。
松平健はこれまで「暴れん坊将軍」のイメージを壊すわけにはいかないと仕事を選んでいたそうですが、仕事の幅を広げようと番組終了を機にバラエティ番組への出演や、今まで挑戦してこなかった役に臨むように…。
マツケンサンバは、彼の新たなスタートを後押しした作品でもあったのではないでしょうか。
2020年に再ブレイク
マツケンサンバがヒットしたのは2004年から2006年にかけてと言われていますが、その後も松平健は様々な場所でマツケンサンバを披露し続けています。しかし、以前と比べるとテレビ番組への出演回数は減っており、マツケンサンバの勢いは落ち着きを見せていました。
しかし、2020年に再びマツケンサンバがZ世代を中心に再ブレイク!なぜ10年以上前に流行した曲が急上昇したのでしょうか。
理由の1つとして新型コロナウイルスの流行により、TikTokやYouTubeといったSNSを利用する人たちが増えたことが挙げられます。松平健は2020年7月に公式チャンネル「マツケンTube」を開設。これまでのイメージをいい意味で壊す動画が次々と投稿されました。
その姿に反応を示したのがZ世代と呼ばれる若者たちです。松平健の動画はSNSで拡散され、彼に対して親しみを覚える意見も多く投稿されていました。
そして、2021年には東京オリンピックの開会式・閉会式でマツケンサンバを流そうという意見が広がったのも記憶に新しいところ。当時、コロナ禍での開催延期や、開会式・閉会式の演出チーム解任問題など暗い話題が続いていました。
そこで注目を浴びたのがマツケンサンバ。明るい曲調と誰にでも真似できるダンス、そして時代劇の風貌をした姿が海外にもウケるのでは?という意見があがったのです。残念ながら実現することはありませんでしたが、「マツケンサンバⅡ」のMVには「やっぱり最高!」「海外の人にも聞いてもらいたかった」といったコメントが寄せられています。
マツケンサンバの再ブレイクによって、東京ではコラボカフェが開催され、仙台では水族館がマツケンサンバとコラボするなど、様々な層にマツケンサンバの人気が広まりました。
「マツケンサンバ」シリーズ
現在、マツケンサンバは英語歌詞や阿波踊りバージョンなど、様々なシリーズが制作されています。また、ももいろクローバーZとのコラボや、香取慎吾がオマージュした「カツケンサンバ」など、芸能人たちからも愛されていることが窺えました。
さらにスポーツ界にも進出し、プロ野球の開幕セレモニーや、バスケットのハーフタイムショーといった場面にもマツケンサンバが使用されました。
大河ドラマ常連
松平健は大河ドラマにも多数出演しており、北条義時や柴田勝家など様々な歴史上の人物を演じてきました。特に「鎌倉殿の13人」で演じた平清盛は、松平健が以前、他局で同じ役柄を演じていたこともあり、キャスト発表時から話題になったほど。
また、他の大河ドラマや時代劇で、松平健が演じた登場人物を別なキャストが演じることも多く、視聴者はどちらの演技が良かったと議論を重ねる現象も…。それぞれに良さがあり、比べるべきでないことはわかっていても、どうしても比較してしまうもの。周囲からの評価にストレスを感じたこともあったでしょう。
しかし、松平健は自分にしか表現できない演技を貫き「大河ドラマの常連」と言われるほど数々の作品に出演、その存在感を見せつけました。