アニメ『WIND BREAKER』OP・ED主題歌一覧

アニメ『WIND BREAKER』OP・ED主題歌一覧

不良たちの横暴に怯える街の人々を守るのは、選ばれし不良たち。つまりある意味では、街の人々を困らせている悪漢と同類であるという、王道と斬新さがうまく組み合わさった設定で話題のアニメ『WIND BREAKER』

今回は、胸が熱くなるような展開と個性的なキャラクターの魅力で多くのファンを惹きつけるこの作品の魅力と、作品のイメージにマッチした主題歌を紹介します。

アニメ『WIND BREAKER』とは?

にいさとるによるこの作品はもともと、講談社が運営するサイト・マガジンポケットで2021年1月13日より連載がスタートし、単行本は講談社コミックスのレーベルから、2024年5月の時点で17巻まで刊行されています。

2023年9月時点で、単行本の累計販売部数は260万部を突破し、読者の熱烈な支持に応える形で2024年4月よりTVアニメが放送されています。

MEMO

アニメーションの制作はCloverWorksが担当。

最近では、『SPY×FAMILY』『青春ブタ野郎』シリーズ、『ぼっち・ざ・ろっく!』、『その着せ替え人形は恋をする』、さらには公開中の映画『トラペジウム』など、ヒット作や話題作を数多く世に送り出している気鋭のスタジオ

CloverWorksの母体は、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』などのヒット作を世に送り出した、A-1 Picturesの高円寺スタジオ2018年4月1日より名称をCloverWorksと改称し、分社化したものです。

あらすじ・登場人物

偏差値は地元で最底辺、それでも喧嘩では最強と謳われる風鈴高校に入学し、校内で文字通り喧嘩を極め、頂点に立つことを目標とする主人公の桜遥。校内ではとてつもない荒くれ者ばかりが肩で風を切って歩き、さぞ地元で恐れられているのだろうという桜の予想は、思わぬ形で外れることになります。

確かに、風鈴高校は腕っ節に自信のある不良たちが集まる場所でした。しかしそれは決して悪い意味ではなく、彼らは「防風鈴(ボウフウリン)」の異名を取り、風鈴商店街を中心に地元で悪さをする不良たちから、街の人々を守っていたのです

風鈴高校にやってくるまでは理解者や味方がおらず、心に人知れぬ傷を抱え、どこか他人を拒絶するような考え方すら持ち合わせていた桜にとって、ボウフウリンとの出会いはまさに衝撃的と言えるものでした。

誰かを傷つけるために暴力を振るうのではなく、大切な誰かを守るため、地元で縦横無尽に暴れ回る。そんなボウフウリンの生き様に感銘を受けた桜は、言い知れぬコンプレックスや孤独を抱えながらも、少しずつ成長していきます。

本作には、主人公の桜遥をはじめ、不良に絡まれていたところを彼に助けられたことをきっかけに、街の外からやって来た桜に対して様々なアドバイスを伝えるヒロイン・橘ことはなど、魅力あるキャラクターが多数登場します。

街を守るボウフウリンにしても、単に不良であるというだけでなく情に厚く個性が強い魅力的な顔ぶれが集まり、情熱がたぎるような物語に花を添えています。

MEMO

本作の主人公・桜を演じるのは、『アイドルマスター SideM』の桜庭薫役『呪術廻戦』伏黒恵役、さらには『りゅうおうのおしごと!』九頭竜八一役などで知られる内田雄馬。同じく人気声優である実姉内田真礼とともに多くのファンを持ち、主役から脇役まで自在にこなす演技力の高さは圧巻です。

また、ヒロインの橘ことはを演じるのは、『ぼっち・ざ・ろっく!』の喜多郁代役『86-エイティシックス-』のヴラディレーナ・ミリーゼ役などで知られる長谷川育美第18回 声優アワードにて歌唱賞を受賞するなど、キャラクターとしての演技だけでなく歌唱力でも高い評価を獲得しています

アニメ『WIND BREAKER』OP・ED主題歌

絶対零度 / なとり

OP主題歌を担当するのは、シンガーソングライターのなとり。彼にとって「絶対零度」は初めて発表されたCDシングル曲ということになりますが、配信限定シングルを含めると、記念すべきデビュー曲は2022年9月7日に発表された「Overdose」です。

この楽曲はもともと、2022年5月14日にTikTokへ投稿された1本のショート動画がルーツで、同年9月7日に満を持して同曲のフルバージョンがリリースされたことで、蠱惑的な楽曲の全貌が明らかになりました。

「Overdose」は、2022年9月27日付のLINE MUSICウィークリーランキング上で1位を獲得するなど、ストリーミングチャートの界隈で注目度が急上昇し、同年12月、ついにはストリーミング累計再生回数が1億回を突破。翌年3月には人気アーティストのAdoによってカバーされるなど現在でもその勢いは衰えることなく、破竹の勢いで再生回数を伸ばしています。

一方で、今回紹介する「絶対零度」は、ストリーミングチャートの世界で注目を集めてきたなとりにとって転機とも言えるCDシングル曲であり、アニメの世界観にマッチした心地よいアップテンポの曲調が印象的です。

サビの部分では「全部、燃やし尽くして 絶対零度」という、一見して矛盾をはらんだような歌詞が綴られています。人によって解釈の違いはあるでしょうが、まるで、大切な人を守るために命や魂を燃やし尽くしても、ハートは常に冷静でいたいという桜たちの思いが伝わってくるようで、不思議なほどグッと惹きつけられます。

YouTubeでは、なとりによるフルサイズのMVのほかに、CloverWorksのスタッフが手掛けたノンクレジット版のアニメーションMVも公開されています。

ノンクレジットOP主題歌の映像をチェックすると、とあるカットに作品のタイトルである『WIND BREAKER』とリンクするようなおしゃれな演出があるほか、スピード感のあるアクションシーンの一端を堪能できます。

2021年5月にTikTokの世界で産声を上げ、エモーショナルかつ力強い音楽性を武器に、若い世代を中心に多くのファンの心をわしづかみにしているなとり。

2023年12月20日にはついに自身初となるアルバム「劇場」を発売し、大きな反響を得たことにとどまらず、翌2024年3月29日にはZepp Haneda (TOKYO)で、4月5日にZepp Osaka Baysideで初となるワンマンライブを成功に導きました

自身が表現したい音楽性を妥協せずに突き詰め、TikTok出身のアーティストとしての魂をファンに届けているようにも見受けられるなとり。今後、彼がどのような道を突き進み、さらなる進化を続けていくのか、ファンならずとも注目です。

無敵 / Young Kee

各話ごとに物語の引きが工夫されている中で、高まった視聴者のボルテージに共鳴するように流れるED主題歌は、シンガーソングライターのYoung Keeによる「無敵」

楽曲のタイトルとは裏腹に、「嫌だよ近付くな 分かってるって顔して」をはじめ、いたる所にちりばめられたフレーズから、決して無敵なだけではない主人公の桜遥が抱える動揺や強い決意など生々しい心境が痛切に歌われているような印象を受けます。

確かに腕っ節には自信があるものの、自身の生き様について悩みもあり、人知れずコンプレックスを抱えている桜。作中でとある人物から指摘される通り、誰にも頼らずあくまで独りで生きようともがいている桜ですが、物語の進行とともに様々な人物から影響を受け、少しずつ変化していきます。

桜の心境の変化に視聴者も感情移入できるからこそ、物語の進行とともに楽曲から受ける印象が少しずつ変わっていくことも、重要な聴き所です。

Young KeeによるED主題歌「無敵」についても、OP主題歌と同じようにノンクレジット版のアニメーションMVが公開されています。

きらびやかな光と影のコントラストの中で、桜をはじめとするメインキャラクターたちの表情が、時にシリアスに、あるいはコミカルに切り取られ、次のエピソードへと続いていく物語に様々な期待を抱かせるような素敵な演出は必見です。

2021年8月にシンガーソングライターとして活動を開始したYoung Keeは、J-POPや洋楽を自身のルーツとしながら、既存のジャンルの枠組みには囚われない唯一無二のメロディーセンスを発揮し、21世紀生まれの気鋭として注目を集めています。どこかほろ苦く、一方で甘く染みわたるような歌声には、ハマってしまえば抜け出せない深い沼のような魅力があります。

なかなか真似できないユニークな音楽性、ジェンダーレスなビジュアルと歌声、さらには独特の物語を描き出すリリックと、どれをとっても欠かすことのできない魅力が見事に溶け合い、Young Keeならではと言える世界観を構成しています。

今後もさらに多くのファンを虜にし、活躍の場を広げていくであろう彼女の活躍は必見です。

アニメ『WIND BREAKER』まとめ

喧嘩しか取り柄のないド底辺の嫌われ者が、かけがえのない仲間たちとの出会いを通して、やがて街のヒーローになる物語。シンプルでテンポの良い構成の中に、桜をはじめとする様々なキャラクターの熱さや個性に彩られた独特の魅力があります。

原作においても、臨場感のあるカメラワークで描かれる喧嘩のシーンは非常に読み応えがありますが、満を持してアニメ化されたことで、さながら格闘ゲームのようなアクションシーンの格好良さや目まぐるしさが、より際だって演出されています。

キャラクターの主観に近い視点と客観的な視点が巧みに入り交じる、手に汗握る喧嘩のシーンは必見。さらに、重厚かつややコミカルな物語の魅力を引き立てるのは、すでに紹介した若きシンガーソングライターが綴るエモーショナルな楽曲。

2024年5月現在、TVアニメは好評放送中ですが、原作は17巻まで刊行(2024年5月現在)されており、続編を制作するにあたってストックは十分にあると考えられます。ファンからの好評を受けてTVアニメの第2期は制作されるのでしょうか。今後の展開からますます目が離せません。

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