誰もが当たり前のように魔法を使いこなし、魔力や魔法を操る技量が個人の優劣を決めてしまう魔法界。この世界においてなんとも珍しい、魔法が使えない少年・マッシュ・バーンデッドを主人公に据え、他作品からのパロディーを含めたシュールなギャグと、胸が熱くなるバトルやアクションを見事に融合させた傑作ハイファンタジー『マッシュル-MASHLE-』。
今回は、アブノーマルなハイファンタジーとして多くのファンを獲得しているアニメ『マッシュル-MASHLE-』の魅力とともに、物語に面白さや可愛さなどをプラスするOPとEDの主題歌をご紹介していきます。
目次
アニメ『マッシュル-MASHLE-』とは?
アニメ『マッシュル-MASHLE-』の原作は、集英社の週刊少年ジャンプ誌上で2020年9号から2023年31号(2020年1月27日から2023年7月3日)まで連載していた、甲本一による同名の漫画作品。
2024年5月現在、本編は全162話、およびコミックスは全18巻ですでに完結済みですが、TVアニメ第2期の放送を記念して、本編とは別に番外編が描き下ろされるなど、作者の旺盛な創作意欲はとどまるところを知りません。
かけがえのない家族である義父・レグロとの平穏な暮らしを守るため、実は魔法が使えないという衝撃の事実を隠してイーストン魔法学校に通うマッシュ。学内で最も優秀とされる生徒に贈られる称号・神覚者を目指し、魔法ではなく鍛え抜かれた肉体を武器に奮闘する彼の姿は多くのファンを魅了し、物語の世界は、漫画やTVアニメ、さらには舞台など様々なメディアに広がっています。
筋肉×魔法という、一見、相反する二つの要素を見事にミックスして、シュールとも表現しうる独特な世界観を作り上げ、単行本の世界発行部数は2024年3月時点で1000万部を突破するなど、国内外を問わず多くの読者を魅了し続けています。
TVアニメの制作はA-1 Picturesが担当し、2023年4月8日から7月1日にかけて放送された第1期、そして2024年1月6日から3月30日にかけて放送された第2期に続き、ファンからの好評を受けて続編の制作もすでに発表されています。
TVアニメの制作を担当したA-1 Picturesは、これまで『ソードアート・オンライン』シリーズや、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』シリーズ、そして『リコリス・リコイル』など、ヒット作を次々と生み出している注目のスタジオ。
アニプレックスの完全子会社であることから掲げられる「Aniplex」、事業の根幹である「Animation」、スタジオを構える地名に由来する「Asagaya」という3つの言葉をうまく掛け合わせているだけでなく、「アニメーションで1番になりたい」という強い決意が込められた社名の通り、長きにわたって魅力のある作品を精力的に生み出し続けています。
あらすじ・登場人物
誰もが日常的に魔法を使いこなす魔法界において、人里離れた森の中で、唯一の家族である義父のレグロとともにまるで人目を逃れるようにひっそりと暮らす少年・マッシュ。彼はどういうわけか、魔法とはおおよそ関係がなさそうな筋トレに励み、自身では魔法を使うそぶりさえ見せません。
ある日マッシュは、決して1人で街へ行かないようにというレグロの言いつけを破り、大好物のシュークリームを求めて街へ向かうのですが、一見すると些細なこの行動が、予想だにしないような大騒動へとつながっていきます。
なぜ彼は、人目を逃れるように森の中で日々、筋トレに励んでいるのか。さらに義父のレグロから、1人で街へ向かうことを禁じられていたのはなぜなのか。小さな謎の集まりが少しずつ明らかになるにつれ、物語の面白さがどんどん加速していきます。
やがて、とある事情から名門魔法学校であるイーストン魔法学校への入学を決意したマッシュは、鍛え抜かれた肉体を武器に、立ちはだかる様々な困難を「グーパン」で乗り越えていきます。
アニメ『マッシュル-MASHLE-』には、マッシュルームヘアがトレードマークの主人公のマッシュ・バーンデッドをはじめ、作中のとあるシーンでマッシュに助けられたことをきっかけに、彼のことを将来のお婿さんとして激しく意識するようになるヒロインのレモン・アーヴィン、さらには、マッシュにとって初めての友人である魔法学校の寮友・フィン・エイムズなど、個性豊かなキャラクターが多数登場します。
魔法がごく当たり前に存在している世界で、一切の魔力を持たないにもかかわらず並み居る猛者たちと対等に、あるいは対等以上に渡り合っているマッシュの姿には自然と胸が熱くなり、また、あまりにもハチャメチャな彼に振り回されるその他大勢のキャラクターたちには、どこか同情しつつも笑いを禁じ得ません。
本作で主人公のマッシュ・バーンデッドを演じるのは、注目株の若手声優・小林千晃。
『憂国のモリアーティ』のルイス・ジェームズ・モリアーティや、『葬送のフリーレン』のシュタルク、『聖女の魔力は万能です』のテンユウなど、話題のアニメで主要なキャラクターを数多く演じている彼は、シリアスとコミカルを巧みに演じ分ける力量が評価され、『第15回声優アワード』にて、新人男優賞を受賞しています。
さらに、『第7回アニラジアワード』にてBEST CREATIVE RADIO 企画ラジオ賞を受賞するなど、声優としての声のお芝居だけでなく、ラジオパーソナリティーとしての魅力あるキャラクターも親しまれています。
やや思い込みの激しいヒロイン・レモン・アーヴィンを見事に演じているのは、人気声優の上田麗奈。
役に入り込むタイプであるという彼女は、これまで『SSSS.GRIDMAN』の新条アカネ、『わたしの幸せな結婚』の斎森美世、さらには『アイドルマスター ミリオンライブ!』の高坂海美など、話題のアニメで主役級を次々と任され、可愛さと大人っぽさを併せ持つような不思議な声でキャラクターに命を吹き込んでいます。