迷宮(ダンジョン)で妹を魔物(モンスター)に食べられてしまったライオスが妹を救うためにパーティーを組み、魔物を調理して食べて迷宮へと挑むグルメ冒険物語『ダンジョン飯』。
おっかなびっくり魔物を食べるシーンが見どころで、2024年1月から2クール連続で待望のTVアニメが放送を開始しました。“食べることは生きること”や仲間と食事を囲める幸せを伝えるОP・EDテーマ曲を紹介します。
目次
TVアニメ『ダンジョン飯』
概要
2014年から2023年まで漫画雑誌「ハルタ」(KADOKAWA)にて連載された九井諒子の初の長編漫画『ダンジョン飯』(全97話、コミックス全14巻)。主人公・ライオス率いる冒険者一行が、彼の妹を救うため、スライムやドラゴンなどいろいろなモンスターを退治して調理して食べてと、自給自足をしながら迷宮を攻略していく冒険グルメ物語です。
「このマンガがすごい!2016」オトコ編1位、「全国書店員が選んだおすすめコミック2016年度」第1位、「2024 第55回星雲賞」コミック部門などを受賞し、2024年3月時点で累計発行部数は1,400万部を突破。2024年1月から2クール連続でTVアニメが放送を開始しました。
架空のダンジョンの世界を彩る劇伴は、『黒執事シリーズ』などアニメやゲームなど多ジャンルに曲を制作する光田康典が担当しています。中世ヨーロッパの民族音楽のような雰囲気がありながらも、存在する国の音階は極力使っていません。多くの楽器を奏でることで、現実の国を連想させないよう独特の世界観を構築しています。
あらすじ
迷宮(ダンジョン)を攻略中、空腹が原因で妹のファリンをレッドドラゴンに食べられてしまったライオスが主人公。ライオスは新たな仲間とパーティーを組み、妹を救うべく、再びダンジョンへと挑みます。さらにダンジョン飯に詳しいセンシも仲間入りし、スライムやドラゴンなど様々なモンスターを調理して食べて迷宮を攻略していく新感覚の冒険グルメ物語です。
多種多様な魔物たちと同様に、登場人物たちも、人間に近いトールマン、耳が長い長命種族のエルフ、童顔で小柄なハーフフット、背が低く屈強なドワーフなど、種族や武器も異なる人物たちがパーティーを組んでいます。コミカルなシーンも多いですが、「食うか食われるか」の戦いと食事を通じて、死生観も描いています。
ライオス(熊谷健太郎)、マルシル(千本木彩花)、チルチャック(泊明日菜)、センシ(中博史)、ファリン(早見沙織)、ナマリ(三木晶)、シュロー(川田紳司)、カブルー(加藤渉)、リンシャ(高橋李依)、ミックベル(富田美憂)、クロ(奈良徹)、ホルム(広瀬裕也)、ダイア(河村螢)、マイヅル(日笠陽子)、ヒエン(志田有彩)、ベニチドリ(鬼頭明里)、イヌタデ(古谷佳乃)、シスル(小林ゆう)、ミスルン(内山昂輝)、ヤアド(村瀬歩)など。
*( )内は声優名。
作品では、見たことも聞いたこともない“食材(魔物)”が出てきますが、水餃子やタルトなど調理方法も味付けも本格的。最初は食すことを断固拒否していた登場人物たちが、恐る恐る食べて「おいしい!」と感激する落差も物語の醍醐味。
公式サイトをはじめファンも、魔物ではなく実在する食材を使って「実際に魔物飯を作ってみた」と実験するように再現料理を楽しんでいます。
第1クール『ダンジョン飯』OP・ED
OP:「Sleep Walking Orchestra」BUMP OF CHICKEN
第1クールのOPテーマは、連載開始の頃から「早く続きが読みたいと常にやきもきしていた」と言うほど原作ファンのロックバンドBUMP OF CHICKENが書き下ろしています。
藤原基央(Vo/Gt)の温かい歌声が包み込むファンタジーな雰囲気があって、アニメの劇伴のように様々な民族楽器とロックが融合して冒険の躍動感にあふれた楽曲になっています。特に、2番ではピチョピチョと雫が落ちる音がダンジョンを探検している気分を盛り上げてくれます。
歌詞では、喪失と誕生という普遍の営みや、何かに囚われている不安定な気持ちが伝わってきますが、目的がまだ見つからなくても歩き続けていたら、〈探し物が囁くよ〉と必ず“キー”となるものが手招きしてくるはずというメッセージ性があります。
〈どうして体は生きたがるの 心に何を求めているの〉というフレーズには、自分の中に眠っていた本能を目覚めさせるパワーが宿っています。
▼あわせて読みたい!
ED:「Party!!」緑黄色社会
第1クールのEDテーマは、TVアニメ『薬屋のひとりごと』のOPテーマなど数々のドラマやCMとタイアップを務めてきた男女4人組のバンド緑黄色社会が担当しました。
原作漫画を読んだ彼らは「ユニークな食材、緻密なダンジョン設定、登場人物たちの全てに没入した」と語り、ライオス率いるパーティーに仲間入りする気持ちで楽曲を書き下ろしています。
小林壱誓(Gt)と穴見真吾(Ba)が作曲したポップでファンクなサウンドに、長屋晴子(Vo/Gt)の元気いっぱいの歌声が弾み、手拍子やかけ声が飛び交っています。後半には流星のようにピアノが奏でられてノスタルジックな雰囲気も折り込んで、最初から最後までワクワクが止まらない楽曲です。
作詞は小林壱誓(Gt)が担当し、歌詞の〈パーティー〉には「お祝い」と「冒険者一行」の意味をリンクさせ、仲間への愛と感謝を綴っています。フランス語で「いい食事を、どうぞ召し上がれ」を意味する〈ボナペティート!〉で締めくくり、誕生日会や結婚式などパーティーにもってこいの彩りある1曲になっています。
▼あわせて読みたい!